クリンチャー（2014年生、母ザフェイツ）

クリンチャー（2014年3月10日）は、日本の競走馬。牡馬。馬名の意味は「決定打」。毛色は鹿毛。種牡馬のディープスカイ（当時9歳）と交配したザフェイツが17歳のときに産んだ10番仔が本馬である。産地は北海道新冠郡新冠町、生産者は平山牧場。2017年の菊花賞(G1)で2着に入った他、2018年の京都記念(G2)に勝利するなどの活躍をした。

経歴

デビュー前

宮本博厩舎（栗東）へ入厩。

3歳（2017年）

1月16日、デビュー戦は丸山元気騎手を鞍上に据えて、3歳新馬（中京芝2000m 晴/重）に出走。馬体重は476kg。16頭立ての11番人気で大外16番ゲートからスタート。超スローペースでレースが進む中、終始11番手を追走。直線では伸びあぐねて12着に終わった。

1月28日、中1週で迎えた2戦目は、藤岡佑介騎手を鞍上に迎えて、3歳未勝利（京都芝2000m 晴/良）に出走。14頭立ての14番人気で5番ゲートからスタート。主導権を奪う形となり、スローペースで馬群を牽引。先頭のまま半馬身のリードを保って4コーナーを通過。直線では圧倒的な末脚を爆発させて楽々と抜け出し、最後は2着のミッキーロイヤルに3馬身の差をつけて未勝利戦を制した。

2月26日、中3週で迎えた3戦目は、3歳オープンのすみれステークス（阪神芝2200m 晴/良）に出走。鞍上は2戦連続で藤岡佑介騎手（1戦1勝）。7頭立ての5番人気で1番ゲートからスタート。平均ペースでレースが進む中、終始2番手を追走。直線に入ると、前で粘るタガノアシュラを異次元の末脚で交わし去り、最後は4馬身の差をつけて2勝目をつかんだ。

4月16日、中6週で迎えた4戦目は、3歳G1の皐月賞（中山芝2000m 晴/良）に出走。G1級競走への出走及び長時間の輸送競馬は初となった。鞍上は3戦連続で藤岡佑介騎手（2戦2勝）。18頭立ての13番人気で16番ゲートからスタート。スローペースでレースが進む中、3番手を追走していたが、道中でジワリジワリとポジションを押し上げて4コーナーを先頭で通過。直線では天性の闘争心でゴールまで力闘し、4着を確保した。

5月28日、中5週で迎えた5戦目は、3歳G1の日本ダービー（東京優駿）（東京芝2400m 晴/良）に出走。鞍上は4戦連続で藤岡佑介騎手（3戦2勝）。18頭立ての9番人気で5番ゲートからスタート。かなり緩いペースでレースが進む中、5番手を追走していたが、徐々にポジションが下がり4コーナーを9番手で通過。直線では脚を伸ばせず13着に敗れた。

9月18日、約4か月の休み明けで馬体重を前走から18kg増やして迎えた6戦目は、3歳G2のセントライト記念（中山芝2200m 外回り晴/良）に出走。鞍上は5戦連続で藤岡佑介騎手（4戦2勝）。15頭立ての4番人気で4番ゲートからスタート。非常に緩いペースでレースが進む中、3番手を追走し、4コーナーは2番手で通過。直線では脚が上がってしまい9着に敗れた。

10月22日、中4週で迎えた7戦目は、3歳G1の菊花賞（京都芝3000m 外回り雨/不良）に出走。鞍上は6戦連続で藤岡佑介騎手（5戦2勝）。18頭立ての10番人気で4番ゲートからスタート。ややハイペースでレースが進む中、11番手を追走していたが、途中で一気に進出して4コーナーを2番手で通過。直線ではビュッとキレる脚を見せたが、勝ったキセキにねじ伏せられて2馬身差の2着となった。

4歳（2018年）

2月11日、約3か月半の休養明けで迎えた8戦目は、G2の京都記念（京都芝2200m 外回り晴/重）に出走。鞍上は7戦連続で藤岡佑介騎手（6戦2勝）。10頭立ての4番人気で4番ゲートからスタート。ユッタリとしたペースでレースが進む中、3番手を追走し、4コーナーは4番手で通過。直線では一完歩ずつ確実に終いの脚を伸ばして先頭を奪い、最後は2着のアルアインに1馬身の差をつけて初の重賞タイトルを手に入れた。

3月18日、中4週で迎えた9戦目は、武豊騎手を鞍上に迎えて、G2の阪神大賞典（阪神芝3000m 曇/良）に出走。11頭立ての1番人気に推されて8番ゲートからスタート。平均的なペースでレースが進む中、4番手を追走し、4コーナーは3番手で通過。直線では天性の負けん気を発揮してゴールまで力闘したが、3着に終わった。

4月29日、中5週で迎えた10戦目は、三浦皇成騎手を鞍上に迎えて、G1の天皇賞（春）（京都芝3200m 外回り晴/良）に出走。17頭立ての4番人気に推されて8番ゲートからスタート。若干遅いペースでレースが進む中、7番手を追走していたが、徐々に進出して4コーナーを3番手で通過。直線では力感溢れる脚捌きでゴールまで頑張ったが、3着に終わった。

9月16日、G2のフォワ賞（フランス・ロンシャン芝2400m）に出走。鞍上は武豊騎手（1戦0勝）。6頭立ての3番人気で4番ゲートからスタート。6着に敗れた。

10月7日、G1の凱旋門賞（フランス・ロンシャン芝2400m）に出走。鞍上は2戦連続で武豊騎手（2戦0勝）。19頭立ての15番人気で1番ゲートからスタート。17着に終わった。

12月23日、約2か月半の間隔を開けて迎えた13戦目は、福永祐一騎手を鞍上に迎えて、G1の有馬記念（中山芝2500m 曇/稍重）に出走。16頭立ての11番人気で2番ゲートからスタート。若干緩いペースでレースが進む中、5番手を追走し、4コーナーは4番手で通過。直線では脚が上がってしまい15着に終わった。

5歳（2019年）

3月23日、約3か月の休み明けで迎えた14戦目は、G2の日経賞（中山芝2500m 曇/稍重）に出走。鞍上は三浦皇成騎手（1戦0勝）。12頭立ての5番人気で大外12番ゲートからスタート。非常に緩いペースでレースが進む中、7番手を追走していたが、道中でジワリジワリとポジションを押し上げて4コーナーを5番手で通過。直線では伸びが鈍く7着に敗れた。

4月28日、中4週で迎えた15戦目は、G1の天皇賞（春）（京都芝3200m 外回り晴/良）に出走。鞍上は2戦連続で三浦皇成騎手（2戦0勝）。13頭立ての4番人気で12番ゲートからスタート。落ち着いたペースでレースが進む中、8番手を追走していたが、徐々にポジションが下がり4コーナーを11番手で通過。直線ではスパッと切れる脚を使えず10着に敗れた。

6月23日、中7週で迎えた16戦目は、G1の宝塚記念（阪神芝2200m 曇/良）に出走。鞍上は3戦連続で三浦皇成騎手（3戦0勝）。12頭立ての9番人気で9番ゲートからスタート。やや速いペースでレースが進む中、7番手を追走していたが、道中でジワリジワリとポジションを押し上げて4コーナーを5番手で通過。直線では見所を作れず8着に終わった。

9月1日、中9週で迎えた17戦目は、田辺裕信騎手を鞍上に迎えて、ハンデG3の新潟記念（新潟芝2000m 外回り晴/良）に出走。18頭立ての13番人気で8番ゲートからスタート。かなり緩いペースでレースが進む中、終始2番手を追走。最後は脚色が悪くなり12着に終わった。

10月6日、中4週で迎えた18戦目は、池添謙一騎手を鞍上に迎えて、G2の京都大賞典（京都芝2400m 外回り晴/良）に出走。17頭立ての8番人気で3番ゲートからスタート。やや緩いペースでレースが進む中、8番手を追走していたが、徐々に進出して、馬場の外目を通りながら4コーナーを3番手で通過。直線では伸びを欠き9着に敗れた。

6歳（2020年）

2月29日、約5か月の休み明けで迎えた19戦目は、ハンデ戦でオープンの仁川ステークス（阪神ダート2000m 雨/稍重）に出走。ダート戦への出走は初となった。鞍上は2戦連続で池添謙一騎手（1戦0勝）。15頭立ての3番人気に推されて4番ゲートからスタート。ミドルペースでレースが進む中、10番手を追走し、4コーナーは11番手で通過。直線では迫力十分の伸び脚で追い上げたが、抜け出したヒストリーメイカーに半馬身届かず2着に敗北した。

3月31日、中3週で迎えた20戦目は、石橋脩騎手を鞍上に迎えて、ハンデG3のマーチステークス（中山ダート1800m 曇/稍重）に出走。長時間の輸送競馬は初となった。16頭立ての4番人気に推されて2番ゲートからスタート。平均的なペースでレースが進む中、13番手を追走していたが、途中で一気に進出して、馬場の大外を通りながら4コーナーを4番手で通過。直線では矢のように急駛したが、抜け出したスワーヴアラミスにクビ差届かず2着に惜敗した。

4月19日、中2週で迎えた21戦目は、G3のアンタレスステークス（阪神ダート1800m 曇/稍重）に出走。鞍上は2戦連続で石橋脩騎手（1戦0勝）。16頭立ての2番人気に推されて4番ゲートからスタート。少し遅いペースでレースが進む中、7番手を追走していたが、道中でジワリジワリとポジションを押し上げて4コーナーを5番手で通過。直線では長くいい末脚でゴールまで頑張ったが、3着に終わった。

6月20日、中8週で迎えた22戦目は、ハンデ戦でオープンの三宮ステークス（阪神ダート1800m 晴/稍重）に出走。鞍上は3戦連続で石橋脩騎手（2戦0勝）。16頭立ての2番人気に推されて14番ゲートからスタート。ミドルペースでレースが進む中、7番手を追走していたが、途中で一気に進出して、馬場の外目を通りながら4コーナーを2番手で通過。直線では物凄い伸び脚を見せたが、勝ったヴェンジェンスにねじ伏せられて3/4馬身差の2着に敗北した。

7月18日、中3週で迎えた23戦目は、藤井勘一郎騎手を鞍上に迎えて、ジュライステークス（阪神ダート1800m 晴/良）に出走。12頭立ての1番人気に推されて大外12番ゲートからスタート。少し緩いペースでレースが進む中、7番手を追走していたが、徐々に進出して4コーナーを4番手で通過。直線ではものすごい伸び脚で猛追したが、抜け出したウインユニファイドにクビ差届かず2着に甘んじた。

10月17日、約3か月の休養明けで迎えた24戦目は、太秦ステークス（京都ダート1800m 雨/不良）に出走。鞍上は福永祐一騎手（1戦0勝）。13頭立ての1番人気に推されて4番ゲートからスタート。少し遅いペースでレースが進む中、8番手を追走していたが、道中でジワリジワリとポジションを押し上げて、馬場の外目を通りながら4コーナーを6番手で通過。直線では息の長い末脚を繰り出したが、4着に終わった。

11月8日、中2週で迎えた25戦目は、川田将雅騎手を鞍上に迎えて、G3のみやこステークス（阪神ダート1800m 晴/良）に出走。10頭立ての1番人気に推されて6番ゲートからスタート。少し速いペースでレースが進む中、4番手を追走していたが、徐々に進出して4コーナーを2番手で通過。直線では途轍もない末脚を弾けさせてすんなりと抜け出し、最後は2着のヒストリーメイカーに3馬身の差をつけて2つ目の重賞タイトルを手にした。

12月6日、中3週で迎えた26戦目は、G1のチャンピオンズカップ（中京ダート1800m 晴/良）に出走。鞍上は三浦皇成騎手（4戦0勝）。16頭立ての5番人気で5番ゲートからスタート。遅いペースでレースが進む中、12番手を追走していたが、道中でジワリジワリとポジションを押し上げて4コーナーを10番手で通過。直線では切れる脚を使えず11着に敗れた。

7歳（2021年）

2月11日、中9週で迎えた27戦目は、Jpn3の佐賀記念（佐賀ダート2000m 晴/良）に出走。鞍上は川田将雅騎手（1戦1勝）。12頭立ての1番人気に推されて1番ゲートからスタート。逃げる恰好となり、でレースを牽引。先頭のまま1馬身のリードを保って4コーナーを通過。直線では次元の違う末脚を炸裂させて突き抜け、最後は2着のアシャカトブに9馬身の差をつけて3つ目の重賞タイトルをつかんだ。

3月11日、中3週で迎えた28戦目は、Jpn3の名古屋大賞典（名古屋ダート1900m 晴/良）に出走。鞍上は2戦連続で川田将雅騎手（2戦2勝）。12頭立ての圧倒的1番人気に推されて7番ゲートからスタート。でレースが進む中、4番手を追走していたが、徐々に進出して4コーナーを先頭で通過。直線では次元の違う末脚を炸裂させて突き抜け、最後は2着のバンクオブクラウズに3馬身の差をつけて4つ目の重賞タイトルを獲得した。

6月30日、約3か月半の休養明けで迎えた29戦目は、C.ルメール騎手を鞍上に迎えて、Jpn1の帝王賞（大井ダート2000m 曇/重）に出走。13頭立ての6番人気で大外13番ゲートからスタート。スローペースでレースが進む中、終始4番手を追走。直線ではキレのある末脚を繰り出し、3着に入った。

11月7日、約4か月半の休み明けで迎えた30戦目は、G3のみやこステークス（阪神ダート1800m 晴/良）に出走。鞍上は武豊騎手（3戦0勝）。16頭立ての1番人気に推されて11番ゲートからスタート。若干遅いペースでレースが進む中、5番手を追走していたが、道中でジワリジワリとポジションを押し上げて4コーナーを3番手で通過。直線では末脚にキレが無く6着に敗れた。

12月5日、中3週で迎えた31戦目は、G1のチャンピオンズカップ（中京ダート1800m 曇/良）に出走。鞍上は川田将雅騎手（3戦3勝）。16頭立ての8番人気で12番ゲートからスタート。かなり緩いペースでレースが進む中、7番手を追走し、4コーナーは8番手で通過。最後は力尽きて14着に敗れた。

12月29日、中2週で馬体重を前走から15kg減らして迎えた32戦目は、G1の東京大賞典（大井ダート2000m 晴/良）に出走。鞍上は2戦連続で川田将雅騎手（4戦3勝）。15頭立ての3番人気に推されて12番ゲートからスタート。かなり緩いペースでレースが進む中、3番手を追走し、4コーナーは4番手で通過。直線では鮮やかな伸び脚で急追したが、勝ったオメガパフュームを半馬身捉え切れず2着に敗北した。

8歳（2022年）

3月10日、中9週で迎えた33戦目は、Jpn3の名古屋大賞典（名古屋ダート1900m 晴/良）に出走。鞍上は3戦連続で川田将雅騎手（5戦3勝）。12頭立ての圧倒的1番人気に推されて7番ゲートからスタート。でレースが進む中、5番手を追走し、4コーナーは4番手で通過。直線に入ると、前で粘るケイアイパープルを次元の違う末脚でアタマ差だけ差し切って連覇達成

6月29日、約3か月半の休み明けで迎えた34戦目は、森泰斗騎手を鞍上に迎えて、Jpn1の帝王賞（大井ダート2000m 晴/良）に出走。9頭立ての4番人気で7番ゲートからスタート。非常に緩いペースでレースが進む中、2番手を追走し、4コーナーは先頭で通過。最後はガス欠状態になり5着に敗れた。

11月6日、約4か月半の休み明けで迎えた35戦目は、G3のみやこステークス（阪神ダート1800m 晴/良）に出走。鞍上は藤岡佑介騎手（7戦3勝）。16頭立ての7番人気で15番ゲートからスタート。落ち着いたペースでレースが進む中、9番手を追走していたが、徐々にポジションが下がり4コーナーを13番手で通過。直線では他馬と同じ脚勢になってしまい10着に敗れた。

2022年12月18日付で中央競馬の競走馬登録を抹消した。

12月8日、中4週で迎えた36戦目は、Jpn2の名古屋グランプリ（名古屋ダート2100m 晴/良）に出走。鞍上は2戦連続で藤岡佑介騎手（8戦3勝）。12頭立ての3番人気に推されて大外12番ゲートからスタート。でレースが進む中、3番手を追走し、4コーナーは4番手で通過。直線では鋭い脚を使えず5着に敗れた。

2022年3月17日付で地方競馬の競走馬登録を抹消した。