アグネスデジタル（1997年生、母Chancey Squaw）

アグネスデジタル（1997年5月15日）は、アメリカ合衆国で生まれ、日本で調教された競走馬、種牡馬。2001年にJRA賞最優秀4歳以上牡馬を受賞した。毛色は栗毛。種牡馬のCrafty Prospector（当時18歳）と交配したChancey Squawが7歳のときに産んだ仔が本馬である。戦績は、中央平地21戦7勝2着3回、地方8戦4勝2着1回、海外3戦1勝。2001年の香港カップ(香・G1)に勝利した他、2001年の天皇賞（秋）(G1)を制するなど、G1級競走6勝を含む重賞10勝を挙げた。

経歴

デビュー前

白井寿昭厩舎（栗東）へ入厩。

2歳（1999年）

9月12日、デビュー戦は福永祐一騎手を鞍上に据えて、3歳新馬（阪神ダート1400m 晴/良）に出走。馬体重は450kg。7頭立ての2番人気に推されて4番ゲートからスタート。先陣を切る形となり、ミドルペースでレースを進める。先頭のまま半馬身のリードを保って4コーナーを通過。直線では一際目立つ伸びを見せたが、マチカネランに交わされて7馬身差の2着に敗北した。

10月2日、中2週で迎えた2戦目は、3歳新馬（阪神ダート1200m 晴/良）に出走。鞍上は2戦連続で福永祐一騎手（1戦0勝）。7頭立ての圧倒的1番人気に推されて7番ゲートからスタート。平均ペースでレースが進む中、終始2番手を追走。直線に入ると、前で粘るツルマルアラシを異次元の末脚で交わし去り、最後は3馬身の差をつけて初勝利を挙げた。

10月9日、連闘で迎えた3戦目は、2歳オープンのもみじステークス（京都芝1200m 晴/良）に出走。芝レースへの出走は初となった。鞍上は3戦連続で福永祐一騎手（2戦1勝）。10頭立ての7番人気で大外10番ゲートからスタート。ミドルペースでレースが進む中、4番手を追走していたが、途中でズルズルとポジションが下がり、4コーナーを7番手で通過。直線では末脚がパッとせず8着に終わった。

11月7日、中3週で迎えた4戦目は、3歳500万下のもちの木賞（京都ダート1400m 晴/良）に出走。鞍上は4戦連続で福永祐一騎手（3戦1勝）。16頭立ての1番人気に推されて9番ゲートからスタート。少し遅いペースでレースが進む中、5番手を追走し、4コーナーは4番手で通過。直線では矢のような伸びを見せたが、伸びてきたスリーフォーナイナ決め手に屈してクビ差の2着に甘んじた。

11月27日、中2週で迎えた5戦目は、的場均騎手を鞍上に迎えて、3歳500万下（東京ダート1600m 晴/良）に出走。長時間の輸送競馬は初となった。13頭立ての1番人気に推されて1番ゲートからスタート。少し緩いペースでレースが進む中、終始2番手を追走。直線では次元の違う末脚を炸裂させて突き抜け、最後は2着のファインイレブンに7馬身の差をつけてファンの期待に応えた。

12月23日、中3週で迎えた6戦目は、2歳G2の全日本3歳優駿（川崎ダート1600m 晴/良）に出走。重賞競走への出走は初となった。鞍上は2戦連続で的場均騎手（1戦1勝）。12頭立ての1番人気に推されて3番ゲートからスタート。最後は、2着のツルミカイウンに2馬身半の差をつけて重賞初挑戦初制覇を成し遂げた。

3歳（2000年）

2月20日、中7週で迎えた7戦目は、3歳オープンのヒヤシンスステークス（東京ダート1600m 曇/良）に出走。鞍上は3戦連続で的場均騎手（2戦2勝）。12頭立ての3番人気に推されて11番ゲートからスタート。平均ペースでレースが進む中、4番手を追走し、4コーナーは3番手で通過。直線ではジワジワと長く脚を使ってゴールまで力走したが、3着に終わった。

3月12日、中2週で迎えた8戦目は、3歳G3のクリスタルカップ（中山芝1200m 外回り晴/良）に出走。長時間の輸送競馬は初となった。鞍上は4戦連続で的場均騎手（3戦2勝）。16頭立ての8番人気で4番ゲートからスタート。緩みのないペースでレースが進む中、10番手を追走していたが、道中でジワリジワリとポジションを押し上げて4コーナーを8番手で通過。直線では力強い脚運びでゴールまで頑張り、3着に入った。

4月8日、中3週で迎えた9戦目は、3歳G2のニュージーランドトロフィー4歳ステークス（中山芝1600m 外回り晴/良）に出走。鞍上は5戦連続で的場均騎手（4戦2勝）。15頭立ての7番人気で大外15番ゲートからスタート。ミドルペースでレースが進む中、2番手を追走し、4コーナーは3番手で通過。直線では強靭な末脚を繰り出し、3着に入った。

5月7日、中3週で迎えた10戦目は、3歳G1のNHKマイルカップ（東京芝1600m 晴/良）に出走。G1級競走への出走は初となった。鞍上は6戦連続で的場均騎手（5戦2勝）。18頭立ての4番人気に推されて4番ゲートからスタート。やや速いペースでレースが進む中、終始7番手を追走。直線では今一つ末脚が切れず7着に敗れた。

6月14日、中4週で迎えた11戦目は、3歳G3の名古屋優駿（名古屋ダート1900m 晴/重）に出走。鞍上は7戦連続で的場均騎手（6戦2勝）。12頭立ての3番人気に推されて8番ゲートからスタート。最後は、2着のマイネルコンバットに1馬身半の差をつけて2つ目の重賞タイトルを手に入れた。

7月12日、中3週で迎えた12戦目は、3歳G1のジャパンダートダービー（大井ダート2000m 晴/良）に出走。鞍上は8戦連続で的場均騎手（7戦3勝）。16頭立ての1番人気に推されて7番ゲートからスタート。やや緩いペースでレースが進む中、終始4番手を追走。最後は減速してしまい14着に敗れた。

9月30日、約2か月半の間隔を開けて迎えた13戦目は、3歳G3のユニコーンステークス（中山ダート1800m 曇/良）に出走。鞍上は9戦連続で的場均騎手（8戦3勝）。16頭立ての4番人気に推されて1番ゲートからスタート。やや遅いペースでレースが進む中、3番手を追走し、4コーナーは4番手で通過。直線では次元の違う末脚を炸裂させて先頭に躍り出て、最後は2着のマチカネランに2馬身半の差をつけて3つ目の重賞タイトルをゲットした。

10月28日、中3週で迎えた14戦目は、G3の武蔵野ステークス（東京ダート1600m 曇/良）に出走。鞍上は10戦連続で的場均騎手（9戦4勝）。16頭立ての4番人気に推されて11番ゲートからスタート。平均ペースでレースが進む中、終始3番手を追走。直線では一際目立つ伸び脚で猛進したが、勝ったサンフォードシチーにねじ伏せられて1馬身差の2着に敗北した。

11月19日、中2週で迎えた15戦目は、G1のマイルチャンピオンシップ（京都芝1600m 外回り晴/良）に出走。鞍上は11戦連続で的場均騎手（10戦4勝）。18頭立ての13番人気で13番ゲートからスタート。若干緩いペースでレースが進む中、終始15番手を追走。直線では鬼脚を炸裂させて先頭をうかがい、最後は2着のダイタクリーヴァを半馬身振り切って下半期マイル王の座を手に入れた。

4歳（2001年）

1月5日、中6週で馬体重を前走から10kg増やして迎えた16戦目は、ハンデG3の京都金杯（京都芝1600m 外回り曇/良）に58kgの斤量を背負って出走。鞍上は12戦連続で的場均騎手（11戦5勝）。16頭立ての3番人気に推されて9番ゲートからスタート。少し遅いペースでレースが進む中、馬場の外目を回って7番手を追走し、4コーナーは8番手で通過。直線では力感溢れる脚運びでゴールまで走り切ったが、3着に終わった。

5月13日、約4か月半の休み明けで迎えた17戦目は、四位洋文騎手を鞍上に迎えて、G2の京王杯スプリングカップ（東京芝1400m 晴/良）に59kgの斤量を背負って出走。18頭立ての4番人気に推されて15番ゲートからスタート。少し速いペースでレースが進む中、12番手を追走し、4コーナーは13番手で通過。直線では鋭い末脚を繰り出せず9着に敗れた。

6月3日、中2週で迎えた18戦目は、G1の安田記念（東京芝1600m 晴/良）に出走。鞍上は2戦連続で四位洋文騎手（1戦0勝）。18頭立ての6番人気で12番ゲートからスタート。平均的なペースでレースが進む中、16番手を追走し、4コーナーは15番手で通過。直線では鋭い末脚を繰り出せず11着に敗れた。

9月19日、約3か月半の休み明けで馬体重を前走から10kg減らして迎えた19戦目は、G3の日本テレビ盃（船橋ダート1800m 曇/良）に出走。鞍上は3戦連続で四位洋文騎手（2戦0勝）。8頭立ての3番人気で7番ゲートからスタート。若干緩いペースでレースが進む中、3番手を追走していたが、徐々に進出して4コーナーを先頭で通過。直線では驚異的な末脚を爆発させて悠々と抜け出し、最後は2着のタマモストロングに3馬身の差をつけて5つ目の重賞タイトルを獲得した。

10月8日、中2週で迎えた20戦目は、G1のマイルチャンピオンシップ南部杯（盛岡ダート1600m 曇/良）に出走。鞍上は4戦連続で四位洋文騎手（3戦1勝）。9頭立ての1番人気に推されて7番ゲートからスタート。でレースが進む中、2番手を追走し、4コーナーは先頭で通過。直線ではしっかりと終いの脚を伸ばして、最後は2着のトーホウエンペラーを3/4馬身振り切って2つ目のG1タイトルを奪取した。

10月28日、中2週で迎えた21戦目は、G1の天皇賞（秋）（東京芝2000m 雨/重）に出走。鞍上は5戦連続で四位洋文騎手（4戦2勝）。13頭立ての4番人気で10番ゲートからスタート。ミドルペースでレースが進む中、馬場の外目を回って9番手を追走していたが、道中でジワリジワリとポジションを押し上げて4コーナーを7番手で通過。直線では次元の違う末脚を炸裂させて先頭に躍り出て、最後は2着のテイエムオペラオーに1馬身の差をつけて秋の盾を奪取した。

12月16日、G1の香港カップ（香港・シャティン芝2000m）に出走。鞍上は6戦連続で四位洋文騎手（5戦3勝）。14頭立ての2番人気に推されて12番ゲートからスタート。最後は、2着のTobouggをアタマ差制してG1・4勝目をマークした。

5歳（2002年）

2月17日、中8週で迎えた23戦目は、G1のフェブラリーステークス（東京ダート1600m 曇/良）に出走。鞍上は7戦連続で四位洋文騎手（6戦4勝）。16頭立ての1番人気に推されて9番ゲートからスタート。ミドルペースでレースが進む中、終始6番手を追走。直線では驚異的な末脚を炸裂させて先頭を奪い、最後は2着のトーシンブリザードに1馬身の差をつけてダートマイル王の座を射止めた。

3月23日、G1のドバイワールドカップ（アラブ首長国連邦・ナド・アル・シバダート2000m）に出走。鞍上は8戦連続で四位洋文騎手（7戦5勝）。11頭立ての3番人気で4番ゲートからスタート。6着に敗れた。

4月21日、G1のクイーンエリザベス2世カップ（香港・シャティン芝2000m）に出走。鞍上は9戦連続で四位洋文騎手（8戦5勝）。14頭立ての3番人気に推されて13番ゲートからスタート。最後は、勝ったエイシンプレストンから半馬身差の2着に敗北した。

6歳（2003年）

5月1日、約12か月半の休み明けで迎えた26戦目は、G3のかきつばた記念（名古屋ダート1400m 晴/良）に59kgの斤量を背負って出走。鞍上は10戦連続で四位洋文騎手（9戦5勝）。12頭立ての4番人気で3番ゲートからスタート。4着に終わった。

6月8日、中4週で迎えた27戦目は、G1の安田記念（東京芝1600m 晴/良）に出走。鞍上は11戦連続で四位洋文騎手（10戦5勝）。18頭立ての4番人気に推されて3番ゲートからスタート。ややスローペースでレースが進む中、9番手を追走し、4コーナーは8番手で通過。直線では豪快な末脚を弾けさせて先頭をうかがい、最後は2着のアドマイヤマックスをクビ差振り切って上半期マイル王の座を射止めた。

6月29日、中2週で迎えた28戦目は、G1の宝塚記念（阪神芝2200m 晴/良）に出走。鞍上は12戦連続で四位洋文騎手（11戦6勝）。17頭立ての3番人気に推されて2番ゲートからスタート。ハイペースでレースが進む中、6番手を追走していたが、途中でジワリジワリとポジションが下がり4コーナーを9番手で通過。直線ではいい脚を見せられず13着に敗れた。

9月15日、約2か月半の間隔を開けて迎えた29戦目は、G2の日本テレビ盃（船橋ダート1800m 晴/良）に出走。鞍上は13戦連続で四位洋文騎手（12戦6勝）。14頭立ての1番人気に推されて3番ゲートからスタート。やや緩いペースでレースが進む中、6番手を追走していたが、徐々に進出して4コーナーを3番手で通過。直線では迫力十分の伸びを見せたが、勝ったスターキングマンにねじ伏せられて4馬身差の2着に敗北した。

10月13日、中3週で迎えた30戦目は、G1のマイルチャンピオンシップ南部杯（盛岡ダート1600m 曇/不良）に出走。鞍上は14戦連続で四位洋文騎手（13戦6勝）。14頭立ての2番人気に推されて7番ゲートからスタート。でレースが進む中、11番手を追走し、4コーナーは10番手で通過。直線では天稟のガッツでゴールまで力走したが、5着に終わった。

11月2日、中2週で迎えた31戦目は、G1の天皇賞（秋）（東京芝2000m 晴/良）に出走。鞍上は15戦連続で四位洋文騎手（14戦6勝）。18頭立ての4番人気に推されて11番ゲートからスタート。やや遅いペースでレースが進む中、10番手を追走し、4コーナーは、馬場の外目を通りながら11番手で通過。直線では全く伸びず17着に敗れた。

12月28日、中7週で迎えた32戦目は、G1の有馬記念（中山芝2500m 晴/良）に出走。鞍上は16戦連続で四位洋文騎手（15戦6勝）。12頭立ての7番人気で11番ゲートからスタート。若干遅いペースでレースが進む中、8番手を追走し、4コーナーは9番手で通過。直線では今ひとつ伸びが無く9着に終わった。