ブエナビスタ（2006年生、母ビワハイジ）

ブエナビスタ（2006年3月14日）は、日本の競走馬、繁殖牝馬。馬名の意味は「素晴らしい景色、絶景（西）」。2008年にJRA賞最優秀2歳牝馬、2009年にJRA賞最優秀3歳牝馬、2010年にJRA賞年度代表馬及び最優秀4歳以上牝馬、2011年にJRA賞最優秀4歳以上牝馬を受賞した。毛色は黒鹿毛。種牡馬のスペシャルウィーク（当時11歳）と交配したビワハイジが14歳のときに産んだ6番仔が本馬である。産地は北海道勇払郡早来町、生産者はノーザンファーム。戦績は、中央平地21戦9勝2着7回、海外2戦0勝。2011年のジャパンカップ(G1)に勝利した他、2010年の天皇賞（秋）(G1)を制するなど、G1級競走6勝を含む重賞8勝を挙げた。

経歴

デビュー前

サンデーサラブレッドクラブにて総額4,000万円（100万×40口）で一口馬主が募集された。

松田博資厩舎（栗東）へ入厩。

2歳（2008年）

10月26日、デビュー戦は安藤勝己騎手を鞍上に据えて、2歳新馬（京都芝1800m 外回り雨/良）に出走。馬体重は452kg。11頭立ての1番人気に推されて4番ゲートからスタート。超スローペースでレースが進む中、終始9番手を追走。直線ではパワフルな末脚を披露したが、3着に終わった。

11月15日、中2週で迎えた2戦目は、牝馬限定の2歳未勝利（京都芝1600m 晴/良）に出走。鞍上は2戦連続で安藤勝己騎手（1戦0勝）。14頭立ての圧倒的1番人気に推されて4番ゲートからスタート。落ち着いたペースでレースが進む中、9番手を追走し、4コーナーは8番手で通過。直線では次元の違う末脚を炸裂させて前にいた7頭を差し切り、最後は2着のハッピーパレードに3馬身の差をつけて初白星を挙げた。

12月14日、中3週で迎えた3戦目は、牝馬限定2歳G1の阪神ジュベナイルフィリーズ（阪神芝1600m 外回り晴/良）に出走。G1級競走への出走は初となった。鞍上は3戦連続で安藤勝己騎手（2戦1勝）。18頭立ての1番人気に推されて13番ゲートからスタート。やや速いペースでレースが進む中、終始16番手を追走。直線では次元の違う末脚を炸裂させて前にいた15頭をごぼう抜きし、最後は2着のダノンベルベールに2馬身半の差をつけて2歳女王の称号を獲得した。

3歳（2009年）

3月7日、約3か月の間隔を開けて迎えた4戦目は、牝馬限定3歳G3のチューリップ賞（阪神芝1600m 外回り晴/良）に出走。鞍上は4戦連続で安藤勝己騎手（3戦2勝）。13頭立ての圧倒的1番人気に推されて5番ゲートからスタート。少し緩いペースでレースが進む中、12番手を追走していたが、途中で一気に進出して4コーナーを7番手で通過。直線に入ると、前で粘るサクラミモザを猛烈な末脚で交わし去り、最後は1馬身1/4の差をつけて3連勝で2つ目の重賞タイトルを手中に収めた。

4月12日、中4週で迎えた5戦目は、牝馬限定3歳G1の桜花賞（阪神芝1600m 外回り晴/良）に出走。鞍上は5戦連続で安藤勝己騎手（4戦3勝）。18頭立ての圧倒的1番人気に推されて9番ゲートからスタート。若干遅いペースでレースが進む中、終始16番手を追走。直線では途轍もない末脚を爆発させて先頭をうかがい、最後は2着のレッドディザイアを半馬身振り切って桜の女王の座を勝ち取った。

5月24日、中5週で迎えた6戦目は、牝馬限定3歳G1のオークス（優駿牝馬）（東京芝2400m 晴/良）に出走。長時間の輸送競馬は初となった。鞍上は6戦連続で安藤勝己騎手（5戦4勝）。17頭立ての圧倒的1番人気に推されて7番ゲートからスタート。やや緩いペースでレースが進む中、16番手を追走していたが、道中でジワリジワリとポジションを押し上げて4コーナーを14番手で通過。直線では次元の違う末脚を炸裂させて先頭をうかがい、最後は2着のレッドディザイアをハナ差振り切って樫の女王の称号を手中に収めた。

8月23日、約3か月の休み明けで迎えた7戦目は、G2の札幌記念（札幌芝2000m 曇/良）に出走。鞍上は7戦連続で安藤勝己騎手（6戦5勝）。16頭立ての圧倒的1番人気に推されて11番ゲートからスタート。平均的なペースでレースが進む中、馬場の外目を回って12番手を追走していたが、徐々に進出して4コーナーを8番手で通過。直線ではものすごい伸び脚で猛追したが、抜け出したヤマニンキングリーにクビ差届かず2着に甘んじた。

10月18日、中7週で迎えた8戦目は、牝馬限定3歳G1の秋華賞（京都芝2000m 晴/良）に出走。鞍上は8戦連続で安藤勝己騎手（7戦5勝）。18頭立ての1番人気に推されて3番ゲートからスタート。遅いペースでレースが進む中、終始10番手を追走。直線ではものすごい伸び脚で急追したが、抜け出したレッドディザイアにハナ差届かず2位に入線したが、その後3着に降着となった。

11月15日、中3週で迎えた9戦目は、牝馬限定G1のエリザベス女王杯（京都芝2200m 外回り晴/良）に出走。鞍上は9戦連続で安藤勝己騎手（8戦5勝）。18頭立ての圧倒的1番人気に推されて16番ゲートからスタート。やや緩いペースでレースが進む中、15番手を追走していたが、途中で一気に進出して、馬場の大外を通りながら4コーナーを3番手で通過。直線では閃光のような末脚を発揮したが、3着に終わった。

12月27日、中5週で迎えた10戦目は、横山典弘騎手を鞍上に迎えて、G1の有馬記念（中山芝2500m 晴/良）に出走。16頭立ての1番人気に推されて2番ゲートからスタート。ややスローペースでレースが進む中、6番手を追走していたが、道中でジワリジワリとポジションを押し上げて4コーナーを3番手で通過。直線では弾けるように急駛したが、伸びてきたドリームジャーニー決め手に屈して半馬身差の2着に敗北した。

4歳（2010年）

2月20日、中7週で馬体重を前走から12kg増やして迎えた11戦目は、G2の京都記念（京都芝2200m 外回り晴/良）に出走。鞍上は2戦連続で横山典弘騎手（1戦0勝）。13頭立ての圧倒的1番人気に推されて大外13番ゲートからスタート。かなり緩いペースでレースが進む中、終始3番手を追走。直線では凄まじい末脚を弾けさせて先頭に立ち、最後は2着のジャガーメイルを半馬身振り切って5つ目の重賞タイトルを手に入れた。

3月27日、O.ペリエ騎手を鞍上に迎えて、G1のドバイシーマクラシック（アラブ首長国連邦・メイダン芝2410m）に出走。16頭立ての1番人気に推されて10番ゲートからスタート。最後は、勝ったDar Re Miから3/4馬身差の2着に敗北した。

5月16日、中6週で迎えた13戦目は、牝馬限定G1のヴィクトリアマイル（東京芝1600m 晴/良）に出走。鞍上は横山典弘騎手（2戦1勝）。18頭立ての圧倒的1番人気に推されて11番ゲートからスタート。若干緩いペースでレースが進む中、13番手を追走し、4コーナーは12番手で通過。直線では豪快な末脚を炸裂させて先頭をうかがい、最後は2着のヒカルアマランサスをクビ差振り切ってマイル女王の座を手に入れた。

6月27日、中5週で馬体重を前走から12kg増やして迎えた14戦目は、G1の宝塚記念（阪神芝2200m 晴/稍重）に出走。鞍上は2戦連続で横山典弘騎手（3戦2勝）。17頭立ての1番人気に推されて8番ゲートからスタート。平均ペースでレースが進む中、3番手を追走し、4コーナーは4番手で通過。直線では持ち前の優れたスタミナでしぶとく走り抜いたが、伸びてきたナカヤマフェスタ決め手に屈して半馬身差の2着に敗北した。

10月31日、約4か月の休み明けで迎えた15戦目は、C.スミヨン騎手を鞍上に迎えて、G1の天皇賞（秋）（東京芝2000m 曇/稍重）に出走。18頭立ての1番人気に推されて2番ゲートからスタート。ややスローペースでレースが進む中、9番手を追走し、4コーナーは8番手で通過。直線で前を交わして先頭に立つと、鬼脚を爆発させて、最後は2着のペルーサに2馬身の差をつけて秋の盾を掴み取った。

11月28日、中3週で迎えた16戦目は、G1のジャパンカップ（東京芝2400m 晴/良）に出走。鞍上は2戦連続でC.スミヨン騎手（1戦1勝）。18頭立ての1番人気に推されて16番ゲートからスタート。遅いペースでレースが進む中、馬場の外目を回って14番手を追走していたが、徐々に進出して4コーナーを10番手で通過。直線では自慢の末脚を弾けさせて前にいた9頭を次々と抜き去り、最後は2着のローズキングダムに1馬身3/4の差をつけて1位に入線したが、その後2着に降着となった。

12月26日、中3週で迎えた17戦目は、G1の有馬記念（中山芝2500m 晴/良）に出走。鞍上は3戦連続でC.スミヨン騎手（2戦1勝）。15頭立ての1番人気に推されて7番ゲートからスタート。極端なスローペースでレースが進む中、11番手を追走していたが、徐々に進出して4コーナーを8番手で通過。直線では鮮やかな伸び脚で猛追したが、抜け出したヴィクトワールピサにハナ差届かず2着に甘んじた。

5歳（2011年）

3月26日、R.ムーア騎手を鞍上に迎えて、G1のドバイワールドカップ（アラブ首長国連邦・メイダンダート2000m）に出走。ダート戦への出走は初となった。14頭立ての3番人気に推されて13番ゲートからスタート。8着に敗れた。

5月15日、中6週で迎えた19戦目は、岩田康誠騎手を鞍上に迎えて、牝馬限定G1のヴィクトリアマイル（東京芝1600m 晴/良）に出走。17頭立ての圧倒的1番人気に推されて13番ゲートからスタート。些か速いペースでレースが進む中、終始13番手を追走。直線では素晴らしい伸び脚で追い上げたが、抜け出したアパパネにクビ差届かず2着に甘んじた。

6月26日、中5週で馬体重を前走から12kg増やして迎えた20戦目は、G1の宝塚記念（阪神芝2200m 晴/良）に出走。鞍上は2戦連続で岩田康誠騎手（1戦0勝）。16頭立ての1番人気に推されて8番ゲートからスタート。平均的なペースでレースが進む中、終始11番手を追走。直線では素晴らしい伸び脚で猛追したが、抜け出したアーネストリーを差し切れず、1馬身半差の2着に敗北した。

10月30日、約4か月の休み明けで馬体重を前走から10kg絞って迎えた21戦目は、G1の天皇賞（秋）（東京芝2000m 曇/良）に出走。鞍上は3戦連続で岩田康誠騎手（2戦0勝）。18頭立ての1番人気に推されて5番ゲートからスタート。若干遅いペースでレースが進む中、7番手を追走していたが、途中でジワリジワリとポジションが下がり4コーナーを9番手で通過。直線ではキレのある末脚を披露したが、4着に終わった。

11月27日、中3週で迎えた22戦目は、G1のジャパンカップ（東京芝2400m 晴/良）に出走。鞍上は4戦連続で岩田康誠騎手（3戦0勝）。16頭立ての2番人気に推されて2番ゲートからスタート。ゆったりとしたペースでレースが進む中、終始6番手を追走。直線では豪快な末脚を弾けさせて先頭をうかがい、最後は2着のトーセンジョーダンをクビ差振り切って最強馬の称号を手にした。

12月25日、中3週で迎えた23戦目は、G1の有馬記念（中山芝2500m 晴/良）に出走。鞍上は5戦連続で岩田康誠騎手（4戦1勝）。13頭立ての2番人気に推されて1番ゲートからスタート。非常に遅いペースでレースが進む中、終始3番手を追走。直線では末脚に勢いがなく7着に敗れた。