アイネスフウジン（1987年生、母テスコパール）

アイネスフウジン（1987年4月10日）は、日本の競走馬、種牡馬。1989年にJRA賞最優秀2歳牡馬、1990年にJRA賞最優秀3歳牡馬を受賞した。毛色は黒鹿毛。種牡馬のシーホーク（当時24歳）と交配したテスコパールが12歳のときに産んだ仔が本馬である。産地は北海道浦河郡荻伏村、生産者は中村幸廣。戦績は、中央平地8戦4勝2着3回。1990年の日本ダービー（東京優駿）(G1)に勝利した他、1989年の朝日杯3歳ステークス(G1)を制するなど、G1級競走2勝を含む重賞3勝を挙げた。

経歴

デビュー前

加藤修甫厩舎（美浦）へ入厩。

2歳（1989年）

9月10日、デビュー戦は中野栄治騎手を鞍上に据えて、3歳新馬（中山芝1600m 外回り晴/良）に出走。馬体重は504kg。11頭立ての2番人気に推されて8番ゲートからスタート。やや厳しいペースでレースが進む中、終始2番手を追走。直線では矢のような伸び脚で追い上げたが、勝ったフジミワイメアに詰め切れず、5馬身差の2着に敗北した。

9月23日、中1週で迎えた2戦目は、3歳新馬（中山芝1600m 外回り曇/重）に出走。鞍上は2戦連続で中野栄治騎手（1戦0勝）。8頭立ての圧倒的1番人気に推されて4番ゲートからスタート。ミドルペースでレースが進む中、2番手を追走し、4コーナーは先頭で通過。直線では卓出した伸び脚で驀進したが、カネショウナイトにクビ差交わされて2着に甘んじた。

10月22日、中3週で迎えた3戦目は、3歳未勝利（東京芝1600m 晴/良）に出走。鞍上は3戦連続で中野栄治騎手（2戦0勝）。8頭立ての圧倒的1番人気に推されて1番ゲートからスタート。端を奪う恰好となり、平均的なペースで集団を牽引。先頭のまま1馬身のリードを保って4コーナーを通過。直線では息長く末脚を伸ばして先頭を奪い、最後は2着のタイフウオーザに1馬身3/4の差をつけて未勝利勝ちを決めた。

12月17日、中7週で迎えた4戦目は、2歳G1の朝日杯3歳ステークス（中山芝1600m 外回り晴/良）に出走。G1級競走への出走は初となった。鞍上は4戦連続で中野栄治騎手（3戦1勝）。15頭立ての5番人気で8番ゲートからスタート。ハイペースでレースが進む中、4番手を追走していたが、道中でジワリジワリとポジションを押し上げて4コーナーを2番手で通過。直線に入ると、前で粘るサクラサエズリを交わし去り、最後は2馬身半の差をつけてG1初挑戦初制覇を達成した。

3歳（1990年）

2月11日、中7週で迎えた5戦目は、3歳G3の共同通信杯4歳ステークス（東京芝1800m 小雨/良）に出走。鞍上は5戦連続で中野栄治騎手（4戦2勝）。8頭立ての1番人気に推されて1番ゲートからスタート。敢然と先頭に立ち、落ち着いたペースでレースを引っ張る。先頭のまま1馬身のリードを保って4コーナーを通過。直線では豪快な末脚を炸裂させてすんなりと抜け出し、最後は2着のワイルドファイアーに3馬身の差をつけて3連勝で2つ目の重賞タイトルを掴み取った。

3月4日、中2週で迎えた6戦目は、3歳G2の弥生賞（中山芝2000m 晴/不良）に出走。鞍上は6戦連続で中野栄治騎手（5戦3勝）。14頭立ての1番人気に推されて8番ゲートからスタート。ハナを奪う形となり、厳しいペースで馬群を先導。先頭のまま半馬身のリードを保って4コーナーを通過。直線ではあとひと押しが利かず、4着に終わった。

4月15日、中5週で迎えた7戦目は、3歳G1の皐月賞（中山芝2000m 曇/良）に出走。鞍上は7戦連続で中野栄治騎手（6戦3勝）。18頭立ての1番人気に推されて2番ゲートからスタート。平均的なペースでレースが進む中、2番手を追走し、4コーナーは先頭で通過。直線では勝負根性が光る走りを見せたが、ハクタイセイにクビ差交わされて2着に甘んじた。

5月27日、中5週で迎えた8戦目は、3歳G1の日本ダービー（東京優駿）（東京芝2400m 晴/良）に出走。鞍上は8戦連続で中野栄治騎手（7戦3勝）。22頭立ての3番人気に推されて12番ゲートからスタート。逃げを打つ形となり、後続との差を2馬身以上キープして、平均ペースで馬群を引っ張る。先頭のまま1馬身のリードを保って4コーナーを通過。直線では生得の持久力で渋太く末脚を持続させて、最後は2着のメジロライアンに1馬身1/4の差をつけてダービー馬の称号を奪取した。