アンジュデジール（2014年生、母ティックルピンク）

アンジュデジール（2014年5月1日）は、日本の競走馬、繁殖牝馬。馬名の意味は「天使の欲望（仏）」。毛色は黒鹿毛。種牡馬のディープインパクト（当時12歳）と交配したティックルピンクが9歳のときに産んだ4番仔が本馬である。産地は北海道浦河郡浦河町、生産者は（有）辻牧場。戦績は、中央平地9戦3勝2着2回、地方8戦3勝2着2回。2018年のJBCレディスクラシック(牝Jpn1)に勝利した他、2018年のエンプレス杯(牝Jpn2)を制するなど、G1級競走1勝を含む重賞4勝を挙げた。

経歴

デビュー前

昆貢厩舎（栗東）へ入厩。

2歳（2016年）

6月25日、デビュー戦は四位洋文騎手を鞍上に据えて、牝馬限定の2歳新馬（函館芝1200m 小雨/稍重）に出走。馬体重は460kg。16頭立ての1番人気に推されて13番ゲートからスタート。厳しいペースでレースが進む中、終始2番手を追走。直線では持ち前のタフネスでしぶとく脚を伸ばしたが、勝ったロイヤルメジャーに詰め切れず、2馬身半差の2着に敗北した。

7月31日、中4週で迎えた2戦目は、牝馬限定の2歳未勝利（札幌芝1200m 晴/良）に出走。鞍上は2戦連続で四位洋文騎手（1戦0勝）。9頭立ての圧倒的1番人気に推されて8番ゲートからスタート。少し緩いペースでレースが進む中、終始3番手を追走。直線では鮮烈な末脚を炸裂させて先頭を奪い、最後は2着のジェイケイマヤヒメに1馬身1/4の差をつけて未勝利勝ちを決めた。

12月11日、約4か月半の休養明けで迎えた3戦目は、太宰啓介騎手を鞍上に迎えて、2歳500万下のこうやまき賞（中京芝1600m 晴/良）に出走。13頭立ての6番人気で1番ゲートからスタート。超スローペースでレースが進む中、4番手を追走し、4コーナーは5番手で通過。直線では他馬と同じ脚色になってしまい5着に敗れた。

3歳（2017年）

2月18日、中9週で迎えた4戦目は、岩田康誠騎手を鞍上に迎えて、牝馬限定の3歳500万下（京都芝1400m 外回り晴/稍重）に出走。14頭立ての3番人気に推されて大外14番ゲートからスタート。超スローペースでレースが進む中、終始10番手を追走。直線ではゴールまでジンワリと伸びたが、5着に終わった。

3月12日、中2週で迎えた5戦目は、鮫島良太騎手を鞍上に迎えて、牝馬限定3歳G2のフィリーズレビュー（阪神芝1400m 晴/良）に出走。重賞競走への出走は初となった。18頭立ての15番人気で大外18番ゲートからスタート。平均的なペースでレースが進む中、馬場の外目を回って11番手を追走し、4コーナーは10番手で通過。直線では脚を伸ばせず13着に終わった。

4月23日、中5週で迎えた6戦目は、牝馬限定の3歳500万下（京都ダート1400m 晴/良）に出走。ダート戦への出走は初となった。鞍上は太宰啓介騎手（1戦0勝）。16頭立ての4番人気に推されて13番ゲートからスタート。些か速いペースでレースが進む中、5番手を追走し、4コーナーは4番手で通過。直線では目を引く伸びを見せたが、勝ったファームフェイスにねじ伏せられて2馬身差の2着に敗北した。

5月13日、中2週で迎えた7戦目は、横山典弘騎手を鞍上に迎えて、牝馬限定の3歳500万下（東京ダート1600m 雨/重）に出走。長時間の輸送競馬は初となった。16頭立ての2番人気に推されて2番ゲートからスタート。ややハイペースでレースが進む中、終始5番手を追走。直線では鮮烈な末脚を弾けさせてあっさりと抜け出し、最後は2着のアポロマーキュリーに3馬身半の差をつけて先頭ゴールを果たした。

6月14日、中4週で迎えた8戦目は、牝馬限定3歳Jpn2の関東オークス（川崎ダート2100m 晴/重）に出走。鞍上は2戦連続で横山典弘騎手（1戦1勝）。13頭立ての3番人気に推されて6番ゲートからスタート。極端なスローペースでレースが進む中、5番手を追走していたが、徐々に進出して4コーナーを2番手で通過。直線では矢のような伸び脚で追い上げたが、勝ったクイーンマンボに詰め切れず、4馬身差の2着に敗北した。

7月6日、中2週で迎えた9戦目は、牝馬限定Jpn3のスパーキングレディーカップ（川崎ダート1600m 晴/稍重）に出走。鞍上は3戦連続で横山典弘騎手（2戦1勝）。12頭立ての2番人気に推されて7番ゲートからスタート。平均ペースでレースが進む中、終始4番手を追走。直線に入ると、前で粘るララベルを次元の違う末脚で交わし去り、最後は1馬身半の差をつけて重賞ウィナーの仲間入りを果たした。

10月5日、約3か月の休み明けで馬体重を前走から11kg増やして迎えた10戦目は、牝馬限定Jpn2のレディスプレリュード（大井ダート1800m 曇/良）に出走。鞍上は4戦連続で横山典弘騎手（3戦2勝）。16頭立ての3番人気に推されて10番ゲートからスタート。ミドルペースでレースが進む中、終始5番手を追走。直線では切れ味鋭い末脚を披露したが、3着に終わった。

11月3日、中3週で迎えた11戦目は、牝馬限定Jpn1のJBCレディスクラシック（大井ダート1800m 晴/重）に出走。G1級競走への出走は初となった。鞍上は5戦連続で横山典弘騎手（4戦2勝）。15頭立ての2番人気に推されて7番ゲートからスタート。平均ペースでレースが進む中、7番手を追走し、4コーナーは6番手で通過。直線では天性の闘争本能でゴールまで力闘したが、5着に終わった。

12月6日、中4週で迎えた12戦目は、牝馬限定のハンデJpn3のクイーン賞（船橋ダート1800m 晴/良）に出走。鞍上は6戦連続で横山典弘騎手（5戦2勝）。9頭立ての2番人気に推されて5番ゲートからスタート。若干緩いペースでレースが進む中、5番手を追走していたが、途中で一気に進出して4コーナーを2番手で通過。直線では素晴らしい伸び脚で急追したが、勝ったプリンシアコメータに詰め切れず、3馬身差の2着に敗北した。

4歳（2018年）

2月28日、約3か月の間隔を開けて迎えた13戦目は、牝馬限定Jpn2のエンプレス杯（川崎ダート2100m 曇/良）に出走。鞍上は7戦連続で横山典弘騎手（6戦2勝）。11頭立ての4番人気で1番ゲートからスタート。ゆったりとしたペースでレースが進む中、終始3番手を追走。直線では目の覚めるような末脚を炸裂させて先頭を奪い、最後は2着のプリンシアコメータに1馬身半の差をつけて重賞2勝目をマークした。

4月11日、中5週で迎えた14戦目は、牝馬限定Jpn3のマリーンカップ（船橋ダート1600m 曇/良）に牝馬ながら57kgの斤量を背負って出走。鞍上は8戦連続で横山典弘騎手（7戦3勝）。12頭立ての2番人気に推されて7番ゲートからスタート。ハナを奪う恰好となり、ゆったりとしたペースで集団を先導。先頭のまま1馬身のリードを保って4コーナーを通過。直線では豪快な末脚を炸裂させて、最後は2着のクイーンマンボを3/4馬身振り切って3つ目の重賞タイトルをゲットした。

8月12日、約4か月の休養明けで迎えた15戦目は、G3のエルムステークス（札幌ダート1700m 曇/重）に出走。鞍上は9戦連続で横山典弘騎手（8戦4勝）。14頭立ての7番人気で4番ゲートからスタート。平均ペースでレースが進む中、終始4番手を追走。直線ではあとひと押しが利かず、5着に終わった。

10月11日、中8週で迎えた16戦目は、牝馬限定Jpn2のレディスプレリュード（大井ダート1800m 曇/良）に出走。鞍上は10戦連続で横山典弘騎手（9戦4勝）。14頭立ての3番人気に推されて6番ゲートからスタート。緩いペースでレースが進む中、14番手を追走していたが、途中で一気に進出して4コーナーを8番手で通過。直線では力感溢れる脚捌きでゴールまで走り切ったが、4着に終わった。

11月4日、中2週で迎えた17戦目は、牝馬限定Jpn1のJBCレディスクラシック（京都ダート1800m 晴/良）に出走。鞍上は11戦連続で横山典弘騎手（10戦4勝）。16頭立ての6番人気で大外16番ゲートからスタート。少し緩いペースでレースが進む中、5番手を追走していたが、道中でジワリジワリとポジションを押し上げて、馬場の外目を通りながら4コーナーを2番手で通過。直線では一完歩ずつ前との差を詰めて先頭をうかがい、最後は2着のラビットランをアタマ差振り切って初のG1タイトルを奪取した。

12月2日、中3週で迎えた18戦目は、G1のチャンピオンズカップ（中京ダート1800m 晴/良）に出走。鞍上は12戦連続で横山典弘騎手（11戦5勝）。15頭立ての9番人気で1番ゲートからスタート。先陣を切る恰好となり、後続を2馬身以上離して、非常に遅いペースでレースを牽引。先頭のまま1馬身のリードを保って4コーナーを通過。直線ではゴールまでジワジワと伸び、4着を確保した。

5歳（2019年）

1月20日、中6週で迎えた19戦目は、G2の東海ステークス（中京ダート1800m 曇/良）に出走。鞍上は13戦連続で横山典弘騎手（12戦5勝）。13頭立ての3番人気に推されて7番ゲートからスタート。非常に緩いペースでレースが進む中、4番手を追走し、4コーナーは5番手で通過。直線では脚が上がってしまい12着に敗れた。