エアグルーヴ（1993年生、母ダイナカール）

エアグルーヴ（1993年4月6日）は、日本の競走馬、繁殖牝馬。1997年にJRA賞年度代表馬及び最優秀4歳以上牝馬を受賞した。毛色は鹿毛。種牡馬のトニービン（当時10歳）と交配したダイナカールが14歳のときに産んだ仔が本馬である。産地は北海道勇払郡早来町、生産者は社台ファーム。戦績は、中央平地19戦9勝2着5回。1997年の天皇賞（秋）(G1)に勝利した他、1997年、1998年とジャパンカップ(G1)で2回2着に入るなど、G1級競走2勝を含む重賞7勝を挙げた。

経歴

デビュー前

伊藤雄二厩舎（栗東）へ入厩。

2歳（1995年）

7月8日、デビュー戦は武豊騎手を鞍上に据えて、3歳新馬（札幌芝1200m 晴/良）に出走。馬体重は460kg。9頭立ての圧倒的1番人気に推されて4番ゲートからスタート。少し速いペースでレースが進む中、7番手を追走していたが、途中で一気に進出して4コーナーを3番手で通過。直線では迫力満点の伸び脚で追い上げたが、抜け出したマイネルランサムにクビ差届かず2着に甘んじた。

7月30日、中2週で迎えた2戦目は、3歳新馬（札幌芝1200m 曇/稍重）に出走。鞍上は2戦連続で武豊騎手（1戦0勝）。7頭立ての圧倒的1番人気に推されて3番ゲートからスタート。端をきる恰好となり、少し緩いペースで集団を牽引。先頭のまま1馬身のリードを保って4コーナーを通過。直線では次元の違う末脚を炸裂させて突き抜け、最後は2着のダイワテキサスに5馬身の差をつけて初勝利を挙げた。

10月29日、約3か月の休養明けで迎えた3戦目は、2歳オープンのいちょうステークス（東京芝1600m 曇/良）に出走。長時間の輸送競馬は初となった。鞍上は3戦連続で武豊騎手（2戦1勝）。11頭立ての1番人気に推されて1番ゲートからスタート。やや遅いペースでレースが進む中、2番手を追走していたが、徐々にポジションが下がり4コーナーを4番手で通過。直線ではぐいぐいと終いの脚を伸ばして先頭を奪い、最後は2着のマウンテンストーンに1馬身の差をつけて2勝目を掴み取った。

12月3日、中4週で迎えた4戦目は、M.キネーン騎手を鞍上に迎えて、牝馬限定2歳G1の阪神3歳牝馬ステークス（阪神芝1600m 曇/良）に出走。G1級競走への出走は初となった。11頭立ての3番人気で9番ゲートからスタート。緩いペースでレースが進む中、終始2番手を追走。直線では迫力満点の伸び脚で急追したが、抜け出したビワハイジを捕まえ切れず、半馬身差の2着となった。

3歳（1996年）

3月2日、約3か月の休養明けで迎えた5戦目は、O.ペリエ騎手を鞍上に迎えて、牝馬限定3歳G3のチューリップ賞（阪神芝1600m 晴/稍重）に出走。14頭立ての2番人気に推されて5番ゲートからスタート。やや速いペースでレースが進む中、5番手を追走していたが、道中でジワリジワリとポジションを押し上げて4コーナーを3番手で通過。直線では次元の違う末脚を炸裂させて突き抜け、最後は2着のビワハイジに5馬身の差をつけて初の重賞タイトルをゲットした。

5月26日、約3か月の間隔を開けて迎えた6戦目は、牝馬限定3歳G1のオークス（優駿牝馬）（東京芝2400m 晴/良）に出走。鞍上は武豊騎手（3戦2勝）。18頭立ての1番人気に推されて15番ゲートからスタート。かなりのスローペースでレースが進む中、6番手を追走していたが、道中でジワリジワリとポジションを押し上げて4コーナーを4番手で通過。直線で前を交わして先頭に立つと、目の覚めるような末脚を炸裂させて、最後は2着のファイトガリバーに1馬身半の差をつけて樫の女王の座を手中に収めた。

10月20日、約5か月の休養明けで馬体重を前走から10kg増やして迎えた7戦目は、牝馬限定3歳G1の秋華賞（京都芝2000m 曇/良）に出走。鞍上は2戦連続で武豊騎手（4戦3勝）。18頭立ての1番人気に推されて17番ゲートからスタート。少し遅いペースでレースが進む中、7番手を追走していたが、途中でジワリジワリとポジションが下がり4コーナーを10番手で通過。直線ではじりじりとしか伸びず10着に敗れた。

4歳（1997年）

6月22日、約8か月の休養明けで迎えた8戦目は、牝馬限定G3のマーメイドステークス（阪神芝2000m 曇/稍重）に出走。鞍上は3戦連続で武豊騎手（5戦3勝）。13頭立ての1番人気に推されて大外13番ゲートからスタート。平均的なペースでレースが進む中、5番手を追走していたが、徐々に進出して、馬場の大外を通りながら4コーナーを2番手で通過。直線では次元の違う末脚を炸裂させて先頭をうかがい、最後は2着のシングライクトークを3/4馬身振り切って3つ目の重賞タイトルを手にした。

8月17日、中7週で迎えた9戦目は、G2の札幌記念（札幌芝2000m 曇/良）に出走。鞍上は4戦連続で武豊騎手（6戦4勝）。13頭立ての1番人気に推されて7番ゲートからスタート。若干緩いペースでレースが進む中、6番手を追走していたが、道中でジワリジワリとポジションを押し上げて4コーナーを4番手で通過。直線では驚異的な末脚を弾けさせて先頭に躍り出て、最後は2着のエリモシックに2馬身半の差をつけて4つ目の重賞タイトルを手に入れた。

10月26日、中9週で迎えた10戦目は、G1の天皇賞（秋）（東京芝2000m 晴/良）に出走。鞍上は5戦連続で武豊騎手（7戦5勝）。16頭立ての2番人気に推されて12番ゲートからスタート。少し緩いペースでレースが進む中、6番手を追走し、4コーナーは7番手で通過。直線では次元の違う末脚を炸裂させて先頭をうかがい、最後は2着のバブルガムフェローをクビ差振り切って天皇賞馬の称号を奪取した。

11月23日、中3週で迎えた11戦目は、G1のジャパンカップ（東京芝2400m 晴/良）に出走。鞍上は6戦連続で武豊騎手（8戦6勝）。14頭立ての2番人気に推されて9番ゲートからスタート。かなり遅いペースでレースが進む中、4番手を追走し、4コーナーは3番手で通過。直線では目を引く伸びを見せたが、伸びてきたピルサドスキー決め手に屈してクビ差の2着に甘んじた。

12月21日、中3週で迎えた12戦目は、G1の有馬記念（中山芝2500m 晴/良）に出走。鞍上はO.ペリエ騎手（1戦1勝）。16頭立ての2番人気に推されて12番ゲートからスタート。ユッタリとしたペースでレースが進む中、5番手を追走していたが、道中でジワリジワリとポジションを押し上げて4コーナーを2番手で通過。直線では終いの伸びを欠き、3着に終わった。

5歳（1998年）

4月5日、約3か月半の休養明けで迎えた13戦目は、G2の産経大阪杯（阪神芝2000m 晴/良）に牝馬ながら57kgの斤量を背負って出走。鞍上は武豊騎手（9戦6勝）。9頭立ての圧倒的1番人気に推されて2番ゲートからスタート。極端なスローペースでレースが進む中、4番手を追走していたが、徐々に進出して、馬場の外目を通りながら4コーナーを2番手で通過。直線ではグイグイと末脚を伸ばして先頭に立ち、最後は2着のメジロドーベルを3/4馬身振り切って6つ目の重賞タイトルをゲットした。

6月21日、約2か月半の間隔を開けて迎えた14戦目は、G2の鳴尾記念（阪神芝2000m 雨/不良）に牝馬ながら57kgの斤量を背負って出走。鞍上は2戦連続で武豊騎手（10戦7勝）。14頭立ての圧倒的1番人気に推されて9番ゲートからスタート。平均的なペースでレースが進む中、10番手を追走していたが、途中で一気に進出して、馬場の外目を通りながら4コーナーを2番手で通過。直線では逸出した伸び脚で猛進したが、勝ったサンライズフラッグにねじ伏せられて3馬身差の2着に敗北した。

7月12日、中2週で迎えた15戦目は、G1の宝塚記念（阪神芝2200m 晴/良）に出走。鞍上は3戦連続で武豊騎手（11戦7勝）。13頭立ての3番人気に推されて5番ゲートからスタート。平均ペースでレースが進む中、6番手を追走し、4コーナーは7番手で通過。直線ではキレのある末脚を発揮したが、3着に終わった。

8月23日、中5週で迎えた16戦目は、G2の札幌記念（札幌芝2000m 晴/良）に牝馬ながら58kgの斤量を背負って出走。鞍上は4戦連続で武豊騎手（12戦7勝）。12頭立ての圧倒的1番人気に推されて4番ゲートからスタート。少し緩いペースでレースが進む中、5番手を追走していたが、徐々に進出して4コーナーを2番手で通過。直線に入ると、前で粘るサイレントハンターを次元の違う末脚で交わし去り、最後は3馬身の差をつけて連覇達成

11月15日、約3か月の間隔を開けて迎えた17戦目は、横山典弘騎手を鞍上に迎えて、牝馬限定G1のエリザベス女王杯（京都芝2200m 外回り晴/良）に出走。14頭立ての圧倒的1番人気に推されて3番ゲートからスタート。かなりのスローペースでレースが進む中、6番手を追走していたが、徐々に進出して4コーナーを3番手で通過。直線では強靭な末脚を繰り出したが、3着に終わった。

11月29日、中1週で迎えた18戦目は、G1のジャパンカップ（東京芝2400m 晴/良）に出走。鞍上は2戦連続で横山典弘騎手（1戦0勝）。15頭立ての2番人気に推されて1番ゲートからスタート。極端なスローペースでレースが進む中、終始4番手を追走。直線では堅調な伸びを見せたが、勝ったエルコンドルパサーに詰め切れず、2馬身半差の2着に敗北した。

12月27日、中3週で迎えた19戦目は、G1の有馬記念（中山芝2500m 曇/良）に出走。鞍上は武豊騎手（13戦8勝）。16頭立ての2番人気に推されて3番ゲートからスタート。非常に緩いペースでレースが進む中、7番手を追走し、4コーナーは、馬場の外目を通りながら6番手で通過。直線ではジワリジワリと長く脚を使ってゴールまで力走したが、5着に終わった。