カネヒキリ（2002年生、母ライフアウトゼア）

カネヒキリ（2002年2月26日）は、日本の競走馬、種牡馬。馬名の意味は「ハワイの雷の精」。2005年にJRA賞最優秀ダートホース、2008年にJRA賞最優秀ダートホース、NARグランプリダートグレード競走特別賞馬を受賞した。毛色は栗毛。種牡馬のフジキセキ（当時10歳）と交配したライフアウトゼアが11歳のときに産んだ仔が本馬である。産地は北海道勇払郡早来町、生産者はノーザンファーム。戦績は、中央平地13戦7勝2着1回、地方9戦5勝2着4回、海外1戦0勝。2008年のジャパンカップダート(G1)に勝利した他、2005年のジャパンカップダート(G1)を制するなど、G1級競走7勝を含む重賞9勝を挙げた。

経歴

デビュー前

当歳のとき、ノーザンファームから「セレクトセールサラブレッド当歳」に上場され、金子真人によって2,100万円で落札された。

角居勝彦厩舎（栗東）へ入厩。

2歳（2004年）

7月31日、デビュー戦は柴田善臣騎手を鞍上に据えて、2歳新馬（新潟芝1400m 晴/良）に出走。馬体重は516kg。14頭立ての3番人気に推されて大外14番ゲートからスタート。ややスローペースでレースが進む中、4番手を追走していたが、道中でジワリジワリとポジションを押し上げて4コーナーを2番手で通過。直線では脚勢がやや鈍り、4着に終わった。

8月21日、中2週で馬体重を前走から12kg減らして迎えた2戦目は、福永祐一騎手を鞍上に迎えて、2歳未勝利（小倉芝1800m 晴/良）に出走。13頭立ての5番人気で5番ゲートからスタート。かなりのスローペースでレースが進む中、6番手を追走していたが、途中でジワリジワリとポジションが下がり4コーナーを8番手で通過。直線ではいい脚を見せられず11着に敗れた。

3歳（2005年）

2月13日、約6か月の休み明けで迎えた3戦目は、池添謙一騎手を鞍上に迎えて、3歳未勝利（京都ダート1800m 曇/良）に出走。ダート戦への出走は初となった。14頭立ての9番人気で13番ゲートからスタート。緩やかなペースでレースが進む中、終始2番手を追走。直線では次元の違う末脚を炸裂させて突き抜け、最後は2着のサンシーズンに7馬身の差をつけて初勝利を挙げた。

2月26日、中1週で迎えた4戦目は、O.ペリエ騎手を鞍上に迎えて、3歳500万下（中山ダート1800m 曇/重）に出走。長時間の輸送競馬は初となった。10頭立ての圧倒的1番人気に推されて8番ゲートからスタート。ミドルペースでレースが進む中、2番手を追走し、4コーナーは先頭で通過。直線では次元の違う末脚を炸裂させて突き抜け、最後は2着のシュウザンイーグルに約11馬身の大差をつけて断然人気に応えた。

3月26日、中3週で迎えた5戦目は、武豊騎手を鞍上に迎えて、3歳G3の毎日杯（阪神芝2000m 曇/良）に出走。重賞競走への出走は初となった。14頭立ての3番人気に推されて13番ゲートからスタート。非常に緩いペースでレースが進む中、終始2番手を追走。直線では切れる脚を使えず7着に敗れた。

4月30日、中4週で迎えた6戦目は、3歳オープンの端午ステークス（京都ダート1800m 晴/良）に出走。鞍上は2戦連続で武豊騎手（1戦0勝）。14頭立ての圧倒的1番人気に推されて9番ゲートからスタート。ユッタリとしたペースでレースが進む中、6番手を追走していたが、徐々に進出して4コーナーを2番手で通過。直線に入ると、前で粘るエイシンニュートンを次元の違う末脚で交わし去り、最後は9馬身の差をつけて断然の支持に応えた。

6月4日、中4週で迎えた7戦目は、3歳G3のユニコーンステークス（東京ダート1600m 曇/良）に出走。鞍上は3戦連続で武豊騎手（2戦1勝）。16頭立ての圧倒的1番人気に推されて11番ゲートからスタート。些か速いペースでレースが進む中、3番手を追走し、4コーナーは2番手で通過。直線に入ると、前で粘るアグネスジェダイを豪脚で交わし去り、最後は1馬身3/4の差をつけて初の重賞タイトルを獲得した。

7月13日、中5週で迎えた8戦目は、3歳G1のジャパンダートダービー（大井ダート2000m 曇/良）に出走。G1級競走への出走は初となった。鞍上は4戦連続で武豊騎手（3戦2勝）。14頭立ての1番人気に推されて10番ゲートからスタート。ややスローペースでレースが進む中、4番手を追走していたが、徐々に進出して4コーナーを先頭で通過。直線では次元の違う末脚を炸裂させて突き抜け、最後は2着のメイプルエイトに4馬身の差をつけてG1初挑戦初制覇を成し遂げた。

9月19日、中9週で迎えた9戦目は、3歳G1のダービーグランプリ（盛岡ダート2000m 曇/良）に出走。鞍上は5戦連続で武豊騎手（4戦3勝）。12頭立ての1番人気に推されて6番ゲートからスタート。でレースが進む中、4番手を追走していたが、徐々に進出して4コーナーを先頭で通過。直線では、そのまま渾身の走りで粘り込んで、最後は2着のサンライズバッカスに2馬身半の差をつけて2つ目のG1タイトルをつかんだ。

10月29日、中5週で迎えた10戦目は、G3の武蔵野ステークス（東京ダート1600m 曇/良）に57kgの斤量を背負って出走。鞍上は6戦連続で武豊騎手（5戦4勝）。16頭立ての圧倒的1番人気に推されて8番ゲートからスタート。些か速いペースでレースが進む中、終始13番手を追走。直線では矢のような伸び脚で追い上げたが、勝ったサンライズバッカスに詰め切れず、1馬身3/4差の2着に敗北した。

11月26日、中3週で迎えた11戦目は、G1のジャパンカップダート（東京ダート2100m 晴/良）に出走。鞍上は7戦連続で武豊騎手（6戦4勝）。16頭立ての1番人気に推されて10番ゲートからスタート。超スローペースでレースが進む中、8番手を追走していたが、道中でジワリジワリとポジションを押し上げて、馬場の大外を通りながら4コーナーを6番手で通過。直線では一気に末脚を伸ばして先頭をうかがい、最後は2着のシーキングザダイヤをハナ差振り切ってG1・3勝目を挙げた。

4歳（2006年）

2月19日、約3か月の間隔を開けて迎えた12戦目は、G1のフェブラリーステークス（東京ダート1600m 曇/良）に出走。鞍上は8戦連続で武豊騎手（7戦5勝）。16頭立ての1番人気に推されて14番ゲートからスタート。平均ペースでレースが進む中、10番手を追走していたが、道中でジワリジワリとポジションを押し上げて4コーナーを8番手で通過。直線では次元の違う末脚を炸裂させて前にいた7頭を差し切り、最後は2着のシーキングザダイヤに3馬身の差をつけてダートマイル王の称号を獲得した。

3月25日、G1のドバイワールドカップ（アラブ首長国連邦・ナド・アル・シバダート2000m）に出走。鞍上は9戦連続で武豊騎手（8戦6勝）。11頭立ての2番人気に推されて3番ゲートからスタート。4着に終わった。

6月28日、約3か月の休み明けで迎えた14戦目は、G1の帝王賞GI（大井ダート2000m 晴/良）に出走。鞍上は10戦連続で武豊騎手（9戦6勝）。13頭立ての1番人気に推されて6番ゲートからスタート。ややスローペースでレースが進む中、終始2番手を追走。直線では矢のような伸び脚で追い上げたが、抜け出したアジュディミツオーを捕まえ切れず、1馬身差の2着に敗北した。

6歳（2008年）

11月8日、約29か月の休養明けで馬体重を前走から10kg増やして迎えた15戦目は、G3の武蔵野ステークス（東京ダート1600m 曇/良）に出走。鞍上は11戦連続で武豊騎手（10戦6勝）。16頭立ての2番人気に推されて1番ゲートからスタート。平均的なペースでレースが進む中、6番手を追走していたが、途中でジワリジワリとポジションが下がり4コーナーを8番手で通過。直線ではいい脚を見せられず9着に敗れた。

12月7日、中3週で迎えた16戦目は、C.ルメール騎手を鞍上に迎えて、G1のジャパンカップダート（阪神ダート1800m 晴/良）に出走。15頭立ての4番人気で10番ゲートからスタート。ややスローペースでレースが進む中、4番手を追走し、4コーナーは5番手で通過。直線では一歩一歩着実に終いの脚を伸ばして先頭に立ち、最後は2着のメイショウトウコンをアタマ差振り切って5つ目のG1タイトルを掴み取った。

12月29日、中2週で迎えた17戦目は、Jpn1の東京大賞典（大井ダート2000m 晴/良）に出走。鞍上は2戦連続でC.ルメール騎手（1戦1勝）。10頭立ての2番人気に推されて9番ゲートからスタート。極端なスローペースでレースが進む中、終始3番手を追走。直線では豪脚を爆発させて先頭をうかがい、最後は2着のヴァーミリアンをクビ差振り切って6つ目のG1タイトルをゲットした。

7歳（2009年）

1月28日、中3週で迎えた18戦目は、Jpn1の川崎記念（川崎ダート2100m 曇/稍重）に出走。鞍上は3戦連続でC.ルメール騎手（2戦2勝）。13頭立ての1番人気に推されて3番ゲートからスタート。かなりのスローペースでレースが進む中、終始2番手を追走。直線に入ると、前で粘るフリオーソを次元の違う末脚で半馬身差し切って7つ目のG1タイトルを手中に収めた。

2月22日、中3週で迎えた19戦目は、G1のフェブラリーステークス（東京ダート1600m 晴/稍重）に出走。鞍上は4戦連続でC.ルメール騎手（3戦3勝）。16頭立ての1番人気に推されて2番ゲートからスタート。平均ペースでレースが進む中、終始4番手を追走。直線では切れ味鋭い末脚を繰り出したが、3着に終わった。

5月5日、中9週で迎えた20戦目は、内田博幸騎手を鞍上に迎えて、Jpn1のかしわ記念（船橋ダート1600m 雨/重）に出走。13頭立ての1番人気に推されて11番ゲートからスタート。ユッタリとしたペースでレースが進む中、5番手を追走し、4コーナーは4番手で通過。直線では矢のような伸び脚で追い上げたが、勝ったエスポワールシチーを3/4馬身捉え切れず2着に敗北した。

8歳（2010年）

6月30日、約14か月の休み明けで馬体重を前走から10kg増やして迎えた21戦目は、横山典弘騎手を鞍上に迎えて、Jpn1の帝王賞（大井ダート2000m 曇/稍重）に出走。15頭立ての4番人気で14番ゲートからスタート。ややスローペースでレースが進む中、7番手を追走していたが、徐々に進出して4コーナーを4番手で通過。直線では闘争心が光る走りを見せたが、勝ったフリオーソに詰め切れず、2馬身半差の2着となった。

7月19日、中2週で迎えた22戦目は、Jpn3のマーキュリーカップ（盛岡ダート2000m 曇/良）に出走。鞍上は2戦連続で横山典弘騎手（1戦0勝）。10頭立ての圧倒的1番人気に推されて3番ゲートからスタート。でレースが進む中、2番手を追走し、4コーナーは先頭で通過。直線では次元の違う末脚を炸裂させて悠々と抜け出し、最後は2着のブルーラッドに5馬身の差をつけて9つ目の重賞タイトルを手にした。

8月12日、中2週で迎えた23戦目は、Jpn2のブリーダーズゴールドカップ（門別ダート2000m 曇/不良）に出走。鞍上は3戦連続で横山典弘騎手（2戦1勝）。13頭立ての圧倒的1番人気に推されて4番ゲートからスタート。でレースが進む中、4番手を追走し、4コーナーは5番手で通過。直線では弾けるように急駛したが、勝ったシルクメビウスにねじ伏せられて4馬身差の2着に敗北した。