トロットサンダー（1989年生、母ラセーヌワンダ）

トロットサンダー（1989年5月10日）は、日本の競走馬、種牡馬。毛色は鹿毛。種牡馬のダイナコスモス（当時6歳）と交配したラセーヌワンダが21歳のときに産んだ仔が本馬である。産地は北海道勇払郡鵡川町、生産者は（有）フラット牧場。戦績は、中央平地13戦7勝2着1回、地方9戦8勝2着1回。1995年のマイルチャンピオンシップ(G1)に勝利した他、1996年の安田記念(G1)を制するなど、G1級競走2勝を含む重賞3勝を挙げた。

経歴

デビュー前

津金沢正男厩舎（浦和）へ入厩。

3歳（1992年）

7月1日、デビュー戦は桃井十四秋騎手を鞍上に据えて、4歳（浦和ダート1400m 晴/稍重）に出走。馬体重は466kg。10頭立ての1番人気に推されて8番ゲートからスタート。最後は、2着のワンダースラッガーに2馬身の差をつけて初勝利を挙げた。

7月29日、中3週で迎えた2戦目は、本間光雄騎手を鞍上に迎えて、4歳（浦和ダート1400m 晴/良）に出走。9頭立ての1番人気に推されて6番ゲートからスタート。最後は、2着のマコールビーに9馬身の差をつけて2勝目を奪取した。

8月17日、中2週で迎えた3戦目は、4歳（浦和ダート1400m 晴/良）に出走。鞍上は桃井十四秋騎手（1戦1勝）。6頭立ての1番人気に推されて6番ゲートからスタート。最後は、2着のムサシワンダーに5馬身の差をつけて負け無しの3連勝を決めた。

9月8日、中2週で迎えた4戦目は、3歳戦の若武蔵特別一（浦和ダート1400m 曇/良）に出走。鞍上は2戦連続で桃井十四秋騎手（2戦2勝）。6頭立ての1番人気に推されて3番ゲートからスタート。最後は、2着のミタカダンサーに3馬身の差をつけて負け知らずの4連勝を決めた。

10月10日、中4週で迎えた5戦目は、一般C1六 C2二（浦和ダート1400m 晴/良）に出走。鞍上は3戦連続で桃井十四秋騎手（3戦3勝）。11頭立ての1番人気に推されて2番ゲートからスタート。最後は、2着のシーガルレコードに4馬身の差をつけて土付かずの5連勝を決めた。

4歳（1993年）

1月3日、約3か月の間隔を開けて馬体重を前走から20kg増やして迎えた6戦目は、一般C1四（浦和ダート1400m 晴/良）に出走。鞍上は本間光雄騎手（1戦1勝）。10頭立ての1番人気に推されて8番ゲートからスタート。最後は、勝ったコスモチユーから半馬身差の2着に敗北した。

1月21日、中2週で迎えた7戦目は、一般C1三（浦和ダート1400m 晴/良）に出走。鞍上は2戦連続で本間光雄騎手（2戦1勝）。11頭立ての1番人気に推されて8番ゲートからスタート。最後は、2着のヘイセイソブリンに1馬身半の差をつけて制した。

2月21日、中3週で迎えた8戦目は、ヒヤシンス特別（浦和ダート1600m 曇/良）に出走。鞍上は3戦連続で本間光雄騎手（3戦2勝）。9頭立ての1番人気に推されて7番ゲートからスタート。最後は、2着のイシノハワイアンに3/4馬身の差をつけて優勝

5歳（1994年）

5月23日、約15か月の休み明けで迎えた9戦目は、あやめ特別（浦和ダート1600m 晴/良）に出走。鞍上は桃井十四秋騎手（4戦4勝）。9頭立ての1番人気に推されて大外9番ゲートからスタート。最後は、2着のハシモクロタカに4馬身の差をつけて久方ぶりの実戦を制した。

7月17日、中7週で迎えた10戦目は、横山典弘騎手を鞍上に迎えて、4歳以上900万下の日高特別（札幌芝1800m 晴/良）に出走。芝レースへの出走は初となった。10頭立ての4番人気で3番ゲートからスタート。平均的なペースでレースが進む中、5番手を追走していたが、徐々にポジションが下がり4コーナーを7番手で通過。直線では迫力満点の伸び脚で猛追したが、抜け出したタケノクラウンに半馬身届かず2着となった。

12月4日、約4か月半の休養明けで迎えた11戦目は、4歳以上900万下の美浦特別（中山芝1800m 晴/良）に出走。鞍上は2戦連続で横山典弘騎手（1戦0勝）。14頭立ての1番人気に推されて2番ゲートからスタート。やや遅いペースでレースが進む中、4番手を追走し、4コーナーは3番手で通過。直線ではぐんぐんと末脚を伸ばして先頭に立ち、最後は2着のマイネルロカビリーをクビ差振り切って久しぶりの一戦を物にした。

6歳（1995年）

1月21日、中6週で迎えた12戦目は、ハンデ戦の初富士ステークス（中山芝1600m 外回り晴/良）に出走。鞍上は3戦連続で横山典弘騎手（2戦1勝）。14頭立ての1番人気に推されて1番ゲートからスタート。平均ペースでレースが進む中、5番手を追走していたが、途中でジワリジワリとポジションが下がり4コーナーを7番手で通過。直線では驚異的な末脚を爆発させて先頭を奪い、最後は2着のクアドリフォリオに2馬身の差をつけて10勝目を達成した。

3月12日、中6週で迎えた13戦目は、G2の中山記念（中山芝1800m 曇/稍重）に出走。重賞競走への出走は初となった。鞍上は4戦連続で横山典弘騎手（3戦2勝）。12頭立ての4番人気で3番ゲートからスタート。ユッタリとしたペースでレースが進む中、終始8番手を追走。直線ではじわじわとしか伸びず7着に敗れた。

5月20日、中9週で迎えた14戦目は、府中ステークス（東京芝1600m 晴/良）に出走。鞍上は5戦連続で横山典弘騎手（4戦2勝）。18頭立ての1番人気に推されて11番ゲートからスタート。ミドルペースでレースが進む中、7番手を追走し、4コーナーは6番手で通過。直線では鬼脚を爆発させて先頭に躍り出て、最後は2着のシンコウキングに2馬身半の差をつけて優勝

7月2日、中5週で迎えた15戦目は、ハンデG3の札幌記念（札幌芝2000m 曇/良）に出走。鞍上は6戦連続で横山典弘騎手（5戦3勝）。13頭立ての1番人気に推されて7番ゲートからスタート。ミドルペースでレースが進む中、3番手を追走し、4コーナーは2番手で通過。直線では余力が残っておらず7着に敗れた。

8月20日、中6週で迎えた16戦目は、G3の函館記念（函館芝2000m 曇/重）に出走。鞍上は7戦連続で横山典弘騎手（6戦3勝）。16頭立ての3番人気に推されて8番ゲートからスタート。ユッタリとしたペースでレースが進む中、終始14番手を追走。直線では上がり4位タイの伸び脚を披露したが上位争いには加われず7着に敗れた。

10月8日、中6週で迎えた17戦目は、G2の毎日王冠（東京芝1800m 雨/重）に出走。鞍上は8戦連続で横山典弘騎手（7戦3勝）。14頭立ての6番人気で6番ゲートからスタート。ゆったりとしたペースでレースが進む中、11番手を追走し、4コーナーは、馬場の外目を通りながら10番手で通過。直線では長くいい脚を使ってゴールまで走り切り、3着に入った。

10月28日、中2週で迎えた18戦目は、ハンデ戦でオープンのアイルランドトロフィー（東京芝1600m 晴/良）に出走。鞍上は9戦連続で横山典弘騎手（8戦3勝）。11頭立ての1番人気に推されて8番ゲートからスタート。やや厳しいペースでレースが進む中、8番手を追走していたが、徐々に進出して4コーナーを5番手で通過。直線では自慢の末脚を炸裂させて突き抜け、最後は2着のエアチャリオットに3馬身の差をつけて勝利数を12に伸ばす

11月19日、中2週で迎えた19戦目は、G1のマイルチャンピオンシップ（京都芝1600m 外回り晴/良）に出走。G1級競走への出走及び長時間の輸送競馬は初となった。鞍上は10戦連続で横山典弘騎手（9戦4勝）。18頭立ての4番人気に推されて13番ゲートからスタート。少し速いペースでレースが進む中、馬場の外目を回って10番手を追走していたが、途中でジワリジワリとポジションが下がり4コーナーを12番手で通過。直線では次元の違う末脚を炸裂させて前にいた11頭をごぼう抜きし、最後は2着のメイショウテゾロに1馬身1/4の差をつけて下半期マイル王の座に就いた。

7歳（1996年）

2月4日、約2か月半の間隔を開けて迎えた20戦目は、G3の東京新聞杯（東京芝1600m 晴/良）に出走。鞍上は11戦連続で横山典弘騎手（10戦5勝）。16頭立ての1番人気に推されて11番ゲートからスタート。ゆったりとしたペースでレースが進む中、9番手を追走し、4コーナーは8番手で通過。直線では猛烈な末脚を炸裂させて先頭をうかがい、最後は2着のメイショウユウシをクビ差振り切って3連勝で2つ目の重賞タイトルをゲットした。

5月11日、約3か月の休み明けで迎えた21戦目は、G2の京王杯スプリングカップ（東京芝1400m 晴/良）に59kgの斤量を背負って出走。鞍上は12戦連続で横山典弘騎手（11戦6勝）。15頭立ての2番人気に推されて8番ゲートからスタート。若干遅いペースでレースが進む中、14番手を追走していたが、道中でジワリジワリとポジションを押し上げて4コーナーを12番手で通過。直線では切れ味光る末脚を発揮したが、3着に終わった。

6月9日、中3週で迎えた22戦目は、G1の安田記念（東京芝1600m 曇/良）に出走。鞍上は13戦連続で横山典弘騎手（12戦6勝）。17頭立ての1番人気に推されて12番ゲートからスタート。ミドルペースでレースが進む中、馬場の外目を回って12番手を追走し、4コーナーは11番手で通過。直線では鮮烈な末脚を炸裂させて先頭をうかがい、最後は2着のタイキブリザードをハナ差振り切って上半期マイル王の座を勝ち取った。