アグネスワールド（1995年生、母Mysteries）

アグネスワールド（1995年4月28日）は、アメリカ合衆国で生まれ、日本で調教された競走馬、種牡馬。毛色は黒鹿毛。種牡馬のDanzig（当時18歳）と交配したMysteriesが10歳のときに産んだ仔が本馬である。戦績は、中央平地15戦5勝2着5回、地方1戦1勝、海外4戦2勝。2000年のジュライカップステークス(英・G1)に勝利した他、1999年のアベイ・ド・ロンシャン賞(仏・G1)を制するなど、G1級競走2勝を含む重賞5勝を挙げた。

経歴

デビュー前

森秀行厩舎（栗東）へ入厩。

2歳（1997年）

6月7日、デビュー戦は武豊騎手を鞍上に据えて、3歳新馬（函館芝1200m 曇/良）に出走。馬体重は470kg。7頭立ての1番人気に推されて7番ゲートからスタート。平均ペースでレースが進む中、4番手を追走していたが、途中で一気に進出して4コーナーを先頭で通過。直線では次元の違う末脚を炸裂させて突き抜け、最後は2着のマイネルクラシックに5馬身の差をつけて初勝利を挙げた。

7月27日、中6週で迎えた2戦目は、2歳G3の函館3歳ステークス（函館芝1200m 晴/良）に出走。重賞競走への出走は初となった。鞍上は2戦連続で武豊騎手（1戦1勝）。10頭立ての2番人気に推されて7番ゲートからスタート。若干速いペースでレースが進む中、終始2番手を追走。直線に入ると、前で粘るサラトガビューティを次元の違う末脚で交わし去り、最後は1馬身3/4の差をつけて重賞初挑戦初制覇を達成した。

12月7日、約4か月半の休養明けで馬体重を前走から26kg増やして迎えた3戦目は、2歳G1の朝日杯3歳ステークス（中山芝1600m 外回り曇/良）に出走。G1級競走への出走及び長時間の輸送競馬は初となった。鞍上は3戦連続で武豊騎手（2戦2勝）。15頭立ての3番人気に推されて2番ゲートからスタート。やや厳しいペースでレースが進む中、5番手を追走していたが、途中でジワリジワリとポジションが下がり4コーナーを7番手で通過。直線では力感溢れる脚運びでゴールまで頑張ったが、4着に終わった。

12月29日、中2週で迎えた4戦目は、2歳G2の全日本3歳優駿（川崎ダート1600m 晴/良）に出走。ダート戦への出走及び長時間の輸送競馬は初となった。鞍上は4戦連続で武豊騎手（3戦2勝）。11頭立ての1番人気に推されて6番ゲートからスタート。最後は、2着のインテリパワーに2馬身半の差をつけて2つ目の重賞タイトルをつかんだ。

3歳（1998年）

1月18日、中2週で迎えた5戦目は、3歳G3のシンザン記念（京都芝1600m 外回り雨/不良）に出走。鞍上は5戦連続で武豊騎手（4戦3勝）。15頭立ての圧倒的1番人気に推されて5番ゲートからスタート。やや速いペースでレースが進む中、2番手を追走し、4コーナーは先頭で通過。直線では持ち味の豊富なスタミナで最後まで奮闘したが、ダンツシリウスに交わされて5馬身差の2着に敗北した。

4歳（1999年）

1月10日、約12か月の休養明けで馬体重を前走から24kg増やして迎えた6戦目は、横山典弘騎手を鞍上に迎えて、G3のガーネットステークス（中山ダート1200m 晴/良）に出走。16頭立ての8番人気で4番ゲートからスタート。厳しいペースでレースが進む中、11番手を追走し、4コーナーは10番手で通過。直線では上がり4位の末脚を見せたが上位争いには加われず6着に敗れた。

2月21日、中5週で迎えた7戦目は、ハンデ戦でオープンの淀短距離ステークス（京都芝1200m 曇/良）に出走。鞍上は武豊騎手（5戦3勝）。16頭立ての3番人気に推されて15番ゲートからスタート。平均的なペースでレースが進む中、4番手を追走し、4コーナーは5番手で通過。直線では堅実な伸びを見せたが、抜け出したトキオパーフェクトを差し切れず、1馬身差の2着に敗北した。

4月25日、中8週で迎えた8戦目は、G3のシルクロードステークス（京都芝1200m 晴/良）に出走。鞍上は横山典弘騎手（1戦0勝）。14頭立ての3番人気に推されて2番ゲートからスタート。ミドルペースでレースが進む中、終始5番手を追走。直線では持ち前の豊富なスタミナでしぶとく走り抜いたが、勝ったマイネルラヴに詰め切れず、2馬身差の2着に敗北した。

5月23日、中3週で迎えた9戦目は、G1の高松宮記念（中京芝1200m 晴/良）に出走。鞍上は2戦連続で横山典弘騎手（2戦0勝）。16頭立ての2番人気に推されて14番ゲートからスタート。平均ペースでレースが進む中、5番手を追走していたが、途中でジワリジワリとポジションが下がり4コーナーを7番手で通過。直線ではゴールまでじわりじわりと伸びたが、5着に終わった。

6月13日、中2週で迎えた10戦目は、武幸四郎騎手を鞍上に迎えて、G1の安田記念（東京芝1600m 晴/良）に出走。14頭立ての7番人気で3番ゲートからスタート。ハナに立ち、些か速いペースで集団を引っ張る。先頭のまま半馬身のリードを保って4コーナーを通過。最後は脚色が衰えて8着に敗れた。

7月17日、中4週で迎えた11戦目は、北九州短距離ステークス（小倉芝1200m 雨/良）に出走。鞍上は武豊騎手（6戦3勝）。12頭立ての圧倒的1番人気に推されて10番ゲートからスタート。先頭に立ち、タフなペースでレースを引っ張る。先頭のまま1馬身のリードを保って4コーナーを通過。直線では圧倒的な末脚を炸裂させて抜け出し、最後は2着のダイタクカミカゼに4馬身の差をつけて断然人気に応えた。

8月29日、中5週で馬体重を前走から10kg増やして迎えた12戦目は、小牧太騎手を鞍上に迎えて、小倉日経オープン（小倉芝1200m 曇/良）に出走。15頭立ての圧倒的1番人気に推されて4番ゲートからスタート。ハイペースでレースが進む中、終始2番手を追走。直線で前を交わして先頭に立つと、そのまま強靭な粘り腰で持ち堪えて、最後は2着のメイショウアヤメに1馬身の差をつけて断然の支持に応えた。

10月3日、G1のアベイ・ド・ロンシャン賞（フランス・ロンシャン芝1000m）に出走。鞍上は武豊騎手（7戦4勝）。14頭立ての4番人気で9番ゲートからスタート。最後は、2着のImperial Beautyを短クビ差制して3連勝で初のG1タイトルを掴み取った。

11月27日、中7週で迎えた14戦目は、G2のCBC賞（小倉芝1200m 曇/良）に59kgの斤量を背負って出走。鞍上は2戦連続で武豊騎手（8戦5勝）。17頭立ての圧倒的1番人気に推されて10番ゲートからスタート。ハナを取り切り、ややハイペースでレースを牽引。先頭のまま1馬身のリードを保って4コーナーを通過。直線では驚異的な末脚を弾けさせて、最後は2着のマサラッキを半馬身振り切って4連勝で4つ目の重賞タイトルを掴み取った。

12月19日、中2週で迎えた15戦目は、G1のスプリンターズステークス（中山芝1200m 外回り晴/良）に出走。鞍上は3戦連続で武豊騎手（9戦6勝）。16頭立ての1番人気に推されて5番ゲートからスタート。タフなペースでレースが進む中、2番手を追走し、4コーナーは先頭で通過。直線では持ち前のタフネスでしぶとく脚を伸ばしたが、ブラックホークにクビ差交わされて2着に甘んじた。

5歳（2000年）

3月26日、約3か月半の休み明けで迎えた16戦目は、G1の高松宮記念（中京芝1200m 曇/良）に出走。鞍上は4戦連続で武豊騎手（10戦6勝）。17頭立ての2番人気に推されて5番ゲートからスタート。少々速いペースでレースが進む中、終始2番手を追走。直線では末脚を持続できず、3着に終わった。

6月20日、G2のキングズスタンドステークス（イギリス・アスコット芝1006m）に出走。鞍上は5戦連続で武豊騎手（11戦6勝）。23頭立ての8番人気で1番ゲートからスタート。最後は、勝ったNuclear Debateから1馬身半差の2着となった。

7月13日、G1のジュライカップステークス（イギリス・ニューマケット (ジュライコース)芝1207m）に出走。鞍上は6戦連続で武豊騎手（12戦6勝）。10頭立ての1番人気に推されて6番ゲートからスタート。最後は、2着のLincoln Dancerを短アタマ差制して2つ目のG1タイトルを手にした。

10月1日、約2か月半の間隔を開けて迎えた19戦目は、G1のスプリンターズステークス（中山芝1200m 外回り曇/稍重）に出走。鞍上は7戦連続で武豊騎手（13戦7勝）。16頭立ての1番人気に推されて9番ゲートからスタート。非常に速いペースでレースが進む中、終始5番手を追走。直線では持ち味のタフネスで最後まで奮闘したが、抜け出したダイタクヤマトを差し切れず、1馬身1/4差の2着に敗北した。

11月4日、G1のブリーダーズカップ・スプリント（アメリカ合衆国・チャーチルダウンズダート1207m）に出走。鞍上は8戦連続で武豊騎手（14戦7勝）。14頭立ての7番人気で11番ゲートからスタート。8着に敗れた。