キセキ（2014年生、母ブリッツフィナーレ）

キセキ（2014年5月13日）は、日本の競走馬。牡馬。馬名の意味は「奇跡」。毛色は黒鹿毛。種牡馬のルーラーシップ（当時7歳）と交配したブリッツフィナーレが7歳のときに産んだ仔が本馬である。産地は北海道沙流郡門別町、生産者は下河辺牧場。2017年の菊花賞(G1)に勝利した他、2018年のジャパンカップ(G1)で2着に入るなどの活躍をした。

経歴

デビュー前

角居勝彦厩舎（栗東）へ入厩。

2歳（2016年）

12月11日、デビュー戦はC.ルメール騎手を鞍上に据えて、2歳新馬（阪神芝1800m 外回り晴/良）に出走。馬体重は494kg。8頭立ての2番人気に推されて4番ゲートからスタート。平均的なペースでレースが進む中、終始3番手を追走。直線に入ると、前で粘るグラニーズチップスを別次元の末脚で交わし去り、最後は3馬身半の差をつけて初勝利を挙げた。

3歳（2017年）

1月29日、中6週で迎えた2戦目は、蛯名正義騎手を鞍上に迎えて、3歳500万下のセントポーリア賞（東京芝1800m 晴/良）に出走。長時間の輸送競馬は初となった。11頭立ての1番人気に推されて7番ゲートからスタート。超スローペースでレースが進む中、6番手を追走し、4コーナーは5番手で通過。直線では他馬と同じような脚色になり5着に敗れた。

2月26日、中3週で馬体重を前走から10kg減らして迎えた3戦目は、川田将雅騎手を鞍上に迎えて、3歳オープンのすみれステークス（阪神芝2200m 晴/良）に出走。7頭立ての1番人気に推されて5番ゲートからスタート。平均ペースでレースが進む中、終始5番手を追走。直線では上がり2位の末脚を見せたが上位には割り込めず3着に敗れた。

3月25日、中3週で迎えた4戦目は、A.シュタルケ騎手を鞍上に迎えて、3歳G3の毎日杯（阪神芝1800m 外回り晴/良）に出走。重賞競走への出走は初となった。8頭立ての7番人気で6番ゲートからスタート。平均的なペースでレースが進む中、終始7番手を追走。直線では切れ味抜群の末脚を発揮し、3着に入り込んだ。

7月15日、約3か月半の休み明けで迎えた5戦目は、福永祐一騎手を鞍上に迎えて、3歳以上500万下（中京芝2000m 晴/良）に出走。13頭立ての圧倒的1番人気に推されて4番ゲートからスタート。緩やかなペースでレースが進む中、終始11番手を追走。直線では次元の違う末脚を炸裂させて前にいた10頭をごぼう抜きし、最後は2着のスズカディープに2馬身の差をつけて断トツ人気に応えた。

8月5日、中2週で迎えた6戦目は、M.デムーロ騎手を鞍上に迎えて、ハンデ戦で3歳以上1000万下の信濃川特別（新潟芝2000m 外回り晴/良）に出走。14頭立ての1番人気に推されて5番ゲートからスタート。かなりのスローペースでレースが進む中、終始12番手を追走。直線では次元の違う末脚を炸裂させて前にいた11頭をごぼう抜きし、最後は2着のブラックプラチナムに1馬身半の差をつけて3勝目を手中に収めた。

9月24日、中6週で馬体重を前走から12kg減らして迎えた7戦目は、3歳G2の神戸新聞杯（阪神芝2400m 外回り晴/良）に出走。鞍上は2戦連続でM.デムーロ騎手（1戦1勝）。14頭立ての2番人気に推されて5番ゲートからスタート。ややスローペースでレースが進む中、終始10番手を追走。直線では見事な伸び脚で追い上げたが、抜け出したレイデオロを捕まえ切れず、2馬身差の2着に敗北した。

10月22日、中3週で迎えた8戦目は、3歳G1の菊花賞（京都芝3000m 外回り雨/不良）に出走。G1級競走への出走は初となった。鞍上は3戦連続でM.デムーロ騎手（2戦1勝）。18頭立ての1番人気に推されて13番ゲートからスタート。やや速いペースでレースが進む中、14番手を追走していたが、途中で一気に進出して、馬場の大外を通りながら4コーナーを7番手で通過。直線では次元の違う末脚を炸裂させて先頭に立ち、最後は2着のクリンチャーに2馬身の差をつけて最後の一冠を手にした。

12月10日、G1の香港ヴァーズ（香港・シャティン芝2400m）に出走。鞍上は4戦連続でM.デムーロ騎手（3戦2勝）。12頭立ての2番人気に推されて3番ゲートからスタート。9着に敗れた。

4歳（2018年）

3月24日、約3か月半の休養明けで迎えた10戦目は、G2の日経賞（中山芝2500m 晴/良）に出走。鞍上はC.ルメール騎手（1戦1勝）。15頭立ての1番人気に推されて14番ゲートからスタート。先手を取る形となり、スローペースで馬群を先導。先頭のまま半馬身のリードを保って4コーナーを通過。最後は減速してしまい9着に敗れた。

6月24日、約3か月の休み明けで迎えた11戦目は、G1の宝塚記念（阪神芝2200m 晴/稍重）に出走。鞍上はM.デムーロ騎手（4戦2勝）。16頭立ての2番人気に推されて大外16番ゲートからスタート。ミドルペースでレースが進む中、終始15番手を追走。直線では上がり3位の末脚を繰り出したが上位争いには参加できず8着に敗れた。

10月7日、約3か月半の休み明けで馬体重を前走から10kg増やして迎えた12戦目は、G2の毎日王冠（東京芝1800m 晴/良）に出走。鞍上は川田将雅騎手（1戦0勝）。13頭立ての6番人気で1番ゲートからスタート。ややスローペースでレースが進む中、終始2番手を追走。直線では天稟の負けん気を発揮してゴールまで力走し、3着に入った。

10月28日、中2週で馬体重を前走から8kg絞って迎えた13戦目は、G1の天皇賞（秋）（東京芝2000m 晴/良）に出走。鞍上は2戦連続で川田将雅騎手（2戦0勝）。12頭立ての6番人気で10番ゲートからスタート。敢然とにハナを切り、少し遅いペースで集団を引っ張る。先頭のまま2馬身以上のリードを保って4コーナーを通過。直線では天賦の負けじ魂を発揮してゴールまで勇戦し、3着に入った。

11月25日、中3週で迎えた14戦目は、G1のジャパンカップ（東京芝2400m 晴/良）に出走。鞍上は3戦連続で川田将雅騎手（3戦0勝）。14頭立ての4番人気で8番ゲートからスタート。端を奪う形となり、後続との差を2馬身以上キープして、平均ペースで馬群を引っ張る。先頭のまま2馬身以上のリードを保って4コーナーを通過。直線では持ち前のタフネスで最後まで脚を伸ばしたが、アーモンドアイに交わされて1馬身3/4差の2着となった。

12月23日、中3週で迎えた15戦目は、G1の有馬記念（中山芝2500m 曇/稍重）に出走。鞍上は4戦連続で川田将雅騎手（4戦0勝）。16頭立ての2番人気に推されて14番ゲートからスタート。主導権を握り、リードを2馬身以上キープして、若干緩いペースで一団を牽引。先頭のまま2馬身以上のリードを保って4コーナーを通過。直線では詰めが甘くなり、5着に終わった。

5歳（2019年）

3月31日、約3か月半の休養明けで迎えた16戦目は、G1の大阪杯（阪神芝2000m 曇/良）に出走。鞍上は5戦連続で川田将雅騎手（5戦0勝）。14頭立ての2番人気に推されて6番ゲートからスタート。平均ペースでレースが進む中、終始2番手を追走。直線では持ち味のタフさで最後まで奮闘したが、伸びてきたアルアイン決め手に屈してクビ差の2着に甘んじた。

6月23日、約3か月の間隔を開けて迎えた17戦目は、G1の宝塚記念（阪神芝2200m 曇/良）に出走。鞍上は6戦連続で川田将雅騎手（6戦0勝）。12頭立ての1番人気に推されて1番ゲートからスタート。ハナを奪う恰好となり、やや速いペースで集団を先導。先頭のまま1馬身のリードを保って4コーナーを通過。直線では迫力のある伸び脚で猛進したが、リスグラシューに交わされて3馬身差の2着に敗北した。

9月15日、C.スミヨン騎手を鞍上に迎えて、G2のフォワ賞（フランス・ロンシャン芝2400m）に出走。4頭立ての3番人気で3番ゲートからスタート。3着に終わった。

10月6日、G1の凱旋門賞（フランス・ロンシャン芝2400m）に出走。鞍上は2戦連続でC.スミヨン騎手（1戦0勝）。12頭立ての7番人気で7番ゲートからスタート。7着に終わった。

12月22日、約2か月半の間隔を開けて迎えた20戦目は、R.ムーア騎手を鞍上に迎えて、G1の有馬記念（中山芝2500m 曇/良）に出走。16頭立ての7番人気で11番ゲートからスタート。ややスローペースでレースが進む中、12番手を追走していたが、道中でジワリジワリとポジションを押し上げて、馬場の外目を通りながら4コーナーを9番手で通過。直線ではゴールまでじわりじわりと伸びたが、5着に終わった。

6歳（2020年）

3月22日、約3か月の休み明けで迎えた21戦目は、G2の阪神大賞典（阪神芝3000m 曇/良）に出走。鞍上は川田将雅騎手（7戦0勝）。10頭立ての1番人気に推されて9番ゲートからスタート。平均的なペースでレースが進む中、終始2番手を追走。直線では余力が残っておらず7着に敗れた。

5月3日、中5週で迎えた22戦目は、武豊騎手を鞍上に迎えて、G1の天皇賞（春）（京都芝3200m 外回り曇/良）に出走。14頭立ての3番人気に推されて8番ゲートからスタート。先陣を切る恰好となり、後続を2馬身以上離して、落ち着いたペースでレースを牽引。先頭のまま2馬身以上のリードを保って4コーナーを通過。直線に入ると、粘りを欠いて6着に沈んだ。

6月28日、中7週で馬体重を前走から10kg減らして迎えた23戦目は、G1の宝塚記念（阪神芝2200m 曇/稍重）に出走。鞍上は2戦連続で武豊騎手（1戦0勝）。18頭立ての6番人気で14番ゲートからスタート。やや厳しいペースでレースが進む中、13番手を追走していたが、途中で一気に進出して、馬場の大外を通りながら4コーナーを2番手で通過。直線では矢のような伸び脚で追い上げたが、勝ったクロノジェネシスに詰め切れず、6馬身差の2着となった。

10月11日、約3か月半の休養明けで迎えた24戦目は、浜中俊騎手を鞍上に迎えて、G2の京都大賞典（京都芝2400m 外回り晴/稍重）に出走。17頭立ての1番人気に推されて2番ゲートからスタート。緩いペースでレースが進む中、17番手を追走していたが、途中で一気に進出して4コーナーを7番手で通過。直線では鮮やかな伸び脚で追い上げたが、抜け出したグローリーヴェイズに3/4馬身届かず2着に敗北した。

11月1日、中2週で迎えた25戦目は、G1の天皇賞（秋）（東京芝2000m 曇/良）に出走。鞍上は武豊騎手（2戦0勝）。12頭立ての4番人気で8番ゲートからスタート。ゆったりとしたペースでレースが進む中、3番手を追走し、4コーナーは2番手で通過。直線では全く伸びず5着に敗れた。

11月29日、中3週で迎えた26戦目は、G1のジャパンカップ（東京芝2400m 曇/良）に出走。鞍上は浜中俊騎手（1戦0勝）。15頭立ての6番人気で4番ゲートからスタート。先頭に立ち、後続を5馬身以上離して、ややスローペースでレースを引っ張る。先頭のまま5馬身以上のリードを保って4コーナーを通過。最後は脚勢が衰えて8着に敗れた。

12月27日、中3週で迎えた27戦目は、G1の有馬記念（中山芝2500m 晴/良）に出走。鞍上は2戦連続で浜中俊騎手（2戦0勝）。16頭立ての8番人気で6番ゲートからスタート。少し緩いペースでレースが進む中、14番手を追走していたが、途中で一気に進出して、馬場の外目を通りながら4コーナーを5番手で通過。最後は脚色が鈍り12着に敗れた。

7歳（2021年）

3月14日、約2か月半の間隔を開けて馬体重を前走から12kg減らして迎えた28戦目は、G2の金鯱賞（中京芝2000m 晴/重）に出走。鞍上はM.デムーロ騎手（5戦2勝）。10頭立ての3番人気で7番ゲートからスタート。平均ペースでレースが進む中、終始10番手を追走。直線では上がり1位の末脚を見せたが上位には食い込めず5着に敗れた。

4月25日、G1のクイーンエリザベス2世カップ（香港・シャティン芝2000m）に出走。7頭立ての4番人気で3番ゲートからスタート。4着に敗れた。

6月27日、中8週で迎えた30戦目は、G1の宝塚記念（阪神芝2200m 晴/良）に出走。鞍上は福永祐一騎手（1戦1勝）。13頭立ての5番人気で大外13番ゲートからスタート。やや緩いペースでレースが進む中、終始2番手を追走。直線では伸びあぐねて5着に敗れた。

10月10日、約3か月半の休み明けで迎えた31戦目は、和田竜二騎手を鞍上に迎えて、G2の京都大賞典（阪神芝2400m 外回り晴/良）に出走。14頭立ての4番人気で11番ゲートからスタート。息の入らないペースでレースが進む中、終始3番手を追走。直線では天性のガッツでゴールまで力闘し、3着に入った。

11月28日、中6週で迎えた32戦目は、G1のジャパンカップ（東京芝2400m 晴/良）に出走。鞍上は2戦連続で和田竜二騎手（1戦0勝）。18頭立ての7番人気で5番ゲートからスタート。少し緩いペースでレースが進む中、14番手を追走していたが、途中で一気に進出して4コーナーを先頭で通過。最後は一杯になって10着に敗れた。

12月26日、中3週で迎えた33戦目は、松山弘平騎手を鞍上に迎えて、G1の有馬記念（中山芝2500m 晴/良）に出走。16頭立ての7番人気で15番ゲートからスタート。若干遅いペースでレースが進む中、7番手を追走していたが、徐々に進出して4コーナーを3番手で通過。直線では余力が残っておらず10着に敗れた。

2022年1月7日付で中央競馬の競走馬登録を抹消した。