シンコウラブリイ（1989年生、母ハッピートレイルズ）

シンコウラブリイ（1989年2月2日）は、アイルランドで生まれ、日本で調教された競走馬、繁殖牝馬。1993年にJRA賞最優秀4歳以上牝馬を受賞した。毛色は鹿毛。種牡馬のCaerleon（当時9歳）と交配したハッピートレイルズが6歳のときに産んだ仔が本馬である。戦績は、中央平地15戦10勝2着2回。1993年のマイルチャンピオンシップ(G1)に勝利した他、1993年の毎日王冠(G2)を制するなど、G1級競走1勝を含む重賞6勝を挙げた。

経歴

デビュー前

藤沢和雄厩舎（美浦）へ入厩。

2歳（1991年）

11月2日、デビュー戦は橋本広喜騎手を鞍上に据えて、3歳新馬（東京芝1600m 曇/良）に51kgの軽斤量で出走。馬体重は440kg。12頭立ての2番人気に推されて2番ゲートからスタート。平均ペースでレースが進む中、4番手を追走し、4コーナーは3番手で通過。直線では別次元の末脚を爆発させて悠々と抜け出し、最後は2着のナイキナイトに4馬身の差をつけて初勝利を挙げた。

11月16日、中1週で迎えた2戦目は、坂本勝美騎手を鞍上に迎えて、2歳オープンの福島3歳ステークス（福島芝1200m 晴/良）に出走。10頭立ての1番人気に推されて8番ゲートからスタート。厳しいペースでレースが進む中、3番手を追走し、4コーナーは、馬場の外目を通りながら2番手で通過。直線に入ると、前で粘るマイネルヤマトを次元の違う末脚で半馬身差し切って2勝目をつかんだ。

12月1日、中1週で迎えた3戦目は、岡部幸雄騎手を鞍上に迎えて、牝馬限定2歳G1の阪神3歳牝馬ステークス（阪神芝1600m 晴/良）に出走。G1級競走への出走及び長時間の輸送競馬は初となった。15頭立ての2番人気に推されて14番ゲートからスタート。少々速いペースでレースが進む中、終始5番手を追走。直線では切れ味光る末脚を発揮したが、3着に終わった。

3歳（1992年）

5月23日、約6か月の休養明けで馬体重を前走から12kg増やして迎えた4戦目は、牝馬限定3歳オープンのカーネーションカップ（東京芝1600m 晴/良）に出走。鞍上は2戦連続で岡部幸雄騎手（1戦0勝）。16頭立ての圧倒的1番人気に推されて2番ゲートからスタート。厳しいペースでレースが進む中、6番手を追走し、4コーナーは5番手で通過。直線では末脚を伸ばせず6着に敗れた。

6月7日、中1週で馬体重を前走から6kg絞って迎えた5戦目は、3歳G2のニュージーランドトロフィー4歳ステークス（東京芝1600m 曇/良）に出走。鞍上は3戦連続で岡部幸雄騎手（2戦0勝）。10頭立ての4番人気で8番ゲートからスタート。ややスローペースでレースが進む中、終始2番手を追走。直線ではグイグイと末脚を伸ばして先頭を奪い、最後は2着のヒシマサルに1馬身半の差をつけて重賞ウィナーの称号をつかんだ。

7月5日、中3週で馬体重を前走から10kg減らして迎えた6戦目は、3歳G3のラジオたんぱ賞（福島芝1800m 曇/良）に出走。鞍上は坂本勝美騎手（1戦1勝）。9頭立ての1番人気に推されて2番ゲートからスタート。少々速いペースでレースが進む中、3番手を追走し、4コーナーは2番手で通過。直線に入ると、前で粘るポットリチャードを次元の違う末脚で交わし去り、最後は2馬身半の差をつけて2つ目の重賞タイトルをつかんだ。

10月4日、約3か月の休養明けで迎えた7戦目は、牝馬限定3歳G3のクイーンステークス（中山芝2000m 晴/良）に出走。鞍上は岡部幸雄騎手（3戦1勝）。15頭立ての圧倒的1番人気に推されて大外15番ゲートからスタート。緩いペースでレースが進む中、終始2番手を追走。直線では豪脚を爆発させてすんなりと抜け出し、最後は2着のパーシャンスポットに3馬身半の差をつけて3連勝で3つ目の重賞タイトルを手にした。

11月15日、中5週で迎えた8戦目は、富士ステークス（東京芝1800m 曇/良）に出走。鞍上は2戦連続で岡部幸雄騎手（4戦2勝）。6頭立ての圧倒的1番人気に推されて3番ゲートからスタート。遅いペースでレースが進む中、終始2番手を追走。直線に入ると、前で粘るキョウエイボナンザを上がり1位の末脚で半馬身差し切って破竹の4連勝を決めた。

11月22日、連闘で迎えた9戦目は、G1のマイルチャンピオンシップ（京都芝1600m 外回り晴/良）に出走。鞍上は3戦連続で岡部幸雄騎手（5戦3勝）。18頭立ての1番人気に推されて7番ゲートからスタート。平均的なペースでレースが進む中、4番手を追走し、4コーナーは5番手で通過。直線では目を引く伸び脚で猛追したが、勝ったダイタクヘリオスに詰め切れず、1馬身半差の2着に敗北した。

4歳（1993年）

4月24日、約5か月の休養明けで迎えた10戦目は、G2の京王杯スプリングカップ（東京芝1400m 曇/良）に出走。鞍上は4戦連続で岡部幸雄騎手（6戦3勝）。12頭立ての圧倒的1番人気に推されて3番ゲートからスタート。平均的なペースでレースが進む中、終始2番手を追走。直線では卓抜な伸び脚で驀進したが、勝ったヤマニンゼファーにねじ伏せられて1馬身半差の2着に敗北した。

5月16日、中2週で迎えた11戦目は、G1の安田記念（東京芝1600m 晴/良）に出走。鞍上は5戦連続で岡部幸雄騎手（7戦3勝）。16頭立ての3番人気に推されて7番ゲートからスタート。ややハイペースでレースが進む中、終始3番手を追走。直線では天稟の負けじ魂を発揮してゴールまで力走したが、3着に終わった。

6月13日、中3週で迎えた12戦目は、札幌日経オープン（札幌芝1800m 曇/良）に出走。鞍上は6戦連続で岡部幸雄騎手（8戦3勝）。12頭立ての圧倒的1番人気に推されて11番ゲートからスタート。ややスローペースでレースが進む中、3番手を追走し、4コーナーは2番手で通過。直線では一気に末脚を伸ばして先頭に立ち、最後は2着のゴールデンアイをクビ差振り切って断然人気に応えた。

10月10日、約4か月の休み明けで迎えた13戦目は、G2の毎日王冠（東京芝1800m 晴/良）に出走。鞍上は7戦連続で岡部幸雄騎手（9戦4勝）。13頭立ての1番人気に推されて6番ゲートからスタート。ややスローペースでレースが進む中、3番手を追走し、4コーナーは2番手で通過。直線ではグイグイと末脚を伸ばして先頭を奪い、最後は2着のセキテイリュウオーに1馬身3/4の差をつけて4つ目の重賞タイトルを掴み取った。

10月30日、中2週で迎えた14戦目は、G2のスワンステークス（京都芝1400m 外回り雨/重）に出走。鞍上は8戦連続で岡部幸雄騎手（10戦5勝）。16頭立ての圧倒的1番人気に推されて4番ゲートからスタート。少し緩いペースでレースが進む中、5番手を追走していたが、道中でジワリジワリとポジションを押し上げて4コーナーを3番手で通過。直線ではきちんと末脚を伸ばして先頭に立ち、最後は2着のステイジヒーローをクビ差振り切って3連勝で5つ目の重賞タイトルを手中に収めた。

11月21日、中2週で迎えた15戦目は、G1のマイルチャンピオンシップ（京都芝1600m 外回り雨/不良）に出走。鞍上は9戦連続で岡部幸雄騎手（11戦6勝）。15頭立ての1番人気に推されて5番ゲートからスタート。やや速いペースでレースが進む中、終始3番手を追走。直線に入ると、前で粘るイイデザオウを交わし去り、最後は1馬身1/4の差をつけて下半期マイル王の称号を獲得した。