ナリタブライアン（1991年生、母パシフィカス）

ナリタブライアン（1991年5月3日）は、日本の競走馬、種牡馬。1993年にJRA賞最優秀2歳牡馬、1994年にJRA賞年度代表馬及び最優秀3歳牡馬を受賞、1998年にはJRA顕彰馬に選出された。毛色は黒鹿毛。種牡馬のブライアンズタイム（当時6歳）と交配したパシフィカスが11歳のときに産んだ仔が本馬である。産地は北海道新冠郡新冠町、生産者は早田牧場新冠支場。戦績は、中央平地21戦12勝2着3回。1994年に皐月賞、日本ダービー（東京優駿）及び菊花賞を制して中央競馬3歳クラシック三冠を達成するなど、G1級競走5勝を含む重賞9勝を挙げた。

経歴

デビュー前

大久保正陽厩舎（栗東）へ入厩。

2歳（1993年）

8月15日、デビュー戦は南井克巳騎手を鞍上に据えて、3歳新馬（函館芝1200m 晴/重）に出走。馬体重は456kg。8頭立ての2番人気に推されて大外8番ゲートからスタート。平均的なペースでレースが進む中、5番手を追走していたが、途中で一気に進出して4コーナーを2番手で通過。直線では堅実な伸びを見せたが、勝ったロングユニコーンに詰め切れず、1馬身1/4差の2着に敗北した。

8月29日、中1週で迎えた2戦目は、3歳新馬（函館芝1200m 晴/重）に出走。鞍上は2戦連続で南井克巳騎手（1戦0勝）。9頭立ての1番人気に推されて6番ゲートからスタート。端を取り切り、ややハイペースでレースを引っ張る。先頭のまま2馬身以上のリードを保って4コーナーを通過。直線では次元の違う末脚を炸裂させて突き抜け、最後は2着のジンライに9馬身の差をつけて初白星を挙げた。

9月26日、中3週で迎えた3戦目は、2歳G3の函館3歳ステークス（函館芝1200m 晴/重）に出走。重賞競走への出走は初となった。鞍上は3戦連続で南井克巳騎手（2戦1勝）。9頭立ての2番人気に推されて5番ゲートからスタート。ややハイペースでレースが進む中、2番手を追走していたが、途中でズルズルとポジションが下がり、4コーナーを5番手で通過。直線では伸びが劣勢になり6着に敗れた。

10月24日、中3週で迎えた4戦目は、清水英次騎手を鞍上に迎えて、3歳500万下のきんもくせい特別（福島芝1700m 晴/良）に出走。長時間の輸送競馬は初となった。8頭立ての1番人気に推されて3番ゲートからスタート。少し緩いペースでレースが進む中、4番手を追走していたが、徐々に進出して4コーナーを2番手で通過。直線に入ると、前で粘るランセットを次元の違う末脚で交わし去り、最後は3馬身の差をつけて1番人気に応えた。

11月6日、中1週で馬体重を前走から12kg減らして迎えた5戦目は、2歳G2のデイリー杯3歳ステークス（京都芝1400m 外回り曇/良）に出走。鞍上は南井克巳騎手（3戦1勝）。15頭立ての2番人気に推されて6番ゲートからスタート。若干緩いペースでレースが進む中、終始12番手を追走。直線では長くいい末脚でゴールまで走り切ったが、3着に終わった。

11月21日、中1週で迎えた6戦目は、2歳オープンの京都3歳ステークス（京都芝1800m 外回り曇/良）に出走。鞍上は2戦連続で南井克巳騎手（4戦1勝）。8頭立ての1番人気に推されて6番ゲートからスタート。少し緩いペースでレースが進む中、馬場の外目を回って2番手を追走し、4コーナーは3番手で通過。直線では異次元の末脚を炸裂させて悠々と抜け出し、最後は2着のテイエムイナズマに3馬身の差をつけて3勝目を獲得した。

12月12日、中2週で迎えた7戦目は、2歳G1の朝日杯3歳ステークス（中山芝1600m 外回り晴/良）に出走。G1級競走への出走は初となった。鞍上は3戦連続で南井克巳騎手（5戦2勝）。14頭立ての1番人気に推されて8番ゲートからスタート。ややハイペースでレースが進む中、8番手を追走し、4コーナーは7番手で通過。直線では次元の違う末脚を炸裂させて突き抜け、最後は2着のフィールドボンバーに3馬身半の差をつけてG1初挑戦初制覇を成し遂げた。

3歳（1994年）

2月14日、中8週で迎えた8戦目は、3歳G3の共同通信杯4歳ステークス（東京芝1800m 晴/良）に出走。鞍上は4戦連続で南井克巳騎手（6戦3勝）。10頭立ての圧倒的1番人気に推されて2番ゲートからスタート。やや緩いペースでレースが進む中、2番手を追走し、4コーナーは3番手で通過。直線では次元の違う末脚を弾けさせて突き抜け、最後は2着のアイネスサウザーに4馬身の差をつけて3連勝で重賞2勝目をマークした。

3月27日、中5週で迎えた9戦目は、3歳G2のスプリングステークス（中山芝1800m 晴/良）に出走。鞍上は5戦連続で南井克巳騎手（7戦4勝）。10頭立ての圧倒的1番人気に推されて2番ゲートからスタート。若干遅いペースでレースが進む中、10番手を追走していたが、途中で一気に進出して4コーナーを4番手で通過。直線では次元の違う末脚を炸裂させて突き抜け、最後は2着のフジノマッケンオーに3馬身半の差をつけて4連勝で3つ目の重賞タイトルをつかんだ。

4月17日、中2週で迎えた10戦目は、3歳G1の皐月賞（中山芝2000m 晴/良）に出走。鞍上は6戦連続で南井克巳騎手（8戦5勝）。18頭立ての1番人気に推されて1番ゲートからスタート。少し緩いペースでレースが進む中、7番手を追走していたが、道中でジワリジワリとポジションを押し上げて4コーナーを4番手で通過。直線では次元の違う末脚を爆発させてすんなりと抜け出し、最後は2着のサクラスーパーオーに3馬身半の差をつけてクラシックの一冠目を手中に収めた。

5月29日、中5週で迎えた11戦目は、3歳G1の日本ダービー（東京優駿）（東京芝2400m 晴/良）に出走。鞍上は7戦連続で南井克巳騎手（9戦6勝）。18頭立ての圧倒的1番人気に推されて17番ゲートからスタート。平均的なペースでレースが進む中、7番手を追走していたが、徐々に進出して、馬場の大外を通りながら4コーナーを2番手で通過。直線では次元の違う末脚を炸裂させて突き抜け、最後は2着のエアダブリンに5馬身の差をつけて世代最強の称号を手に入れた。

10月16日、約4か月半の休み明けで迎えた12戦目は、3歳G2の京都新聞杯（阪神芝2200m 曇/良）に出走。鞍上は8戦連続で南井克巳騎手（10戦7勝）。10頭立ての圧倒的1番人気に推されて6番ゲートからスタート。緩やかなペースでレースが進む中、7番手を追走していたが、途中で一気に進出して、馬場の大外を通りながら4コーナーを3番手で通過。直線では目を引く伸び脚で猛進したが、勝ったスターマンにねじ伏せられてクビ差の2着に甘んじた。

11月6日、中2週で迎えた13戦目は、3歳G1の菊花賞（京都芝3000m 外回り小雨/稍重）に出走。鞍上は9戦連続で南井克巳騎手（11戦7勝）。15頭立ての1番人気に推されて4番ゲートからスタート。ゆったりとしたペースでレースが進む中、7番手を追走し、4コーナーは6番手で通過。直線では次元の違う末脚を炸裂させて突き抜け、最後は2着のヤシマソブリンに7馬身の差をつけてクラシック三冠を達成した。

12月25日、中6週で迎えた14戦目は、G1の有馬記念（中山芝2500m 晴/良）に出走。鞍上は10戦連続で南井克巳騎手（12戦8勝）。13頭立ての圧倒的1番人気に推されて11番ゲートからスタート。遅いペースでレースが進む中、2番手を追走し、4コーナーは先頭で通過。直線では次元の違う末脚を炸裂させてあっさりと抜け出し、最後は2着のヒシアマゾンに3馬身の差をつけてグランプリホースの称号を勝ち取った。

4歳（1995年）

3月12日、約2か月半の間隔を開けて迎えた15戦目は、G2の阪神大賞典（京都芝3000m 外回り小雨/良）に58kgの斤量を背負って出走。鞍上は11戦連続で南井克巳騎手（13戦9勝）。11頭立ての圧倒的1番人気に推されて1番ゲートからスタート。かなり緩いペースでレースが進む中、4番手を追走していたが、徐々に進出して4コーナーを2番手で通過。直線では次元の違う末脚を炸裂させて突き抜け、最後は2着のハギノリアルキングに7馬身の差をつけて3連勝で8つ目の重賞タイトルを手に入れた。

10月29日、約7か月半の休み明けで迎えた16戦目は、的場均騎手を鞍上に迎えて、G1の天皇賞（秋）（東京芝2000m 曇/良）に出走。17頭立ての1番人気に推されて7番ゲートからスタート。若干遅いペースでレースが進む中、6番手を追走していたが、道中でジワリジワリとポジションを押し上げて4コーナーを4番手で通過。最後はバタバタになってしまい12着に敗れた。

11月26日、中3週で迎えた17戦目は、武豊騎手を鞍上に迎えて、G1のジャパンカップ（東京芝2400m 晴/良）に出走。14頭立ての1番人気に推されて3番ゲートからスタート。落ち着いたペースでレースが進む中、終始7番手を追走。直線ではスパッと切れる脚を使えず6着に敗れた。

12月24日、中3週で馬体重を前走から10kg増やして迎えた18戦目は、G1の有馬記念（中山芝2500m 晴/良）に出走。鞍上は2戦連続で武豊騎手（1戦0勝）。12頭立ての2番人気に推されて8番ゲートからスタート。スローペースでレースが進む中、馬場の外目を回って6番手を追走していたが、途中で一気に進出して4コーナーを2番手で通過。直線ではあとひと押しが利かず、4着に終わった。

5歳（1996年）

3月9日、約2か月半の間隔を開けて迎えた19戦目は、G2の阪神大賞典（阪神芝3000m 晴/良）に59kgの斤量を背負って出走。鞍上は3戦連続で武豊騎手（2戦0勝）。10頭立ての2番人気に推されて2番ゲートからスタート。ミドルペースでレースが進む中、5番手を追走していたが、途中で一気に進出して4コーナーを2番手で通過。直線に入ると、前で粘るマヤノトップガンを次元の違う末脚でアタマ差だけ差し切って9つ目の重賞タイトルをつかんだ。

4月21日、中5週で迎えた20戦目は、G1の天皇賞（春）（京都芝3200m 外回り晴/良）に出走。鞍上は南井克巳騎手（14戦10勝）。16頭立ての1番人気に推されて4番ゲートからスタート。緩いペースでレースが進む中、7番手を追走していたが、途中で一気に進出して4コーナーを2番手で通過。直線では目覚ましい伸び脚で猛進したが、勝ったサクラローレルにねじ伏せられて2馬身半差の2着に敗北した。

5月19日、中3週で迎えた21戦目は、G1の高松宮杯（中京芝1200m 晴/良）に出走。鞍上は武豊騎手（3戦1勝）。13頭立ての2番人気に推されて5番ゲートからスタート。やや厳しいペースでレースが進む中、10番手を追走し、4コーナーは9番手で通過。直線ではパワフルな末脚を披露したが、4着に終わった。