ビワハヤヒデ（1990年生、母パシフィカス）

ビワハヤヒデ（1990年3月10日）は、日本の競走馬、種牡馬。1993年にJRA賞年度代表馬及び最優秀3歳牡馬、1994年にJRA賞最優秀4歳以上牡馬を受賞した。毛色は芦毛。種牡馬のシャルード（当時7歳）と交配したパシフィカスが10歳のときに産んだ仔が本馬である。産地は福島県、生産者は早田牧場新冠支場。戦績は、中央平地16戦10勝2着5回。1994年の宝塚記念(G1)に勝利した他、1994年の天皇賞（春）(G1)を制するなど、G1級競走3勝を含む重賞7勝を挙げた。

経歴

デビュー前

浜田光正厩舎（栗東）へ入厩。

2歳（1992年）

9月13日、デビュー戦は岸滋彦騎手を鞍上に据えて、3歳新馬（阪神芝1600m 曇/良）に出走。馬体重は488kg。14頭立ての2番人気に推されて4番ゲートからスタート。少し速いペースでレースが進む中、6番手を追走していたが、道中でジワリジワリとポジションを押し上げて、馬場の外目を通りながら4コーナーを4番手で通過。直線では次元の違う末脚を炸裂させて突き抜け、最後は2着のテイエムシンザンに約10馬身の大差をつけて初勝利を挙げた。

10月10日、中3週で迎えた2戦目は、2歳オープンのもみじステークス（京都芝1600m 外回り晴/良）に出走。鞍上は2戦連続で岸滋彦騎手（1戦1勝）。10頭立ての1番人気に推されて8番ゲートからスタート。ミドルペースでレースが進む中、馬場の外目を回って終始3番手を追走。直線に入ると、前で粘るシルクムーンライトを上がり2位タイの末脚で交わし去り、最後は1馬身1/4の差をつけて先頭ゴールを果たした。

11月7日、中3週で迎えた3戦目は、2歳G2のデイリー杯3歳ステークス（京都芝1400m 外回り曇/良）に出走。重賞競走への出走は初となった。鞍上は3戦連続で岸滋彦騎手（2戦2勝）。9頭立ての1番人気に推されて8番ゲートからスタート。やや緩いペースでレースが進む中、5番手を追走し、4コーナーは4番手で通過。直線では次元の違う末脚を炸裂させて先頭を奪い、最後は2着のテイエムハリケーンに1馬身3/4の差をつけて重賞初挑戦初制覇を果たした。

12月13日、中4週で迎えた4戦目は、2歳G1の朝日杯3歳ステークス（中山芝1600m 外回り晴/良）に出走。G1級競走への出走及び長時間の輸送競馬は初となった。鞍上は4戦連続で岸滋彦騎手（3戦3勝）。12頭立ての圧倒的1番人気に推されて7番ゲートからスタート。遅いペースでレースが進む中、8番手を追走していたが、途中で一気に進出して4コーナーを2番手で通過。直線では持ち前のしぶとさで最後まで脚を伸ばしたが、伸びてきたエルウェーウィン決め手に屈してハナ差の2着に甘んじた。

3歳（1993年）

2月14日、中8週で迎えた5戦目は、3歳G3の共同通信杯4歳ステークス（東京芝1800m 晴/良）に出走。鞍上は5戦連続で岸滋彦騎手（4戦3勝）。9頭立ての圧倒的1番人気に推されて1番ゲートからスタート。かなり遅いペースでレースが進む中、4番手を追走し、4コーナーは5番手で通過。直線ではスパッとキレる脚で追い上げたが、抜け出したマイネルリマークにアタマ差届かず2着に甘んじた。

3月20日、中4週で迎えた6戦目は、岡部幸雄騎手を鞍上に迎えて、3歳オープンの若葉ステークス（中山芝2000m 曇/良）に出走。8頭立ての圧倒的1番人気に推されて大外8番ゲートからスタート。非常に遅いペースでレースが進む中、3番手を追走し、4コーナーは2番手で通過。直線では鮮烈な末脚を弾けさせて先頭に躍り出て、最後は2着のケントニーオーに2馬身の差をつけて断然人気に応えた。

4月18日、中3週で迎えた7戦目は、3歳G1の皐月賞（中山芝2000m 晴/良）に出走。鞍上は2戦連続で岡部幸雄騎手（1戦1勝）。18頭立ての2番人気に推されて大外18番ゲートからスタート。緩いペースでレースが進む中、馬場の外目を回って3番手を追走し、4コーナーは2番手で通過。直線では一際目立つ伸びを見せたが、伸びてきたナリタタイシン決め手に屈してクビ差の2着に甘んじた。

5月30日、中5週で迎えた8戦目は、3歳G1の日本ダービー（東京優駿）（東京芝2400m 曇/良）に出走。鞍上は3戦連続で岡部幸雄騎手（2戦1勝）。18頭立ての2番人気に推されて7番ゲートからスタート。ミドルペースでレースが進む中、7番手を追走していたが、道中でジワリジワリとポジションを押し上げて4コーナーを5番手で通過。直線では印象的な伸び脚を見せたが、勝ったウイニングチケットにねじ伏せられて半馬身差の2着に敗北した。

9月26日、約4か月の休み明けで迎えた9戦目は、3歳G2の神戸新聞杯（阪神芝2000m 晴/良）に出走。鞍上は4戦連続で岡部幸雄騎手（3戦1勝）。9頭立ての1番人気に推されて1番ゲートからスタート。緩やかなペースでレースが進む中、終始2番手を追走。直線に入ると、前で粘るネーハイシーザーを次元の違う末脚で交わし去り、最後は1馬身半の差をつけて2つ目の重賞タイトルを奪取した。

11月7日、中5週で迎えた10戦目は、3歳G1の菊花賞（京都芝3000m 外回り曇/良）に出走。鞍上は5戦連続で岡部幸雄騎手（4戦2勝）。18頭立ての1番人気に推されて7番ゲートからスタート。緩やかなペースでレースが進む中、3番手を追走していたが、道中でジワリジワリとポジションを押し上げて4コーナーを先頭で通過。直線では次元の違う末脚を炸裂させて突き抜け、最後は2着のステージチャンプに5馬身の差をつけて最後の一冠を掴み取った。

12月26日、中6週で迎えた11戦目は、G1の有馬記念（中山芝2500m 晴/良）に出走。鞍上は6戦連続で岡部幸雄騎手（5戦3勝）。14頭立ての1番人気に推されて13番ゲートからスタート。スローペースでレースが進む中、3番手を追走し、4コーナーは2番手で通過。直線では見事な伸び脚で猛進したが、伸びてきたトウカイテイオー決め手に屈して半馬身差の2着に敗北した。

4歳（1994年）

2月13日、中6週で迎えた12戦目は、G2の京都記念（阪神芝2200m 曇/稍重）に59kgの斤量を背負って出走。鞍上は7戦連続で岡部幸雄騎手（6戦3勝）。10頭立ての圧倒的1番人気に推されて6番ゲートからスタート。少し速いペースでレースが進む中、終始2番手を追走。直線に入ると、前で粘るルーブルアクトを次元の違う末脚で交わし去り、最後は7馬身の差をつけて4つ目の重賞タイトルを手に入れた。

4月24日、中9週で迎えた13戦目は、G1の天皇賞（春）（阪神芝3200m 曇/稍重）に出走。鞍上は8戦連続で岡部幸雄騎手（7戦4勝）。11頭立ての圧倒的1番人気に推されて大外11番ゲートからスタート。若干遅いペースでレースが進む中、終始2番手を追走。直線で前を交わして先頭に立つと、猛烈な末脚を爆発させて、最後は2着のナリタタイシンに1馬身1/4の差をつけて春の盾を奪取した。

6月12日、中6週で迎えた14戦目は、G1の宝塚記念（阪神芝2200m 小雨/良）に出走。鞍上は9戦連続で岡部幸雄騎手（8戦5勝）。14頭立ての圧倒的1番人気に推されて13番ゲートからスタート。平均ペースでレースが進む中、3番手を追走していたが、道中でジワリジワリとポジションを押し上げて4コーナーを先頭で通過。直線では次元の違う末脚を炸裂させて突き抜け、最後は2着のアイルトンシンボリに5馬身の差をつけてグランプリホースの称号を手中に収めた。

9月18日、約3か月半の休み明けで迎えた15戦目は、G3のオールカマー（中山芝2200m 外回り晴/重）に出走。鞍上は10戦連続で岡部幸雄騎手（9戦6勝）。8頭立ての圧倒的1番人気に推されて大外8番ゲートからスタート。緩やかなペースでレースが進む中、2番手を追走し、4コーナーは先頭で通過。直線では目の覚めるような末脚を爆発させて先頭を奪い、最後は2着のウイニングチケットに1馬身3/4の差をつけて4連勝で7つ目の重賞タイトルを奪取した。

10月30日、中5週で迎えた16戦目は、G1の天皇賞（秋）（東京芝2000m 曇/良）に出走。鞍上は11戦連続で岡部幸雄騎手（10戦7勝）。13頭立ての1番人気に推されて2番ゲートからスタート。ユッタリとしたペースでレースが進む中、終始3番手を追走。直線ではいいところがなく5着に敗れた。