アドマイヤドン（1999年生、母ベガ）

アドマイヤドン（1999年5月17日）は、日本の競走馬、種牡馬。2001年にJRA賞最優秀2歳牡馬、2003年にJRA賞最優秀ダートホース、NARグランプリ特別表彰馬、2004年にJRA賞最優秀ダートホースを受賞した。毛色は鹿毛。種牡馬のティンバーカントリー（当時7歳）と交配したベガが10歳のときに産んだ3番仔が本馬である。産地は北海道勇払郡早来町、生産者はノーザンファーム。戦績は、中央平地17戦5勝2着2回、地方7戦5勝2着1回、海外1戦0勝。2004年のフェブラリーステークス(G1)に勝利した他、2001年の朝日杯フューチュリティステークス(G1)を制するなど、G1級競走7勝を含む重賞8勝を挙げた。

経歴

デビュー前

松田博資厩舎（栗東）へ入厩。

2歳（2001年）

10月13日、デビュー戦は藤田伸二騎手を鞍上に据えて、2歳新馬（京都ダート1400m 晴/良）に出走。馬体重は454kg。12頭立ての1番人気に推されて11番ゲートからスタート。若干速いペースでレースが進む中、終始3番手を追走。直線に入ると、前で粘るスイートルームを次元の違う末脚で交わし去り、最後は8馬身の差をつけて初白星を挙げた。

11月10日、中3週で迎えた2戦目は、2歳オープンの京都2歳ステークス（京都芝1800m 外回り晴/良）に出走。芝レースへの出走は初となった。鞍上は2戦連続で藤田伸二騎手（1戦1勝）。9頭立ての1番人気に推されて4番ゲートからスタート。平均ペースでレースが進む中、4番手を追走していたが、徐々に進出して4コーナーを2番手で通過。直線では自慢の末脚を弾けさせて突き抜け、最後は2着のオースミエルストに4馬身の差をつけて単勝一倍台の期待に応えた。

12月9日、中3週で迎えた3戦目は、2歳G1の朝日杯フューチュリティステークス（中山芝1600m 外回り晴/良）に出走。G1級競走への出走及び長時間の輸送競馬は初となった。鞍上は3戦連続で藤田伸二騎手（2戦2勝）。16頭立ての1番人気に推されて1番ゲートからスタート。若干遅いペースでレースが進む中、7番手を追走していたが、徐々に進出して4コーナーを3番手で通過。直線では一完歩ずつ確実に終いの脚を伸ばして先頭に立ち、最後は2着のヤマノブリザードを3/4馬身振り切って2歳マイル王の座を奪取した。

3歳（2002年）

3月16日、約3か月の休養明けで迎えた4戦目は、3歳オープンの若葉ステークス（阪神芝2000m 晴/良）に出走。鞍上は4戦連続で藤田伸二騎手（3戦3勝）。11頭立ての1番人気に推されて8番ゲートからスタート。やや緩いペースでレースが進む中、5番手を追走し、4コーナーは6番手で通過。直線では息の長い末脚を発揮したが、3着に終わった。

4月14日、中3週で馬体重を前走から12kg減らして迎えた5戦目は、3歳G1の皐月賞（中山芝2000m 晴/良）に出走。鞍上は5戦連続で藤田伸二騎手（4戦3勝）。18頭立ての4番人気に推されて8番ゲートからスタート。若干緩いペースでレースが進む中、8番手を追走し、4コーナーは9番手で通過。直線では決め手に欠いて7着に敗れた。

5月26日、中5週で馬体重を前走からさらに10kg減らして迎えた6戦目は、3歳G1の日本ダービー（東京優駿）（東京芝2400m 曇/良）に出走。鞍上は6戦連続で藤田伸二騎手（5戦3勝）。18頭立ての8番人気で5番ゲートからスタート。やや緩いペースでレースが進む中、11番手を追走し、4コーナーは12番手で通過。直線では力強い脚運びでゴールまで走り切ったが、6着に終わった。

8月18日、約3か月の間隔を開けて馬体重を前走から20kg戻して迎えた7戦目は、G2の札幌記念（札幌芝2000m 晴/良）に出走。鞍上は7戦連続で藤田伸二騎手（6戦3勝）。16頭立ての3番人気に推されて15番ゲートからスタート。遅いペースでレースが進む中、終始5番手を追走。直線ではパワフルな末脚を発揮したが、4着に終わった。

10月20日、中8週で迎えた8戦目は、3歳G1の菊花賞（京都芝3000m 外回り雨/良）に出走。鞍上は8戦連続で藤田伸二騎手（7戦3勝）。18頭立ての5番人気で3番ゲートからスタート。ゆったりとしたペースでレースが進む中、8番手を追走していたが、徐々に進出して4コーナーを4番手で通過。直線では力感溢れる脚運びでゴールまで走り切り、4着に入った。

11月4日、中1週で迎えた9戦目は、G1のJBCクラシック（盛岡ダート2000m 曇/良）に出走。長時間の輸送競馬は初となった。鞍上は9戦連続で藤田伸二騎手（8戦3勝）。14頭立ての2番人気に推されて2番ゲートからスタート。でレースが進む中、5番手を追走していたが、徐々に進出して4コーナーを先頭で通過。直線では次元の違う末脚を炸裂させて突き抜け、最後は2着のプリエミネンスに7馬身の差をつけて2つ目のG1タイトルをつかんだ。

11月23日、中2週で迎えた10戦目は、G1のジャパンカップダート（中山ダート1800m 曇/良）に出走。鞍上は10戦連続で藤田伸二騎手（9戦4勝）。16頭立ての1番人気に推されて2番ゲートからスタート。平均ペースでレースが進む中、5番手を追走していたが、道中でジワリジワリとポジションを押し上げて4コーナーを3番手で通過。直線では力感溢れる脚捌きでゴールまで頑張ったが、3着に終わった。

4歳（2003年）

2月23日、約3か月の休養明けで迎えた11戦目は、G1のフェブラリーステークス（中山ダート1800m 曇/稍重）に出走。鞍上は11戦連続で藤田伸二騎手（10戦4勝）。16頭立ての2番人気に推されて大外16番ゲートからスタート。厳しいペースでレースが進む中、11番手を追走していたが、途中でジワリジワリとポジションが下がり4コーナーを13番手で通過。直線では他馬と同じような脚色になり11着に敗れた。

9月6日、約6か月半の休養明けで馬体重を前走から10kg増やして迎えた12戦目は、安藤勝己騎手を鞍上に迎えて、G3のエルムステークス（札幌ダート1700m 晴/良）に59kgの斤量を背負って出走。13頭立ての1番人気に推されて10番ゲートからスタート。ユッタリとしたペースでレースが進む中、9番手を追走していたが、途中で一気に進出して4コーナーを2番手で通過。直線では次元の違う末脚を炸裂させて突き抜け、最後は2着のトシザボスに9馬身の差をつけて3つ目の重賞タイトルを手にした。

10月13日、中4週で迎えた13戦目は、G1のマイルチャンピオンシップ南部杯（盛岡ダート1600m 曇/不良）に出走。鞍上は2戦連続で安藤勝己騎手（1戦1勝）。14頭立ての1番人気に推されて13番ゲートからスタート。でレースが進む中、3番手を追走していたが、道中でジワリジワリとポジションを押し上げて4コーナーを先頭で通過。直線に入ると、前で粘るコアレスハンターを次元の違う末脚で交わし去り、最後は4馬身の差をつけて3つ目のG1タイトルを掴み取った。

11月3日、中2週で迎えた14戦目は、G1のJBCクラシック（大井ダート2000m 雨/良）に出走。鞍上は3戦連続で安藤勝己騎手（2戦2勝）。15頭立ての1番人気に推されて14番ゲートからスタート。かなり緩いペースでレースが進む中、4番手を追走していたが、道中でジワリジワリとポジションを押し上げて4コーナーを2番手で通過。直線では次元の違う末脚を炸裂させて突き抜け、最後は2着のスターキングマンに3馬身の差をつけて4つ目のG1タイトルを手にした。

11月29日、中3週で迎えた15戦目は、G1のジャパンカップダート（東京ダート2100m 雨/不良）に出走。鞍上は4戦連続で安藤勝己騎手（3戦3勝）。16頭立ての圧倒的1番人気に推されて6番ゲートからスタート。ミドルペースでレースが進む中、6番手を追走していたが、道中でジワリジワリとポジションを押し上げて4コーナーを3番手で通過。直線では矢のような伸び脚で追い上げたが、抜け出したフリートストリートダンサーにハナ差届かず2着に甘んじた。

5歳（2004年）

2月22日、約3か月の間隔を開けて迎えた16戦目は、G1のフェブラリーステークス（東京ダート1600m 晴/良）に出走。鞍上は5戦連続で安藤勝己騎手（4戦3勝）。16頭立ての圧倒的1番人気に推されて10番ゲートからスタート。非常に遅いペースでレースが進む中、終始7番手を追走。直線ではぐんぐんと終いの脚を伸ばして先頭をうかがい、最後は2着のサイレントディールを半馬身振り切ってダートマイル王の座を掴み取った。

3月27日、G1のドバイワールドカップ（アラブ首長国連邦・ナド・アル・シバダート2000m）に出走。鞍上は6戦連続で安藤勝己騎手（5戦4勝）。12頭立ての4番人気で3番ゲートからスタート。8着に敗れた。

6月30日、約3か月の休み明けで迎えた18戦目は、G1の帝王賞GI（大井ダート2000m 晴/稍重）に出走。鞍上は7戦連続で安藤勝己騎手（6戦4勝）。10頭立ての1番人気に推されて6番ゲートからスタート。非常に緩いペースでレースが進む中、5番手を追走し、4コーナーは4番手で通過。直線に入ると、前で粘るナイキアディライトを次元の違う末脚でハナ差だけ差し切って6つ目のG1タイトルを手に入れた。

10月11日、約3か月半の休み明けで迎えた19戦目は、武豊騎手を鞍上に迎えて、G1のマイルチャンピオンシップ南部杯（盛岡ダート1600m 曇/稍重）に出走。12頭立ての1番人気に推されて11番ゲートからスタート。でレースが進む中、5番手を追走していたが、道中でジワリジワリとポジションを押し上げて4コーナーを3番手で通過。直線では持ち前の優れたスタミナでしぶとく走り抜いたが、抜け出したユートピアを捕まえ切れず、半馬身差の2着に敗北した。

11月3日、中2週で迎えた20戦目は、G1のJBCクラシック（大井ダート2000m 晴/稍重）に出走。鞍上は安藤勝己騎手（7戦5勝）。13頭立ての1番人気に推されて7番ゲートからスタート。緩やかなペースでレースが進む中、5番手を追走し、4コーナーは4番手で通過。直線では次元の違う末脚を炸裂させて先頭をうかがい、最後は2着のアジュディミツオーを3/4馬身振り切って7つ目のG1タイトルを奪取した。

11月28日、中3週で迎えた21戦目は、G1のジャパンカップダート（東京ダート2100m 晴/良）に出走。鞍上は2戦連続で安藤勝己騎手（8戦6勝）。16頭立ての1番人気に推されて10番ゲートからスタート。緩やかなペースでレースが進む中、7番手を追走し、4コーナーは6番手で通過。直線では逸出した伸び脚で驀進したが、勝ったタイムパラドックスにねじ伏せられて2馬身半差の2着に敗北した。

12月26日、中3週で迎えた22戦目は、G1の有馬記念（中山芝2500m 晴/良）に出走。鞍上は3戦連続で安藤勝己騎手（9戦6勝）。15頭立ての8番人気で大外15番ゲートからスタート。やや緩いペースでレースが進む中、終始8番手を追走。直線では今一つ伸び切れず7着に敗れた。

6歳（2005年）

2月20日、中7週で迎えた23戦目は、G1のフェブラリーステークス（東京ダート1600m 小雨/不良）に出走。鞍上は4戦連続で安藤勝己騎手（10戦6勝）。15頭立ての2番人気に推されて3番ゲートからスタート。平均的なペースでレースが進む中、11番手を追走し、4コーナーは12番手で通過。直線では力強い脚捌きでゴールまで走り切ったが、5着に終わった。

4月3日、中5週で迎えた24戦目は、G2の産経大阪杯（阪神芝2000m 晴/良）に59kgの斤量を背負って出走。鞍上は5戦連続で安藤勝己騎手（11戦6勝）。9頭立ての5番人気で6番ゲートからスタート。遅いペースでレースが進む中、6番手を追走していたが、徐々にポジションが下がり4コーナーを8番手で通過。直線では決め手に欠いて6着に敗れた。

5月5日、中4週で迎えた25戦目は、G1のかしわ記念（船橋ダート1600m 晴/良）に出走。鞍上は6戦連続で安藤勝己騎手（12戦6勝）。10頭立ての2番人気に推されて3番ゲートからスタート。やや遅いペースでレースが進む中、6番手を追走していたが、途中で一気に進出して4コーナーを3番手で通過。直線では末脚を伸ばせず4着に敗れた。