インカンテーション（2010年生、母オリジナルスピン）

インカンテーション（2010年3月24日）は、日本の競走馬、種牡馬。馬名の意味は「呪文、呪術。父名より連想」。毛色は鹿毛。種牡馬のシニスターミニスター（当時7歳）と交配したオリジナルスピンが14歳のときに産んだ仔が本馬である。産地は北海道浦河郡浦河町、生産者は（有）谷川牧場。戦績は、中央平地30戦10勝2着3回、地方4戦1勝2着1回。2015年のフェブラリーステークス(G1)で2着に入った他、2017年のかしわ記念(Jpn1)で2着に入る活躍をした。その他にも重賞6勝を挙げた。

経歴

デビュー前

ターファイトクラブにて総額1,200万円（6万×200口）で一口馬主が募集された。

羽月友彦厩舎（栗東）へ入厩。

2歳（2012年）

7月14日、デビュー戦は酒井学騎手を鞍上に据えて、2歳新馬（中京芝1400m 晴/良）に出走。馬体重は480kg。15頭立ての15番人気で2番ゲートからスタート。やや緩いペースでレースが進む中、14番手を追走し、4コーナーは15番手で通過。直線では他馬と同じような脚色になり15着に終わった。

10月20日、約3か月半の休み明けで迎えた2戦目は、丸山元気騎手を鞍上に迎えて、2歳未勝利（京都芝1200m 晴/良）に出走。15頭立ての14番人気で4番ゲートからスタート。ミドルペースでレースが進む中、8番手を追走し、4コーナーは7番手で通過。直線では天稟の敢闘精神でゴールまで力走し、5着に入り込んだ。

11月11日、中2週で迎えた3戦目は、C.ルメール騎手を鞍上に迎えて、2歳未勝利（京都芝1600m 雨/良）に出走。13頭立ての7番人気で5番ゲートからスタート。若干緩いペースでレースが進む中、9番手を追走し、4コーナーは10番手で通過。直線では決め手に欠いて8着に敗れた。

12月1日、中2週で迎えた4戦目は、国分優作騎手を鞍上に迎えて、2歳未勝利（阪神ダート1800m 曇/良）に出走。ダート戦への出走は初となった。10頭立ての3番人気で7番ゲートからスタート。若干遅いペースでレースが進む中、4番手を追走していたが、徐々に進出して、馬場の外目を通りながら4コーナーを2番手で通過。直線では次元の違う末脚を炸裂させて先頭に立ち、最後は2着のセイスコーピオンをクビ差振り切って初勝利を挙げた。

3歳（2013年）

1月13日、中5週で迎えた5戦目は、3歳500万下（京都ダート1800m 晴/良）に出走。鞍上は2戦連続で国分優作騎手（1戦1勝）。16頭立ての9番人気で3番ゲートからスタート。平均的なペースでレースが進む中、16番手を追走し、4コーナーは15番手で通過。直線では上がり1位の伸び脚を披露したが上位争いには絡めず8着に終わった。

2月9日、中3週で馬体重を前走から12kg減らして迎えた6戦目は、石橋脩騎手を鞍上に迎えて、3歳500万下（東京ダート1600m 晴/良）に出走。長時間の輸送競馬は初となった。16頭立ての11番人気で9番ゲートからスタート。ややスローペースでレースが進む中、終始4番手を追走。直線では天稟の闘争心でゴールまで力走し、4着に入り込んだ。

3月9日、中3週で迎えた7戦目は、大野拓弥騎手を鞍上に迎えて、3歳500万下の沈丁花賞（中京ダート1800m 晴/良）に出走。11頭立ての4番人気で5番ゲートからスタート。端に立ち、非常に緩いペースで一団を牽引。先頭のまま半馬身のリードを保って4コーナーを通過。直線では次元の違う末脚を炸裂させて突き抜け、最後は2着のモンシュシュに5馬身の差をつけて勝利を手中に収めた。

3月31日、中2週で迎えた8戦目は、吉田隼人騎手を鞍上に迎えて、3歳オープンの伏竜ステークス（中山ダート1800m 曇/良）に出走。15頭立ての9番人気で2番ゲートからスタート。やや速いペースでレースが進む中、3番手を追走し、4コーナーは4番手で通過。直線ではジワジワと長く脚を使ってゴールまで走り切り、4着に入り込んだ。

6月30日、約3か月の休養明けで迎えた9戦目は、小牧太騎手を鞍上に迎えて、3歳以上1000万下の御嶽特別（中京ダート1800m 晴/良）に出走。16頭立ての3番人気に推されて6番ゲートからスタート。超スローペースでレースが進む中、16番手を追走していたが、道中でジワリジワリとポジションを押し上げて4コーナーを13番手で通過。直線では閃光のような末脚を発揮したが、3着に終わった。

7月13日、中1週で迎えた10戦目は、藤岡康太騎手を鞍上に迎えて、ハンデ戦で3歳以上1000万下の濃尾特別（中京ダート1800m 曇/稍重）に出走。16頭立ての1番人気に推されて7番ゲートからスタート。非常に緩いペースでレースが進む中、4番手を追走していたが、道中でジワリジワリとポジションを押し上げて4コーナーを2番手で通過。直線に入ると、前で粘るグッドマイスターを次元の違う末脚で交わし去り、最後は2馬身の差をつけて勝利を手に入れた。

8月4日、中2週で迎えた11戦目は、3歳G3のレパードステークス（新潟ダート1800m 曇/稍重）に出走。重賞競走への出走は初となった。鞍上は大野拓弥騎手（1戦1勝）。15頭立ての1番人気に推されて5番ゲートからスタート。やや遅いペースでレースが進む中、終始2番手を追走。直線に入ると、前で粘るサトノプリンシパルを次元の違う末脚で交わし去り、最後は2馬身半の差をつけて重賞初挑戦初制覇を果たした。

9月15日、中5週で迎えた12戦目は、ラジオ日本賞（中山ダート1800m 晴/不良）に出走。鞍上は2戦連続で大野拓弥騎手（2戦2勝）。16頭立ての2番人気に推されて3番ゲートからスタート。平均的なペースでレースが進む中、7番手を追走し、4コーナーは6番手で通過。直線ではじりじりとしか伸びず6着に敗れた。

11月3日、中6週で迎えた13戦目は、G3のみやこステークス（京都ダート1800m 雨/良）に出走。鞍上は3戦連続で大野拓弥騎手（3戦2勝）。16頭立ての7番人気で11番ゲートからスタート。落ち着いたペースでレースが進む中、6番手を追走していたが、道中でジワリジワリとポジションを押し上げて4コーナーを3番手で通過。直線ではスパッとキレる脚で追い上げたが、逃げるブライトラインにハナ差届かず2着となった。

12月1日、中3週で迎えた14戦目は、G1のジャパンカップダート（阪神ダート1800m 晴/良）に出走。G1級競走への出走は初となった。鞍上は4戦連続で大野拓弥騎手（4戦2勝）。16頭立ての9番人気で15番ゲートからスタート。ややスローペースでレースが進む中、3番手を追走し、4コーナーは4番手で通過。最後は脚勢が衰えて14着に終わった。

4歳（2014年）

7月27日、約8か月の休み明けで馬体重を前走から12kg減らして迎えた15戦目は、G3のエルムステークス（札幌ダート1700m 雨/不良）に出走。鞍上は5戦連続で大野拓弥騎手（5戦2勝）。13頭立ての10番人気で12番ゲートからスタート。若干遅いペースでレースが進む中、6番手を追走していたが、徐々に進出して4コーナーを3番手で通過。直線ではキレのいい末脚を繰り出し、3着に入り込んだ。

8月30日、中4週で馬体重を前走から8kg戻して迎えた16戦目は、ハンデ戦でオープンのBSN賞（新潟ダート1800m 晴/良）に出走。鞍上は6戦連続で大野拓弥騎手（6戦2勝）。10頭立ての2番人気に推されて5番ゲートからスタート。平均ペースでレースが進む中、3番手を追走し、4コーナーは2番手で通過。直線で前を交わして先頭に立つと、一気に末脚を伸ばして、最後は2着のランウェイワルツに1馬身半の差をつけて5勝目を手にした。

9月20日、中2週で迎えた17戦目は、ラジオ日本賞（新潟ダート1800m 晴/良）に出走。鞍上は7戦連続で大野拓弥騎手（7戦3勝）。12頭立ての圧倒的1番人気に推されて5番ゲートからスタート。落ち着いたペースでレースが進む中、3番手を追走し、4コーナーは、馬場の外目を通りながら2番手で通過。直線では鬼脚を爆発させて先頭に立ち、最後は2着のスターバリオンをクビ差振り切って断然人気に応えた。

11月9日、中6週で迎えた18戦目は、G3のみやこステークス（京都ダート1800m 曇/良）に出走。鞍上は8戦連続で大野拓弥騎手（8戦4勝）。16頭立ての2番人気に推されて14番ゲートからスタート。ユッタリとしたペースでレースが進む中、11番手を追走していたが、道中でジワリジワリとポジションを押し上げて4コーナーを8番手で通過。直線では自慢の末脚を爆発させて先頭をうかがい、最後は2着のランウェイワルツを半馬身振り切って3連勝で2つ目の重賞タイトルを手中に収めた。

12月7日、中3週で迎えた19戦目は、G1のチャンピオンズカップ（中京ダート1800m 晴/良）に出走。鞍上は9戦連続で大野拓弥騎手（9戦5勝）。16頭立ての4番人気に推されて15番ゲートからスタート。かなり遅いペースでレースが進む中、13番手を追走していたが、道中でジワリジワリとポジションを押し上げて4コーナーを11番手で通過。直線では目立つような脚を使えず10着に敗れた。

5歳（2015年）

1月25日、中6週で馬体重を前走から10kg増やして迎えた20戦目は、G2の東海ステークス（中京ダート1800m 晴/良）に出走。鞍上は10戦連続で大野拓弥騎手（10戦5勝）。14頭立ての3番人気に推されて4番ゲートからスタート。ユッタリとしたペースでレースが進む中、14番手を追走し、4コーナーは13番手で通過。直線では閃光のような末脚を発揮したが、3着に終わった。

2月22日、中3週で馬体重を前走から8kg絞って迎えた21戦目は、内田博幸騎手を鞍上に迎えて、G1のフェブラリーステークス（東京ダート1600m 曇/良）に出走。16頭立ての5番人気で14番ゲートからスタート。少し緩いペースでレースが進む中、馬場の外目を回って4番手を追走し、4コーナーは3番手で通過。直線では持ち前の豊富なスタミナでしぶとく走り抜いたが、抜け出したコパノリッキーを捕まえ切れず、半馬身差の2着となった。

5月23日、約3か月の休養明けで馬体重を前走から10kg増やして迎えた22戦目は、G3の平安ステークス（京都ダート1900m 曇/良）に出走。鞍上は2戦連続で内田博幸騎手（1戦0勝）。16頭立ての4番人気に推されて1番ゲートからスタート。主導権を握る恰好となり、少し緩いペースで集団を先導。先頭のまま半馬身のリードを保って4コーナーを通過。直線では、そのまま強靭な粘り腰で末脚を持続させて先頭を奪い、最後は2着のクリノスターオーに1馬身3/4の差をつけて3つ目の重賞タイトルを手中に収めた。

6歳（2016年）

1月24日、約8か月の休養明けで迎えた23戦目は、G2の東海ステークス（中京ダート1800m 晴/良）に出走。鞍上は3戦連続で内田博幸騎手（2戦1勝）。12頭立ての3番人気に推されて7番ゲートからスタート。極端なスローペースでレースが進む中、8番手を追走していたが、徐々に進出して4コーナーを5番手で通過。最後は垂れてしまい11着に敗れた。

11月6日、約9か月半の休み明けで迎えた24戦目は、G3のみやこステークス（京都ダート1800m 曇/良）に出走。鞍上は藤岡康太騎手（1戦1勝）。16頭立ての9番人気で10番ゲートからスタート。遅いペースでレースが進む中、終始2番手を追走。直線では脚が上がってしまい8着に終わった。

7歳（2017年）

1月22日、約2か月半の間隔を開けて迎えた25戦目は、G2の東海ステークス（中京ダート1800m 曇/良）に出走。鞍上は2戦連続で藤岡康太騎手（2戦1勝）。16頭立ての4番人気に推されて5番ゲートからスタート。非常に遅いペースでレースが進む中、10番手を追走し、4コーナーは11番手で通過。直線では末脚に勢いがなく12着に敗れた。

2月19日、中3週で迎えた26戦目は、G1のフェブラリーステークス（東京ダート1600m 晴/良）に出走。鞍上は3戦連続で藤岡康太騎手（3戦1勝）。16頭立ての15番人気で大外16番ゲートからスタート。端をきる形となり、やや遅いペースで馬群を牽引。先頭のまま1馬身のリードを保って4コーナーを通過。最後はバテてしまい13着に終わった。

3月26日、中4週で迎えた27戦目は、勝浦正樹騎手を鞍上に迎えて、ハンデG3のマーチステークス（中山ダート1800m 小雨/稍重）に出走。16頭立ての10番人気で4番ゲートからスタート。ハイペースでレースが進む中、終始3番手を追走。直線では一完歩ずつ確実に末脚を伸ばして先頭をうかがい、最後は2着のディアデルレイを半馬身振り切って4つ目の重賞タイトルを手中に収めた。

5月5日、中5週で迎えた28戦目は、岩田康誠騎手を鞍上に迎えて、Jpn1のかしわ記念（船橋ダート1600m 晴/良）に出走。10頭立ての5番人気で2番ゲートからスタート。少し緩いペースでレースが進む中、終始4番手を追走。直線では迫力十分の伸びを見せたが、勝ったコパノリッキーにねじ伏せられて2馬身差の2着となった。

10月3日、約5か月の休み明けで迎えた29戦目は、Jpn3の白山大賞典（金沢ダート2100m 曇/不良）に出走。鞍上は2戦連続で岩田康誠騎手（1戦0勝）。10頭立ての1番人気に推されて大外10番ゲートからスタート。でレースが進む中、2番手を追走し、4コーナーは先頭で通過。直線では途轍もない末脚を爆発させて先頭に躍り出て、最後は2着のカツゲキキトキトに2馬身半の差をつけて5つ目の重賞タイトルを奪取した。

11月11日、中5週で迎えた30戦目は、三浦皇成騎手を鞍上に迎えて、G3の武蔵野ステークス（東京ダート1600m 晴/良）に出走。16頭立ての6番人気で13番ゲートからスタート。緩いペースでレースが進む中、終始2番手を追走。直線ではグングンと末脚を伸ばして先頭をうかがい、最後は2着のサンライズソアを半馬身振り切って6つ目の重賞タイトルを手に入れた。

12月29日、中6週で迎えた31戦目は、G1の東京大賞典（大井ダート2000m 晴/良）に出走。鞍上は2戦連続で三浦皇成騎手（1戦1勝）。16頭立ての4番人気に推されて10番ゲートからスタート。ややスローペースでレースが進む中、終始3番手を追走。直線では末脚に勢いがなく7着に敗れた。

8歳（2018年）

2月18日、中6週で迎えた32戦目は、G1のフェブラリーステークス（東京ダート1600m 晴/良）に出走。鞍上は3戦連続で三浦皇成騎手（2戦1勝）。16頭立ての6番人気で6番ゲートからスタート。ミドルペースでレースが進む中、7番手を追走し、4コーナーは6番手で通過。直線では切れ味鋭い末脚を披露し、3着に入った。

5月2日、中9週で迎えた33戦目は、Jpn1のかしわ記念（船橋ダート1600m 雨/良）に出走。鞍上は4戦連続で三浦皇成騎手（3戦1勝）。12頭立ての1番人気に推されて11番ゲートからスタート。ややスローペースでレースが進む中、6番手を追走していたが、徐々に進出して4コーナーを3番手で通過。直線では長くいい脚を使ってゴールまで頑張ったが、3着に終わった。

7月8日、中9週で迎えた34戦目は、G3のプロキオンステークス（中京ダート1400m 晴/不良）に出走。鞍上は5戦連続で三浦皇成騎手（4戦1勝）。14頭立ての1番人気に推されて6番ゲートからスタート。ややスローペースでレースが進む中、10番手を追走し、4コーナーは11番手で通過。直線ではしぶとさが光る走りを見せたが、抜け出したマテラスカイを差し切れず、4馬身差の2着に敗北した。

11月10日、約4か月の休養明けで迎えた35戦目は、G3の武蔵野ステークス（東京ダート1600m 晴/稍重）に出走。鞍上は6戦連続で三浦皇成騎手（5戦1勝）。16頭立ての4番人気に推されて大外16番ゲートからスタート。少し緩いペースでレースが進む中、馬場の外目を回って5番手を追走していたが、途中でジワリジワリとポジションが下がり4コーナーを7番手で通過。直線ではジリジリとしか伸びず6着に敗れた。

12月2日、中2週で迎えた36戦目は、G1のチャンピオンズカップ（中京ダート1800m 晴/良）に出走。鞍上は7戦連続で三浦皇成騎手（6戦1勝）。15頭立ての10番人気で大外15番ゲートからスタート。かなりのスローペースでレースが進む中、終始3番手を追走。最後は脚色が鈍り13着に終わった。