タイキブリザード（1991年生、母ツリーオブノレッジ）

タイキブリザード（1991年3月12日）は、アメリカ合衆国で生まれ、日本で調教された競走馬、種牡馬。毛色は黒鹿毛。種牡馬のSeattle Slew（当時17歳）と交配したツリーオブノレッジが15歳のときに産んだ仔が本馬である。戦績は、中央平地20戦6勝2着8回、海外2戦0勝。1997年の安田記念(G1)に勝利した他、1995年の宝塚記念(G1)で2着に入るなどの活躍をした。

経歴

デビュー前

大樹レーシングクラブにて総額8,000万円（80万×100口）で一口馬主が募集された。

藤沢和雄厩舎（美浦）へ入厩。

3歳（1994年）

2月14日、デビュー戦は坂本勝美騎手を鞍上に据えて、4歳新馬（東京ダート1400m 晴/重）に出走。馬体重は530kg。14頭立ての圧倒的1番人気に推されて大外14番ゲートからスタート。ややハイペースでレースが進む中、終始2番手を追走。直線では次元の違う末脚を炸裂させて突き抜け、最後は2着のカネツクロスに4馬身の差をつけて初白星を挙げた。

3月6日、中2週で迎えた2戦目は、岡部幸雄騎手を鞍上に迎えて、4歳500万下（中山ダート1800m 晴/良）に出走。7頭立ての圧倒的1番人気に推されて4番ゲートからスタート。落ち着いたペースでレースが進む中、終始2番手を追走。直線では鬼脚を爆発させて先頭をうかがい、最後は2着のサクラローレルを3/4馬身振り切って断然人気に応えた。

3月27日、中2週で迎えた3戦目は、3歳G3の毎日杯（阪神芝2000m 晴/良）に出走。芝レース、重賞競走への出走及び長時間の輸送競馬は初となった。鞍上は坂本勝美騎手（1戦1勝）。15頭立ての1番人気に推されて1番ゲートからスタート。平均ペースでレースが進む中、11番手を追走していたが、徐々に進出して4コーナーを7番手で通過。直線では逸出した伸び脚で急追したが、抜け出したメルシーステージにクビ差届かず2着に甘んじた。

7月3日、約3か月半の休養明けで馬体重を前走から14kg増やして迎えた4戦目は、3歳G3のラジオたんぱ賞（福島芝1800m 晴/良）に出走。鞍上は岡部幸雄騎手（1戦1勝）。12頭立ての1番人気に推されて6番ゲートからスタート。やや厳しいペースでレースが進む中、3番手を追走し、4コーナーは2番手で通過。直線では逸出した伸びを見せたが、伸びてきたヤシマソブリン決め手に屈して半馬身差の2着に敗北した。

7月30日、中3週で馬体重を前走から10kg絞って迎えた5戦目は、道新杯（札幌芝1800m 晴/良）に出走。鞍上は2戦連続で岡部幸雄騎手（2戦1勝）。8頭立ての圧倒的1番人気に推されて7番ゲートからスタート。果敢にハナを切り、緩いペースで集団を引っ張る。先頭のまま半馬身のリードを保って4コーナーを通過。直線に入ると、馬群に飲まれ4着に沈んだ。

8月21日、中2週で迎えた6戦目は、G3の函館記念（札幌芝2000m 晴/良）に出走。鞍上は3戦連続で岡部幸雄騎手（3戦1勝）。14頭立ての3番人気に推されて5番ゲートからスタート。若干緩いペースでレースが進む中、3番手を追走していたが、道中でジワリジワリとポジションを押し上げて4コーナーを先頭で通過。直線では迫力満点の伸び脚で猛進したが、ワコーチカコに交わされて3馬身差の2着に敗北した。

10月9日、中6週で迎えた7戦目は、福島民報杯（福島芝2000m 晴/良）に出走。鞍上は坂本勝美騎手（2戦1勝）。11頭立ての1番人気に推されて7番ゲートからスタート。遅いペースでレースが進む中、馬場の外目を回って8番手を追走していたが、途中で一気に進出して4コーナーを4番手で通過。直線では天性の闘争本能でゴールまで力闘したが、4着に終わった。

4歳（1995年）

4月23日、約6か月半の休み明けで迎えた8戦目は、谷川岳ステークス（福島芝1800m 小雨/良）に出走。鞍上は2戦連続で坂本勝美騎手（3戦1勝）。14頭立ての1番人気に推されて2番ゲートからスタート。かなり厳しいペースでレースが進む中、5番手を追走していたが、徐々に進出して4コーナーを2番手で通過。直線に入ると、前で粘るエーピードラゴンを上がり3位タイの末脚で交わし去り、最後は1馬身3/4の差をつけて久々の実戦をモノにした。

5月14日、中2週で迎えた9戦目は、G1の安田記念（東京芝1600m 曇/良）に出走。G1級競走への出走は初となった。鞍上は岡部幸雄騎手（4戦1勝）。18頭立ての6番人気で7番ゲートからスタート。ゆったりとしたペースでレースが進む中、2番手を追走し、4コーナーは3番手で通過。直線ではパワフルな末脚を披露し、3着に入った。

6月4日、中2週で迎えた10戦目は、G1の宝塚記念（京都芝2200m 外回り曇/稍重）に出走。鞍上は2戦連続で岡部幸雄騎手（5戦1勝）。17頭立ての5番人気で9番ゲートからスタート。ややスローペースでレースが進む中、終始2番手を追走。直線では忍耐力が光る走りを見せたが、伸びてきたダンツシアトル決め手に屈してクビ差の2着に惜敗した。

11月12日、約5か月半の休み明けで迎えた11戦目は、富士ステークス（東京芝1800m 晴/良）に出走。鞍上は坂本勝美騎手（4戦2勝）。9頭立ての1番人気に推されて5番ゲートからスタート。緩いペースでレースが進む中、終始3番手を追走。直線では持ち前の優れたスタミナでしぶとく走り抜いたが、勝ったフジヤマケンザンに詰め切れず、1馬身半差の2着に敗北した。

11月26日、中1週で迎えた12戦目は、G1のジャパンカップ（東京芝2400m 晴/良）に出走。鞍上は岡部幸雄騎手（6戦1勝）。14頭立ての4番人気で9番ゲートからスタート。端を奪う恰好となり、ユッタリとしたペースで集団を牽引。先頭のまま半馬身のリードを保って4コーナーを通過。直線では終いの伸びを欠き、4着に終わった。

12月24日、中3週で迎えた13戦目は、G1の有馬記念（中山芝2500m 晴/良）に出走。鞍上は坂本勝美騎手（5戦2勝）。12頭立ての5番人気で2番ゲートからスタート。緩いペースでレースが進む中、3番手を追走し、4コーナーは2番手で通過。直線では上々の伸びを見せたが、勝ったマヤノトップガンに詰め切れず、2馬身差の2着となった。

5歳（1996年）

3月31日、約3か月半の休養明けで迎えた14戦目は、G2の産経大阪杯（阪神芝2000m 晴/稍重）に出走。鞍上は岡部幸雄騎手（7戦1勝）。12頭立ての1番人気に推されて10番ゲートからスタート。超スローペースでレースが進む中、終始2番手を追走。直線ではきっちりと末脚を伸ばして先頭に立ち、最後は2着のインターユニークをクビ差振り切って待望の重賞初制覇を果たした。

5月11日、中5週で迎えた15戦目は、G2の京王杯スプリングカップ（東京芝1400m 晴/良）に出走。鞍上は2戦連続で岡部幸雄騎手（8戦2勝）。15頭立ての1番人気に推されて大外15番ゲートからスタート。少し遅いペースでレースが進む中、馬場の外目を回って終始8番手を追走。直線ではスパッとキレる脚で猛進したが、勝ったハートレイクにねじ伏せられて半馬身差の2着に敗北した。

6月9日、中3週で迎えた16戦目は、G1の安田記念（東京芝1600m 曇/良）に出走。鞍上は3戦連続で岡部幸雄騎手（9戦2勝）。17頭立ての3番人気に推されて8番ゲートからスタート。ミドルペースでレースが進む中、終始4番手を追走。直線ではシャープな伸び脚で驀進したが、伸びてきたトロットサンダー決め手に屈してハナ差の2着に惜敗した。

10月26日、13頭立ての3番ゲートからスタート。0着に敗れた。

6歳（1997年）

5月10日、約6か月半の休養明けで迎えた18戦目は、G2の京王杯スプリングカップ（東京芝1400m 晴/良）に出走。鞍上は岡部幸雄騎手（10戦2勝）。16頭立ての1番人気に推されて14番ゲートからスタート。些か速いペースでレースが進む中、終始2番手を追走。直線で前を交わして先頭に立つと、生得の持久力でしぶとく粘り込んで、最後は2着のオースミマックスに1馬身の差をつけて2つ目の重賞タイトルを手中に収めた。

6月8日、中3週で迎えた19戦目は、G1の安田記念（東京芝1600m 曇/良）に出走。鞍上は2戦連続で岡部幸雄騎手（11戦3勝）。18頭立ての1番人気に推されて10番ゲートからスタート。平均的なペースでレースが進む中、9番手を追走し、4コーナーは、大外に持ち出して8番手で通過。直線では目の覚めるような末脚を弾けさせて先頭をうかがい、最後は2着のジェニュインをクビ差振り切って上半期マイル王の座に輝いた。

7月6日、中3週で迎えた20戦目は、G1の宝塚記念（阪神芝2200m 晴/良）に出走。鞍上は3戦連続で岡部幸雄騎手（12戦4勝）。12頭立ての2番人気に推されて11番ゲートからスタート。やや速いペースでレースが進む中、2番手を追走し、4コーナーは先頭で通過。直線ではあとひと踏ん張りが利かず、4着に終わった。

10月18日、G3のブリーダーズカップ・マイル（アメリカ合衆国・サンタアニタ芝1609m）に出走。5頭立てのレースに臨んだ。3着に敗れた。

11月8日、9頭立ての6番人気で4番ゲートからスタート。6着に終わった。

12月21日、中5週で迎えた23戦目は、M.ロバーツ騎手を鞍上に迎えて、G1の有馬記念（中山芝2500m 晴/良）に出走。16頭立ての6番人気で10番ゲートからスタート。落ち着いたペースでレースが進む中、4番手を追走していたが、道中でジワリジワリとポジションを押し上げて4コーナーを先頭で通過。最後は脚勢が鈍り9着に敗れた。