ヤエノムテキ（1985年生、母ツルミスター）

ヤエノムテキ（1985年4月11日）は、日本の競走馬、種牡馬。1990年にJRA賞最優秀父内国産馬を受賞した。毛色は栗毛。種牡馬のヤマニンスキー（当時10歳）と交配したツルミスターが6歳のときに産んだ仔が本馬である。産地は北海道浦河郡荻伏村、生産者は（有）宮村牧場。戦績は、中央平地23戦8勝2着4回。1990年の天皇賞（秋）(G1)に勝利した他、1988年の皐月賞(G1)を制するなど、G1級競走2勝を含む重賞5勝を挙げた。

経歴

デビュー前

荻野光男厩舎（栗東）へ入厩。

3歳（1988年）

2月27日、デビュー戦は西浦勝一騎手を鞍上に据えて、4歳新馬（阪神ダート1700m 小雨/稍重）に出走。馬体重は500kg。8頭立ての2番人気に推されて4番ゲートからスタート。平均的なペースでレースが進む中、4番手を追走し、4コーナーは3番手で通過。直線に入ると、前で粘るメジロマーシャスを次元の違う末脚で交わし去り、最後は7馬身の差をつけて初白星を挙げた。

3月19日、中2週で迎えた2戦目は、4歳400万下の沈丁花賞（中京ダート1700m 晴/稍重）に出走。鞍上は2戦連続で西浦勝一騎手（1戦1勝）。8頭立ての圧倒的1番人気に推されて3番ゲートからスタート。平均ペースでレースが進む中、終始2番手を追走。直線では次元の違う末脚を炸裂させて突き抜け、最後は2着のアグネスターフに約11馬身の大差をつけて断トツの支持に応えた。

3月27日、連闘で迎えた3戦目は、3歳G3の毎日杯（阪神芝2000m 晴/重）に出走。芝レース及び重賞競走への出走は初となった。鞍上は3戦連続で西浦勝一騎手（2戦2勝）。10頭立ての4番人気で7番ゲートからスタート。平均的なペースでレースが進む中、7番手を追走していたが、途中で一気に進出して、馬場の大外を通りながら4コーナーを3番手で通過。直線ではいい脚を見せられず4着に敗れた。

4月17日、中2週で迎えた4戦目は、3歳G1の皐月賞（東京芝2000m 晴/良）に出走。G1級競走への出走及び長時間の輸送競馬は初となった。鞍上は4戦連続で西浦勝一騎手（3戦2勝）。18頭立ての9番人気で1番ゲートからスタート。やや遅いペースでレースが進む中、4番手を追走していたが、途中でジワリジワリとポジションが下がり4コーナーを7番手で通過。直線では途轍もない末脚を爆発させて先頭に立ち、最後は2着のディクターランドを3/4馬身振り切ってクラシックホースの称号を掴み取った。

5月29日、中5週で迎えた5戦目は、3歳G1の日本ダービー（東京優駿）（東京芝2400m 晴/良）に出走。鞍上は5戦連続で西浦勝一騎手（4戦3勝）。24頭立ての2番人気に推されて11番ゲートからスタート。ミドルペースでレースが進む中、14番手を追走していたが、徐々に進出して、馬場の大外を通りながら4コーナーを8番手で通過。直線ではパワフルな末脚を発揮したが、4着に終わった。

7月3日、中4週で迎えた6戦目は、3歳G3の中日スポーツ賞4歳ステークス（中京芝1800m 曇/良）に58kgの斤量を背負って出走。鞍上は6戦連続で西浦勝一騎手（5戦3勝）。11頭立ての1番人気に推されて大外11番ゲートからスタート。かなりのスローペースでレースが進む中、馬場の外目を回って終始2番手を追走。直線では迫力満点の伸びを見せたが、伸びてきたサッカーボーイ決め手に屈して半馬身差の2着に敗北した。

9月11日、中9週で馬体重を前走から12kg増やして迎えた7戦目は、UHB杯（函館芝1800m 曇/稍重）に出走。鞍上は7戦連続で西浦勝一騎手（6戦3勝）。12頭立ての圧倒的1番人気に推されて1番ゲートからスタート。ややスローペースでレースが進む中、3番手を追走し、4コーナーは2番手で通過。直線に入ると、前で粘るパッシングパワーを次元の違う末脚で交わし去り、最後は1馬身3/4の差をつけて断然人気に応えた。

10月16日、中4週で迎えた8戦目は、3歳G2の京都新聞杯（京都芝2200m 外回り晴/良）に出走。鞍上は8戦連続で西浦勝一騎手（7戦4勝）。16頭立ての圧倒的1番人気に推されて1番ゲートからスタート。少し遅いペースでレースが進む中、3番手を追走し、4コーナーは4番手で通過。直線では凄まじい末脚を炸裂させて先頭を奪い、最後は2着のコウエイスパートに1馬身半の差をつけて2つ目の重賞タイトルを手にした。

11月6日、中2週で迎えた9戦目は、3歳G1の菊花賞（京都芝3000m 外回り晴/良）に出走。鞍上は9戦連続で西浦勝一騎手（8戦5勝）。18頭立ての1番人気に推されて1番ゲートからスタート。ゆったりとしたペースでレースが進む中、終始4番手を追走。直線では見せ場なく10着に敗れた。

12月4日、中3週で迎えた10戦目は、ハンデG2の鳴尾記念（阪神芝2500m 曇/良）に58kgの斤量を背負って出走。鞍上は10戦連続で西浦勝一騎手（9戦5勝）。12頭立ての1番人気に推されて5番ゲートからスタート。ゆったりとしたペースでレースが進む中、終始5番手を追走。直線では豪快な末脚を弾けさせて先頭をうかがい、最後は2着のハツシバエースをハナ差振り切って重賞3勝目をマークした。

4歳（1989年）

1月22日、中6週で迎えた11戦目は、G2の日経新春杯（京都芝2200m 外回り曇/良）に58kgの斤量を背負って出走。鞍上は11戦連続で西浦勝一騎手（10戦6勝）。9頭立ての1番人気に推されて5番ゲートからスタート。若干緩いペースでレースが進む中、5番手を追走していたが、途中で一気に進出して、馬場の大外を通りながら4コーナーを2番手で通過。直線ではビュッと切れる脚を見せたが、勝ったランドヒリュウにねじ伏せられてクビ差の2着に甘んじた。

4月2日、中9週で迎えた12戦目は、G2の産經大阪杯（阪神芝2000m 晴/良）に出走。鞍上は12戦連続で西浦勝一騎手（11戦6勝）。13頭立ての1番人気に推されて10番ゲートからスタート。やや厳しいペースでレースが進む中、終始3番手を追走。直線では次元の違う末脚を炸裂させて突き抜け、最後は2着のランドヒリュウに3馬身半の差をつけて重賞4勝目をマークした。

6月11日、中9週で迎えた13戦目は、G1の宝塚記念（阪神芝2200m 晴/良）に出走。鞍上は13戦連続で西浦勝一騎手（12戦7勝）。16頭立ての1番人気に推されて8番ゲートからスタート。少々速いペースでレースが進む中、13番手を追走していたが、途中で一気に進出して、馬場の外目を通りながら4コーナーを8番手で通過。直線ではピリッとした末脚を使えず7着に敗れた。

10月29日、約4か月半の休養明けで迎えた14戦目は、G1の天皇賞（秋）（東京芝2000m 晴/良）に出走。鞍上は14戦連続で西浦勝一騎手（13戦7勝）。14頭立ての6番人気で11番ゲートからスタート。緩いペースでレースが進む中、5番手を追走し、4コーナーは4番手で通過。直線では力強い脚捌きでゴールまで頑張ったが、4着に終わった。

12月24日、中7週で迎えた15戦目は、G1の有馬記念（中山芝2500m 雨/良）に出走。鞍上は15戦連続で西浦勝一騎手（14戦7勝）。16頭立ての8番人気で14番ゲートからスタート。少し緩いペースでレースが進む中、14番手を追走していたが、道中でジワリジワリとポジションを押し上げて4コーナーを11番手で通過。直線では上がり3位タイの末脚を見せたが上位争いには絡めず6着に敗れた。

5歳（1990年）

1月21日、中3週で馬体重を前走から12kg増やして迎えた16戦目は、G2の日経新春杯（京都芝2200m 外回り晴/良）に60kgの斤量を背負って出走。鞍上は16戦連続で西浦勝一騎手（15戦7勝）。9頭立ての1番人気に推されて3番ゲートからスタート。ゆったりとしたペースでレースが進む中、6番手を追走していたが、途中で一気に進出して4コーナーを3番手で通過。直線では持ち前のタフネスで最後まで脚を伸ばしたが、抜け出したトーワトリプルを捕まえ切れず、3/4馬身差の2着に敗北した。

2月25日、中4週で迎えた17戦目は、G2のマイラーズカップ（阪神芝1600m 曇/重）に60kgの斤量を背負って出走。鞍上は17戦連続で西浦勝一騎手（16戦7勝）。12頭立ての1番人気に推されて10番ゲートからスタート。平均的なペースでレースが進む中、8番手を追走し、4コーナーは7番手で通過。直線ではジワジワと長く脚を使ってゴールまで力走したが、3着に終わった。

4月1日、中4週で迎えた18戦目は、G2の産經大阪杯（阪神芝2000m 晴/稍重）に59kgの斤量を背負って出走。鞍上は18戦連続で西浦勝一騎手（17戦7勝）。9頭立ての4番人気で7番ゲートからスタート。平均的なペースでレースが進む中、8番手を追走していたが、途中で一気に進出して、馬場の外目を通りながら4コーナーを4番手で通過。直線ではゴールまでジンワリと伸びたが、3着に終わった。

5月13日、中5週で迎えた19戦目は、岡部幸雄騎手を鞍上に迎えて、G1の安田記念（東京芝1600m 曇/良）に出走。16頭立ての4番人気に推されて12番ゲートからスタート。平均的なペースでレースが進む中、終始5番手を追走。直線ではビュッとキレる脚で追い上げたが、勝ったオグリキャップに詰め切れず、2馬身差の2着に敗北した。

6月10日、中3週で迎えた20戦目は、G1の宝塚記念（阪神芝2200m 晴/良）に出走。鞍上は2戦連続で岡部幸雄騎手（1戦0勝）。10頭立ての4番人気で1番ゲートからスタート。やや厳しいペースでレースが進む中、6番手を追走し、4コーナーは5番手で通過。直線では力強い脚捌きでゴールまで走り切ったが、3着に終わった。

10月28日、約4か月半の休み明けで迎えた21戦目は、G1の天皇賞（秋）（東京芝2000m 晴/良）に出走。鞍上は3戦連続で岡部幸雄騎手（2戦0勝）。18頭立ての3番人気に推されて7番ゲートからスタート。平均的なペースでレースが進む中、8番手を追走していたが、道中でジワリジワリとポジションを押し上げて4コーナーを6番手で通過。直線では目の覚めるような末脚を爆発させて先頭に立ち、最後は2着のメジロアルダンをアタマ差振り切って秋の盾を手にした。

11月25日、中3週で迎えた22戦目は、G1のジャパンカップ（東京芝2400m 晴/良）に出走。鞍上は4戦連続で岡部幸雄騎手（3戦1勝）。15頭立ての8番人気で4番ゲートからスタート。スローペースでレースが進む中、終始7番手を追走。直線では今一つ伸び切れず6着に敗れた。

12月23日、中3週で迎えた23戦目は、G1の有馬記念（中山芝2500m 晴/良）に出走。鞍上は5戦連続で岡部幸雄騎手（4戦1勝）。16頭立ての6番人気で2番ゲートからスタート。緩いペースでレースが進む中、2番手を追走していたが、途中でズルズルとポジションが下がり、4コーナーを9番手で通過。直線ではジワジワとしか伸びず7着に敗れた。