ヒシアトラス（2000年生、母タックスヘイブン）

ヒシアトラス（2000年3月20日）は、日本の競走馬。牡馬。馬名の意味は「冠名＋ギリシャ神話の巨人」。毛色は黒鹿毛。種牡馬のティンバーカントリー（当時8歳）と交配したタックスヘイブンが10歳のときに産んだ3番仔が本馬である。産地は北海道千歳市、生産者は社台ファーム。戦績は、中央平地34戦10勝2着8回、地方2戦0勝2着1回。2005年のフェブラリーステークス(G1)で3着に入った他、2006年のマイルチャンピオンシップ南部杯(G1)で2着に入る活躍をした。その他にも重賞3勝を挙げた。

経歴

デビュー前

当歳のとき、社台ファ-ムから「セレクトセールサラブレッド当歳」に上場され、アベキャピタルによって2,257.5万円で落札された。

中野隆良厩舎（美浦）へ入厩。

3歳（2003年）

2月8日、デビュー戦は横山典弘騎手を鞍上に据えて、3歳新馬（中山ダート1800m 晴/良）に出走。馬体重は526kg。16頭立ての1番人気に推されて大外16番ゲートからスタート。ゆったりとしたペースでレースが進む中、終始2番手を追走。直線では次元の違う末脚を炸裂させて突き抜け、最後は2着のヤマノサップに5馬身の差をつけて初勝利を挙げた。

3月8日、中3週で迎えた2戦目は、3歳500万下（中山ダート1800m 晴/重）に出走。鞍上は2戦連続で横山典弘騎手（1戦1勝）。11頭立ての2番人気に推されて9番ゲートからスタート。忙しいペースでレースが進む中、5番手を追走していたが、徐々に進出して4コーナーを3番手で通過。直線では力強い脚捌きでゴールまで走り切ったが、3着に終わった。

3月30日、中2週で迎えた3戦目は、郷原洋司騎手を鞍上に迎えて、3歳500万下（中山ダート1800m 晴/良）に出走。13頭立ての3番人気に推されて12番ゲートからスタート。平均的なペースでレースが進む中、4番手を追走し、4コーナーは3番手で通過。直線では次元の違う末脚を炸裂させて突き抜け、最後は2着のエピソードシチーに4馬身の差をつけて2勝目を獲得した。

4月19日、中2週で迎えた4戦目は、3歳オープンのベンジャミンステークス（中山芝1800m 晴/良）に出走。芝レースへの出走は初となった。鞍上は2戦連続で郷原洋司騎手（1戦1勝）。8頭立ての4番人気で1番ゲートからスタート。少し遅いペースでレースが進む中、3番手を追走し、4コーナーは2番手で通過。直線では脚が残っておらず5着に敗れた。

5月3日、中1週で迎えた5戦目は、安藤勝己騎手を鞍上に迎えて、3歳オープンの端午ステークス（京都ダート1800m 晴/良）に出走。長時間の輸送競馬は初となった。15頭立ての3番人気に推されて4番ゲートからスタート。ゆったりとしたペースでレースが進む中、8番手を追走していたが、徐々にポジションが下がり4コーナーを11番手で通過。直線では今一つ末脚が弾けず6着に敗れた。

6月15日、中5週で迎えた6戦目は、3歳1000万下のエーデルワイスステークス（東京芝1600m 曇/稍重）に出走。鞍上は郷原洋司騎手（2戦1勝）。13頭立ての10番人気で6番ゲートからスタート。平均ペースでレースが進む中、終始7番手を追走。最後はバテてしまい12着に終わった。

7月6日、中2週で迎えた7戦目は、ハンデ戦で3歳以上1000万下の猪苗代特別（福島ダート1700m 曇/良）に出走。鞍上は2戦連続で郷原洋司騎手（3戦1勝）。14頭立ての3番人気に推されて12番ゲートからスタート。平均的なペースでレースが進む中、3番手を追走し、4コーナーは2番手で通過。直線では持ち前のタフネスで最後まで脚を伸ばしたが、伸びてきたアドマイヤストーム決め手に屈してクビ差の2着に惜敗した。

8月11日、中4週で迎えた8戦目は、3歳以上1000万下の塩沢特別（新潟ダート1800m 曇/良）に出走。鞍上は3戦連続で郷原洋司騎手（4戦1勝）。15頭立ての2番人気に推されて9番ゲートからスタート。やや速いペースでレースが進む中、3番手を追走し、4コーナーは2番手で通過。直線ではシャープな伸び脚で驀進したが、伸びてきたウメノコトブキ決め手に屈して3/4馬身差の2着に敗北した。

9月7日、中3週で迎えた9戦目は、ハンデ戦で3歳以上1000万下の両津湾特別（新潟ダート1800m 晴/稍重）に出走。鞍上は4戦連続で郷原洋司騎手（5戦1勝）。15頭立ての1番人気に推されて9番ゲートからスタート。少し速いペースでレースが進む中、7番手を追走していたが、途中で一気に進出して4コーナーを2番手で通過。直線で前を交わして先頭に立つと、凄まじい末脚を爆発させて、最後は2着のジェイケイガバナーに1馬身1/4の差をつけて勝利を手に入れた。

12月28日、約3か月半の休み明けで迎えた10戦目は、ハンデ戦で3歳以上1600万下の2003フェアウェルステークス（中山ダート1800m 晴/良）に出走。鞍上は5戦連続で郷原洋司騎手（6戦2勝）。16頭立ての8番人気で11番ゲートからスタート。若干遅いペースでレースが進む中、6番手を追走していたが、徐々に進出して、馬場の外目を通りながら4コーナーを2番手で通過。直線ではスパッと切れる脚を見せたが、勝ったトライワンズラックにねじ伏せられて2馬身差の2着となった。

4歳（2004年）

1月10日、中1週で迎えた11戦目は、4歳以上1600万下のアレキサンドライトステークス（中山ダート1800m 晴/良）に出走。鞍上は6戦連続で郷原洋司騎手（7戦2勝）。16頭立ての1番人気に推されて15番ゲートからスタート。やや厳しいペースでレースが進む中、3番手を追走し、4コーナーは4番手で通過。直線に入ると、前で粘るベラージオを上がり4位の末脚で交わし去り、最後は2馬身の差をつけて4勝目を挙げた。

1月31日、中2週で迎えた12戦目は、G3の根岸ステークス（東京ダート1400m 晴/良）に出走。重賞競走への出走は初となった。鞍上は7戦連続で郷原洋司騎手（8戦3勝）。15頭立ての6番人気で14番ゲートからスタート。やや速いペースでレースが進む中、3番手を追走し、4コーナーは2番手で通過。最後はタレてしまい9着に敗れた。

3月7日、中4週で迎えた13戦目は、ハンデ戦でオープンの仁川ステークス（阪神ダート1800m 曇/良）に54kgの軽斤量で出走。鞍上は8戦連続で郷原洋司騎手（9戦3勝）。12頭立ての2番人気に推されて5番ゲートからスタート。平均ペースでレースが進む中、3番手を追走し、4コーナーは2番手で通過。直線に入ると、前で粘るネイチャーヒーラーを上がり2位タイの末脚でクビ差だけ差し切って5勝目をつかんだ。

3月28日、中2週で迎えた14戦目は、ハンデG3のマーチステークス（中山ダート1800m 晴/良）に出走。鞍上は9戦連続で郷原洋司騎手（10戦4勝）。13頭立ての3番人気に推されて8番ゲートからスタート。若干緩いペースでレースが進む中、5番手を追走していたが、徐々に進出して4コーナーを2番手で通過。直線ではもうワンパンチ足りず、4着に終わった。

4月25日、中3週で迎えた15戦目は、G3のアンタレスステークス（京都ダート1800m 晴/良）に出走。鞍上は10戦連続で郷原洋司騎手（11戦4勝）。13頭立ての4番人気で10番ゲートからスタート。スローペースでレースが進む中、3番手を追走し、4コーナーは2番手で通過。直線では強靭な末脚を披露し、3着に入った。

5月23日、中3週で迎えた16戦目は、G2の東海ステークス（中京ダート2300m 雨/良）に出走。鞍上は11戦連続で郷原洋司騎手（12戦4勝）。16頭立ての7番人気で7番ゲートからスタート。かなり緩いペースでレースが進む中、6番手を追走し、4コーナーは5番手で通過。直線では長くいい脚を使ってゴールまで走り切り、3着に入った。

6月26日、中4週で迎えた17戦目は、ハンデ戦でオープンの大沼ステークス（函館ダート1700m 曇/良）に出走。鞍上は横山典弘騎手（2戦1勝）。11頭立ての2番人気に推されて3番ゲートからスタート。スローペースでレースが進む中、終始4番手を追走。直線では迫力満点の伸びを見せたが、勝ったウインデュエルにねじ伏せられて2馬身半差の2着に敗北した。

10月16日、約3か月半の休み明けで迎えた18戦目は、エニフステークス（京都ダート1800m 晴/良）に出走。鞍上は郷原洋司騎手（13戦4勝）。9頭立ての2番人気に推されて4番ゲートからスタート。非常に遅いペースでレースが進む中、5番手を追走していたが、途中で一気に進出して4コーナーを2番手で通過。直線ではビュッとキレる脚を見せたが、勝ったカイトヒルウインドにねじ伏せられて1馬身3/4差の2着に敗北した。

11月20日、中4週で迎えた19戦目は、ハンデ戦でオープンのトパーズステークス（京都ダート1800m 晴/稍重）に出走。鞍上は2戦連続で郷原洋司騎手（14戦4勝）。14頭立ての2番人気に推されて2番ゲートからスタート。スローペースでレースが進む中、6番手を追走していたが、徐々に進出して4コーナーを3番手で通過。直線ではしぶとさが光る走りを見せたが、伸びてきたエンシェントヒル決め手に屈してクビ差の2着に甘んじた。

12月11日、中2週で迎えた20戦目は、師走ステークス（中山ダート1800m 晴/良）に出走。鞍上は横山典弘騎手（3戦1勝）。12頭立ての1番人気に推されて3番ゲートからスタート。平均ペースでレースが進む中、5番手を追走していたが、道中でジワリジワリとポジションを押し上げて4コーナーを3番手で通過。直線では凄まじい末脚を弾けさせて先頭に躍り出て、最後は2着のカフェオリンポスに1馬身半の差をつけて6勝目を手に入れた。

5歳（2005年）

1月23日、中5週で迎えた21戦目は、福永祐一騎手を鞍上に迎えて、G3の平安ステークス（京都ダート1800m 曇/良）に出走。16頭立ての4番人気に推されて4番ゲートからスタート。落ち着いたペースでレースが進む中、終始7番手を追走。直線では次元の違う末脚を弾けさせて突き抜け、最後は2着のブラックコンドルに3馬身半の差をつけて重賞ウィナーの称号を掴み取った。

2月20日、中3週で迎えた22戦目は、蛯名正義騎手を鞍上に迎えて、G1のフェブラリーステークス（東京ダート1600m 小雨/不良）に出走。G1級競走への出走は初となった。15頭立ての6番人気で10番ゲートからスタート。平均ペースでレースが進む中、終始5番手を追走。直線では力強いフットワークでゴールまで頑張り、3着に入った。

3月16日、中2週で迎えた23戦目は、G2のダイオライト記念（船橋ダート2400m 晴/良）に出走。鞍上は横山典弘騎手（4戦2勝）。11頭立ての2番人気に推されて8番ゲートからスタート。非常に緩いペースでレースが進む中、6番手を追走していたが、徐々に進出して4コーナーを3番手で通過。直線では非凡な末脚を繰り出したが、3着に終わった。

4月24日、中5週で迎えた24戦目は、G3のアンタレスステークス（京都ダート1800m 晴/良）に出走。鞍上は2戦連続で横山典弘騎手（5戦2勝）。16頭立ての1番人気に推されて5番ゲートからスタート。落ち着いたペースでレースが進む中、3番手を追走していたが、徐々にポジションが下がり4コーナーを7番手で通過。直線ではゴールまでジワジワと伸びたが、4着に終わった。

5月22日、中3週で迎えた25戦目は、G2の東海ステークス（中京ダート2300m 小雨/稍重）に出走。鞍上は郷原洋司騎手（15戦4勝）。16頭立ての4番人気に推されて1番ゲートからスタート。ゆったりとしたペースでレースが進む中、6番手を追走し、4コーナーは5番手で通過。直線では全く伸びず6着に敗れた。

10月15日、約5か月の休養明けで馬体重を前走から12kg減らして迎えた26戦目は、ハンデ戦でオープンのエニフステークス（京都ダート1800m 雨/稍重）に出走。鞍上は安藤勝己騎手（1戦0勝）。16頭立ての4番人気に推されて14番ゲートからスタート。少し遅いペースでレースが進む中、5番手を追走し、4コーナーは4番手で通過。直線ではじわじわと長く脚を使ってゴールまで頑張ったが、4着に終わった。

10月29日、中1週で馬体重を前走から12kg戻して迎えた27戦目は、小野次郎騎手を鞍上に迎えて、G3の武蔵野ステークス（東京ダート1600m 曇/良）に出走。16頭立ての7番人気で6番ゲートからスタート。ややハイペースでレースが進む中、終始5番手を追走。直線では瞬発力に富んだ末脚を披露し、3着に入った。

11月26日、中3週で迎えた28戦目は、G1のジャパンカップダート（東京ダート2100m 晴/良）に出走。鞍上は蛯名正義騎手（1戦0勝）。16頭立ての12番人気で大外16番ゲートからスタート。非常に緩いペースでレースが進む中、15番手を追走していたが、道中でジワリジワリとポジションを押し上げて4コーナーを13番手で通過。直線では鋭い脚を使えず15着に終わった。

12月24日、中3週で迎えた29戦目は、四位洋文騎手を鞍上に迎えて、ハンデ戦でオープンのベテルギウスステークス（阪神ダート1800m 曇/良）に出走。15頭立ての1番人気に推されて10番ゲートからスタート。平均的なペースでレースが進む中、終始2番手を追走。直線で前を交わして先頭に立つと、一気に末脚を伸ばして、最後は2着のアンドゥオールに1馬身1/4の差をつけて8勝目をゲットした。

6歳（2006年）

1月22日、中3週で迎えた30戦目は、G3の平安ステークス（京都ダート1800m 曇/良）に出走。鞍上は2戦連続で四位洋文騎手（1戦1勝）。16頭立ての1番人気に推されて7番ゲートからスタート。かなり遅いペースでレースが進む中、9番手を追走していたが、道中でジワリジワリとポジションを押し上げて4コーナーを6番手で通過。直線では天性の勝負根性でゴールまで力闘したが、5着に終わった。

3月5日、中5週で迎えた31戦目は、藤田伸二騎手を鞍上に迎えて、ハンデ戦でオープンの仁川ステークス（阪神ダート1800m 晴/良）に59kgの斤量を背負って出走。15頭立ての2番人気に推されて7番ゲートからスタート。ややハイペースでレースが進む中、5番手を追走していたが、道中でジワリジワリとポジションを押し上げて4コーナーを3番手で通過。直線ではシャープな伸びを見せたが、伸びてきたエンシェントヒル決め手に屈してクビ差の2着に甘んじた。

3月26日、中2週で迎えた32戦目は、ハンデG3のマーチステークス（中山ダート1800m 晴/良）に59kgの斤量を背負って出走。鞍上は横山典弘騎手（6戦2勝）。13頭立ての2番人気に推されて5番ゲートからスタート。平均ペースでレースが進む中、3番手を追走し、4コーナーは2番手で通過。直線に入ると、前で粘るプライドキムを豪快な末脚で半馬身差し切って重賞2勝目をマークした。

4月23日、中3週で馬体重を前走から10kg減らして迎えた33戦目は、G3のアンタレスステークス（京都ダート1800m 晴/良）に出走。鞍上は2戦連続で横山典弘騎手（7戦3勝）。16頭立ての1番人気に推されて11番ゲートからスタート。緩いペースでレースが進む中、終始4番手を追走。直線では持ち前のタフネスで最後まで脚を伸ばしたが、勝ったフィフティーワナーに詰め切れず、2馬身半差の2着に敗北した。

5月21日、中3週で馬体重を前走から6kg戻して迎えた34戦目は、小牧太騎手を鞍上に迎えて、G2の東海ステークス（中京ダート2300m 晴/良）に出走。13頭立ての2番人気に推されて5番ゲートからスタート。少し緩いペースでレースが進む中、10番手を追走していたが、徐々に進出して4コーナーを7番手で通過。直線では上がり3位の末脚を見せたが上位争いには絡めず5着に敗れた。

9月18日、約4か月の休み明けで迎えた35戦目は、G3のエルムステークス（札幌ダート1700m 雨/良）に出走。鞍上は横山典弘騎手（8戦3勝）。13頭立ての5番人気で10番ゲートからスタート。かなり緩いペースでレースが進む中、終始2番手を追走。直線では一完歩ずつ着実に終いの脚を伸ばして先頭をうかがい、最後は2着のジンクライシスをクビ差振り切って3つ目の重賞タイトルを手に入れた。

10月9日、中2週で迎えた36戦目は、G1のマイルチャンピオンシップ南部杯（盛岡ダート1600m 晴/良）に出走。鞍上は2戦連続で横山典弘騎手（9戦4勝）。14頭立ての3番人気に推されて10番ゲートからスタート。でレースが進む中、2番手を追走し、4コーナーは先頭で通過。直線では持ち前の優れたスタミナでしぶとく走り抜いたが、ブルーコンコルドにクビ差交わされて2着に惜敗した。