キタサンブラック（2012年生、母シュガーハート）

キタサンブラック（2012年3月10日）は、日本の競走馬、種牡馬。馬名の意味は「冠名＋父名の一部」。2016年にJRA賞年度代表馬及び最優秀4歳以上牡馬、2017年にJRA賞年度代表馬及び最優秀4歳以上牡馬を受賞した。毛色は鹿毛。種牡馬のブラックタイド（当時11歳）と交配したシュガーハートが8歳のときに産んだ仔が本馬である。産地は北海道沙流郡門別町、生産者は（有）ヤナガワ牧場。戦績は、中央平地20戦12勝2着2回。2016年、2017年と天皇賞（春）(G1)を連覇した他、2016年のジャパンカップ(G1)に勝利するなど、G1級競走7勝を含む重賞10勝を挙げた。

経歴

デビュー前

清水久詞厩舎（栗東）へ入厩。

3歳（2015年）

1月31日、デビュー戦は後藤浩輝騎手を鞍上に据えて、3歳新馬（東京芝1800m 晴/稍重）に出走。馬体重は510kg。16頭立ての3番人気に推されて14番ゲートからスタート。かなり緩いペースでレースが進む中、9番手を追走していたが、途中でジワリジワリとポジションが下がり4コーナーを11番手で通過。直線では次元の違う末脚を弾けさせて先頭を奪い、最後は2着のミッキージョイに1馬身1/4の差をつけて初白星を挙げた。

2月22日、中2週で迎えた2戦目は、北村宏司騎手を鞍上に迎えて、3歳500万下（東京芝2000m 曇/良）に出走。14頭立ての9番人気で7番ゲートからスタート。緩いペースでレースが進む中、終始2番手を追走。直線では強烈な末脚を弾けさせてすんなりと抜け出し、最後は2着のサトノラーゼンに3馬身の差をつけて勝利をモノにする

3月22日、中3週で迎えた3戦目は、3歳G2のスプリングステークス（中山芝1800m 晴/良）に出走。重賞競走への出走は初となった。鞍上は2戦連続で北村宏司騎手（1戦1勝）。12頭立ての5番人気で1番ゲートからスタート。かなり遅いペースでレースが進む中、2番手を追走し、4コーナーは先頭で通過。直線では渾身の力で末脚を持続させて、最後は2着のリアルスティールをクビ差振り切って重賞初挑戦初制覇を成し遂げた。

4月19日、中3週で迎えた4戦目は、浜中俊騎手を鞍上に迎えて、3歳G1の皐月賞（中山芝2000m 曇/良）に出走。G1級競走への出走は初となった。15頭立ての4番人気で7番ゲートからスタート。緩いペースでレースが進む中、終始2番手を追走。直線では天稟のガッツでゴールまで力走し、3着に入った。

5月31日、中5週で馬体重を前走から10kg増やして迎えた5戦目は、3歳G1の日本ダービー（東京優駿）（東京芝2400m 晴/良）に出走。鞍上は北村宏司騎手（2戦2勝）。18頭立ての6番人気で17番ゲートからスタート。ゆったりとしたペースでレースが進む中、終始2番手を追走。最後はバテてしまい14着に敗れた。

9月21日、約4か月の休み明けで馬体重を前走からさらに12kg増やして迎えた6戦目は、3歳G2のセントライト記念（中山芝2200m 外回り晴/良）に出走。鞍上は2戦連続で北村宏司騎手（3戦2勝）。15頭立ての6番人気で13番ゲートからスタート。非常に緩いペースでレースが進む中、2番手を追走し、4コーナーは先頭で通過。直線では息長く末脚を伸ばして、最後は2着のミュゼエイリアンを3/4馬身振り切って2つ目の重賞タイトルを手に入れた。

10月25日、中4週で迎えた7戦目は、3歳G1の菊花賞（京都芝3000m 外回り晴/良）に出走。鞍上は3戦連続で北村宏司騎手（4戦3勝）。18頭立ての5番人気で4番ゲートからスタート。非常に緩いペースでレースが進む中、5番手を追走していたが、途中でジワリジワリとポジションが下がり4コーナーを8番手で通過。直線では猛烈な末脚を炸裂させて先頭をうかがい、最後は2着のリアルスティールをクビ差振り切って最後の一冠を奪取した。

12月27日、中8週で迎えた8戦目は、横山典弘騎手を鞍上に迎えて、G1の有馬記念（中山芝2500m 曇/良）に出走。16頭立ての4番人気に推されて11番ゲートからスタート。端を奪う恰好となり、ユッタリとしたペースで集団を牽引。先頭のまま半馬身のリードを保って4コーナーを通過。直線では終いの伸びを欠き、3着に終わった。

4歳（2016年）

4月3日、約3か月半の休養明けで迎えた9戦目は、武豊騎手を鞍上に迎えて、G2の産経大阪杯（阪神芝2000m 曇/良）に出走。11頭立ての5番人気で7番ゲートからスタート。端に立つ恰好となり、ユッタリとしたペースで集団を牽引。先頭のまま1馬身のリードを保って4コーナーを通過。直線では勝負根性が光る走りを見せたが、アンビシャスにクビ差交わされて2着となった。

5月1日、中3週で迎えた10戦目は、G1の天皇賞（春）（京都芝3200m 外回り晴/良）に出走。鞍上は2戦連続で武豊騎手（1戦0勝）。18頭立ての2番人気に推されて1番ゲートからスタート。主導権を奪う形となり、スローペースで馬群を牽引。先頭のまま1馬身のリードを保って4コーナーを通過。直線では徐々に前との差を詰めて、最後は2着のカレンミロティックをハナ差振り切って最強ステイヤーの称号を手に入れた。

6月26日、中7週で馬体重を前走から12kg増やして迎えた11戦目は、G1の宝塚記念（阪神芝2200m 晴/稍重）に出走。鞍上は3戦連続で武豊騎手（2戦1勝）。17頭立ての2番人気に推されて3番ゲートからスタート。端を奪う恰好となり、些か速いペースで集団を牽引。先頭のまま1馬身のリードを保って4コーナーを通過。直線では終いの伸びを欠き、3着に終わった。

10月10日、約3か月半の休養明けで迎えた12戦目は、G2の京都大賞典（京都芝2400m 外回り晴/良）に出走。鞍上は4戦連続で武豊騎手（3戦1勝）。10頭立ての1番人気に推されて1番ゲートからスタート。超スローペースでレースが進む中、終始2番手を追走。直線では一完歩ずつ確実に前との差を詰めて先頭をうかがい、最後は2着のアドマイヤデウスをクビ差振り切って重賞5勝目をマークした。

11月27日、中6週で迎えた13戦目は、G1のジャパンカップ（東京芝2400m 小雨/良）に出走。鞍上は5戦連続で武豊騎手（4戦2勝）。17頭立ての1番人気に推されて1番ゲートからスタート。端を奪う形となり、後続との差を2馬身以上キープして、ゆったりとしたペースで馬群を引っ張る。先頭のまま1馬身のリードを保って4コーナーを通過。直線では、そのまま渾身の走りで粘り込んで、最後は2着のサウンズオブアースに2馬身半の差をつけて最強馬の称号を手にした。

12月25日、中3週で迎えた14戦目は、G1の有馬記念（中山芝2500m 晴/良）に出走。鞍上は6戦連続で武豊騎手（5戦3勝）。16頭立ての2番人気に推されて1番ゲートからスタート。スローペースでレースが進む中、終始2番手を追走。直線では闘争心が光る走りを見せたが、伸びてきたサトノダイヤモンド決め手に屈してクビ差の2着に甘んじた。

5歳（2017年）

4月2日、約3か月半の休み明けで迎えた15戦目は、G1の大阪杯（阪神芝2000m 晴/良）に出走。鞍上は7戦連続で武豊騎手（6戦3勝）。14頭立ての1番人気に推されて5番ゲートからスタート。ややスローペースでレースが進む中、3番手を追走し、4コーナーは2番手で通過。直線では長く末脚を持続させて先頭に立ち、最後は2着のステファノスを3/4馬身振り切って春の中距離王の座を射止めた。

4月30日、中3週で迎えた16戦目は、G1の天皇賞（春）（京都芝3200m 外回り晴/良）に出走。鞍上は8戦連続で武豊騎手（7戦4勝）。17頭立ての1番人気に推されて3番ゲートからスタート。少し緩いペースでレースが進む中、2番手を追走し、4コーナーは先頭で通過。直線ではぐいぐいと終いの脚を伸ばして、最後は2着のシュヴァルグランに1馬身1/4の差をつけて5つ目のG1タイトルを手中に収めた。

6月25日、中7週で迎えた17戦目は、G1の宝塚記念（阪神芝2200m 曇/稍重）に出走。鞍上は9戦連続で武豊騎手（8戦5勝）。11頭立ての圧倒的1番人気に推されて10番ゲートからスタート。平均ペースでレースが進む中、3番手を追走し、4コーナーは2番手で通過。最後はタレてしまい9着に敗れた。

10月29日、約4か月の休み明けで迎えた18戦目は、G1の天皇賞（秋）（東京芝2000m 雨/不良）に出走。鞍上は10戦連続で武豊騎手（9戦5勝）。18頭立ての1番人気に推されて7番ゲートからスタート。息の入らないペースでレースが進む中、11番手を追走していたが、途中で一気に進出して4コーナーを2番手で通過。直線では次元の違う末脚を炸裂させて先頭をうかがい、最後は2着のサトノクラウンをクビ差振り切って春秋天皇賞連覇を果たした。

11月26日、中3週で迎えた19戦目は、G1のジャパンカップ（東京芝2400m 晴/良）に出走。鞍上は11戦連続で武豊騎手（10戦6勝）。17頭立ての1番人気に推されて4番ゲートからスタート。ハナを奪う形となり、やや緩いペースで馬群を先導。先頭のまま1馬身のリードを保って4コーナーを通過。直線ではあとひと押しが利かず、3着に終わった。

12月24日、中3週で迎えた20戦目は、G1の有馬記念（中山芝2500m 晴/良）に出走。鞍上は12戦連続で武豊騎手（11戦6勝）。16頭立ての1番人気に推されて2番ゲートからスタート。敢然とにハナを切り、緩いペースで集団を引っ張る。先頭のまま半馬身のリードを保って4コーナーを通過。直線では不屈の敢闘精神で渋太く末脚を持続させて、最後は2着のクイーンズリングに1馬身半の差をつけてグランプリホースの称号を獲得した。