キストゥヘヴン（2003年生、母ロングバージン）

キストゥヘヴン（2003年4月25日）は、日本の競走馬、繁殖牝馬。馬名の意味は「天国への口づけ」。毛色は鹿毛。種牡馬のアドマイヤベガ（当時7歳）と交配したロングバージンが17歳のときに産んだ11番仔が本馬である。産地は北海道沙流郡門別町、生産者は（有）正和山本牧場。戦績は、中央平地26戦5勝2着4回、海外1戦0勝。2006年の桜花賞(牝G1)に勝利した他、2008年の京王杯スプリングカップ(G2)で2着に入るなど、G1級競走1勝を含む重賞4勝を挙げた。

経歴

デビュー前

1歳のとき、正和山本牧場から「北海道サマーセールサラブレッド1歳」に上場されたが主取りとなった。同年、正和山本牧場から「北海道オータムセールサラブレッド1歳」に上場され、社台コーポレーションによって1,018.5万円で落札された。14歳のとき、社台コーポレーションから「ジェイエス繁殖馬セールサラブレッド繁殖牝馬」に上場され、ドリ-ムファームによって2,430万円で落札された。

戸田博文厩舎（美浦）へ入厩。

2歳（2005年）

12月17日、デビュー戦は吉田豊騎手を鞍上に据えて、2歳新馬（中山芝1200m 外回り晴/良）に出走。馬体重は424kg。16頭立ての4番人気に推されて9番ゲートからスタート。やや速いペースでレースが進む中、2番手を追走し、4コーナーは先頭で通過。直線では見事な伸び脚を見せたが、ロランラムールに交わされて1馬身差の2着に敗北した。

3歳（2006年）

1月22日、中4週で迎えた2戦目は、牝馬限定の3歳未勝利（中山ダート1200m 晴/不良）に出走。ダート戦への出走は初となった。鞍上は2戦連続で吉田豊騎手（1戦0勝）。16頭立ての4番人気に推されて11番ゲートからスタート。かなりのハイペースでレースが進む中、終始6番手を追走。直線では矢のような伸び脚で追い上げたが、抜け出したルシナクィーンにクビ差届かず2着に惜敗した。

2月19日、中3週で迎えた3戦目は、牝馬限定の3歳未勝利（東京ダート1400m 曇/良）に出走。鞍上は3戦連続で吉田豊騎手（2戦0勝）。16頭立ての圧倒的1番人気に推されて6番ゲートからスタート。平均ペースでレースが進む中、7番手を追走していたが、道中でジワリジワリとポジションを押し上げて4コーナーを4番手で通過。直線では矢のような伸び脚で追い上げたが、抜け出したモンヴェールに3/4馬身届かず2着に敗北した。

3月5日、中1週で迎えた4戦目は、安藤勝己騎手を鞍上に迎えて、3歳未勝利（中山芝1600m 外回り晴/良）に出走。16頭立ての2番人気に推されて大外16番ゲートからスタート。少し遅いペースでレースが進む中、馬場の外目を回って2番手を追走し、4コーナーは3番手で通過。直線では次元の違う末脚を炸裂させて先頭を奪い、最後は2着のスイートローレライに2馬身の差をつけて初勝利を挙げた。

3月18日、中1週で迎えた5戦目は、横山典弘騎手を鞍上に迎えて、牝馬限定3歳G3のフラワーカップ（中山芝1800m 曇/良）に出走。重賞競走への出走は初となった。16頭立ての6番人気で11番ゲートからスタート。平均ペースでレースが進む中、6番手を追走し、4コーナーは7番手で通過。直線に入ると、前で粘るフサイチパンドラを鮮やかな末脚で交わし去り、最後は1馬身半の差をつけて重賞初挑戦初制覇を果たした。

4月9日、中2週で迎えた6戦目は、牝馬限定3歳G1の桜花賞（阪神芝1600m 晴/良）に出走。G1級競走への出走及び長時間の輸送競馬は初となった。鞍上は安藤勝己騎手（1戦1勝）。18頭立ての6番人気で14番ゲートからスタート。やや速いペースでレースが進む中、14番手を追走し、4コーナーは13番手で通過。直線では凄まじい末脚を炸裂させて先頭をうかがい、最後は2着のアドマイヤキッスを3/4馬身振り切って桜の女王の称号を奪取した。

5月21日、中5週で迎えた7戦目は、牝馬限定3歳G1のオークス（優駿牝馬）（東京芝2400m 晴/良）に出走。鞍上は2戦連続で安藤勝己騎手（2戦2勝）。18頭立ての2番人気に推されて17番ゲートからスタート。若干緩いペースでレースが進む中、15番手を追走していたが、道中でジワリジワリとポジションを押し上げて4コーナーを12番手で通過。直線ではゴールまでジワジワと伸びたが、6着に終わった。

9月17日、約4か月の休み明けで馬体重を前走から20kg増やして迎えた8戦目は、3歳G2のセントライト記念（中山芝2200m 外回り曇/良）に出走。鞍上は3戦連続で安藤勝己騎手（3戦2勝）。17頭立ての5番人気で2番ゲートからスタート。ミドルペースでレースが進む中、7番手を追走していたが、徐々にポジションが下がり4コーナーを12番手で通過。直線ではじわりじわりと長く脚を使ってゴールまで頑張ったが、5着に終わった。

10月15日、中3週で迎えた9戦目は、牝馬限定3歳G1の秋華賞（京都芝2000m 晴/良）に出走。鞍上は4戦連続で安藤勝己騎手（4戦2勝）。18頭立ての3番人気に推されて1番ゲートからスタート。少し緩いペースでレースが進む中、10番手を追走していたが、途中でジワリジワリとポジションが下がり4コーナーを12番手で通過。直線では力強い脚運びでゴールまで走り切ったが、6着に終わった。

11月12日、中3週で迎えた10戦目は、牝馬限定G1のエリザベス女王杯（京都芝2200m 外回り晴/良）に出走。鞍上は5戦連続で安藤勝己騎手（5戦2勝）。15頭立ての9番人気で10番ゲートからスタート。若干遅いペースでレースが進む中、終始4番手を追走。最後はバタバタになってしまい10着に終わった。

4歳（2007年）

1月27日、約2か月半の間隔を開けて迎えた11戦目は、G3の東京新聞杯（東京芝1600m 晴/良）に出走。鞍上は横山典弘騎手（1戦1勝）。15頭立ての7番人気で7番ゲートからスタート。ややスローペースでレースが進む中、終始6番手を追走。直線では伸びが劣勢になり7着に敗れた。

3月11日、中5週で迎えた12戦目は、牝馬限定のハンデG3の中山牝馬ステークス（中山芝1800m 曇/重）に出走。鞍上は2戦連続で横山典弘騎手（2戦1勝）。16頭立ての2番人気に推されて2番ゲートからスタート。ミドルペースでレースが進む中、終始15番手を追走。直線では出色の末脚を披露したが、5着に終わった。

5月13日、中8週で迎えた13戦目は、牝馬限定G1のヴィクトリアマイル（東京芝1600m 晴/良）に出走。鞍上は3戦連続で横山典弘騎手（3戦1勝）。18頭立ての7番人気で8番ゲートからスタート。やや緩いペースでレースが進む中、終始2番手を追走。直線では天資の負けん性を発揮してゴールまで力戦し、4着に入った。

6月3日、中2週で迎えた14戦目は、内田博幸騎手を鞍上に迎えて、G1の安田記念（東京芝1600m 晴/良）に出走。18頭立ての16番人気で12番ゲートからスタート。ミドルペースでレースが進む中、終始5番手を追走。直線では末脚にキレが無く8着に終わった。

7月6日、V.エスピノーザ騎手を鞍上に迎えて、9頭立ての7番人気で8番ゲートからスタート。4着に終わった。

11月11日、約4か月半の休み明けで迎えた16戦目は、幸英明騎手を鞍上に迎えて、牝馬限定G1のエリザベス女王杯（京都芝2200m 外回り晴/良）に出走。13頭立ての12番人気で14番ゲートからスタート。落ち着いたペースでレースが進む中、9番手を追走していたが、途中で一気に進出して、馬場の外目を通りながら4コーナーを5番手で通過。直線では末脚に勢いがなく6着に終わった。

12月2日、中2週で迎えた17戦目は、O.ペリエ騎手を鞍上に迎えて、牝馬限定のハンデ戦でオープンのターコイズステークス（中山芝1600m 外回り晴/良）に出走。15頭立ての1番人気に推されて14番ゲートからスタート。ややスローペースでレースが進む中、馬場の外目を回って10番手を追走し、4コーナーは9番手で通過。直線では末脚に勢いがなく13着に敗れた。

5歳（2008年）

2月3日、中8週で迎えた18戦目は、牝馬限定G3の京都牝馬ステークス（京都芝1600m 外回り曇/重）に出走。鞍上は幸英明騎手（1戦0勝）。13頭立ての6番人気で6番ゲートからスタート。スローペースでレースが進む中、8番手を追走し、4コーナーは7番手で通過。直線では強靭な末脚を繰り出し、3着に入った。

3月16日、中5週で迎えた19戦目は、牝馬限定のハンデG3の中山牝馬ステークス（中山芝1800m 晴/良）に出走。鞍上は2戦連続で幸英明騎手（2戦0勝）。16頭立ての3番人気に推されて3番ゲートからスタート。少し遅いペースでレースが進む中、8番手を追走し、4コーナーは9番手で通過。直線ではジワジワと長く脚を使ってゴールまで走り切ったが、3着に終わった。

4月12日、中3週で迎えた20戦目は、牝馬限定G2の阪神牝馬ステークス（阪神芝1400m 晴/良）に出走。鞍上は3戦連続で幸英明騎手（3戦0勝）。15頭立ての4番人気で8番ゲートからスタート。少し遅いペースでレースが進む中、13番手を追走し、4コーナーは12番手で通過。直線ではパワフルな末脚を繰り出したが、4着に終わった。

5月17日、中4週で馬体重を前走から10kg増やして迎えた21戦目は、勝浦正樹騎手を鞍上に迎えて、G2の京王杯スプリングカップ（東京芝1400m 曇/良）に出走。17頭立ての6番人気で6番ゲートからスタート。ゆったりとしたペースでレースが進む中、終始10番手を追走。直線では迫力満点の伸び脚で追い上げたが、勝ったスーパーホーネットに詰め切れず、1馬身3/4差の2着となった。

6月8日、中2週で迎えた22戦目は、G1の安田記念（東京芝1600m 晴/良）に出走。鞍上は2戦連続で勝浦正樹騎手（1戦0勝）。18頭立ての14番人気で2番ゲートからスタート。ミドルペースでレースが進む中、終始10番手を追走。直線では上がり4位タイの末脚を繰り出したが上位には届かず7着に終わった。

9月14日、約3か月半の休み明けで迎えた23戦目は、藤田伸二騎手を鞍上に迎えて、ハンデG3の京成杯オータムハンデキャップ（中山芝1600m 外回り晴/良）に出走。16頭立ての3番人気に推されて大外16番ゲートからスタート。平均的なペースでレースが進む中、11番手を追走していたが、道中でジワリジワリとポジションを押し上げて4コーナーを8番手で通過。直線では自慢の末脚を弾けさせて前にいた7頭を差し切り、最後は2着のレッツゴーキリシマに1馬身1/4の差をつけて3つ目の重賞タイトルを獲得した。

10月19日、中4週で迎えた24戦目は、牝馬限定G3の府中牝馬ステークス（東京芝1800m 曇/良）に出走。鞍上は2戦連続で藤田伸二騎手（1戦1勝）。18頭立ての2番人気に推されて13番ゲートからスタート。緩いペースでレースが進む中、終始5番手を追走。直線ではジワジワと長く脚を使ってゴールまで走り切ったが、5着に終わった。

11月23日、中4週で迎えた25戦目は、G1のマイルチャンピオンシップ（京都芝1600m 外回り晴/良）に出走。鞍上は3戦連続で藤田伸二騎手（2戦1勝）。18頭立ての12番人気で12番ゲートからスタート。少し遅いペースでレースが進む中、終始10番手を追走。直線では見せ場を作れず13着に終わった。

6歳（2009年）

1月31日、中9週で迎えた26戦目は、G3の東京新聞杯（東京芝1600m 曇/不良）に出走。鞍上は4戦連続で藤田伸二騎手（3戦1勝）。16頭立ての11番人気で大外16番ゲートからスタート。ややハイペースでレースが進む中、終始6番手を追走。直線では伸びが劣勢になり10着に終わった。

3月15日、中5週で迎えた27戦目は、牝馬限定のハンデG3の中山牝馬ステークス（中山芝1800m 晴/稍重）に出走。鞍上は横山典弘騎手（4戦1勝）。16頭立ての4番人気に推されて8番ゲートからスタート。ミドルペースでレースが進む中、5番手を追走し、4コーナーは4番手で通過。直線に入ると、前で粘るピンクカメオを上がり4位の末脚で交わし去り、最後は1馬身の差をつけて4つ目の重賞タイトルを掴み取った。