エアスピネル（2013年生、母エアメサイア）

エアスピネル（2013年2月10日）は、日本の競走馬。牡馬。馬名の意味は「冠名+タイに伝わる伝説の竜の形をした馬」。毛色は栗毛。種牡馬のキングカメハメハ（当時12歳）と交配したエアメサイアが12歳のときに産んだ4番仔が本馬である。産地は北海道千歳市、生産者は社台ファーム。2017年のマイルチャンピオンシップ(G1)で2着に入った他、2021年のフェブラリーステークス(G1)で2着に入る活躍をした。その他にも重賞3勝を挙げた。

経歴

デビュー前

笹田和秀厩舎（栗東）へ入厩。

2歳（2015年）

9月12日、デビュー戦は武豊騎手を鞍上に据えて、2歳新馬（阪神芝1600m 外回り晴/良）に出走。馬体重は480kg。11頭立ての1番人気に推されて5番ゲートからスタート。若干緩いペースでレースが進む中、3番手を追走し、4コーナーは2番手で通過。直線では凄まじい末脚を炸裂させて先頭を奪い、最後は2着のハリケーンバローズに2馬身の差をつけて初白星を挙げた。

11月14日、中8週で迎えた2戦目は、2歳G2のデイリー杯2歳ステークス（京都芝1600m 外回り雨/稍重）に出走。重賞競走への出走は初となった。鞍上は2戦連続で武豊騎手（1戦1勝）。14頭立ての2番人気に推されて13番ゲートからスタート。遅いペースでレースが進む中、3番手を追走し、4コーナーは2番手で通過。直線に入ると、前で粘るシュウジを次元の違う末脚で交わし去り、最後は3馬身半の差をつけて重賞初挑戦初制覇を成し遂げた。

12月20日、中4週で迎えた3戦目は、2歳G1の朝日杯フューチュリティステークス（阪神芝1600m 外回り晴/良）に出走。G1級競走への出走は初となった。鞍上は3戦連続で武豊騎手（2戦2勝）。16頭立ての圧倒的1番人気に推されて11番ゲートからスタート。少し遅いペースでレースが進む中、8番手を追走していたが、道中でジワリジワリとポジションを押し上げて4コーナーを6番手で通過。直線では卓出した伸び脚で驀進したが、伸びてきたリオンディーズ決め手に屈して3/4馬身差の2着に敗北した。

3歳（2016年）

3月6日、約2か月半の間隔を開けて迎えた4戦目は、3歳G2の弥生賞（中山芝2000m 曇/良）に出走。長時間の輸送競馬は初となった。鞍上は4戦連続で武豊騎手（3戦2勝）。12頭立ての3番人気に推されて4番ゲートからスタート。非常に遅いペースでレースが進む中、5番手を追走し、4コーナーは4番手で通過。直線では圧巻の末脚を披露したが、3着に終わった。

4月17日、中5週で迎えた5戦目は、3歳G1の皐月賞（中山芝2000m 晴/良）に出走。鞍上は5戦連続で武豊騎手（4戦2勝）。18頭立ての4番人気に推されて15番ゲートからスタート。若干遅いペースでレースが進む中、6番手を追走していたが、道中でジワリジワリとポジションを押し上げて4コーナーを3番手で通過。直線では末脚を持続できず、4着に終わった。

5月29日、中5週で迎えた6戦目は、3歳G1の日本ダービー（東京優駿）（東京芝2400m 晴/良）に出走。鞍上は6戦連続で武豊騎手（5戦2勝）。18頭立ての7番人気で5番ゲートからスタート。かなりのスローペースでレースが進む中、終始5番手を追走。直線では天稟の敢闘精神でゴールまで力走し、4着に入った。

9月25日、約4か月の休養明けで迎えた7戦目は、3歳G2の神戸新聞杯（阪神芝2400m 外回り曇/良）に出走。鞍上は7戦連続で武豊騎手（6戦2勝）。15頭立ての2番人気に推されて7番ゲートからスタート。ユッタリとしたペースでレースが進む中、終始13番手を追走。直線ではジワリジワリと長く脚を使ってゴールまで走り切ったが、5着に終わった。

10月23日、中3週で迎えた8戦目は、3歳G1の菊花賞（京都芝3000m 外回り曇/良）に出走。鞍上は8戦連続で武豊騎手（7戦2勝）。18頭立ての6番人気で13番ゲートからスタート。超スローペースでレースが進む中、3番手を追走していたが、途中でジワリジワリとポジションが下がり4コーナーを5番手で通過。直線では長くいい脚を使ってゴールまで走り切り、3着に入った。

4歳（2017年）

1月5日、約2か月半の間隔を開けて迎えた9戦目は、ハンデG3の京都金杯（京都芝1600m 外回り晴/良）に出走。鞍上は9戦連続で武豊騎手（8戦2勝）。18頭立ての1番人気に推されて6番ゲートからスタート。少し緩いペースでレースが進む中、馬場の外目を回って6番手を追走していたが、道中でジワリジワリとポジションを押し上げて4コーナーを4番手で通過。直線では一完歩ずつ着実に末脚を伸ばして先頭に立ち、最後は2着のブラックスピネルをハナ差振り切って2つ目の重賞タイトルを手中に収めた。

2月5日、中3週で迎えた10戦目は、G3の東京新聞杯（東京芝1600m 小雨/良）に出走。鞍上は10戦連続で武豊騎手（9戦3勝）。10頭立ての1番人気に推されて7番ゲートからスタート。超スローペースでレースが進む中、終始5番手を追走。直線では息の長い末脚を発揮したが、3着に終わった。

4月23日、約2か月半の間隔を開けて迎えた11戦目は、G2のマイラーズカップ（京都芝1600m 外回り晴/良）に出走。鞍上は11戦連続で武豊騎手（10戦3勝）。11頭立ての1番人気に推されて4番ゲートからスタート。ゆったりとしたペースでレースが進む中、5番手を追走し、4コーナーは6番手で通過。直線では目を引く伸び脚で追い上げたが、抜け出したイスラボニータを捕まえ切れず、半馬身差の2着に敗北した。

6月4日、中5週で迎えた12戦目は、G1の安田記念（東京芝1600m 晴/良）に出走。鞍上は12戦連続で武豊騎手（11戦3勝）。18頭立ての2番人気に推されて8番ゲートからスタート。平均ペースでレースが進む中、終始16番手を追走。直線ではキレのある末脚を披露したが、5着に終わった。

8月20日、約2か月半の間隔を開けて迎えた13戦目は、C.ルメール騎手を鞍上に迎えて、G2の札幌記念（札幌芝2000m 晴/良）に出走。13頭立ての2番人気に推されて大外13番ゲートからスタート。若干緩いペースでレースが進む中、終始3番手を追走。直線では切れる脚を使えず5着に敗れた。

10月21日、中8週で迎えた14戦目は、G3の富士ステークス（東京芝1600m 雨/不良）に出走。鞍上は武豊騎手（12戦3勝）。15頭立ての1番人気に推されて6番ゲートからスタート。やや厳しいペースでレースが進む中、3番手を追走していたが、道中でジワリジワリとポジションを押し上げて4コーナーを先頭で通過。直線では勢いよく末脚を伸ばして、最後は2着のイスラボニータに2馬身の差をつけて重賞3勝目を挙げた。

11月19日、中3週で迎えた15戦目は、R.ムーア騎手を鞍上に迎えて、G1のマイルチャンピオンシップ（京都芝1600m 外回り晴/稍重）に出走。18頭立ての2番人気に推されて11番ゲートからスタート。ややスローペースでレースが進む中、7番手を追走し、4コーナーは6番手で通過。直線では持ち前のタフネスで最後まで脚を伸ばしたが、伸びてきたペルシアンナイト決め手に屈してハナ差の2着に甘んじた。

5歳（2018年）

4月22日、約5か月の休養明けで迎えた16戦目は、G2のマイラーズカップ（京都芝1600m 外回り晴/良）に出走。鞍上は武豊騎手（13戦4勝）。14頭立ての1番人気に推されて4番ゲートからスタート。平均ペースでレースが進む中、7番手を追走していたが、道中でジワリジワリとポジションを押し上げて4コーナーを5番手で通過。直線では強靭な末脚を繰り出したが、3着に終わった。

10月20日、約6か月の休養明けで迎えた17戦目は、福永祐一騎手を鞍上に迎えて、G3の富士ステークス（東京芝1600m 晴/良）に出走。18頭立ての1番人気に推されて6番ゲートからスタート。やや緩いペースでレースが進む中、4番手を追走していたが、途中でジワリジワリとポジションが下がり4コーナーを6番手で通過。直線ではじわりじわりと長く脚を使ってゴールまで力闘したが、4着に終わった。

11月18日、中3週で迎えた18戦目は、G1のマイルチャンピオンシップ（京都芝1600m 外回り晴/良）に出走。鞍上は2戦連続で福永祐一騎手（1戦0勝）。18頭立ての7番人気で14番ゲートからスタート。若干遅いペースでレースが進む中、10番手を追走していたが、道中でジワリジワリとポジションを押し上げて、馬場の大外を通りながら4コーナーを7番手で通過。直線では末脚がパッとせず10着に敗れた。

6歳（2019年）

7月14日、約8か月の休み明けで馬体重を前走から10kg増やして迎えた19戦目は、ハンデG3の函館記念（函館芝2000m 曇/良）に出走。鞍上は3戦連続で福永祐一騎手（2戦0勝）。16頭立ての4番人気に推されて大外16番ゲートからスタート。ミドルペースでレースが進む中、終始6番手を追走。最後はスピードが落ちてしまい13着に敗れた。

7歳（2020年）

7月12日、約12か月の休み明けで迎えた20戦目は、鮫島克駿騎手を鞍上に迎えて、G3のプロキオンステークス（阪神ダート1400m 曇/稍重）に出走。ダート戦への出走は初となった。16頭立ての8番人気で11番ゲートからスタート。平均的なペースでレースが進む中、7番手を追走し、4コーナーは6番手で通過。直線ではビュッとキレる脚を見せたが、勝ったサンライズノヴァにねじ伏せられて1馬身3/4差の2着となった。

8月9日、中3週で迎えた21戦目は、G3のエルムステークス（札幌ダート1700m 曇/良）に出走。鞍上は武豊騎手（14戦4勝）。14頭立ての3番人気に推されて2番ゲートからスタート。非常に遅いペースでレースが進む中、終始6番手を追走。直線では伸びが劣勢になり7着に敗れた。

11月14日、約3か月の休み明けで迎えた22戦目は、三浦皇成騎手を鞍上に迎えて、G3の東京中日スポーツ杯武蔵野ステークス（東京ダート1600m 晴/良）に出走。長時間の輸送競馬は初となった。16頭立ての8番人気で7番ゲートからスタート。ややスローペースでレースが進む中、7番手を追走し、4コーナーは6番手で通過。直線では力強い脚捌きでゴールまで頑張り、3着に入った。

12月6日、中2週で迎えた23戦目は、G1のチャンピオンズカップ（中京ダート1800m 晴/良）に出走。鞍上は福永祐一騎手（3戦0勝）。16頭立ての12番人気で6番ゲートからスタート。落ち着いたペースでレースが進む中、13番手を追走し、4コーナーは12番手で通過。直線では上がり3位タイの末脚を繰り出したが上位には届かず7着に終わった。

8歳（2021年）

2月21日、約2か月半の間隔を開けて迎えた24戦目は、G1のフェブラリーステークス（東京ダート1600m 晴/良）に出走。鞍上は鮫島克駿騎手（1戦0勝）。16頭立ての9番人気で10番ゲートからスタート。若干緩いペースでレースが進む中、10番手を追走し、4コーナーは9番手で通過。直線では逸出した伸び脚で追い上げたが、抜け出したカフェファラオに3/4馬身届かず2着となった。

4月25日、中8週で迎えた25戦目は、G2の読売マイラーズカップ（阪神芝1600m 外回り晴/良）に出走。鞍上は2戦連続で鮫島克駿騎手（2戦0勝）。15頭立ての4番人気で2番ゲートからスタート。少し速いペースでレースが進む中、終始8番手を追走。直線では決め手が足りず8着に敗れた。

6月3日、中5週で迎えた26戦目は、Jpn2のさきたま杯（浦和ダート1400m 曇/良）に出走。鞍上は3戦連続で鮫島克駿騎手（3戦0勝）。12頭立ての2番人気に推されて2番ゲートからスタート。ミドルペースでレースが進む中、終始4番手を追走。直線では持ち前の心肺能力で最後まで敢闘したが、伸びてきたアルクトス決め手に屈して半馬身差の2着に敗北した。

10月11日、約4か月半の休み明けで迎えた27戦目は、Jpn1のマイルチャンピオンシップ南部杯（盛岡ダート1600m 曇/不良）に出走。鞍上は4戦連続で鮫島克駿騎手（4戦0勝）。16頭立ての3番人気に推されて13番ゲートからスタート。でレースが進む中、7番手を追走し、4コーナーは6番手で通過。直線では上がり3位タイの末脚を繰り出したが上位争いには参加できず6着に敗れた。

11月13日、中4週で迎えた28戦目は、田辺裕信騎手を鞍上に迎えて、G3の武蔵野ステークス（東京ダート1600m 晴/稍重）に出走。16頭立ての2番人気に推されて14番ゲートからスタート。少々速いペースでレースが進む中、終始5番手を追走。直線では持ち味のガッツで最後まで奮闘したが、勝ったソリストサンダーにねじ伏せられて1馬身1/4差の2着に敗北した。

12月5日、中2週で迎えた29戦目は、藤岡康太騎手を鞍上に迎えて、G1のチャンピオンズカップ（中京ダート1800m 曇/良）に出走。16頭立ての11番人気で5番ゲートからスタート。かなり遅いペースでレースが進む中、終始8番手を追走。直線では末脚のキレが鈍く9着に終わった。

9歳（2022年）

2月20日、約2か月半の間隔を開けて迎えた30戦目は、M.デムーロ騎手を鞍上に迎えて、G1のフェブラリーステークス（東京ダート1600m 小雨/重）に出走。16頭立ての8番人気で大外16番ゲートからスタート。やや遅いペースでレースが進む中、馬場の外目を回って13番手を追走し、4コーナーは12番手で通過。直線ではイマイチ伸び切れず9着に敗れた。

5月5日、約2か月半の間隔を開けて迎えた31戦目は、Jpn1のかしわ記念（船橋ダート1600m 晴/稍重）に出走。鞍上は2戦連続でM.デムーロ騎手（1戦0勝）。14頭立ての6番人気で13番ゲートからスタート。ハイペースでレースが進む中、6番手を追走し、4コーナーは5番手で通過。直線ではジワジワと長く脚を使ってゴールまで力走したが、5着に終わった。

6月1日、中3週で迎えた32戦目は、Jpn2のさきたま杯（浦和ダート1400m 曇/良）に出走。鞍上は3戦連続でM.デムーロ騎手（2戦0勝）。11頭立ての4番人気で7番ゲートからスタート。やや遅いペースでレースが進む中、9番手を追走していたが、徐々に進出して4コーナーを6番手で通過。直線では出色の末脚を披露したが、4着に終わった。

10月10日、約4か月半の休み明けで迎えた33戦目は、富田暁騎手を鞍上に迎えて、Jpn1のマイルチャンピオンシップ南部杯（盛岡ダート1600m 曇/不良）に出走。16頭立ての7番人気で大外16番ゲートからスタート。でレースが進む中、終始8番手を追走。直線では末脚のキレが鈍く9着に敗れた。

2021年11月10日付で地方競馬の競走馬登録を抹消した。

11月12日、中4週で馬体重を前走から11kg増やして迎えた34戦目は、G3の武蔵野ステークス（東京ダート1600m 晴/良）に出走。鞍上は2戦連続で富田暁騎手（1戦0勝）。16頭立ての11番人気で6番ゲートからスタート。ミドルペースでレースが進む中、11番手を追走し、4コーナーは12番手で通過。直線ではスパッと切れる脚を使えず10着に終わった。

2022年11月23日付で中央競馬の競走馬登録を抹消した。