クロカミ（1993年生、母ミルド）

クロカミ（1993年2月25日）は、アイルランドで生まれ、日本で調教された競走馬、繁殖牝馬。毛色は青鹿毛。種牡馬のCaerleon（当時13歳）と交配したミルドが8歳のときに産んだ仔が本馬である。戦績は、中央平地23戦7勝2着4回。1997年の京王杯オータムハンデキャップ(ハンデG3)に勝利した他、1997年の府中牝馬ステークス(牝G3)を制するなどの活躍をした。

経歴

デビュー前

松山康久厩舎（美浦）へ入厩。

3歳（1996年）

2月25日、デビュー戦は岡部幸雄騎手を鞍上に据えて、4歳新馬（中山芝1600m 外回り曇/良）に出走。馬体重は478kg。15頭立ての圧倒的1番人気に推されて6番ゲートからスタート。先手を取る形となり、スローペースで馬群を先導。先頭のまま半馬身のリードを保って4コーナーを通過。直線では鮮やかな末脚を弾けさせて、最後は2着のニットウダンシングをハナ差振り切って初勝利を挙げた。

4月21日、中7週で迎えた2戦目は、4歳500万下のあやめ賞（京都芝1400m 晴/良）に出走。長時間の輸送競馬は初となった。鞍上は2戦連続で岡部幸雄騎手（1戦1勝）。18頭立ての1番人気に推されて大外18番ゲートからスタート。ややスローペースでレースが進む中、終始7番手を追走。直線ではビュッと切れる脚を見せたが、勝ったメイキングにねじ伏せられてハナ差の2着に甘んじた。

5月19日、中3週で迎えた3戦目は、4歳500万下の牡丹賞（東京芝1600m 晴/良）に出走。鞍上は3戦連続で岡部幸雄騎手（2戦1勝）。12頭立ての1番人気に推されて1番ゲートからスタート。平均的なペースでレースが進む中、5番手を追走していたが、途中でジワリジワリとポジションが下がり4コーナーを7番手で通過。直線では途轍もない末脚を爆発させて先頭に立ち、最後は2着のゲイリープリンスを3/4馬身振り切って1番人気に応えた。

7月6日、中6週で迎えた4戦目は、ハンデ戦で4歳900万下のさくらんぼステークス（中山芝1600m 外回り晴/良）に出走。鞍上は4戦連続で岡部幸雄騎手（3戦2勝）。14頭立ての1番人気に推されて9番ゲートからスタート。やや緩いペースでレースが進む中、3番手を追走していたが、途中でジワリジワリとポジションが下がり4コーナーを5番手で通過。直線では末脚を伸ばせず6着に敗れた。

10月6日、約3か月の休み明けで馬体重を前走から14kg増やして迎えた5戦目は、4歳以上900万下の神奈川新聞杯（東京芝1400m 曇/良）に出走。鞍上は5戦連続で岡部幸雄騎手（4戦2勝）。12頭立ての1番人気に推されて大外12番ゲートからスタート。ややハイペースでレースが進む中、5番手を追走し、4コーナーは6番手で通過。直線ではスパッと切れる脚を使えず5着に敗れた。

10月20日、中1週で迎えた6戦目は、4歳以上900万下（東京芝1400m 曇/良）に出走。鞍上は6戦連続で岡部幸雄騎手（5戦2勝）。14頭立ての1番人気に推されて1番ゲートからスタート。平均ペースでレースが進む中、終始3番手を追走。直線では強烈な末脚を弾けさせて先頭に立ち、最後は2着のヒロデクロスを3/4馬身振り切って3勝目を挙げた。

11月3日、中1週で迎えた7戦目は、坂井千明騎手を鞍上に迎えて、牝馬限定戦のユートピアステークス（東京芝1400m 曇/稍重）に出走。18頭立ての3番人気に推されて2番ゲートからスタート。緩いペースでレースが進む中、終始3番手を追走。直線では力強いフットワークでゴールまで走り切ったが、3着に終わった。

12月1日、中3週で迎えた8戦目は、牝馬限定のハンデ戦でオープンのターコイズステークス（中山芝1800m 晴/良）に51kgの軽斤量で出走。鞍上は岡部幸雄騎手（6戦3勝）。11頭立ての1番人気に推されて1番ゲートからスタート。平均ペースでレースが進む中、終始2番手を追走。直線に入ると、前で粘るマジックキスを次元の違う末脚で交わし去り、最後は5馬身の差をつけて4勝目を手に入れた。

4歳（1997年）

1月6日、中4週で馬体重を前走から10kg減らして迎えた9戦目は、ニューイヤーステークス（中山芝1600m 外回り晴/重）に出走。鞍上は2戦連続で岡部幸雄騎手（7戦4勝）。16頭立ての1番人気に推されて11番ゲートからスタート。やや厳しいペースでレースが進む中、馬場の外目を回って5番手を追走していたが、道中でジワリジワリとポジションを押し上げて4コーナーを2番手で通過。直線では終いが甘くなり、3着に終わった。

2月23日、中6週で迎えた10戦目は、牝馬限定のハンデG3の中山牝馬ステークス（中山芝1800m 晴/良）に出走。重賞競走への出走は初となった。鞍上は3戦連続で岡部幸雄騎手（8戦4勝）。15頭立ての1番人気に推されて12番ゲートからスタート。非常に遅いペースでレースが進む中、3番手を追走し、4コーナーは2番手で通過。直線では速い脚を持続できず、3着に終わった。

3月29日、中4週で迎えた11戦目は、ハンデ戦でオープンの韓国馬事会杯（中山芝1800m 曇/良）に出走。鞍上は4戦連続で岡部幸雄騎手（9戦4勝）。12頭立ての2番人気に推されて7番ゲートからスタート。やや緩いペースでレースが進む中、4番手を追走し、4コーナーは3番手で通過。直線に入ると、前で粘るウインドフィールズをクビ差だけ差し切って5勝目を収める

4月20日、中2週で馬体重を前走から10kg減らして迎えた12戦目は、菊沢隆徳騎手を鞍上に迎えて、谷川岳ステークス（新潟芝1600m 外回り晴/良）に出走。15頭立ての4番人気で2番ゲートからスタート。若干遅いペースでレースが進む中、8番手を追走していたが、途中でジワリジワリとポジションが下がり4コーナーを10番手で通過。直線では目立つような脚を使えず6着に敗れた。

7月20日、約3か月の休み明けで馬体重を前走から18kg戻して迎えた13戦目は、ハンデ戦でオープンのUHB杯（函館芝1800m 晴/良）に出走。鞍上は岡部幸雄騎手（10戦5勝）。13頭立ての2番人気に推されて9番ゲートからスタート。緩やかなペースでレースが進む中、終始2番手を追走。直線ではスパッと切れる脚を見せたが、勝ったマイネルワイズマンにねじ伏せられてハナ差の2着に甘んじた。

9月7日、中6週で迎えた14戦目は、ハンデG3の京王杯オータムハンデキャップ（中山芝1600m 外回り晴/良）に出走。鞍上は2戦連続で岡部幸雄騎手（11戦5勝）。10頭立ての2番人気に推されて1番ゲートからスタート。前に出て、落ち着いたペースでレースを引っ張る。途中で控えて4コーナーを2番手で通過。直線ではきっちりと末脚を伸ばして先頭に立ち、最後は2着のプレストシンボリをアタマ差振り切って重賞ウィナーの称号を勝ち取った。

10月12日、中4週で迎えた15戦目は、牝馬限定G3の府中牝馬ステークス（東京芝1800m 晴/良）に出走。鞍上は3戦連続で岡部幸雄騎手（12戦6勝）。11頭立ての1番人気に推されて5番ゲートからスタート。遅いペースでレースが進む中、終始3番手を追走。直線ではきちんと終いの脚を伸ばして先頭に立ち、最後は2着のグロリーシャルマンを半馬身振り切って2つ目の重賞タイトルを獲得した。

12月14日、中8週で迎えた16戦目は、横山典弘騎手を鞍上に迎えて、牝馬限定G2のサンケイスポーツ杯阪神牝馬特別（阪神芝1600m 晴/良）に出走。16頭立ての1番人気に推されて13番ゲートからスタート。ミドルペースでレースが進む中、終始5番手を追走。直線ではじわじわと長く脚を使ってゴールまで頑張ったが、5着に終わった。

5歳（1998年）

2月8日、中7週で迎えた17戦目は、G3の東京新聞杯（東京芝1600m 曇/良）に出走。鞍上は2戦連続で横山典弘騎手（1戦0勝）。16頭立ての2番人気に推されて2番ゲートからスタート。ミドルペースでレースが進む中、5番手を追走し、4コーナーは4番手で通過。直線では力感溢れるフットワークでゴールまで走り切ったが、3着に終わった。

3月2日、中2週で迎えた18戦目は、牝馬限定のハンデG3の中山牝馬ステークス（中山芝1800m 晴/重）に出走。鞍上は岡部幸雄騎手（13戦7勝）。12頭立ての1番人気に推されて8番ゲートからスタート。果敢にハナを奪い、緩いペースで一団を先導。先頭のまま半馬身のリードを保って4コーナーを通過。直線では脚色がやや鈍り、3着に終わった。

4月26日、中7週で迎えた19戦目は、谷川岳ステークス（新潟芝1600m 外回り曇/重）に牝馬ながら57kgの斤量を背負って出走。鞍上は坂井千明騎手（1戦0勝）。10頭立ての1番人気に推されて大外10番ゲートからスタート。少し緩いペースでレースが進む中、3番手を追走し、4コーナーは、馬場の外目を通りながら2番手で通過。直線ではしぶとさが光る走りを見せたが、伸びてきたチアズサイレンス決め手に屈して半馬身差の2着に敗北した。

6月21日、中7週で迎えた20戦目は、柴田善臣騎手を鞍上に迎えて、吾妻小富士オープン（福島芝1800m 曇/良）に出走。14頭立ての1番人気に推されて11番ゲートからスタート。平均ペースでレースが進む中、終始2番手を追走。直線では迫力満点の伸び脚で猛追したが、抜け出したアンブラスモアにクビ差届かず2着に甘んじた。

8月9日、中6週で馬体重を前走から14kg増やして迎えた21戦目は、札幌日経オープン（札幌芝1800m 晴/良）に出走。鞍上は岡部幸雄騎手（14戦7勝）。11頭立ての2番人気に推されて大外11番ゲートからスタート。ゆったりとしたペースでレースが進む中、終始3番手を追走。直線ではもうひと伸びが足りず、4着に終わった。

9月13日、中4週で馬体重を前走から26kg絞って迎えた22戦目は、ハンデG3の京成杯オータムハンデキャップ（中山芝1600m 外回り晴/良）に出走。鞍上は柴田善臣騎手（1戦0勝）。10頭立ての5番人気で4番ゲートからスタート。平均ペースでレースが進む中、終始2番手を追走。最後は脚を失くしてしまい9着に敗れた。

10月31日、中6週で迎えた23戦目は、ハンデ戦でオープンのアイルランドトロフィー（東京芝1600m 晴/良）に出走。鞍上は横山典弘騎手（2戦0勝）。8頭立ての4番人気で大外8番ゲートからスタート。ミドルペースでレースが進む中、終始3番手を追走。直線では伸びが劣勢になり6着に敗れた。