ヒシイグアス（2016年生、母ラリズ）

ヒシイグアス（2016年1月22日）は、日本の競走馬。牡馬。馬名の意味は「冠名+アルゼンチンにある最大の滝」。毛色は青鹿毛。種牡馬のハーツクライ（当時15歳）と交配したラリズが13歳のときに産んだ仔が本馬である。産地は北海道安平町、生産者はノーザンファーム。2021年の香港カップ(香・G1)で2着に入った他、2022年の宝塚記念(G1)で2着に入る活躍をした。その他にも重賞3勝を挙げた。

経歴

デビュー前

当歳のとき、ノーザンレーシングから「セレクトセールサラブレッド当歳」に上場され、阿部雅英によって1億476万円で落札された。

堀宣行厩舎（美浦）へ入厩。

2歳（2018年）

11月25日、デビュー戦はR.ムーア騎手を鞍上に据えて、2歳新馬（東京芝1800m 晴/良）に出走。馬体重は496kg。11頭立ての3番人気で7番ゲートからスタート。かなり遅いペースでレースが進む中、4番手を追走し、4コーナーは3番手で通過。直線では迫力満点の伸び脚で驀進したが、伸びてきたラストドラフト決め手に屈してアタマ差の2着に惜敗した。

12月15日、中2週で迎えた2戦目は、C.ルメール騎手を鞍上に迎えて、2歳未勝利（中山芝2000m 晴/良）に出走。18頭立ての圧倒的1番人気に推されて10番ゲートからスタート。端を奪う形となり、やや速いペースで馬群を引っ張る。先頭のまま半馬身のリードを保って4コーナーを通過。直線では異次元の末脚を弾けさせて楽々と抜け出し、最後は2着のホウオウビクトリーに3馬身の差をつけて未勝利戦を制した。

3歳（2019年）

1月19日、中4週で迎えた3戦目は、F.ミナリク騎手を鞍上に迎えて、3歳500万下の若竹賞（中山芝1800m 晴/良）に出走。8頭立ての1番人気に推されて4番ゲートからスタート。先手を奪う形となり、超スローペースで馬群を牽引。先頭のまま半馬身のリードを保って4コーナーを通過。直線では一完歩ずつ確実に終いの脚を伸ばして、最後は2着のフォークテイルをクビ差振り切って単勝一倍台の支持に応えた。

3月17日、中7週で馬体重を前走から16kg減らして迎えた4戦目は、3歳G2のスプリングステークス（中山芝1800m 曇/良）に出走。重賞競走への出走は初となった。鞍上は2戦連続でF.ミナリク騎手（1戦1勝）。16頭立ての3番人気に推されて8番ゲートからスタート。やや遅いペースでレースが進む中、終始2番手を追走。直線ではあとひと踏ん張りが利かず、5着に終わった。

6月30日、約3か月半の休み明けで迎えた5戦目は、M.デムーロ騎手を鞍上に迎えて、3歳ハンデG3のラジオNIKKEI賞（福島芝1800m 小雨/不良）に出走。16頭立ての1番人気に推されて9番ゲートからスタート。若干緩いペースでレースが進む中、8番手を追走していたが、途中でズルズルとポジションが下がり、4コーナーを16番手で通過。直線では速い脚を使えず9着に敗れた。

4歳（2020年）

1月18日、約6か月半の休み明けで馬体重を前走から10kg増やして迎えた6戦目は、4歳以上2勝クラス（中山芝1800m 小雨/稍重）に出走。鞍上はF.ミナリク騎手（2戦1勝）。10頭立ての1番人気に推されて5番ゲートからスタート。緩いペースでレースが進む中、3番手を追走していたが、徐々にポジションが下がり4コーナーを5番手で通過。直線では迫力のある伸び脚で猛進したが、勝ったダイワダグラスにねじ伏せられてクビ差の2着に甘んじた。

2月29日、中5週で馬体重を前走から6kg絞って迎えた7戦目は、ハンデ戦で4歳以上2勝クラスの富里特別（中山芝1800m 晴/良）に出走。鞍上は2戦連続でF.ミナリク騎手（3戦1勝）。12頭立ての1番人気に推されて7番ゲートからスタート。スローペースでレースが進む中、終始4番手を追走。直線では持ち味の忍耐力で最後まで奮闘したが、勝ったハーメティキストにねじ伏せられて2馬身差の2着に敗北した。

4月26日、中7週で迎えた8戦目は、D.レーン騎手を鞍上に迎えて、4歳以上2勝クラスの石和特別（東京芝1800m 晴/良）に出走。10頭立ての1番人気に推されて大外10番ゲートからスタート。スローペースでレースが進む中、終始3番手を追走。直線ではグングンと末脚を伸ばして先頭に立ち、最後は2着のアップライトスピンを3/4馬身振り切って単勝一倍台の支持に応えた。

11月29日、約7か月の休み明けで迎えた9戦目は、松山弘平騎手を鞍上に迎えて、ハンデ戦で3歳以上3勝クラスのウェルカムステークス（東京芝2000m 曇/良）に出走。16頭立ての5番人気で12番ゲートからスタート。非常に遅いペースでレースが進む中、2番手を追走していたが、途中でジワリジワリとポジションが下がり4コーナーを5番手で通過。直線では次元の違う末脚を炸裂させて先頭をうかがい、最後は2着のショウナンハレルヤを3/4馬身振り切って久々の一戦を制した。

5歳（2021年）

1月5日、中4週で迎えた10戦目は、ハンデG3の日刊スポーツ賞中山金杯（中山芝2000m 曇/良）に54kgの軽斤量で出走。鞍上は2戦連続で松山弘平騎手（1戦1勝）。17頭立ての1番人気に推されて9番ゲートからスタート。若干緩いペースでレースが進む中、8番手を追走していたが、道中でジワリジワリとポジションを押し上げて4コーナーを6番手で通過。直線ではグイグイと終いの脚を伸ばして先頭をうかがい、最後は2着のココロノトウダイをクビ差振り切って3連勝で重賞ウィナーの称号をゲットした。

2月28日、中7週で迎えた11戦目は、G2の中山記念（中山芝1800m 晴/良）に出走。鞍上は3戦連続で松山弘平騎手（2戦2勝）。14頭立ての1番人気に推されて8番ゲートからスタート。平均的なペースでレースが進む中、終始4番手を追走。直線では目の覚めるような末脚を爆発させて先頭をうかがい、最後は2着のケイデンスコールをクビ差振り切って4連勝で2つ目の重賞タイトルを手にした。

10月31日、約8か月の休み明けで迎えた12戦目は、G1の天皇賞（秋）（東京芝2000m 曇/良）に出走。G1級競走への出走は初となった。鞍上は4戦連続で松山弘平騎手（3戦3勝）。16頭立ての7番人気で15番ゲートからスタート。遅いペースでレースが進む中、7番手を追走し、4コーナーは8番手で通過。直線ではゴールまでジンワリと伸びたが、5着に終わった。

12月12日、J.モレイラ騎手を鞍上に迎えて、G1の香港カップ（香港・シャティン芝2000m）に出走。12頭立ての2番人気に推されて大外12番ゲートからスタート。最後は、勝ったラヴズオンリーユーから短アタマ差の2着に甘んじた。

6歳（2022年）

4月3日、約3か月半の休養明けで迎えた14戦目は、池添謙一騎手を鞍上に迎えて、G1の大阪杯（阪神芝2000m 曇/良）に出走。長時間の輸送競馬は初となった。16頭立ての5番人気で10番ゲートからスタート。些か速いペースでレースが進む中、7番手を追走し、4コーナーは6番手で通過。直線ではゴールまでジンワリと伸び、4着に入った。

6月26日、約3か月の間隔を開けて迎えた15戦目は、G1の宝塚記念（阪神芝2200m 晴/良）に出走。鞍上はD.レーン騎手（1戦1勝）。17頭立ての5番人気で10番ゲートからスタート。些か速いペースでレースが進む中、6番手を追走し、4コーナーは5番手で通過。直線では物凄い伸び脚で急追したが、抜け出したタイトルホルダーを捕まえ切れず、2馬身差の2着となった。

7歳（2023年）

2月26日、約8か月の休養明けで馬体重を前走から14kg増やして迎えた16戦目は、G2の中山記念（中山芝1800m 晴/良）に出走。鞍上は松山弘平騎手（4戦3勝）。14頭立ての5番人気で11番ゲートからスタート。平均的なペースでレースが進む中、9番手を追走し、4コーナーは8番手で通過。直線では鮮烈な末脚を爆発させて先頭をうかがい、最後は2着のラーグルフを3/4馬身振り切って同レース2勝目を挙げた。

4月2日、中4週で馬体重を前走から18kg絞って迎えた17戦目は、G1の大阪杯（阪神芝2000m 晴/良）に出走。鞍上は2戦連続で松山弘平騎手（5戦4勝）。16頭立ての4番人気に推されて14番ゲートからスタート。少し速いペースでレースが進む中、終始5番手を追走。直線では脚を伸ばせず7着に敗れた。

8月20日、約4か月半の休み明けで馬体重を前走から16kg戻して迎えた18戦目は、浜中俊騎手を鞍上に迎えて、G2の札幌記念（札幌芝2000m 晴/稍重）に出走。15頭立ての7番人気で12番ゲートからスタート。平均的なペースでレースが進む中、14番手を追走していたが、途中で一気に進出して4コーナーを7番手で通過。直線では切れ味のいい末脚を披露したが、5着に終わった。

10月29日、中9週で馬体重を前走から12kg絞って迎えた19戦目は、G1の天皇賞（秋）（東京芝2000m 晴/良）に出走。鞍上は松山弘平騎手（6戦4勝）。11頭立ての8番人気で8番ゲートからスタート。やや緩いペースでレースが進む中、馬場の外目を回って終始4番手を追走。最後は勢いを失って9着に終わった。

12月10日、G1の香港カップ（香港・シャティン芝2000m）に出走。鞍上はJ.モレイラ騎手（1戦0勝）。11頭立ての3番人気で2番ゲートからスタート。3着に終わった。

8歳（2024年）

2月25日、約2か月半の間隔を開けて迎えた21戦目は、R.R.キング騎手を鞍上に迎えて、G2の中山記念（中山芝1800m 小雨/稍重）に出走。16頭立ての3番人気に推されて5番ゲートからスタート。やや厳しいペースでレースが進む中、7番手を追走していたが、途中でジワリジワリとポジションが下がり4コーナーを9番手で通過。直線では伸びあぐねて11着に敗れた。