ヴァーミリアン（2002年生、母スカーレットレディ）

ヴァーミリアン（2002年4月10日）は、日本の競走馬、種牡馬。馬名の意味は「朱色」。2007年にJRA賞最優秀ダートホース、NARグランプリ特別表彰馬を受賞した。毛色は黒鹿毛。種牡馬のエルコンドルパサー（当時7歳）と交配したスカーレットレディが8歳のときに産んだ3番仔が本馬である。産地は北海道勇払郡早来町、生産者はノーザンファーム。戦績は、中央平地19戦5勝2着3回、地方13戦10勝2着2回、海外2戦0勝。2007年のジャパンカップダート(G1)に勝利した他、2008年のフェブラリーステークス(G1)を制するなど、G1級競走9勝を含む重賞13勝を挙げた。

経歴

デビュー前

サンデーサラブレッドクラブにて総額2,400万円（60万×40口）で一口馬主が募集された。

石坂正厩舎（栗東）へ入厩。

2歳（2004年）

10月10日、デビュー戦は武豊騎手を鞍上に据えて、2歳新馬（京都芝1800m 外回り晴/良）に出走。馬体重は492kg。8頭立ての2番人気に推されて4番ゲートからスタート。極端なスローペースでレースが進む中、終始2番手を追走。直線では凄まじい末脚を炸裂させて突き抜け、最後は2着のアウトオブサイトに3馬身半の差をつけて初勝利を挙げた。

10月30日、中2週で迎えた2戦目は、2歳オープンの萩ステークス（京都芝1800m 外回り小雨/良）に出走。鞍上は2戦連続で武豊騎手（1戦1勝）。8頭立ての圧倒的1番人気に推されて1番ゲートからスタート。ややスローペースでレースが進む中、終始5番手を追走。直線では逸出した伸び脚で猛追したが、抜け出したテイエムヒットベに半馬身届かず2着に敗北した。

11月27日、中3週で迎えた3戦目は、2歳オープンの京都2歳ステークス（京都芝2000m 晴/良）に出走。鞍上は3戦連続で武豊騎手（2戦1勝）。10頭立ての3番人気で大外10番ゲートからスタート。かなりのスローペースでレースが進む中、終始4番手を追走。直線ではしぶとさが光る走りを見せたが、勝ったローゼンクロイツにねじ伏せられて1馬身1/4差の2着となった。

12月25日、中3週で迎えた4戦目は、2歳G3のラジオたんぱ杯2歳ステークス（阪神芝2000m 晴/良）に出走。重賞競走への出走は初となった。鞍上は4戦連続で武豊騎手（3戦1勝）。9頭立ての2番人気に推されて大外9番ゲートからスタート。超スローペースでレースが進む中、終始2番手を追走。直線では一完歩ずつ着実に終いの脚を伸ばして先頭を奪い、最後は2着のローゼンクロイツに1馬身の差をつけて重賞初挑戦初制覇を果たした。

3歳（2005年）

3月20日、約3か月の間隔を開けて迎えた5戦目は、北村宏司騎手を鞍上に迎えて、3歳G2のスプリングステークス（中山芝1800m 曇/良）に出走。長時間の輸送競馬は初となった。16頭立ての2番人気に推されて13番ゲートからスタート。遅いペースでレースが進む中、馬場の外目を回って6番手を追走していたが、道中でジワリジワリとポジションを押し上げて4コーナーを4番手で通過。直線では脚が上がってしまい14着に敗れた。

4月17日、中3週で迎えた6戦目は、M.デムーロ騎手を鞍上に迎えて、3歳G1の皐月賞（中山芝2000m 晴/良）に出走。G1級競走への出走は初となった。18頭立ての7番人気で5番ゲートからスタート。かなり遅いペースでレースが進む中、7番手を追走していたが、途中でジワリジワリとポジションが下がり4コーナーを10番手で通過。直線では末脚のキレが鈍く12着に敗れた。

5月7日、中2週で迎えた7戦目は、吉田稔騎手を鞍上に迎えて、3歳G2の京都新聞杯（京都芝2200m 外回り晴/稍重）に出走。15頭立ての3番人気に推されて11番ゲートからスタート。ミドルペースでレースが進む中、10番手を追走し、4コーナーは11番手で通過。直線では末脚がパッとせず12着に敗れた。

9月25日、約4か月半の休み明けで迎えた8戦目は、福永祐一騎手を鞍上に迎えて、3歳G2の神戸新聞杯（阪神芝2000m 曇/良）に出走。13頭立ての8番人気で3番ゲートからスタート。若干遅いペースでレースが進む中、終始5番手を追走。最後はスピードが落ちてしまい10着に終わった。

10月15日、中2週で迎えた9戦目は、ハンデ戦でオープンのエニフステークス（京都ダート1800m 雨/稍重）に出走。ダート戦への出走は初となった。鞍上は武豊騎手（4戦2勝）。16頭立ての3番人気に推されて6番ゲートからスタート。少し遅いペースでレースが進む中、終始2番手を追走。直線では豪快な末脚を弾けさせて先頭に立ち、最後は2着のドンクールをハナ差振り切って3勝目をゲットした。

11月30日、中6週で迎えた10戦目は、G2の彩の国浦和記念（浦和ダート2000m 晴/良）に出走。長時間の輸送競馬は初となった。鞍上は2戦連続で武豊騎手（5戦3勝）。10頭立ての1番人気に推されて5番ゲートからスタート。かなり緩いペースでレースが進む中、3番手を追走し、4コーナーは2番手で通過。直線に入ると、前で粘るハードクリスタルを次元の違う末脚で交わし去り、最後は3馬身の差をつけて2つ目の重賞タイトルを手にした。

4歳（2006年）

1月22日、中7週で馬体重を前走から20kg増やして迎えた11戦目は、G3の平安ステークス（京都ダート1800m 曇/良）に出走。鞍上は3戦連続で武豊騎手（6戦4勝）。16頭立ての2番人気に推されて10番ゲートからスタート。かなり緩いペースでレースが進む中、終始3番手を追走。直線では目を引く伸び脚で追い上げたが、抜け出したタガノゲルニカにアタマ差届かず2着に甘んじた。

2月19日、中3週で迎えた12戦目は、C.ルメール騎手を鞍上に迎えて、G1のフェブラリーステークス（東京ダート1600m 曇/良）に出走。16頭立ての3番人気に推されて8番ゲートからスタート。ミドルペースでレースが進む中、6番手を追走し、4コーナーは5番手で通過。直線ではじわりじわりと長く脚を使ってゴールまで頑張ったが、5着に終わった。

3月15日、中2週で馬体重を前走から13kg減らして迎えた13戦目は、内田博幸騎手を鞍上に迎えて、G2のダイオライト記念（船橋ダート2400m 晴/良）に出走。10頭立ての1番人気に推されて6番ゲートからスタート。ゆったりとしたペースでレースが進む中、4番手を追走していたが、途中で一気に進出して4コーナーを先頭で通過。直線に入ると、前で粘るパーソナルラッシュを次元の違う末脚で交わし去り、最後は6馬身の差をつけて3つ目の重賞タイトルをゲットした。

5月21日、中9週で馬体重を前走からさらに21kg減らして迎えた14戦目は、幸英明騎手を鞍上に迎えて、G2の東海ステークス（中京ダート2300m 晴/良）に出走。13頭立ての1番人気に推されて12番ゲートからスタート。やや緩いペースでレースが進む中、7番手を追走していたが、徐々にポジションが下がり4コーナーを10番手で通過。直線では伸びあぐねて13着に敗れた。

11月25日、約6か月半の休み明けで迎えた15戦目は、G1のジャパンカップダート（東京ダート2100m 晴/良）に出走。鞍上はC.ルメール騎手（1戦0勝）。15頭立ての9番人気で1番ゲートからスタート。非常に遅いペースでレースが進む中、3番手を追走し、4コーナーは4番手で通過。直線では天稟の負けん性を発揮してゴールまで力走し、4着に入り込んだ。

12月20日、中3週で馬体重を前走から10kg増やして迎えた16戦目は、G2の名古屋グランプリ（名古屋ダート2500m 晴/良）に出走。鞍上は2戦連続でC.ルメール騎手（2戦0勝）。11頭立ての1番人気に推されて大外11番ゲートからスタート。でレースが進む中、5番手を追走していたが、徐々に進出して4コーナーを3番手で通過。直線に入ると、前で粘るレッドストーンを上がり1位の末脚で交わし去り、最後は6馬身の差をつけて4つ目の重賞タイトルを奪取した。

5歳（2007年）

1月31日、中5週で迎えた17戦目は、Jpn1の川崎記念（川崎ダート2100m 晴/良）に出走。鞍上は3戦連続でC.ルメール騎手（3戦1勝）。13頭立ての1番人気に推されて7番ゲートからスタート。スローペースでレースが進む中、2番手を追走し、4コーナーは先頭で通過。直線では次元の違う末脚を炸裂させて突き抜け、最後は2着のアジュディミツオーに6馬身の差をつけてG1初制覇

3月31日、G1のドバイワールドカップ（アラブ首長国連邦・ナド・アル・シバダート2000m）に出走。鞍上は4戦連続でC.ルメール騎手（4戦2勝）。7頭立ての6番人気で2番ゲートからスタート。4着に終わった。

10月31日、約7か月の休養明けで迎えた19戦目は、Jpn1のJBCクラシック（大井ダート2000m 曇/良）に出走。鞍上は武豊騎手（7戦4勝）。16頭立ての2番人気に推されて6番ゲートからスタート。かなり緩いペースでレースが進む中、6番手を追走し、4コーナーは7番手で通過。直線では次元の違う末脚を炸裂させて突き抜け、最後は2着のフリオーソに4馬身の差をつけて2つ目のG1タイトルを手にした。

11月24日、中2週で迎えた20戦目は、G1のジャパンカップダート（東京ダート2100m 晴/良）に出走。鞍上は2戦連続で武豊騎手（8戦5勝）。16頭立ての1番人気に推されて7番ゲートからスタート。少し遅いペースでレースが進む中、11番手を追走していたが、徐々に進出して4コーナーを7番手で通過。直線では次元の違う末脚を炸裂させて先頭を奪い、最後は2着のフィールドルージュに1馬身1/4の差をつけて3つ目のG1タイトルを手に入れた。

12月29日、中4週で迎えた21戦目は、Jpn1の東京大賞典（大井ダート2000m 曇/不良）に出走。鞍上は3戦連続で武豊騎手（9戦6勝）。15頭立ての1番人気に推されて13番ゲートからスタート。やや遅いペースでレースが進む中、5番手を追走していたが、道中でジワリジワリとポジションを押し上げて4コーナーを3番手で通過。直線に入ると、前で粘るフリオーソを次元の違う末脚で交わし去り、最後は4馬身の差をつけて4つ目のG1タイトルをゲットした。

6歳（2008年）

2月24日、中7週で迎えた22戦目は、G1のフェブラリーステークス（東京ダート1600m 晴/良）に出走。鞍上は4戦連続で武豊騎手（10戦7勝）。16頭立ての1番人気に推されて15番ゲートからスタート。やや遅いペースでレースが進む中、馬場の外目を回って5番手を追走していたが、道中でジワリジワリとポジションを押し上げて4コーナーを3番手で通過。直線では異次元の末脚を弾けさせて先頭に躍り出て、最後は2着のブルーコンコルドに1馬身3/4の差をつけてダートマイル王の称号を手に入れた。

3月29日、G1のドバイワールドカップ（アラブ首長国連邦・ナド・アル・シバダート2000m）に出走。鞍上は5戦連続で武豊騎手（11戦8勝）。12頭立ての3番人気に推されて7番ゲートからスタート。12着に敗れた。

11月3日、約7か月半の休み明けで迎えた24戦目は、Jpn1のJBCクラシック（園田ダート1870m 曇/良）に出走。鞍上は6戦連続で武豊騎手（12戦8勝）。12頭立ての1番人気に推されて2番ゲートからスタート。でレースが進む中、終始3番手を追走。直線に入ると、前で粘るサクセスブロッケンを豪脚でクビ差だけ差し切って6つ目のG1タイトルを獲得した。

12月7日、中4週で馬体重を前走から12kg増やして迎えた25戦目は、岩田康誠騎手を鞍上に迎えて、G1のジャパンカップダート（阪神ダート1800m 晴/良）に出走。15頭立ての1番人気に推されて6番ゲートからスタート。ややスローペースでレースが進む中、10番手を追走していたが、途中で一気に進出して4コーナーを5番手で通過。直線では強靭な末脚を発揮したが、3着に終わった。

12月29日、中2週で迎えた26戦目は、Jpn1の東京大賞典（大井ダート2000m 晴/良）に出走。鞍上は武豊騎手（13戦9勝）。10頭立ての1番人気に推されて1番ゲートからスタート。極端なスローペースでレースが進む中、5番手を追走し、4コーナーは4番手で通過。直線では素晴らしい伸び脚で猛追したが、抜け出したカネヒキリを捕まえ切れず、クビ差の2着に甘んじた。

7歳（2009年）

2月22日、中7週で迎えた27戦目は、G1のフェブラリーステークス（東京ダート1600m 晴/稍重）に出走。鞍上は2戦連続で武豊騎手（14戦9勝）。16頭立ての2番人気に推されて9番ゲートからスタート。ミドルペースでレースが進む中、終始7番手を追走。直線では上がり3位タイの末脚を繰り出したが上位争いには参加できず6着に敗れた。

6月24日、約4か月の休み明けで迎えた28戦目は、Jpn1の帝王賞（大井ダート2000m 曇/不良）に出走。鞍上は3戦連続で武豊騎手（15戦9勝）。13頭立ての1番人気に推されて4番ゲートからスタート。緩やかなペースでレースが進む中、3番手を追走していたが、道中でジワリジワリとポジションを押し上げて4コーナーを先頭で通過。直線に入ると、前で粘るフリオーソを次元の違う末脚で交わし去り、最後は3馬身の差をつけて7つ目のG1タイトルをつかんだ。

11月3日、約4か月半の休み明けで迎えた29戦目は、Jpn1のJBCクラシック（名古屋ダート1900m 晴/良）に出走。鞍上は4戦連続で武豊騎手（16戦10勝）。12頭立ての圧倒的1番人気に推されて5番ゲートからスタート。でレースが進む中、3番手を追走し、4コーナーは2番手で通過。直線に入ると、前で粘るマコトスパルビエロを次元の違う末脚でアタマ差だけ差し切って8つ目のG1タイトルを奪取した。

12月6日、中4週で迎えた30戦目は、G1のジャパンカップダート（阪神ダート1800m 晴/良）に出走。鞍上は5戦連続で武豊騎手（17戦11勝）。16頭立ての2番人気に推されて4番ゲートからスタート。平均的なペースでレースが進む中、7番手を追走し、4コーナーは、馬場の外目を通りながら8番手で通過。直線ではジリ脚になってしまい8着に敗れた。

12月29日、中2週で迎えた31戦目は、Jpn1の東京大賞典（大井ダート2000m 晴/良）に出走。鞍上は6戦連続で武豊騎手（18戦11勝）。14頭立ての1番人気に推されて13番ゲートからスタート。かなりのスローペースでレースが進む中、4番手を追走し、4コーナーは3番手で通過。直線では迫力満点の伸び脚で猛進したが、伸びてきたサクセスブロッケン決め手に屈してハナ差の2着に甘んじた。

8歳（2010年）

1月27日、中3週で迎えた32戦目は、Jpn1の川崎記念（川崎ダート2100m 晴/良）に出走。鞍上は7戦連続で武豊騎手（19戦11勝）。11頭立ての1番人気に推されて2番ゲートからスタート。極端なスローペースでレースが進む中、終始2番手を追走。直線に入ると、前で粘るフリオーソを猛烈な末脚でクビ差だけ差し切って9つ目のG1タイトルをゲットした。

6月30日、約5か月の休養明けで迎えた33戦目は、Jpn1の帝王賞（大井ダート2000m 曇/稍重）に出走。鞍上は福永祐一騎手（1戦0勝）。15頭立ての2番人気に推されて3番ゲートからスタート。やや緩いペースでレースが進む中、6番手を追走し、4コーナーは5番手で通過。直線では末脚を伸ばせず9着に敗れた。

12月5日、約5か月半の休養明けで迎えた34戦目は、G1のジャパンカップダート（阪神ダート1800m 晴/稍重）に出走。鞍上は武豊騎手（20戦12勝）。16頭立ての4番人気に推されて10番ゲートからスタート。平均ペースでレースが進む中、5番手を追走していたが、途中でズルズルとポジションが下がり、4コーナーを12番手で通過。直線では見せ場なく14着に敗れた。