オフサイドトラップ（1991年生、母トウコウキャロル）

オフサイドトラップ（1991年4月21日）は、日本の競走馬、種牡馬。毛色は栗毛。種牡馬のトニービン（当時8歳）と交配したトウコウキャロルが5歳のときに産んだ初仔が本馬である。産地は北海道新冠郡新冠町、生産者は（有）村本牧場。戦績は、中央平地28戦7勝2着8回。1998年の天皇賞（秋）(G1)に勝利した他、1997年の中山記念(G2)で2着に入るなど、G1級競走1勝を含む重賞3勝を挙げた。

経歴

デビュー前

加藤修甫厩舎（美浦）へ入厩。

2歳（1993年）

12月11日、デビュー戦は中舘英二騎手を鞍上に据えて、3歳新馬（中山芝1600m 外回り晴/重）に出走。馬体重は458kg。16頭立ての4番人気に推されて6番ゲートからスタート。忙しいペースでレースが進む中、8番手を追走していたが、途中で一気に進出して4コーナーを3番手で通過。直線ではスパッとキレる脚を見せたが、伸びてきたメープルハート決め手に屈して半馬身差の2着に敗北した。

12月25日、中1週で迎えた2戦目は、安田富男騎手を鞍上に迎えて、3歳新馬（中山芝2000m 晴/良）に出走。18頭立ての1番人気に推されて11番ゲートからスタート。少し速いペースでレースが進む中、終始2番手を追走。直線ではしぶとく脚を伸ばしたが、勝ったランフォルテに詰め切れず、3馬身差の2着に敗北した。

3歳（1994年）

1月16日、中2週で迎えた3戦目は、4歳未勝利（中山ダート1800m 曇/稍重）に出走。ダート戦への出走は初となった。鞍上は2戦連続で安田富男騎手（1戦0勝）。16頭立ての1番人気に推されて1番ゲートからスタート。ハナを切り、少し速いペースで集団を引っ張る。先頭のまま1馬身のリードを保って4コーナーを通過。直線では次元の違う末脚を炸裂させて、最後は2着のチトセゼットに1馬身1/4の差をつけて未勝利勝ちを決めた。

1月31日、中1週で迎えた4戦目は、4歳500万下のセントポーリア賞（東京芝1800m 晴/良）に出走。鞍上は3戦連続で安田富男騎手（2戦1勝）。15頭立ての5番人気で3番ゲートからスタート。スローペースでレースが進む中、5番手を追走していたが、途中でジワリジワリとポジションが下がり4コーナーを7番手で通過。直線では次元の違う末脚を炸裂させて先頭に躍り出て、最後は2着のチョウカイキャロルに2馬身半の差をつけて2勝目を挙げた。

3月19日、中6週で迎えた5戦目は、3歳オープンの若葉ステークス（中山芝2000m 晴/良）に出走。鞍上は4戦連続で安田富男騎手（3戦2勝）。16頭立ての1番人気に推されて6番ゲートからスタート。敢然とにハナを切り、少し遅いペースで集団を引っ張る。先頭のまま1馬身のリードを保って4コーナーを通過。直線では鮮やかな末脚を炸裂させて、最後は2着のトニーザプリンスを半馬身振り切って3勝目をゲットした。

4月17日、中3週で迎えた6戦目は、3歳G1の皐月賞（中山芝2000m 晴/良）に出走。G1級競走への出走は初となった。鞍上は5戦連続で安田富男騎手（4戦3勝）。18頭立ての5番人気で15番ゲートからスタート。若干遅いペースでレースが進む中、9番手を追走していたが、道中でジワリジワリとポジションを押し上げて4コーナーを6番手で通過。直線では末脚にキレが無く7着に敗れた。

5月29日、中5週で迎えた7戦目は、3歳G1の日本ダービー（東京優駿）（東京芝2400m 晴/良）に出走。鞍上は6戦連続で安田富男騎手（5戦3勝）。18頭立ての6番人気で6番ゲートからスタート。ミドルペースでレースが進む中、11番手を追走していたが、途中でジワリジワリとポジションが下がり4コーナーを13番手で通過。直線では速い脚を使えず8着に敗れた。

7月3日、中4週で迎えた8戦目は、3歳G3のラジオたんぱ賞（福島芝1800m 晴/良）に出走。鞍上は7戦連続で安田富男騎手（6戦3勝）。12頭立ての2番人気に推されて11番ゲートからスタート。些か速いペースでレースが進む中、5番手を追走していたが、道中でジワリジワリとポジションを押し上げて4コーナーを3番手で通過。直線では伸びが甘くなり、4着に終わった。

12月17日、約5か月半の休養明けで馬体重を前走から10kg増やして迎えた9戦目は、ディセンバーステークス（中山芝2000m 晴/良）に出走。鞍上は8戦連続で安田富男騎手（7戦3勝）。11頭立ての1番人気に推されて3番ゲートからスタート。少し緩いペースでレースが進む中、5番手を追走していたが、徐々に進出して、馬場の外目を通りながら4コーナーを3番手で通過。直線ではゴールまでジンワリと伸びたが、3着に終わった。

4歳（1995年）

1月5日、中2週で迎えた10戦目は、ハンデG3の金杯（中山芝2000m 晴/重）に出走。鞍上は9戦連続で安田富男騎手（8戦3勝）。16頭立ての1番人気に推されて4番ゲートからスタート。平均ペースでレースが進む中、3番手を追走し、4コーナーは2番手で通過。最後は脚を失くしてしまい8着に敗れた。

2月11日、中4週で迎えた11戦目は、バレンタインステークス（東京芝1800m 晴/良）に出走。鞍上は10戦連続で安田富男騎手（9戦3勝）。8頭立ての1番人気に推されて4番ゲートからスタート。落ち着いたペースでレースが進む中、2番手を追走し、4コーナーは3番手で通過。直線では一完歩ずつ確実に末脚を伸ばして先頭に立ち、最後は2着のマーメイドタバンをハナ差振り切って先頭ゴールを果たした。

12月16日、約10か月半の休養明けで迎えた12戦目は、加藤和宏騎手を鞍上に迎えて、ディセンバーステークス（中山芝2000m 晴/良）に出走。14頭立ての5番人気で3番ゲートからスタート。少し遅いペースでレースが進む中、5番手を追走していたが、徐々にポジションが下がり4コーナーを8番手で通過。直線では力強い脚捌きでゴールまで走り切り、3着に入った。

5歳（1996年）

11月10日、約11か月の休み明けで迎えた13戦目は、富士ステークス（東京芝1800m 曇/良）に出走。鞍上は安田富男騎手（10戦4勝）。12頭立ての4番人気で5番ゲートからスタート。緩やかなペースでレースが進む中、8番手を追走していたが、道中でジワリジワリとポジションを押し上げて、馬場の外目を通りながら4コーナーを6番手で通過。直線ではゴールまでジンワリと伸びたが、4着に終わった。

12月14日、中4週で迎えた14戦目は、ディセンバーステークス（中山芝2000m 晴/良）に出走。鞍上は2戦連続で安田富男騎手（11戦4勝）。14頭立ての2番人気に推されて9番ゲートからスタート。極端なスローペースでレースが進む中、3番手を追走し、4コーナーは4番手で通過。直線では目覚ましい伸び脚で驀進したが、伸びてきたキングオブダイヤ決め手に屈してクビ差の2着に甘んじた。

6歳（1997年）

1月19日、中4週で迎えた15戦目は、G2のアメリカジョッキークラブカップ（中山芝2200m 外回り晴/良）に出走。鞍上は3戦連続で安田富男騎手（12戦4勝）。9頭立ての4番人気で4番ゲートからスタート。平均ペースでレースが進む中、4番手を追走し、4コーナーは3番手で通過。直線では見せ場なく4着に敗れた。

2月2日、中1週で迎えた16戦目は、G3の東京新聞杯（東京芝1600m 晴/良）に54kgの軽斤量で出走。鞍上は4戦連続で安田富男騎手（13戦4勝）。11頭立ての3番人気で10番ゲートからスタート。やや遅いペースでレースが進む中、3番手を追走し、4コーナーは2番手で通過。直線ではあとひと伸びが足りず、3着に終わった。

3月9日、中4週で迎えた17戦目は、G2の中山記念（中山芝1800m 晴/良）に出走。鞍上は5戦連続で安田富男騎手（14戦4勝）。9頭立ての4番人気で大外9番ゲートからスタート。平均ペースでレースが進む中、3番手を追走していたが、徐々に進出して、馬場の外目を通りながら4コーナーを先頭で通過。直線では持ち前の強靭な心肺能力でしぶとく走り抜いたが、キングオブダイヤに交わされて1馬身半差の2着となった。

4月5日、中3週で迎えた18戦目は、G3のダービー卿チャレンジトロフィー（中山芝1600m 外回り曇/重）に出走。鞍上は6戦連続で安田富男騎手（15戦4勝）。13頭立ての2番人気に推されて1番ゲートからスタート。少し速いペースでレースが進む中、2番手を追走し、4コーナーは先頭で通過。直線では上々の伸びを見せたが、ロイヤルスズカに交わされて1馬身半差の2着に敗北した。

5月4日、中3週で迎えた19戦目は、都大路ステークス（京都芝1600m 外回り晴/良）に出走。長時間の輸送競馬は初となった。鞍上は7戦連続で安田富男騎手（16戦4勝）。12頭立ての1番人気に推されて10番ゲートからスタート。少し緩いペースでレースが進む中、5番手を追走し、4コーナーは4番手で通過。直線では力強い脚運びでゴールまで走り切ったが、3着に終わった。

5月31日、中3週で迎えた20戦目は、G3のエプソムカップ（東京芝1800m 晴/良）に出走。鞍上は8戦連続で安田富男騎手（17戦4勝）。13頭立ての4番人気で4番ゲートからスタート。極端なスローペースでレースが進む中、10番手を追走し、4コーナーは9番手で通過。直線では上がり3位タイの末脚を見せたが上位争いには参加できず6着に敗れた。

7歳（1998年）

3月22日、約10か月の休み明けで迎えた21戦目は、東風ステークス（中山芝1600m 外回り曇/稍重）に出走。鞍上は9戦連続で安田富男騎手（18戦4勝）。10頭立ての7番人気で7番ゲートからスタート。若干緩いペースでレースが進む中、5番手を追走し、4コーナーは4番手で通過。直線では闘争心が光る走りを見せたが、勝ったケイワンバイキングに詰め切れず、2馬身半差の2着となった。

4月4日、中1週で迎えた22戦目は、ハンデ戦でオープンの韓国馬事会杯（中山芝1800m 晴/良）に出走。鞍上は10戦連続で安田富男騎手（19戦4勝）。9頭立ての2番人気に推されて2番ゲートからスタート。ミドルペースでレースが進む中、4番手を追走していたが、徐々に進出して、馬場の外目を通りながら4コーナーを2番手で通過。直線では持ち前のタフネスで最後まで脚を伸ばしたが、勝ったジェラスガイに詰め切れず、1馬身半差の2着に敗北した。

5月17日、中5週で迎えた23戦目は、ハンデG3の新潟大賞典（新潟芝2000m 外回り曇/良）に出走。鞍上は11戦連続で安田富男騎手（20戦4勝）。14頭立ての4番人気で2番ゲートからスタート。やや緩いペースでレースが進む中、終始3番手を追走。直線では持ち前のタフネスで根気強く脚を伸ばしたが、抜け出したサイレントハンターを捕まえ切れず、クビ差の2着に惜敗した。

6月6日、中2週で迎えた24戦目は、G3のエプソムカップ（東京芝1800m 曇/重）に出走。鞍上は12戦連続で安田富男騎手（21戦4勝）。17頭立ての4番人気に推されて12番ゲートからスタート。やや遅いペースでレースが進む中、7番手を追走していたが、徐々に進出して4コーナーを3番手で通過。直線では力強い脚捌きでゴールまで頑張ったが、3着に終わった。

7月11日、中4週で迎えた25戦目は、蛯名正義騎手を鞍上に迎えて、ハンデG3の七夕賞（福島芝2000m 曇/良）に出走。16頭立ての2番人気に推されて9番ゲートからスタート。平均ペースでレースが進む中、8番手を追走していたが、道中でジワリジワリとポジションを押し上げて4コーナーを5番手で通過。直線に入ると、前で粘るタイキフラッシュを豪快な末脚でクビ差だけ差し切って待望の重賞初制覇を果たした。

8月30日、中6週で迎えた26戦目は、ハンデG3の新潟記念（新潟芝2000m 外回り曇/重）に出走。鞍上は2戦連続で蛯名正義騎手（1戦1勝）。15頭立ての1番人気に推されて14番ゲートからスタート。若干遅いペースでレースが進む中、馬場の外目を回って8番手を追走し、4コーナーは7番手で通過。直線では目の覚めるような末脚を爆発させて先頭をうかがい、最後は2着のブラボーグリーンをハナ差振り切って2つ目の重賞タイトルをつかんだ。

11月1日、中8週で迎えた27戦目は、柴田善臣騎手を鞍上に迎えて、G1の天皇賞（秋）（東京芝2000m 晴/良）に出走。12頭立ての6番人気で6番ゲートからスタート。ミドルペースでレースが進む中、3番手を追走し、4コーナーは2番手で通過。直線では勢いよく末脚を伸ばして先頭を奪い、最後は2着のステイゴールドに1馬身1/4の差をつけて秋の盾を奪取した。

12月27日、中7週で迎えた28戦目は、G1の有馬記念（中山芝2500m 曇/良）に出走。鞍上は蛯名正義騎手（2戦2勝）。16頭立ての8番人気で6番ゲートからスタート。かなり緩いペースでレースが進む中、3番手を追走し、4コーナーは2番手で通過。最後は脚色が悪くなり10着に敗れた。