グラッブユアハート（2000年生、母Kelly Amber）

グラッブユアハート（2000年4月30日）は、アメリカ合衆国で生まれ、日本で調教された競走馬、繁殖牝馬。馬名の意味は「あなたの心をわしづかみする」。毛色は鹿毛。種牡馬のDeputy Commander（当時6歳）と交配したKelly Amberが13歳のときに産んだ仔が本馬である。戦績は、中央平地8戦3勝2着1回、地方20戦5勝2着6回。2005年の白山大賞典(G3)に勝利した他、2004年、2005年とエンプレス杯(牝G2)で2回2着に入るなど、重賞5勝を挙げた。

経歴

デビュー前

畠山吉宏厩舎（美浦）へ入厩。

3歳（2003年）

1月5日、デビュー戦はD.バルジュー騎手を鞍上に据えて、3歳新馬（中山ダート1800m 晴/重）に出走。馬体重は456kg。16頭立ての3番人気に推されて15番ゲートからスタート。極端なスローペースでレースが進む中、10番手を追走していたが、道中でジワリジワリとポジションを押し上げて4コーナーを7番手で通過。直線に入ると、前で粘るベガスナイトを凄まじい末脚でアタマ差だけ差し切って初勝利を挙げた。

3月22日、約2か月半の間隔を開けて迎えた2戦目は、北村宏司騎手を鞍上に迎えて、牝馬限定3歳G3のフラワーカップ（中山芝1800m 曇/良）に出走。芝レース及び重賞競走への出走は初となった。16頭立ての10番人気で11番ゲートからスタート。ミドルペースでレースが進む中、14番手を追走していたが、途中でジワリジワリとポジションが下がり4コーナーを16番手で通過。直線ではスパッと切れる脚を使えず15着に終わった。

6月28日、約3か月半の休養明けで迎えた3戦目は、3歳以上500万下の檜山特別（函館ダート1700m 曇/良）に出走。鞍上は2戦連続で北村宏司騎手（1戦0勝）。12頭立ての7番人気で5番ゲートからスタート。少し緩いペースでレースが進む中、6番手を追走し、4コーナーは7番手で通過。直線では天稟の負けじ心を発揮してゴールまで力走し、4着に入り込んだ。

8月2日、中4週で迎えた4戦目は、3歳以上500万下の柏崎特別（新潟ダート1800m 晴/良）に出走。長時間の輸送競馬は初となった。鞍上は3戦連続で北村宏司騎手（2戦0勝）。13頭立ての1番人気に推されて2番ゲートからスタート。やや遅いペースでレースが進む中、6番手を追走していたが、途中で一気に進出して4コーナーを2番手で通過。直線では次元の違う末脚を炸裂させて突き抜け、最後は2着のエイシンコーリンガに6馬身の差をつけて2勝目を手にした。

9月2日、中3週で迎えた5戦目は、3歳G3のサラブレッドチャレンジカップ（金沢ダート2000m 晴/稍重）に出走。鞍上は4戦連続で北村宏司騎手（3戦1勝）。11頭立ての3番人気で6番ゲートからスタート。でレースが進む中、6番手を追走していたが、徐々に進出して4コーナーを4番手で通過。直線では切れ味光る末脚を披露したが、3着に終わった。

9月28日、中3週で迎えた6戦目は、柴田善臣騎手を鞍上に迎えて、ハンデ戦で3歳以上1000万下の利根川特別（中山ダート1800m 晴/良）に出走。16頭立ての1番人気に推されて2番ゲートからスタート。少々速いペースでレースが進む中、8番手を追走していたが、途中でジワリジワリとポジションが下がり4コーナーを11番手で通過。直線ではしぶとく脚を使って伸び続けたが、勝ったジェイケイガバナーに詰め切れず、1馬身3/4差の2着に敗北した。

12月20日、約3か月の間隔を開けて迎えた7戦目は、O.ペリエ騎手を鞍上に迎えて、3歳以上1000万下（中山ダート1800m 晴/良）に出走。16頭立ての1番人気に推されて3番ゲートからスタート。平均的なペースでレースが進む中、3番手を追走し、4コーナーは2番手で通過。直線に入ると、前で粘るライトアップジーンを自慢の末脚で交わし去り、最後は2馬身半の差をつけてファンの期待に応えた。

4歳（2004年）

1月21日、中4週で迎えた8戦目は、内田博幸騎手を鞍上に迎えて、牝馬限定G3のTCK女王盃（大井ダート1800m 曇/良）に出走。13頭立ての1番人気に推されて1番ゲートからスタート。かなりのスローペースでレースが進む中、3番手を追走し、4コーナーは4番手で通過。直線ではビュッと切れる脚で追い上げたが、勝ったレマーズガールに詰め切れず、1馬身半差の2着に敗北した。

2月26日、中4週で迎えた9戦目は、安藤勝己騎手を鞍上に迎えて、牝馬限定G2のエンプレス杯（川崎ダート2100m 晴/良）に出走。14頭立ての3番人気に推されて8番ゲートからスタート。少し遅いペースでレースが進む中、2番手を追走し、4コーナーは先頭で通過。直線では目覚ましい伸び脚で驀進したが、レマーズガールに交わされて1馬身差の2着に敗北した。

4月14日、中6週で馬体重を前走から16kg増やして迎えた10戦目は、牝馬限定G3のマリーンカップ（船橋ダート1600m 曇/良）に出走。鞍上は2戦連続で安藤勝己騎手（1戦0勝）。12頭立ての2番人気に推されて3番ゲートからスタート。緩いペースでレースが進む中、2番手を追走し、4コーナーは先頭で通過。直線では決め手が足りず、3着に終わった。

7月20日、約3か月の休養明けで迎えた11戦目は、牝馬限定G3のスパーキングレディーカップ（川崎ダート1600m 晴/良）に出走。鞍上は3戦連続で安藤勝己騎手（2戦0勝）。14頭立ての3番人気に推されて6番ゲートからスタート。やや遅いペースでレースが進む中、11番手を追走していたが、途中で一気に進出して4コーナーを6番手で通過。直線では鮮烈な末脚を爆発させて先頭をうかがい、最後は2着のレマーズガールを3/4馬身振り切って待望の重賞初制覇を果たした。

10月17日、約3か月の間隔を開けて迎えた12戦目は、角田晃一騎手を鞍上に迎えて、牝馬限定G3の府中牝馬ステークス（東京芝1800m 晴/良）に出走。16頭立ての14番人気で4番ゲートからスタート。平均ペースでレースが進む中、終始7番手を追走。最後は一杯になって最後はマイネヌーヴェルと並んで14着同着となった。

12月15日、中7週で迎えた13戦目は、牝馬限定G3のクイーン賞（船橋ダート1800m 曇/良）に出走。鞍上は安藤勝己騎手（3戦1勝）。14頭立ての1番人気に推されて9番ゲートからスタート。少し緩いペースでレースが進む中、8番手を追走していたが、道中でジワリジワリとポジションを押し上げて4コーナーを6番手で通過。直線では矢のような伸び脚で猛追したが、抜け出したレマーズガールに半馬身届かず2着に敗北した。

5歳（2005年）

1月19日、中4週で迎えた14戦目は、牝馬限定G3のTCK女王盃（大井ダート1800m 晴/良）に出走。鞍上は2戦連続で安藤勝己騎手（4戦1勝）。14頭立ての1番人気に推されて13番ゲートからスタート。若干緩いペースでレースが進む中、13番手を追走していたが、途中で一気に進出して4コーナーを5番手で通過。直線では天稟の闘争本能でゴールまで力走したが、5着に終わった。

2月9日、中2週で迎えた15戦目は、牝馬限定G2のエンプレス杯（川崎ダート2100m 曇/稍重）に出走。鞍上は3戦連続で安藤勝己騎手（5戦1勝）。12頭立ての3番人気に推されて10番ゲートからスタート。かなりのスローペースでレースが進む中、7番手を追走し、4コーナーは6番手で通過。直線ではスパッと切れる脚で猛追したが、抜け出したプルザトリガーを捕まえ切れず、半馬身差の2着に敗北した。

3月6日、中3週で迎えた16戦目は、柴山雄一騎手を鞍上に迎えて、ハンデ戦でオープンの仁川ステークス（阪神ダート1800m 晴/良）に出走。16頭立ての11番人気で12番ゲートからスタート。ややハイペースでレースが進む中、11番手を追走していたが、途中でジワリジワリとポジションが下がり4コーナーを14番手で通過。直線では上がり2位の末脚を繰り出したが上位争いには絡めず8着に終わった。

6月1日、約3か月の間隔を開けて迎えた17戦目は、牝馬限定G3のマリーンカップ（船橋ダート1600m 晴/重）に出走。鞍上は安藤勝己騎手（6戦1勝）。11頭立ての4番人気で7番ゲートからスタート。ユッタリとしたペースでレースが進む中、終始5番手を追走。直線では矢のような伸び脚で追い上げたが、抜け出したトーセンジョウオーにクビ差届かず2着に惜敗した。

7月6日、中4週で迎えた18戦目は、牝馬限定G3のスパーキングレディーカップ（川崎ダート1600m 曇/不良）に出走。鞍上は2戦連続で安藤勝己騎手（7戦1勝）。14頭立ての1番人気に推されて12番ゲートからスタート。ややスローペースでレースが進む中、5番手を追走し、4コーナーは4番手で通過。直線では力強い脚運びでゴールまで頑張ったが、3着に終わった。

10月4日、約3か月の休養明けで迎えた19戦目は、G3の白山大賞典（金沢ダート2100m 雨/不良）に出走。鞍上は3戦連続で安藤勝己騎手（8戦1勝）。11頭立ての3番人気で大外11番ゲートからスタート。でレースが進む中、2番手を追走し、4コーナーは先頭で通過。直線では、そのまま渾身の走りで粘り込んで、最後は2着のハードクリスタルに1馬身の差をつけて2つ目の重賞タイトルを手にした。

12月15日、中9週で迎えた20戦目は、牝馬限定G3のクイーン賞（船橋ダート1800m 晴/良）に出走。鞍上は4戦連続で安藤勝己騎手（9戦2勝）。11頭立ての1番人気に推されて6番ゲートからスタート。ミドルペースでレースが進む中、4番手を追走していたが、徐々に進出して4コーナーを先頭で通過。直線では次元の違う末脚を炸裂させて突き抜け、最後は2着のクインオブクインに約10馬身の大差をつけて3つ目の重賞タイトルを獲得した。

6歳（2006年）

1月18日、中4週で迎えた21戦目は、牝馬限定G3のTCK女王盃（大井ダート1800m 曇/稍重）に出走。鞍上は5戦連続で安藤勝己騎手（10戦3勝）。14頭立ての1番人気に推されて2番ゲートからスタート。敢然と先頭に立ち、ややスローペースでレースを引っ張る。先頭のまま1馬身のリードを保って4コーナーを通過。直線では一歩一歩着実に末脚を伸ばして、最後は2着のレマーズガールを3/4馬身振り切って3連勝で4つ目の重賞タイトルを掴み取った。

2月22日、中4週で迎えた22戦目は、牝馬限定G2のエンプレス杯（川崎ダート2100m 晴/重）に出走。鞍上は6戦連続で安藤勝己騎手（11戦4勝）。13頭立ての1番人気に推されて12番ゲートからスタート。落ち着いたペースでレースが進む中、9番手を追走していたが、途中で一気に進出して4コーナーを4番手で通過。直線ではゴールまでじわりじわりと伸びたが、4着に終わった。

4月5日、中5週で迎えた23戦目は、牝馬限定G3のマリーンカップ（船橋ダート1600m 雨/不良）に出走。鞍上は7戦連続で安藤勝己騎手（12戦4勝）。14頭立ての1番人気に推されて10番ゲートからスタート。ミドルペースでレースが進む中、8番手を追走していたが、徐々に進出して4コーナーを5番手で通過。直線では驚異的な末脚を炸裂させて先頭に立ち、最後は2着のジーナフォンテンを半馬身振り切って5つ目の重賞タイトルを掴み取った。

7月5日、約3か月の休養明けで迎えた24戦目は、牝馬限定G3のスパーキングレディーカップ（川崎ダート1600m 雨/不良）に出走。鞍上は8戦連続で安藤勝己騎手（13戦5勝）。14頭立ての1番人気に推されて9番ゲートからスタート。平均ペースでレースが進む中、終始13番手を追走。直線では上がり3位の末脚を見せたが上位には届かず7着に敗れた。

7月17日、中1週で迎えた25戦目は、G3のマーキュリーカップ（盛岡ダート2000m 曇/良）に出走。鞍上は9戦連続で安藤勝己騎手（14戦5勝）。14頭立ての2番人気に推されて12番ゲートからスタート。でレースが進む中、4番手を追走していたが、道中でジワリジワリとポジションを押し上げて4コーナーを2番手で通過。直線では持ち前の優れたスタミナでしぶとく走り抜いたが、勝ったクーリンガーにねじ伏せられて2馬身半差の2着に敗北した。

10月10日、約3か月の間隔を開けて迎えた26戦目は、G3の白山大賞典（金沢ダート2100m 晴/良）に出走。鞍上は10戦連続で安藤勝己騎手（15戦5勝）。11頭立ての1番人気に推されて3番ゲートからスタート。他馬と併走しながら先頭に立ち、でレースを引っ張る。しかし、徐々にポジションが下がり4コーナーを3番手で通過。直線では脚勢がやや衰え、4着に終わった。

11月22日、中5週で迎えた27戦目は、G2の彩の国浦和記念（浦和ダート2000m 晴/重）に出走。鞍上は11戦連続で安藤勝己騎手（16戦5勝）。11頭立ての3番人気で5番ゲートからスタート。超スローペースでレースが進む中、3番手を追走し、4コーナーは4番手で通過。直線では天稟の敢闘精神でゴールまで力走したが、4着に終わった。

12月6日、中1週で迎えた28戦目は、牝馬限定のハンデG3のクイーン賞（船橋ダート1800m 晴/稍重）に牝馬ながら57kgの斤量を背負って出走。鞍上は12戦連続で安藤勝己騎手（17戦5勝）。14頭立ての3番人気に推されて9番ゲートからスタート。やや遅いペースでレースが進む中、7番手を追走していたが、徐々にポジションが下がり4コーナーを10番手で通過。直線では末脚が冴えず8着に敗れた。