ワカサルーチェー（1988年生、母タイムレツト）

ワカサルーチェー（1988年3月28日）は、日本の競走馬。牡馬。品種はアングロアラブで、毛色は鹿毛。種牡馬のコンセクエント（当時14歳）と交配したタイムレツトが13歳のときに産んだ仔が本馬である。産地は北海道沙流郡門別町、生産者は（有）正和山本牧場。戦績は、中央平地33戦14勝2着9回、地方1戦0勝。1991年、1992年、1993年とアラブ王冠(アラ系4歳以上オープンハンデ)を3連覇した他、1991年、1994年とアラブ大賞典(アラ系4歳以上オープン)を2勝するなどの活躍をした。

経歴

デビュー前

橋口弘次郎厩舎（栗東）へ入厩。

2歳（1990年）

6月16日、デビュー戦は武豊騎手を鞍上に据えて、アラ系3歳未勝利（中京芝1000m 雨/不良）に出走。馬体重は402kg。13頭立ての1番人気に推されて2番ゲートからスタート。やや緩いペースでレースが進む中、12番手を追走し、4コーナーは11番手で通過。直線では切れ味のいい末脚を披露したが、4着に終わった。

6月30日、中1週で迎えた2戦目は、アラ系3歳未勝利（中京芝1200m 曇/良）に出走。鞍上は2戦連続で武豊騎手（1戦0勝）。10頭立ての1番人気に推されて7番ゲートからスタート。やや遅いペースでレースが進む中、7番手を追走していたが、途中で一気に進出して4コーナーを4番手で通過。直線では次元の違う末脚を炸裂させて先頭をうかがい、最後は2着のサンテキサスをクビ差振り切って未勝利戦を制した。

7月28日、中3週で迎えた3戦目は、アラ系3歳400万下（小倉芝1200m 晴/良）に出走。長時間の輸送競馬は初となった。鞍上は3戦連続で武豊騎手（2戦1勝）。9頭立ての1番人気に推されて3番ゲートからスタート。少々速いペースでレースが進む中、8番手を追走していたが、途中で一気に進出して4コーナーを5番手で通過。直線では目の覚めるような末脚を炸裂させて先頭に躍り出て、最後は2着のポートノーザリーに1馬身半の差をつけて優勝

8月25日、中3週で迎えた4戦目は、田島信行騎手を鞍上に迎えて、2歳オープンのアラブ3歳特別（小倉芝1200m 晴/良）に出走。7頭立ての圧倒的1番人気に推されて6番ゲートからスタート。少々速いペースでレースが進む中、7番手を追走していたが、途中で一気に進出して4コーナーを5番手で通過。直線では物凄い伸び脚で猛追したが、逃げるヒミノサチヒメにクビ差届かず2着に甘んじた。

9月23日、中3週で迎えた5戦目は、アラ系3歳オープン（中京ダート1700m 晴/良）に出走。ダート戦への出走は初となった。鞍上は武豊騎手（3戦2勝）。9頭立ての1番人気に推されて4番ゲートからスタート。ミドルペースでレースが進む中、6番手を追走していたが、途中で一気に進出して4コーナーを2番手で通過。直線では弾けるような伸び脚で追い上げたが、勝ったワークスバージョンに詰め切れず、5馬身差の2着に敗北した。

10月27日、中4週で迎えた6戦目は、小迫次男騎手を鞍上に迎えて、2歳オープンの福島アラブ3歳ステークス（福島芝1200m 晴/良）に出走。7頭立ての2番人気に推されて1番ゲートからスタート。忙しいペースでレースが進む中、5番手を追走し、4コーナーは4番手で通過。直線では次元の違う末脚を炸裂させて先頭に立ち、最後は2着のダイゴエフタルに2馬身半の差をつけて3勝目をゲットした。

11月17日、中2週で迎えた7戦目は、アラ系3歳オープン（京都ダート1800m 晴/良）に出走。鞍上は武豊騎手（4戦2勝）。5頭立ての3番人気で1番ゲートからスタート。ゆったりとしたペースでレースが進む中、3番手を追走し、4コーナーは2番手で通過。直線では持ち前の優れたスタミナでしぶとく走り抜いたが、勝ったワークスバージョンに詰め切れず、8馬身差の2着となった。

12月15日、中3週で迎えた8戦目は、安田隆行騎手を鞍上に迎えて、2歳オープンのアラブ3歳ステークス（中京芝1800m 曇/良）に出走。13頭立ての1番人気に推されて8番ゲートからスタート。平均的なペースでレースが進む中、6番手を追走していたが、途中で一気に進出して、馬場の外目を通りながら4コーナーを2番手で通過。直線に入ると、前で粘るワークスバージョンを次元の違う末脚で交わし去り、最後は3馬身半の差をつけてファンの期待に応えた。

3歳（1991年）

1月27日、中5週で迎えた9戦目は、アラ系4歳以上オープン（小倉芝1800m 曇/良）に54kgの斤量を背負って出走。鞍上は2戦連続で安田隆行騎手（1戦1勝）。9頭立ての2番人気に推されて6番ゲートからスタート。落ち着いたペースでレースが進む中、5番手を追走していたが、途中で一気に進出して4コーナーを2番手で通過。直線では迫力十分の伸びを見せたが、勝ったハクサンツバメにねじ伏せられてクビ差の2着に甘んじた。

2月10日、中1週で迎えた10戦目は、3歳オープンのシュンエイ記念（小倉芝2000m 雨/不良）に出走。鞍上は3戦連続で安田隆行騎手（2戦1勝）。11頭立ての1番人気に推されて1番ゲートからスタート。やや速いペースでレースが進む中、4番手を追走していたが、徐々に進出して4コーナーを先頭で通過。直線では異次元の末脚を弾けさせて先頭に躍り出て、最後は2着のワークスバージョンに1馬身3/4の差をつけて単勝一倍台の評価に応えた。

4月27日、約2か月半の間隔を開けて迎えた11戦目は、ハンデ戦でオープンのアラブステークス（新潟芝2000m 外回り晴/良）に57kgの斤量を背負って出走。鞍上は小迫次男騎手（1戦1勝）。7頭立ての1番人気に推されて2番ゲートからスタート。非常に遅いペースでレースが進む中、6番手を追走し、4コーナーは、馬場の外目を通りながら5番手で通過。直線では末脚が振るわず7着に敗れた。

5月22日、中3週で迎えた12戦目は、小島貞博騎手を鞍上に迎えて、3歳戦の全日本アラブ優駿（園田ダート2300m 晴/良）に出走。12頭立ての8番人気で2番ゲートからスタート。7着に終わった。

9月29日、約4か月半の休み明けで馬体重を前走から16kg増やして迎えた13戦目は、増沢末夫騎手を鞍上に迎えて、常葉ステークス（福島芝1700m 晴/良）に出走。12頭立ての3番人気に推されて3番ゲートからスタート。落ち着いたペースでレースが進む中、5番手を追走していたが、道中でジワリジワリとポジションを押し上げて4コーナーを3番手で通過。直線ではビュッと切れる脚を見せたが、勝ったヨドノチカラにねじ伏せられて1馬身3/4差の2着に敗北した。

10月12日、中1週で迎えた14戦目は、ハンデ戦でオープンの三春ステークス（福島芝2000m 雨/不良）に58kgの斤量を背負って出走。鞍上は2戦連続で増沢末夫騎手（1戦0勝）。14頭立ての1番人気に推されて6番ゲートからスタート。ややハイペースでレースが進む中、5番手を追走していたが、徐々に進出して4コーナーを2番手で通過。直線で前を交わして先頭に立つと、次元の違う末脚を炸裂させて、最後は2着のオショロに3馬身の差をつけて制した。

11月9日、中3週で迎えた15戦目は、ハンデ戦でオープンのアラブ王冠（福島芝1800m 晴/良）に60kgの斤量を背負って出走。鞍上は3戦連続で増沢末夫騎手（2戦1勝）。14頭立ての1番人気に推されて9番ゲートからスタート。ミドルペースでレースが進む中、7番手を追走していたが、途中で一気に進出して4コーナーを2番手で通過。直線では次元の違う末脚を炸裂させて突き抜け、最後は2着のトキノテンユウに5馬身の差をつけて制した。

11月30日、中2週で迎えた16戦目は、アラブ大賞典（中京芝2500m 晴/稍重）に58kgの斤量を背負って出走。鞍上は田島信行騎手（1戦0勝）。9頭立ての圧倒的1番人気に推されて大外9番ゲートからスタート。緩いペースでレースが進む中、6番手を追走していたが、途中で一気に進出して4コーナーを3番手で通過。直線では凄まじい末脚を炸裂させてあっさりと抜け出し、最後は2着のモッカンセンプウに4馬身の差をつけて圧倒的人気に応えた。

12月15日、中1週で迎えた17戦目は、四位洋文騎手を鞍上に迎えて、アラ系4歳以上オープン（中京ダート1700m 晴/良）に出走。12頭立ての1番人気に推されて7番ゲートからスタート。スローペースでレースが進む中、9番手を追走していたが、途中で一気に進出して、馬場の外目を通りながら4コーナーを3番手で通過。直線では伸びを欠き6着に敗れた。

4歳（1992年）

10月4日、約10か月の休養明けで馬体重を前走から12kg増やして迎えた18戦目は、大崎昭一騎手を鞍上に迎えて、常葉ステークス（福島芝1700m 曇/良）に60kgの斤量を背負って出走。7頭立ての1番人気に推されて5番ゲートからスタート。平均的なペースでレースが進む中、7番手を追走していたが、途中で一気に進出して4コーナーを3番手で通過。直線ではシャープな伸び脚で追い上げたが、抜け出したリバーヒーローにハナ差届かず2着に甘んじた。

11月1日、中3週で迎えた19戦目は、宝来城多郎騎手を鞍上に迎えて、アラ系4歳以上オープン（福島芝1700m 晴/良）に出走。6頭立ての圧倒的1番人気に推されて3番ゲートからスタート。ややハイペースでレースが進む中、2番手を追走し、4コーナーは先頭で通過。直線では次元の違う末脚を炸裂させて突き抜け、最後は2着のハクサンツバメに6馬身の差をつけて断然人気に応えた。

11月14日、中1週で迎えた20戦目は、ハンデ戦でオープンのアラブ王冠（福島芝1800m 晴/良）に63kgの斤量を背負って出走。鞍上は大崎昭一騎手（1戦0勝）。13頭立ての1番人気に推されて大外13番ゲートからスタート。平均的なペースでレースが進む中、7番手を追走していたが、途中で一気に進出して4コーナーを3番手で通過。直線では圧倒的な末脚を弾けさせて先頭を奪い、最後は2着のタケイチラッキーに1馬身半の差をつけて勝利を手に入れた。

12月5日、中2週で迎えた21戦目は、アラブ大賞典（中京芝2500m 晴/良）に62kgの斤量を背負って出走。鞍上は2戦連続で大崎昭一騎手（2戦1勝）。10頭立ての1番人気に推されて大外10番ゲートからスタート。かなり遅いペースでレースが進む中、6番手を追走していたが、途中で一気に進出して、馬場の外目を通りながら4コーナーを2番手で通過。直線では矢のような伸び脚で追い上げたが、抜け出したタケイチラッキーを捕まえ切れず、ハナ差の2着に甘んじた。

5歳（1993年）

10月2日、約10か月の休み明けで馬体重を前走から14kg増やして迎えた22戦目は、中舘英二騎手を鞍上に迎えて、常葉ステークス（福島芝1700m 晴/良）に60kgの斤量を背負って出走。5頭立ての圧倒的1番人気に推されて5番ゲートからスタート。主導権を奪い、リードを2馬身以上キープして、平均的なペースで一団を牽引。途中で控えて4コーナーを2番手で通過。直線では持ち前の優れたスタミナでしぶとく走り抜いたが、勝ったトキノテンユウに詰め切れず、1馬身半差の2着に敗れた。

10月17日、中1週で迎えた23戦目は、ハンデ戦でオープンの三春ステークス（福島芝2000m 曇/良）に64kgの斤量を背負って出走。鞍上は大崎昭一騎手（3戦1勝）。5頭立ての2番人気で5番ゲートからスタート。かなりのスローペースでレースが進む中、終始3番手を追走。直線では猛烈な末脚を爆発させて先頭に躍り出て、最後は2着のネオアイクに2馬身半の差をつけて勝利数を11に伸ばす

11月13日、中3週で迎えた24戦目は、ハンデ戦でオープンのアラブ王冠（福島芝1800m 雨/稍重）に65kgの斤量を背負って出走。鞍上は2戦連続で大崎昭一騎手（4戦2勝）。9頭立ての1番人気に推されて8番ゲートからスタート。少し速いペースでレースが進む中、馬場の外目を回って7番手を追走していたが、途中で一気に進出して4コーナーを2番手で通過。直線に入ると、前で粘るシゲルホームランを上がり1位の末脚で半馬身差し切って勝利数を12に伸ばす

12月11日、中3週で迎えた25戦目は、アラブ大賞典（中京芝2500m 晴/良）に62kgの斤量を背負って出走。鞍上は3戦連続で大崎昭一騎手（5戦3勝）。9頭立ての圧倒的1番人気に推されて5番ゲートからスタート。やや緩いペースでレースが進む中、5番手を追走していたが、徐々に進出して4コーナーを3番手で通過。直線では矢のような伸びを見せたが、勝ったタケイチラッキーにねじ伏せられてハナ差の2着に甘んじた。

6歳（1994年）

1月5日、中3週で迎えた26戦目は、芹沢純一騎手を鞍上に迎えて、ハンデG3の金杯（阪神芝2000m 晴/良）に48kgの軽斤量で出走。重賞競走への出走は初となった。16頭立ての10番人気で15番ゲートからスタート。少し速いペースでレースが進む中、終始4番手を追走。最後は力尽きて12着に終わった。

1月29日、中2週で迎えた27戦目は、吉永護騎手を鞍上に迎えて、アラ系4歳以上オープン（小倉ダート1000m 雪/稍重）に61kgの斤量を背負って出走。長時間の輸送競馬は初となった。6頭立ての1番人気に推されて2番ゲートからスタート。ややスローペースでレースが進む中、6番手を追走し、4コーナーは5番手で通過。直線では他馬と同じような脚勢になり5着に敗れた。

2月20日、中2週で迎えた28戦目は、ハンデG3の小倉大賞典（小倉芝1800m 雨/稍重）に48kgの軽斤量で出走。鞍上は芹沢純一騎手（1戦0勝）。16頭立ての14番人気で8番ゲートからスタート。些か速いペースでレースが進む中、15番手を追走していたが、徐々に進出して、馬場の外目を通りながら4コーナーを11番手で通過。直線では切れ味抜群の末脚を発揮し、5着に入り込んだ。

3月5日、中1週で迎えた29戦目は、アラ系4歳以上オープン（小倉芝1800m 曇/重）に60kgの斤量を背負って出走。鞍上は吉永護騎手（1戦0勝）。12頭立ての1番人気に推されて5番ゲートからスタート。緩いペースでレースが進む中、7番手を追走していたが、途中で一気に進出して4コーナーを先頭で通過。直線では驚異的な末脚を弾けさせて先頭を奪い、最後は2着のリマーカブルに1馬身3/4の差をつけて勝利をモノにする

3月20日、中1週で迎えた30戦目は、ハンデG3の中京記念（小倉芝2000m 晴/良）に48kgの軽斤量で出走。鞍上は芹沢純一騎手（2戦0勝）。16頭立ての12番人気で3番ゲートからスタート。ややスローペースでレースが進む中、12番手を追走し、4コーナーは13番手で通過。直線では末脚が振るわず16着に終わった。

10月2日、約6か月半の休養明けで迎えた31戦目は、G3のセントウルステークス（中京芝1200m 晴/良）に出走。鞍上は2戦連続で芹沢純一騎手（3戦0勝）。16頭立ての16番人気で5番ゲートからスタート。やや厳しいペースでレースが進む中、終始16番手を追走。直線では今一つ伸び切れず16着に終わった。

10月8日、連闘で迎えた32戦目は、ハンデ戦でオープンの常葉ステークス（福島芝2000m 曇/良）に66kgの斤量を背負って出走。鞍上は3戦連続で芹沢純一騎手（4戦0勝）。11頭立ての2番人気に推されて3番ゲートからスタート。若干緩いペースでレースが進む中、終始3番手を追走。直線では伸びが鈍く5着に敗れた。

11月12日、中4週で迎えた33戦目は、ハンデ戦でオープンのアラブ王冠（福島芝1800m 曇/良）に66kgの斤量を背負って出走。鞍上は大崎昭一騎手（6戦3勝）。13頭立ての2番人気に推されて8番ゲートからスタート。少し速いペースでレースが進む中、2番手を追走していたが、途中でジワリジワリとポジションが下がり4コーナーを4番手で通過。直線では鋭い脚を使えず5着に敗れた。

12月10日、中3週で迎えた34戦目は、アラブ大賞典（中京芝2500m 晴/良）に62kgの斤量を背負って出走。鞍上は2戦連続で大崎昭一騎手（7戦3勝）。10頭立ての1番人気に推されて8番ゲートからスタート。非常に遅いペースでレースが進む中、終始4番手を追走。直線に入ると、前で粘るシルキーローザを次元の違う末脚で交わし去り、最後は3馬身半の差をつけて順当に勝利した。