マチカネタンホイザ（1989年生、母クリプシー）

マチカネタンホイザ（1989年5月7日）は、日本の競走馬、種牡馬。毛色は栗毛。種牡馬のノーザンテースト（当時18歳）と交配したクリプシーが15歳のときに産んだ仔が本馬である。産地は北海道沙流郡平取町、生産者は（有）稲原牧場。戦績は、中央平地32戦8勝2着2回。1995年の高松宮杯(G2)に勝利した他、1994年のアメリカジョッキークラブカップ(G2)を制するなど、重賞4勝を挙げた。

経歴

デビュー前

伊藤雄二厩舎（栗東）へ入厩。

2歳（1991年）

9月15日、デビュー戦は武豊騎手を鞍上に据えて、3歳新馬（中京芝1700m 曇/稍重）に出走。馬体重は480kg。13頭立ての2番人気に推されて1番ゲートからスタート。若干遅いペースでレースが進む中、9番手を追走していたが、途中で一気に進出して4コーナーを2番手で通過。直線では次元の違う末脚を炸裂させて突き抜け、最後は2着のトキオレジェンドに6馬身の差をつけて初白星を挙げた。

10月27日、中5週で迎えた2戦目は、2歳オープンのいちょうステークス（東京芝1600m 雨/不良）に出走。長時間の輸送競馬は初となった。鞍上は2戦連続で武豊騎手（1戦1勝）。14頭立ての1番人気に推されて13番ゲートからスタート。やや遅いペースでレースが進む中、6番手を追走し、4コーナーは7番手で通過。直線では力感溢れる脚運びでゴールまで走り切ったが、4着に終わった。

11月17日、中2週で迎えた3戦目は、岡部幸雄騎手を鞍上に迎えて、2歳オープンの府中3歳ステークス（東京芝1800m 晴/良）に出走。9頭立ての圧倒的1番人気に推されて6番ゲートからスタート。平均ペースでレースが進む中、5番手を追走していたが、徐々に進出して4コーナーを3番手で通過。直線では強烈な末脚を弾けさせて難なく抜け出し、最後は2着のタイガーエースに3馬身の差をつけて断トツの支持に応えた。

12月8日、中2週で迎えた4戦目は、2歳G1の朝日杯3歳ステークス（中山芝1600m 外回り曇/良）に出走。G1級競走への出走は初となった。鞍上は2戦連続で岡部幸雄騎手（1戦1勝）。8頭立ての3番人気で2番ゲートからスタート。緩やかなペースでレースが進む中、5番手を追走し、4コーナーは6番手で通過。直線ではピリッとした末脚を使えず4着に敗れた。

3歳（1992年）

2月16日、中9週で迎えた5戦目は、3歳G3の共同通信杯4歳ステークス（東京芝1800m 曇/良）に出走。鞍上は3戦連続で岡部幸雄騎手（2戦1勝）。11頭立ての2番人気に推されて7番ゲートからスタート。スローペースでレースが進む中、終始2番手を追走。直線ではあとひと踏ん張りが利かず、4着に終わった。

3月29日、中5週で馬体重を前走から10kg減らして迎えた6戦目は、3歳G2のスプリングステークス（中山芝1800m 小雨/重）に出走。鞍上は4戦連続で岡部幸雄騎手（3戦1勝）。14頭立ての4番人気で7番ゲートからスタート。ややハイペースでレースが進む中、9番手を追走していたが、徐々に進出して、馬場の外目を通りながら4コーナーを5番手で通過。直線ではじわりじわりと長く脚を使ってゴールまで頑張ったが、5着に終わった。

4月19日、中2週で迎えた7戦目は、3歳G1の皐月賞（中山芝2000m 雨/良）に出走。鞍上は5戦連続で岡部幸雄騎手（4戦1勝）。17頭立ての7番人気で15番ゲートからスタート。平均的なペースでレースが進む中、12番手を追走していたが、道中でジワリジワリとポジションを押し上げて4コーナーを10番手で通過。直線では上がり2位タイの伸び脚を披露したが上位には届かず7着に敗れた。

5月10日、中2週で迎えた8戦目は、3歳G2のNHK杯（東京芝2000m 曇/重）に出走。鞍上は6戦連続で岡部幸雄騎手（5戦1勝）。16頭立ての3番人気に推されて14番ゲートからスタート。やや遅いペースでレースが進む中、馬場の外目を回って終始2番手を追走。直線では持ち前のタフネスで最後まで脚を伸ばしたが、勝ったナリタタイセイにねじ伏せられて1馬身1/4差の2着に敗北した。

5月31日、中2週で迎えた9戦目は、3歳G1の日本ダービー（東京優駿）（東京芝2400m 曇/稍重）に出走。鞍上は7戦連続で岡部幸雄騎手（6戦1勝）。18頭立ての8番人気で7番ゲートからスタート。ミドルペースでレースが進む中、13番手を追走していたが、途中でジワリジワリとポジションが下がり4コーナーを16番手で通過。直線では閃光のような末脚を発揮し、4着に入った。

10月24日、約5か月の休養明けで馬体重を前走から10kg増やして迎えた10戦目は、カシオペアステークス（京都芝1800m 外回り晴/良）に出走。鞍上は8戦連続で岡部幸雄騎手（7戦1勝）。12頭立ての3番人気に推されて5番ゲートからスタート。やや厳しいペースでレースが進む中、終始2番手を追走。直線では持ち前の強靭な心肺能力でしぶとく走り抜いたが、伸びてきたビクトリーホーラー決め手に屈してクビ差の2着に惜敗した。

11月8日、中1週で迎えた11戦目は、3歳G1の菊花賞（京都芝3000m 外回り晴/良）に出走。鞍上は9戦連続で岡部幸雄騎手（8戦1勝）。18頭立ての3番人気に推されて10番ゲートからスタート。緩いペースでレースが進む中、4番手を追走し、4コーナーは3番手で通過。直線では閃光のような末脚を発揮したが、3着に終わった。

4歳（1993年）

1月5日、中7週で迎えた12戦目は、柴田政人騎手を鞍上に迎えて、ハンデG3の金杯（中山芝2000m 晴/良）に出走。13頭立ての1番人気に推されて大外13番ゲートからスタート。少し遅いペースでレースが進む中、馬場の外目を回って終始2番手を追走。最後は脚色が悪くなり8着に敗れた。

1月30日、中3週で迎えた13戦目は、ハンデG3のダイヤモンドステークス（東京芝3200m 晴/稍重）に出走。鞍上は岡部幸雄騎手（9戦1勝）。14頭立ての1番人気に推されて6番ゲートからスタート。ややスローペースでレースが進む中、3番手を追走していたが、道中でジワリジワリとポジションを押し上げて4コーナーを先頭で通過。直線では次元の違う末脚を炸裂させてあっさりと抜け出し、最後は2着のアスカクラウンに3馬身半の差をつけて念願の重賞初制覇を果たした。

2月21日、中2週で迎えた14戦目は、ハンデG2の目黒記念（東京芝2500m 小雨/良）に58kgの斤量を背負って出走。鞍上は2戦連続で岡部幸雄騎手（10戦2勝）。12頭立ての1番人気に推されて3番ゲートからスタート。若干遅いペースでレースが進む中、終始3番手を追走。直線ではぐいぐいと終いの脚を伸ばして先頭に躍り出て、最後は2着のライスシャワーに2馬身半の差をつけて2つ目の重賞タイトルを奪取した。

4月25日、中8週で馬体重を前走から10kg減らして迎えた15戦目は、G1の天皇賞（春）（京都芝3200m 外回り晴/良）に出走。鞍上は3戦連続で岡部幸雄騎手（11戦3勝）。15頭立ての3番人気に推されて5番ゲートからスタート。平均ペースでレースが進む中、5番手を追走し、4コーナーは4番手で通過。直線ではパワフルな末脚を披露したが、4着に終わった。

5月29日、中4週で迎えた16戦目は、メイステークス（東京芝2400m 曇/良）に出走。鞍上は4戦連続で岡部幸雄騎手（12戦3勝）。8頭立ての圧倒的1番人気に推されて3番ゲートからスタート。落ち着いたペースでレースが進む中、2番手を追走し、4コーナーは先頭で通過。直線では一歩一歩確実に差を詰めて、最後は2着のエイシンテネシーを半馬身振り切って断然人気に応えた。

7月11日、中5週で迎えた17戦目は、G2の高松宮杯（京都芝2000m 晴/良）に出走。鞍上は5戦連続で岡部幸雄騎手（13戦4勝）。14頭立ての2番人気に推されて8番ゲートからスタート。やや緩いペースでレースが進む中、終始2番手を追走。直線では終いが甘くなり、4着に終わった。

11月14日、約4か月の休養明けで馬体重を前走から10kg増やして迎えた18戦目は、田中勝春騎手を鞍上に迎えて、富士ステークス（東京芝1800m 晴/重）に出走。12頭立ての1番人気に推されて9番ゲートからスタート。少し緩いペースでレースが進む中、8番手を追走していたが、途中で一気に進出して4コーナーを3番手で通過。直線では一完歩ずつ確実に終いの脚を伸ばして先頭をうかがい、最後は2着のスタビライザーをクビ差振り切って久々の実戦を物にした。

11月28日、中1週で迎えた19戦目は、G1のジャパンカップ（東京芝2400m 晴/良）に出走。鞍上は岡部幸雄騎手（14戦4勝）。16頭立ての13番人気で13番ゲートからスタート。ゆったりとしたペースでレースが進む中、終始3番手を追走。最後はバテてしまい15着に終わった。

12月26日、中3週で迎えた20戦目は、柴田善臣騎手を鞍上に迎えて、G1の有馬記念（中山芝2500m 晴/良）に出走。14頭立ての13番人気で8番ゲートからスタート。緩やかなペースでレースが進む中、14番手を追走していたが、徐々に進出して4コーナーを10番手で通過。直線ではキレのある末脚を披露し、4着に入り込んだ。

5歳（1994年）

1月23日、中3週で迎えた21戦目は、G2のアメリカジョッキークラブカップ（中山芝2200m 外回り晴/良）に出走。鞍上は2戦連続で柴田善臣騎手（1戦0勝）。14頭立ての4番人気で9番ゲートからスタート。スローペースでレースが進む中、終始9番手を追走。直線では目の覚めるような末脚を炸裂させて先頭をうかがい、最後は2着のフジヤマケンザンをクビ差振り切って重賞3勝目を挙げた。

3月20日、中7週で迎えた22戦目は、G2の日経賞（中山芝2500m 曇/良）に出走。鞍上は3戦連続で柴田善臣騎手（2戦1勝）。9頭立ての1番人気に推されて4番ゲートからスタート。落ち着いたペースでレースが進む中、9番手を追走していたが、途中で一気に進出して4コーナーを5番手で通過。直線ではゴールまでじわりじわりと伸びたが、3着に終わった。

4月24日、中4週で迎えた23戦目は、G1の天皇賞（春）（阪神芝3200m 曇/稍重）に出走。鞍上は4戦連続で柴田善臣騎手（3戦1勝）。11頭立ての5番人気で7番ゲートからスタート。若干遅いペースでレースが進む中、7番手を追走し、4コーナーは6番手で通過。直線ではピリッとした末脚を使えず最後はステージチャンプと並んで5着同着となった。

5月14日、中2週で迎えた24戦目は、G3の京阪杯（阪神芝2000m 曇/良）に出走。鞍上は武豊騎手（2戦1勝）。14頭立ての2番人気に推されて2番ゲートからスタート。やや遅いペースでレースが進む中、12番手を追走していたが、途中で一気に進出して4コーナーを7番手で通過。直線ではゴールまでジワジワと伸びたが、5着に終わった。

6月12日、中3週で迎えた25戦目は、G1の宝塚記念（阪神芝2200m 小雨/良）に出走。鞍上は柴田善臣騎手（4戦1勝）。14頭立ての9番人気で10番ゲートからスタート。平均的なペースでレースが進む中、13番手を追走していたが、途中で一気に進出して4コーナーを6番手で通過。直線ではいい脚を見せられず9着に終わった。

10月9日、約4か月の休み明けで迎えた26戦目は、G2の毎日王冠（東京芝1800m 晴/良）に出走。鞍上は2戦連続で柴田善臣騎手（5戦1勝）。11頭立ての6番人気で5番ゲートからスタート。若干遅いペースでレースが進む中、9番手を追走し、4コーナーは10番手で通過。直線では上がり1位の末脚を繰り出したが上位には割り込めず5着に敗れた。

10月30日、中2週で迎えた27戦目は、G1の天皇賞（秋）（東京芝2000m 曇/良）に出走。鞍上は3戦連続で柴田善臣騎手（6戦1勝）。13頭立ての7番人気で7番ゲートからスタート。遅いペースでレースが進む中、終始10番手を追走。直線では力感溢れる脚捌きでゴールまで頑張ったが、4着に終わった。

6歳（1995年）

7月9日、約8か月半の休み明けで馬体重を前走から14kg減らして迎えた28戦目は、G2の高松宮杯（中京芝2000m 晴/良）に出走。鞍上は4戦連続で柴田善臣騎手（7戦1勝）。12頭立ての3番人気に推されて2番ゲートからスタート。ややスローペースでレースが進む中、4番手を追走し、4コーナーは5番手で通過。直線ではグングンと末脚を伸ばして先頭を奪い、最後は2着のダンシングサーパスに1馬身の差をつけて4つ目の重賞タイトルを掴み取った。

8月20日、中5週で迎えた29戦目は、G3の函館記念（函館芝2000m 曇/重）に出走。鞍上は5戦連続で柴田善臣騎手（8戦2勝）。16頭立ての1番人気に推されて7番ゲートからスタート。スローペースでレースが進む中、9番手を追走していたが、途中で一気に進出して4コーナーを4番手で通過。直線では伸びを欠き8着に敗れた。

10月29日、中9週で迎えた30戦目は、G1の天皇賞（秋）（東京芝2000m 曇/良）に出走。鞍上は6戦連続で柴田善臣騎手（9戦2勝）。17頭立ての5番人気で14番ゲートからスタート。少し遅いペースでレースが進む中、15番手を追走していたが、途中で一気に進出して4コーナーを8番手で通過。直線では天性の負けん気を発揮してゴールまで力闘したが、6着に終わった。

11月26日、中3週で迎えた31戦目は、G1のジャパンカップ（東京芝2400m 晴/良）に出走。鞍上は7戦連続で柴田善臣騎手（10戦2勝）。14頭立ての11番人気で1番ゲートからスタート。ユッタリとしたペースでレースが進む中、11番手を追走し、4コーナーは10番手で通過。直線では見せ場を作れず12着に終わった。

12月9日、中1週で迎えた32戦目は、ハンデG3のステイヤーズステークス（中山芝3600m 内2周晴/良）に出走。鞍上は8戦連続で柴田善臣騎手（11戦2勝）。9頭立ての3番人気で3番ゲートからスタート。スローペースでレースが進む中、3番手を追走していたが、徐々にポジションが下がり4コーナーを5番手で通過。直線では伸びを欠き7着に敗れた。