ウオッカ（2004年生、母タニノシスター）

ウオッカ（2004年4月4日）は、日本の競走馬、繁殖牝馬。馬名の意味は「酒の一種」。2006年にJRA賞最優秀2歳牝馬、2007年にJRA賞特別賞、2008年にJRA賞年度代表馬及び最優秀4歳以上牝馬、2009年にJRA賞年度代表馬及び最優秀4歳以上牝馬を受賞、2011年にはJRA顕彰馬に選出された。毛色は鹿毛。種牡馬のタニノギムレット（当時5歳）と交配したタニノシスターが12歳のときに産んだ4番仔が本馬である。産地は北海道静内郡静内町、生産者はカントリー牧場。戦績は、中央平地22戦10勝2着5回、海外4戦0勝。2008年、2009年と安田記念(G1)を連覇した他、2009年のジャパンカップ(G1)に勝利するなど、G1級競走7勝を含む重賞8勝を挙げた。

経歴

デビュー前

角居勝彦厩舎（栗東）へ入厩。

2歳（2006年）

10月29日、デビュー戦は鮫島克也騎手を鞍上に据えて、2歳新馬（京都芝1600m 晴/良）に出走。馬体重は494kg。13頭立ての2番人気に推されて4番ゲートからスタート。逃げる形となり、緩やかなペースでレースを進める。先頭のまま1馬身のリードを保って4コーナーを通過。直線では次元の違う末脚を炸裂させてすんなりと抜け出し、最後は2着のレースドールに3馬身半の差をつけて初白星を挙げた。

11月12日、中1週で迎えた2戦目は、四位洋文騎手を鞍上に迎えて、2歳500万下の黄菊賞（京都芝1800m 外回り晴/良）に出走。8頭立ての2番人気に推されて7番ゲートからスタート。非常に遅いペースでレースが進む中、馬場の外目を回って5番手を追走していたが、途中で一気に進出して4コーナーを2番手で通過。直線ではしぶとく脚を伸ばしたが、抜け出したマイネルソリストを捕まえ切れず、1馬身半差の2着に敗北した。

12月3日、中2週で馬体重を前走から10kg減らして迎えた3戦目は、牝馬限定2歳G1の阪神ジュベナイルフィリーズ（阪神芝1600m 外回り晴/良）に出走。G1級競走への出走は初となった。鞍上は2戦連続で四位洋文騎手（1戦0勝）。18頭立ての4番人気に推されて2番ゲートからスタート。平均ペースでレースが進む中、終始6番手を追走。直線では自慢の末脚を爆発させて先頭をうかがい、最後は2着のアストンマーチャンをクビ差振り切って2歳女王の称号を奪取した。

3歳（2007年）

2月3日、中8週で馬体重を前走から8kg戻して迎えた4戦目は、牝馬限定3歳オープンのエルフィンステークス（京都芝1600m 外回り晴/良）に牝馬ながら56kgの斤量を背負って出走。鞍上は3戦連続で四位洋文騎手（2戦1勝）。9頭立ての1番人気に推されて大外9番ゲートからスタート。若干遅いペースでレースが進む中、5番手を追走し、4コーナーは4番手で通過。直線では鮮やかな末脚を炸裂させてすんなりと抜け出し、最後は2着のニシノマナムスメに3馬身の差をつけて下馬評通りの実力を証明した。

3月3日、中3週で迎えた5戦目は、牝馬限定3歳G3のチューリップ賞（阪神芝1600m 外回り曇/良）に出走。鞍上は4戦連続で四位洋文騎手（3戦2勝）。16頭立ての圧倒的1番人気に推されて11番ゲートからスタート。平均ペースでレースが進む中、終始5番手を追走。直線に入ると、前で粘るダイワスカーレットを次元の違う末脚でクビ差だけ差し切って3連勝で重賞2勝目を挙げた。

4月8日、中4週で迎えた6戦目は、牝馬限定3歳G1の桜花賞（阪神芝1600m 外回り晴/良）に出走。鞍上は5戦連続で四位洋文騎手（4戦3勝）。18頭立ての圧倒的1番人気に推されて14番ゲートからスタート。平均的なペースでレースが進む中、7番手を追走し、4コーナーは6番手で通過。直線では物凄い伸び脚で急追したが、勝ったダイワスカーレットに詰め切れず、1馬身半差の2着に敗北した。

5月27日、中6週で迎えた7戦目は、3歳G1の日本ダービー（東京優駿）（東京芝2400m 晴/良）に出走。長時間の輸送競馬は初となった。鞍上は6戦連続で四位洋文騎手（5戦3勝）。18頭立ての3番人気に推されて3番ゲートからスタート。遅いペースでレースが進む中、11番手を追走していたが、道中でジワリジワリとポジションを押し上げて4コーナーを8番手で通過。直線に入ると、前で粘るアサクサキングスを次元の違う末脚で交わし去り、最後は3馬身の差をつけて世代最強の称号を掴み取った。

6月24日、中3週で迎えた8戦目は、G1の宝塚記念（阪神芝2200m 小雨/稍重）に出走。鞍上は7戦連続で四位洋文騎手（6戦4勝）。18頭立ての1番人気に推されて2番ゲートからスタート。ミドルペースでレースが進む中、9番手を追走していたが、徐々に進出して4コーナーを5番手で通過。直線では伸びが劣勢になり8着に敗れた。

10月14日、約3か月半の休養明けで迎えた9戦目は、牝馬限定3歳G1の秋華賞（京都芝2000m 晴/良）に出走。鞍上は8戦連続で四位洋文騎手（7戦4勝）。18頭立ての1番人気に推されて16番ゲートからスタート。極端なスローペースでレースが進む中、15番手を追走していたが、道中でジワリジワリとポジションを押し上げて4コーナーを12番手で通過。直線では切れ味光る末脚を繰り出したが、3着に終わった。

11月25日、中5週で迎えた10戦目は、G1のジャパンカップ（東京芝2400m 晴/良）に出走。鞍上は9戦連続で四位洋文騎手（8戦4勝）。18頭立ての2番人気に推されて11番ゲートからスタート。緩いペースでレースが進む中、16番手を追走し、4コーナーは15番手で通過。直線では超凡な末脚を発揮したが、4着に終わった。

12月23日、中3週で迎えた11戦目は、G1の有馬記念（中山芝2500m 晴/稍重）に出走。鞍上は10戦連続で四位洋文騎手（9戦4勝）。15頭立ての3番人気に推されて16番ゲートからスタート。若干緩いペースでレースが進む中、9番手を追走していたが、道中でジワリジワリとポジションを押し上げて、馬場の大外を通りながら4コーナーを7番手で通過。直線では切れる脚を使えず11着に敗れた。

4歳（2008年）

2月23日、中8週で迎えた12戦目は、G2の京都記念（京都芝2200m 外回り曇/良）に牝馬ながら56kgの斤量を背負って出走。鞍上は11戦連続で四位洋文騎手（10戦4勝）。16頭立ての2番人気に推されて大外16番ゲートからスタート。落ち着いたペースでレースが進む中、15番手を追走していたが、道中でジワリジワリとポジションを押し上げて4コーナーを13番手で通過。直線では上がり1位の末脚を繰り出したが上位争いには絡めず6着に敗れた。

3月29日、武豊騎手を鞍上に迎えて、G1のドバイデューティーフリー（アラブ首長国連邦・ナド・アル・シバ芝1777m）に出走。16頭立ての6番人気で12番ゲートからスタート。4着に入った。

5月18日、中6週で迎えた14戦目は、牝馬限定G1のヴィクトリアマイル（東京芝1600m 晴/良）に出走。鞍上は2戦連続で武豊騎手（1戦0勝）。18頭立ての1番人気に推されて9番ゲートからスタート。ややスローペースでレースが進む中、10番手を追走し、4コーナーは9番手で通過。直線では矢のような伸び脚で追い上げたが、抜け出したエイジアンウインズに3/4馬身届かず2着に敗北した。

6月8日、中2週で迎えた15戦目は、岩田康誠騎手を鞍上に迎えて、G1の安田記念（東京芝1600m 晴/良）に出走。18頭立ての2番人気に推されて5番ゲートからスタート。ミドルペースでレースが進む中、3番手を追走し、4コーナーは4番手で通過。直線では強烈な末脚を炸裂させて突き抜け、最後は2着のアルマダに3馬身半の差をつけて上半期マイル王の座を手に入れた。

10月12日、約4か月の休み明けで迎えた16戦目は、G2の毎日王冠（東京芝1800m 晴/良）に牝馬ながら57kgの斤量を背負って出走。鞍上は武豊騎手（2戦0勝）。16頭立ての圧倒的1番人気に推されて3番ゲートからスタート。主導権を奪い、若干緩いペースで一団を牽引。先頭のまま1馬身のリードを保って4コーナーを通過。直線では持ち前の豊富なスタミナで最後まで敢闘したが、スーパーホーネットにアタマ差交わされて2着に甘んじた。

11月2日、中2週で迎えた17戦目は、G1の天皇賞（秋）（東京芝2000m 晴/良）に出走。鞍上は2戦連続で武豊騎手（3戦0勝）。17頭立ての1番人気に推されて14番ゲートからスタート。平均ペースでレースが進む中、終始7番手を追走。直線に入ると、前で粘るダイワスカーレットを上がり4位タイの末脚でハナ差だけ差し切って天皇賞馬の称号を手に入れた。

11月30日、中3週で迎えた18戦目は、G1のジャパンカップ（東京芝2400m 晴/良）に出走。鞍上は岩田康誠騎手（1戦1勝）。17頭立ての2番人気に推されて4番ゲートからスタート。ユッタリとしたペースでレースが進む中、終始3番手を追走。直線ではゴールまでジンワリと伸びたが、3着に終わった。

5歳（2009年）

3月5日、G2のジェベルハッタ（アラブ首長国連邦・ナド・アル・シバ芝1777m）に出走。鞍上は武豊騎手（4戦1勝）。16頭立ての1番人気に推されて7番ゲートからスタート。5着に終わった。

3月28日、G1のドバイデューティーフリー（アラブ首長国連邦・ナド・アル・シバ芝1777m）に出走。鞍上は2戦連続で武豊騎手（5戦1勝）。16頭立ての3番人気に推されて3番ゲートからスタート。7着に敗れた。

5月17日、中6週で迎えた21戦目は、牝馬限定G1のヴィクトリアマイル（東京芝1600m 曇/良）に出走。鞍上は3戦連続で武豊騎手（6戦1勝）。18頭立ての1番人気に推されて6番ゲートからスタート。平均ペースでレースが進む中、5番手を追走し、4コーナーは4番手で通過。直線では次元の違う末脚を炸裂させて突き抜け、最後は2着のブラボーデイジーに7馬身の差をつけてマイル女王の称号を勝ち取った。

6月7日、中2週で迎えた22戦目は、G1の安田記念（東京芝1600m 晴/良）に出走。鞍上は4戦連続で武豊騎手（7戦2勝）。18頭立ての1番人気に推されて3番ゲートからスタート。些か速いペースでレースが進む中、7番手を追走していたが、道中でジワリジワリとポジションを押し上げて4コーナーを5番手で通過。直線ではぐいぐいと終いの脚を伸ばして先頭に立ち、最後は2着のディープスカイを3/4馬身振り切って6つ目のG1タイトルを手中に収めた。

10月11日、約4か月の休み明けで迎えた23戦目は、G2の毎日王冠（東京芝1800m 晴/良）に牝馬ながら57kgの斤量を背負って出走。鞍上は5戦連続で武豊騎手（8戦3勝）。11頭立ての圧倒的1番人気に推されて6番ゲートからスタート。ハナを奪い、少し遅いペースで一団を先導。先頭のまま1馬身のリードを保って4コーナーを通過。直線では持ち前の勝負根性でしぶとく走り抜いたが、カンパニーに交わされて1馬身差の2着に敗北した。

11月1日、中2週で迎えた24戦目は、G1の天皇賞（秋）（東京芝2000m 晴/良）に出走。鞍上は6戦連続で武豊騎手（9戦3勝）。18頭立ての1番人気に推されて7番ゲートからスタート。少し遅いペースでレースが進む中、13番手を追走し、4コーナーは14番手で通過。直線では電光石火の末脚を発揮したが、3着に終わった。

11月29日、中3週で迎えた25戦目は、C.ルメール騎手を鞍上に迎えて、G1のジャパンカップ（東京芝2400m 曇/良）に出走。18頭立ての1番人気に推されて5番ゲートからスタート。ミドルペースでレースが進む中、3番手を追走していたが、途中でジワリジワリとポジションが下がり4コーナーを5番手で通過。直線ではぐんぐんと末脚を伸ばして先頭に立ち、最後は2着のオウケンブルースリをハナ差振り切って最強馬の称号を勝ち取った。

6歳（2010年）

3月4日、ダート戦への出走は初となった。鞍上は2戦連続でC.ルメール騎手（1戦1勝）。14頭立ての2番人気に推されて8番ゲートからスタート。8着に敗れた。