オースミタイクーン（1991年生、母Doff the Derby）

オースミタイクーン（1991年3月23日）は、アイルランドで生まれ、日本で調教された競走馬、種牡馬。毛色は鹿毛。種牡馬のラストタイクーン（当時8歳）と交配したDoff the Derbyが11歳のときに産んだ仔が本馬である。戦績は、中央平地31戦10勝2着4回。1997年のマイラーズカップ(G2)に勝利した他、1998年の京王杯スプリングカップ(G2)で2着に入るなど、重賞2勝を挙げた。

経歴

デビュー前

武邦彦厩舎（栗東）へ入厩。

3歳（1994年）

1月9日、デビュー戦は武豊騎手を鞍上に据えて、4歳新馬（阪神芝1600m 晴/良）に出走。馬体重は504kg。13頭立ての圧倒的1番人気に推されて4番ゲートからスタート。やや速いペースでレースが進む中、3番手を追走していたが、道中でジワリジワリとポジションを押し上げて4コーナーを先頭で通過。直線では次元の違う末脚を炸裂させて突き抜け、最後は2着のテイスティタッチに6馬身の差をつけて初勝利を挙げた。

1月29日、中2週で迎えた2戦目は、4歳500万下のこぶし賞（阪神芝1600m 曇/良）に出走。鞍上は2戦連続で武豊騎手（1戦1勝）。13頭立ての圧倒的1番人気に推されて6番ゲートからスタート。些か速いペースでレースが進む中、5番手を追走し、4コーナーは4番手で通過。直線では切れ味光る末脚を披露したが、3着に終わった。

4歳（1995年）

4月30日、約15か月の休養明けで迎えた3戦目は、安田康彦騎手を鞍上に迎えて、5歳以上500万下（京都ダート1200m 曇/稍重）に出走。ダート戦への出走は初となった。16頭立ての1番人気に推されて10番ゲートからスタート。平均ペースでレースが進む中、馬場の外目を回って5番手を追走していたが、途中でジワリジワリとポジションが下がり4コーナーを7番手で通過。直線では上がり4位タイの末脚を見せたが上位争いには参加できず6着に敗れた。

7月16日、約2か月半の間隔を開けて馬体重を前走から18kg増やして迎えた4戦目は、4歳以上500万下の由布院特別（小倉芝1800m 晴/良）に出走。長時間の輸送競馬は初となった。鞍上は武豊騎手（2戦1勝）。11頭立ての1番人気に推されて9番ゲートからスタート。遅いペースでレースが進む中、終始2番手を追走。直線に入ると、前で粘るキンザンスターを猛烈な末脚で交わし去り、最後は2馬身半の差をつけて久しぶりに勝ち星を挙げた。

9月24日、中9週で迎えた5戦目は、4歳以上500万下の印旛沼特別（中山芝1800m 曇/良）に出走。鞍上は2戦連続で武豊騎手（3戦2勝）。12頭立ての1番人気に推されて1番ゲートからスタート。緩いペースでレースが進む中、4番手を追走し、4コーナーは5番手で通過。直線では鋭く末脚を伸ばして先頭を奪い、最後は2着のバンダムナイトに1馬身の差をつけて断然の支持に応えた。

10月8日、中1週で馬体重を前走から14kg減らして迎えた6戦目は、ハンデ戦で4歳以上900万下の保津峡特別（京都芝1600m 外回り小雨/良）に出走。鞍上は3戦連続で武豊騎手（4戦3勝）。12頭立ての2番人気に推されて11番ゲートからスタート。ややスローペースでレースが進む中、5番手を追走し、4コーナーは4番手で通過。直線では末脚に勢いがなく5着に敗れた。

10月22日、中1週で迎えた7戦目は、4歳以上900万下（東京芝1400m 晴/良）に出走。鞍上は4戦連続で武豊騎手（5戦3勝）。9頭立ての2番人気に推されて7番ゲートからスタート。平均ペースでレースが進む中、4番手を追走し、4コーナーは5番手で通過。直線では強烈な末脚を爆発させて先頭に立ち、最後は2着のセイカカラーラに2馬身半の差をつけて4勝目を手中に収めた。

11月5日、中1週で迎えた8戦目は、4歳以上900万下の東山特別（京都芝1600m 外回り晴/良）に出走。鞍上は5戦連続で武豊騎手（6戦4勝）。11頭立ての圧倒的1番人気に推されて6番ゲートからスタート。緩やかなペースでレースが進む中、3番手を追走し、4コーナーは2番手で通過。直線では圧倒的な末脚を爆発させてあっさりと抜け出し、最後は2着のポピーデイに3馬身の差をつけて断トツ人気に応えた。

12月16日、中5週で迎えた9戦目は、ハンデ戦のオークランドレーシングクラブトロフィー（阪神芝1600m 晴/良）に出走。鞍上は6戦連続で武豊騎手（7戦5勝）。16頭立ての1番人気に推されて12番ゲートからスタート。平均ペースでレースが進む中、終始4番手を追走。直線では次元の違う末脚を炸裂させて突き抜け、最後は2着のエイシンヴォウクスに4馬身の差をつけて単勝一倍台の評価に応えた。

5歳（1996年）

1月7日、中2週で迎えた10戦目は、河内洋騎手を鞍上に迎えて、洛陽ステークス（京都芝1600m 外回り晴/良）に出走。15頭立ての1番人気に推されて10番ゲートからスタート。平均ペースでレースが進む中、終始4番手を追走。直線では逸出した伸び脚で追い上げたが、勝ったフジワンマンクロスに詰め切れず、1馬身差の2着に敗北した。

2月4日、中3週で迎えた11戦目は、小島太騎手を鞍上に迎えて、G3の東京新聞杯（東京芝1600m 晴/良）に出走。重賞競走への出走は初となった。16頭立ての2番人気に推されて1番ゲートからスタート。緩やかなペースでレースが進む中、終始15番手を追走。直線では上がり2位タイの末脚を繰り出したが上位には食い込めず10着に敗れた。

3月3日、中3週で迎えた12戦目は、田原成貴騎手を鞍上に迎えて、G2のマイラーズカップ（阪神芝1600m 晴/良）に出走。14頭立ての1番人気に推されて2番ゲートからスタート。些か速いペースでレースが進む中、12番手を追走し、4コーナーは13番手で通過。直線では上がり1位タイの伸び脚を披露したが上位争いには加われず6着に敗れた。

3月23日、中2週で迎えた13戦目は、的場均騎手を鞍上に迎えて、ハンデ戦でオープンの韓国馬事会杯（中山芝1800m 曇/良）に出走。15頭立ての1番人気に推されて9番ゲートからスタート。やや緩いペースでレースが進む中、10番手を追走していたが、徐々に進出して4コーナーを7番手で通過。直線ではぐんぐんと末脚を伸ばして先頭をうかがい、最後は2着のサクラキャンドルをハナ差振り切って7勝目を挙げた。

4月20日、中3週で迎えた14戦目は、ハンデ戦でオープンの栗東ステークス（京都芝1800m 外回り晴/良）に出走。鞍上は武豊騎手（8戦6勝）。15頭立ての1番人気に推されて10番ゲートからスタート。平均ペースでレースが進む中、4番手を追走し、4コーナーは3番手で通過。直線では異次元の末脚を爆発させて先頭を奪い、最後は2着のベッスルキングに1馬身3/4の差をつけて単勝一倍台の期待に応えた。

5月11日、中2週で迎えた15戦目は、幸英明騎手を鞍上に迎えて、ハンデG3の京阪杯（京都芝2200m 外回り曇/良）に出走。16頭立ての2番人気に推されて13番ゲートからスタート。かなり緩いペースでレースが進む中、7番手を追走していたが、道中でジワリジワリとポジションを押し上げて、馬場の大外を通りながら4コーナーを4番手で通過。直線では余力が残っておらず10着に敗れた。

6月9日、中3週で迎えた16戦目は、岸滋彦騎手を鞍上に迎えて、G1の安田記念（東京芝1600m 曇/良）に出走。G1級競走への出走は初となった。17頭立ての15番人気で13番ゲートからスタート。平均ペースでレースが進む中、終始17番手を追走。直線では上がり2位タイの末脚を見せたが上位には割り込めず11着に終わった。

7月7日、中3週で迎えた17戦目は、G1の宝塚記念（阪神芝2200m 曇/良）に出走。鞍上は武豊騎手（9戦7勝）。13頭立ての7番人気で11番ゲートからスタート。やや緩いペースでレースが進む中、6番手を追走していたが、途中でジワリジワリとポジションが下がり4コーナーを8番手で通過。直線では伸びあぐねて10着に敗れた。

6歳（1997年）

3月2日、約8か月の休養明けで馬体重を前走から12kg増やして迎えた18戦目は、武幸四郎騎手を鞍上に迎えて、G2のマイラーズカップ（阪神芝1600m 晴/良）に出走。14頭立ての11番人気で6番ゲートからスタート。平均的なペースでレースが進む中、終始7番手を追走。直線ではグングンと終いの脚を伸ばして先頭に立ち、最後は2着のロイヤルスズカをクビ差振り切って悲願の重賞初制覇を果たした。

4月5日、中4週で迎えた19戦目は、G3のダービー卿チャレンジトロフィー（中山芝1600m 外回り曇/重）に出走。鞍上は2戦連続で武幸四郎騎手（1戦1勝）。13頭立ての5番人気で5番ゲートからスタート。少し速いペースでレースが進む中、9番手を追走し、4コーナーは10番手で通過。直線では力感溢れるフットワークでゴールまで頑張ったが、4着に終わった。

5月31日、中7週で迎えた20戦目は、G3のエプソムカップ（東京芝1800m 晴/良）に出走。鞍上は3戦連続で武幸四郎騎手（2戦1勝）。13頭立ての3番人気に推されて2番ゲートからスタート。非常に緩いペースでレースが進む中、5番手を追走していたが、道中でジワリジワリとポジションを押し上げて4コーナーを3番手で通過。直線では勝負根性が光る走りを見せたが、抜け出したタイキマーシャルを捕まえ切れず、クビ差の2着に惜敗した。

7月20日、中6週で馬体重を前走から10kg増やして迎えた21戦目は、ハンデG3の北九州記念（小倉芝1800m 晴/良）に出走。鞍上は4戦連続で武幸四郎騎手（3戦1勝）。11頭立ての2番人気に推されて1番ゲートからスタート。些か速いペースでレースが進む中、終始4番手を追走。直線ではいい脚を見せられず8着に敗れた。

9月28日、中9週で迎えた22戦目は、G3のセントウルステークス（阪神芝1400m 曇/良）に59kgの斤量を背負って出走。鞍上は5戦連続で武幸四郎騎手（4戦1勝）。14頭立ての8番人気で1番ゲートからスタート。緩みのないペースでレースが進む中、終始9番手を追走。直線ではしっかりと終いの脚を伸ばして先頭をうかがい、最後は2着のスギノハヤカゼを3/4馬身振り切って2つ目の重賞タイトルを奪取した。

10月25日、中3週で迎えた23戦目は、G2のスワンステークス（京都芝1400m 外回り晴/良）に出走。鞍上は6戦連続で武幸四郎騎手（5戦2勝）。16頭立ての6番人気で13番ゲートからスタート。スローペースでレースが進む中、12番手を追走していたが、道中でジワリジワリとポジションを押し上げて4コーナーを10番手で通過。直線では力感溢れる脚捌きでゴールまで走り切ったが、5着に終わった。

11月16日、中2週で迎えた24戦目は、G1のマイルチャンピオンシップ（京都芝1600m 外回り曇/良）に出走。鞍上は7戦連続で武幸四郎騎手（6戦2勝）。18頭立ての8番人気で13番ゲートからスタート。少々速いペースでレースが進む中、終始15番手を追走。直線では今ひとつ伸びが無く10着に敗れた。

12月21日、中4週で迎えた25戦目は、G1の有馬記念（中山芝2500m 晴/良）に出走。鞍上は8戦連続で武幸四郎騎手（7戦2勝）。16頭立ての11番人気で9番ゲートからスタート。遅いペースでレースが進む中、終始14番手を追走。直線ではジワジワと長く脚を使ってゴールまで力走し、5着に入り込んだ。

7歳（1998年）

2月15日、中7週で迎えた26戦目は、G2の京都記念（京都芝2200m 外回り曇/良）に出走。鞍上は9戦連続で武幸四郎騎手（8戦2勝）。11頭立ての7番人気で10番ゲートからスタート。遅いペースでレースが進む中、11番手を追走していたが、徐々に進出して4コーナーを8番手で通過。直線では速い脚を使えず8着に終わった。

3月8日、中2週で迎えた27戦目は、G2のマイラーズカップ（阪神芝1600m 晴/良）に出走。鞍上は10戦連続で武幸四郎騎手（9戦2勝）。11頭立ての5番人気で2番ゲートからスタート。平均ペースでレースが進む中、6番手を追走し、4コーナーは7番手で通過。直線では目を引く伸び脚で追い上げたが、抜け出したビッグサンデーにクビ差届かず2着となった。

5月16日、中9週で迎えた28戦目は、G2の京王杯スプリングカップ（東京芝1400m 晴/良）に出走。鞍上は11戦連続で武幸四郎騎手（10戦2勝）。16頭立ての8番人気で4番ゲートからスタート。少し速いペースでレースが進む中、8番手を追走していたが、道中でジワリジワリとポジションを押し上げて4コーナーを6番手で通過。直線では逸出した伸び脚で猛追したが、抜け出したタイキシャトルを捕まえ切れず、1馬身半差の2着となった。

6月14日、中3週で迎えた29戦目は、G1の安田記念（東京芝1600m 雨/不良）に出走。鞍上は12戦連続で武幸四郎騎手（11戦2勝）。17頭立ての7番人気で9番ゲートからスタート。ミドルペースでレースが進む中、終始12番手を追走。直線では末脚にキレが無く14着に敗れた。

11月22日、約5か月半の休養明けで迎えた30戦目は、G1のマイルチャンピオンシップ（京都芝1600m 外回り曇/良）に出走。鞍上は13戦連続で武幸四郎騎手（12戦2勝）。13頭立ての7番人気で5番ゲートからスタート。些か速いペースでレースが進む中、馬場の外目を回って6番手を追走し、4コーナーは5番手で通過。直線ではいい脚を見せられず7着に敗れた。

12月27日、中4週で迎えた31戦目は、G1の有馬記念（中山芝2500m 曇/良）に出走。鞍上は14戦連続で武幸四郎騎手（13戦2勝）。16頭立ての16番人気で7番ゲートからスタート。非常に緩いペースでレースが進む中、3番手を追走していたが、途中でズルズルとポジションが下がり、4コーナーを13番手で通過。直線では伸びが鈍く16着に終わった。