ジャンダルム（2015年生、母ビリーヴ）

ジャンダルム（2015年4月25日）は、アメリカ合衆国で生まれ、日本で調教された競走馬。牡馬。馬名の意味は「アルプス山脈の名峰『アイガー』の絶壁の名」。毛色は黒鹿毛。種牡馬のKitten's Joy（当時14歳）と交配したビリーヴが18歳のときに産んだ7番仔が本馬である。2022年のスプリンターズステークス(G1)に勝利した他、2017年のホープフルステークス(G1)で2着に入るなどの活躍をした。

経歴

デビュー前

池江泰寿厩舎（栗東）へ入厩。

2歳（2017年）

9月9日、デビュー戦は武豊騎手を鞍上に据えて、2歳新馬（阪神芝1600m 外回り晴/良）に出走。馬体重は480kg。11頭立ての2番人気に推されて6番ゲートからスタート。ゆったりとしたペースでレースが進む中、終始3番手を追走。直線ではしっかりと末脚を伸ばして先頭を奪い、最後は2着のロードラナキラに1馬身1/4の差をつけて初勝利を挙げた。

11月11日、中8週で迎えた2戦目は、A.アッゼニ騎手を鞍上に迎えて、2歳G2のデイリー杯2歳ステークス（京都芝1600m 外回り晴/良）に出走。重賞競走への出走は初となった。9頭立ての5番人気で3番ゲートからスタート。かなり緩いペースでレースが進む中、終始5番手を追走。直線では圧倒的な末脚を炸裂させて先頭を奪い、最後は2着のカツジに1馬身1/4の差をつけて重賞初挑戦初制覇を達成した。

12月28日、中6週で馬体重を前走から10kg増やして迎えた3戦目は、2歳G1のホープフルステークス（中山芝2000m 晴/良）に出走。G1級競走への出走及び長時間の輸送競馬は初となった。鞍上は武豊騎手（1戦1勝）。17頭立ての4番人気に推されて15番ゲートからスタート。少し緩いペースでレースが進む中、10番手を追走していたが、途中で一気に進出して、馬場の大外を通りながら4コーナーを4番手で通過。直線では目覚ましい伸び脚で猛進したが、勝ったタイムフライヤーにねじ伏せられて1馬身1/4差の2着に敗北した。

3歳（2018年）

3月4日、中8週で馬体重を前走から10kg絞って迎えた4戦目は、3歳G2の弥生賞（中山芝2000m 晴/良）に出走。鞍上は2戦連続で武豊騎手（2戦1勝）。10頭立ての4番人気で3番ゲートからスタート。非常に遅いペースでレースが進む中、4番手を追走し、4コーナーは3番手で通過。直線では力強い脚運びでゴールまで頑張ったが、3着に終わった。

4月15日、中5週で馬体重を前走から8kg戻して迎えた5戦目は、3歳G1の皐月賞（中山芝2000m 曇/稍重）に出走。鞍上は3戦連続で武豊騎手（3戦1勝）。16頭立ての4番人気に推されて3番ゲートからスタート。ややスローペースでレースが進む中、終始11番手を追走。直線では他馬と同じような脚勢になり9着に敗れた。

5月27日、中5週で迎えた6戦目は、3歳G1の日本ダービー（東京優駿）（東京芝2400m 晴/良）に出走。鞍上は4戦連続で武豊騎手（4戦1勝）。18頭立ての11番人気で11番ゲートからスタート。やや緩いペースでレースが進む中、終始12番手を追走。直線では末脚を伸ばせず17着に終わった。

10月20日、約5か月の休養明けで馬体重を前走から12kg増やして迎えた7戦目は、G3の富士ステークス（東京芝1600m 晴/良）に出走。鞍上は5戦連続で武豊騎手（5戦1勝）。18頭立ての6番人気で大外18番ゲートからスタート。やや緩いペースでレースが進む中、終始11番手を追走。直線では今一つ末脚が弾けず最後はヒーズインラブと並んで7着同着となった。

11月18日、中3週で迎えた8戦目は、G1のマイルチャンピオンシップ（京都芝1600m 外回り晴/良）に出走。鞍上は6戦連続で武豊騎手（6戦1勝）。18頭立ての11番人気で11番ゲートからスタート。ややスローペースでレースが進む中、終始18番手を追走。直線では上がり3位の末脚を繰り出したが上位争いには絡めず16着に終わった。

4歳（2019年）

2月3日、約2か月半の間隔を開けて迎えた9戦目は、G3の東京新聞杯（東京芝1600m 晴/良）に出走。鞍上は7戦連続で武豊騎手（7戦1勝）。15頭立ての8番人気で11番ゲートからスタート。やや遅いペースでレースが進む中、終始14番手を追走。直線ではイマイチ伸び切れず14着に敗れた。

7月21日、約5か月半の休養明けで迎えた10戦目は、藤井勘一郎騎手を鞍上に迎えて、ハンデG3の中京記念（中京芝1600m 曇/稍重）に出走。16頭立ての11番人気で4番ゲートからスタート。平均的なペースでレースが進む中、終始7番手を追走。直線ではジワジワとしか伸びず6着に終わった。

9月8日、中6週で迎えた11戦目は、ハンデG3の京成杯オータムハンデキャップ（中山芝1600m 外回り晴/良）に出走。鞍上は2戦連続で藤井勘一郎騎手（1戦0勝）。16頭立ての10番人気で2番ゲートからスタート。平均ペースでレースが進む中、4番手を追走し、4コーナーは3番手で通過。直線ではじわりじわりと長く脚を使ってゴールまで力闘し、3着に入り込んだ。

10月19日、中5週で迎えた12戦目は、G3の富士ステークス（東京芝1600m 曇/稍重）に出走。鞍上は3戦連続で藤井勘一郎騎手（2戦0勝）。18頭立ての9番人気で13番ゲートからスタート。やや緩いペースでレースが進む中、終始5番手を追走。最後は失速してしまい18着に敗れた。

5歳（2020年）

1月18日、約3か月の休養明けで迎えた13戦目は、ニューイヤーステークス（中山芝1600m 外回り小雨/稍重）に出走。鞍上は4戦連続で藤井勘一郎騎手（3戦0勝）。16頭立ての3番人気に推されて5番ゲートからスタート。少し速いペースでレースが進む中、5番手を追走していたが、道中でジワリジワリとポジションを押し上げて4コーナーを2番手で通過。直線では一完歩ずつ確実に前との差を詰めて先頭に立ち、最後は2着のシャイニービームを3/4馬身振り切って久しぶりに勝利を挙げた。

3月15日、中7週で迎えた14戦目は、東風ステークス（中山芝1600m 外回り晴/稍重）に出走。鞍上は5戦連続で藤井勘一郎騎手（4戦1勝）。16頭立ての1番人気に推されて12番ゲートからスタート。些か速いペースでレースが進む中、8番手を追走していたが、途中で一気に進出して4コーナーを2番手で通過。最後は脚色が鈍り10着に敗れた。

4月4日、中2週で迎えた15戦目は、ハンデG3のダービー卿チャレンジトロフィー（中山芝1600m 外回り晴/良）に出走。鞍上は6戦連続で藤井勘一郎騎手（5戦1勝）。16頭立ての2番人気に推されて3番ゲートからスタート。ミドルペースでレースが進む中、4番手を追走していたが、道中でジワリジワリとポジションを押し上げて4コーナーを2番手で通過。最後は脚勢が衰えて10着に敗れた。

8月16日、約4か月半の休養明けで馬体重を前走から10kg減らして迎えた16戦目は、G3の関屋記念（新潟芝1600m 外回り晴/良）に出走。鞍上は7戦連続で藤井勘一郎騎手（6戦1勝）。18頭立ての14番人気で7番ゲートからスタート。スローペースでレースが進む中、11番手を追走していたが、途中でジワリジワリとポジションが下がり4コーナーを13番手で通過。直線では他馬と同じ脚色になってしまい11着に終わった。

9月13日、中3週で迎えた17戦目は、ハンデG3の京成杯オータムハンデキャップ（中山芝1600m 外回り曇/良）に出走。鞍上は8戦連続で藤井勘一郎騎手（7戦1勝）。16頭立ての11番人気で7番ゲートからスタート。ミドルペースでレースが進む中、2番手を追走していたが、徐々にポジションが下がり4コーナーを6番手で通過。直線ではジワジワと長く脚を使ってゴールまで力走し、4着に入り込んだ。

10月18日、中4週で迎えた18戦目は、荻野極騎手を鞍上に迎えて、ハンデ戦でオープンの信越ステークス（新潟芝1400m 晴/良）に出走。16頭立ての6番人気で11番ゲートからスタート。若干遅いペースでレースが進む中、4番手を追走し、4コーナーは3番手で通過。直線に入ると、前で粘るカリオストロを上がり3位タイの末脚で交わし去り、最後は1馬身1/4の差をつけて1着ゴールを果たした。

12月26日、中9週で馬体重を前走から10kg増やして迎えた19戦目は、G2の阪神カップ（阪神芝1400m 晴/良）に出走。鞍上は2戦連続で荻野極騎手（1戦1勝）。16頭立ての8番人気で11番ゲートからスタート。平均ペースでレースが進む中、5番手を追走し、4コーナーは4番手で通過。直線では全く伸びず最後はレインボーフラッグと並んで7着同着となった。

6歳（2021年）

2月28日、中8週で迎えた20戦目は、G3の阪急杯（阪神芝1400m 晴/良）に出走。鞍上は3戦連続で荻野極騎手（2戦1勝）。17頭立ての4番人気に推されて13番ゲートからスタート。平均ペースでレースが進む中、終始2番手を追走。直線ではあとひと踏ん張りが利かず、3着に終わった。

4月11日、中5週で迎えた21戦目は、ハンデ戦でオープンの春雷ステークス（中山芝1200m 外回り晴/良）に出走。鞍上は4戦連続で荻野極騎手（3戦1勝）。16頭立ての1番人気に推されて11番ゲートからスタート。平均的なペースでレースが進む中、終始4番手を追走。直線ではぐいぐいと末脚を伸ばして先頭を奪い、最後は2着のマリアズハートに2馬身半の差をつけて5勝目を獲得した。

8月22日、約4か月半の休み明けで迎えた22戦目は、福永祐一騎手を鞍上に迎えて、ハンデG3のテレビ西日本賞北九州記念（小倉芝1200m 雨/稍重）に出走。18頭立ての1番人気に推されて7番ゲートからスタート。若干速いペースでレースが進む中、12番手を追走し、4コーナーは13番手で通過。直線では上がり3位の伸び脚を披露したが上位争いには絡めず7着に敗れた。

9月12日、中2週で迎えた23戦目は、浜中俊騎手を鞍上に迎えて、G2の産経賞セントウルステークス（中京芝1200m 曇/良）に出走。17頭立ての6番人気で10番ゲートからスタート。若干速いペースでレースが進む中、15番手を追走していたが、道中でジワリジワリとポジションを押し上げて4コーナーを13番手で通過。直線では超凡な末脚を披露し、4着に入った。

10月3日、中2週で迎えた24戦目は、G1のスプリンターズステークス（中山芝1200m 外回り晴/良）に出走。鞍上は2戦連続で浜中俊騎手（1戦0勝）。16頭立ての4番人気に推されて11番ゲートからスタート。ミドルペースでレースが進む中、馬場の外目を回って7番手を追走していたが、徐々にポジションが下がり4コーナーを11番手で通過。直線では速い脚を使えず11着に敗れた。

7歳（2022年）

1月30日、約4か月の休養明けで迎えた25戦目は、ハンデG3のシルクロードステークス（中京芝1200m 曇/良）に出走。鞍上は荻野極騎手（4戦2勝）。18頭立ての5番人気で17番ゲートからスタート。平均的なペースでレースが進む中、終始2番手を追走。最後は脚色が悪くなり13着に敗れた。

3月5日、中4週で迎えた26戦目は、G3のオーシャンステークス（中山芝1200m 外回り晴/良）に出走。鞍上は2戦連続で荻野極騎手（5戦2勝）。15頭立ての2番人気に推されて7番ゲートからスタート。やや厳しいペースでレースが進む中、3番手を追走し、4コーナーは2番手で通過。直線ではしっかりと末脚を伸ばして先頭に立ち、最後は2着のナランフレグを3/4馬身振り切って重賞2勝目を挙げた。

3月27日、中2週で迎えた27戦目は、G1の高松宮記念（中京芝1200m 晴/重）に出走。鞍上は3戦連続で荻野極騎手（6戦3勝）。18頭立ての13番人気で8番ゲートからスタート。ハイペースでレースが進む中、終始2番手を追走。最後は一杯になって11着に終わった。

8月21日、約5か月の休養明けで迎えた28戦目は、ハンデG3の北九州記念（小倉芝1200m 晴/良）に出走。鞍上は4戦連続で荻野極騎手（7戦3勝）。18頭立ての9番人気で17番ゲートからスタート。やや速いペースでレースが進む中、馬場の外目を回って7番手を追走し、4コーナーは8番手で通過。最後はタレてしまい17着に敗れた。

10月2日、中5週で迎えた29戦目は、G1のスプリンターズステークス（中山芝1200m 外回り晴/良）に出走。鞍上は5戦連続で荻野極騎手（8戦3勝）。16頭立ての8番人気で2番ゲートからスタート。若干速いペースでレースが進む中、3番手を追走し、4コーナーは2番手で通過。直線では不屈の闘魂で渋太く末脚を持続させて先頭に立ち、最後は2着のウインマーベルをクビ差振り切って秋のスプリント王の座を手中に収めた。

2022年12月19日付で中央競馬の競走馬登録を抹消した。

12月11日、G1の香港スプリント（香港・シャティン芝1200m）に出走。14頭立ての12番人気で8番ゲートからスタート。12着に終わった。