キンシャサノキセキ（2003年生、母ケルトシャーン）

キンシャサノキセキ（2003年9月24日）は、オーストラリアで生まれ、日本で調教された競走馬、種牡馬。馬名の意味は「キンシャサの奇跡」。2010年にJRA賞最優秀短距離馬を受賞した。毛色は鹿毛。種牡馬のフジキセキ（当時11歳）と交配したケルトシャーンが10歳のときに産んだ仔が本馬である。戦績は、中央平地31戦12勝2着4回。2010年の高松宮記念(G1)に勝利した他、2011年の高松宮記念(G1)を制するなど、G1級競走2勝を含む重賞7勝を挙げた。

経歴

デビュー前

堀宣行厩舎（美浦）へ入厩。

2歳（2005年）

12月3日、デビュー戦は五十嵐冬樹騎手を鞍上に据えて、2歳新馬（中山芝1200m 外回り曇/良）に出走。馬体重は470kg。12頭立ての1番人気に推されて5番ゲートからスタート。少し緩いペースでレースが進む中、5番手を追走し、4コーナーは4番手で通過。直線では鬼脚を爆発させて先頭に躍り出て、最後は2着のヤクモキャットに2馬身半の差をつけて初勝利を挙げた。

3歳（2006年）

1月5日、中4週で迎えた2戦目は、柴山雄一騎手を鞍上に迎えて、3歳オープンのジュニアカップ（中山芝1600m 外回り晴/良）に出走。12頭立ての5番人気で大外12番ゲートからスタート。ミドルペースでレースが進む中、11番手を追走していたが、徐々に進出して4コーナーを8番手で通過。直線に入ると、前で粘るアドマイヤカリブを次元の違う末脚でハナ差だけ差し切って優勝

2月25日、中6週で迎えた3戦目は、3歳G3のアーリントンカップ（阪神芝1600m 晴/良）に出走。重賞競走への出走及び長時間の輸送競馬は初となった。鞍上は2戦連続で柴山雄一騎手（1戦1勝）。15頭立ての1番人気に推されて14番ゲートからスタート。やや厳しいペースでレースが進む中、8番手を追走していたが、徐々に進出して、馬場の大外を通りながら4コーナーを5番手で通過。直線では伸びを欠き6着に敗れた。

4月2日、中4週で迎えた4戦目は、武豊騎手を鞍上に迎えて、3歳オープンのマーガレットステークス（阪神芝1400m 雨/重）に出走。11頭立ての圧倒的1番人気に推されて4番ゲートからスタート。壮絶なハイペースでレースが進む中、7番手を追走していたが、徐々に進出して4コーナーを4番手で通過。直線ではパワフルな末脚を繰り出したが、4着に終わった。

5月7日、中4週で迎えた5戦目は、安藤勝己騎手を鞍上に迎えて、3歳G1のNHKマイルカップ（東京芝1600m 雨/良）に出走。G1級競走への出走は初となった。18頭立ての6番人気で15番ゲートからスタート。やや速いペースでレースが進む中、9番手を追走し、4コーナーは8番手で通過。直線ではキレのある末脚を発揮し、3着に入った。

10月7日、約5か月の休養明けで迎えた6戦目は、3歳以上1600万下のアイルランドトロフィー（東京芝1600m 晴/稍重）に出走。鞍上は2戦連続で安藤勝己騎手（1戦0勝）。16頭立ての1番人気に推されて4番ゲートからスタート。平均ペースでレースが進む中、5番手を追走し、4コーナーは6番手で通過。直線ではジワジワと長く脚を使ってゴールまで走り切ったが、4着に終わった。

11月5日、中3週で迎えた7戦目は、3歳以上1600万下の桂川ステークス（京都芝1400m 外回り晴/良）に出走。鞍上は3戦連続で安藤勝己騎手（2戦0勝）。15頭立ての1番人気に推されて3番ゲートからスタート。緩いペースでレースが進む中、6番手を追走し、4コーナーは5番手で通過。直線では別次元の末脚を炸裂させて楽々と抜け出し、最後は2着のスピニングノアールに3馬身の差をつけて勝利をモノにする

11月19日、中1週で迎えた8戦目は、秋山真一郎騎手を鞍上に迎えて、G1のマイルチャンピオンシップ（京都芝1600m 外回り小雨/良）に出走。18頭立ての5番人気で14番ゲートからスタート。やや速いペースでレースが進む中、終始5番手を追走。直線では天性の負けじ魂を発揮してゴールまで力闘したが、5着に終わった。

4歳（2007年）

1月6日、中6週で馬体重を前走から10kg増やして迎えた9戦目は、ハンデG3の京都金杯（京都芝1600m 外回り晴/稍重）に出走。鞍上は安藤勝己騎手（3戦1勝）。16頭立ての1番人気に推されて14番ゲートからスタート。ミドルペースでレースが進む中、終始5番手を追走。直線では末脚に勢いがなく6着に敗れた。

2月25日、中6週で迎えた10戦目は、O.ペリエ騎手を鞍上に迎えて、G3の阪急杯（阪神芝1400m 晴/良）に出走。16頭立ての1番人気に推されて7番ゲートからスタート。些か速いペースでレースが進む中、終始9番手を追走。直線では力強い脚捌きでゴールまで頑張ったが、4着に終わった。

4月29日、中8週で迎えた11戦目は、藤田伸二騎手を鞍上に迎えて、谷川岳ステークス（新潟芝1400m 晴/良）に出走。16頭立ての1番人気に推されて3番ゲートからスタート。ミドルペースでレースが進む中、終始2番手を追走。直線では一歩一歩着実に差を詰めて先頭に立ち、最後は2着のペールギュントを3/4馬身振り切って下馬評通りの実力を証明した。

9月9日、約4か月半の休養明けで迎えた12戦目は、G2のセントウルステークス（阪神芝1200m 晴/良）に出走。鞍上は2戦連続で藤田伸二騎手（1戦1勝）。16頭立ての1番人気に推されて11番ゲートからスタート。やや速いペースでレースが進む中、終始7番手を追走。直線ではじわじわと長く脚を使ってゴールまで力戦したが、3着に終わった。

11月23日、約2か月半の間隔を開けて迎えた13戦目は、キャピタルステークス（東京芝1600m 晴/良）に出走。鞍上は3戦連続で藤田伸二騎手（2戦1勝）。18頭立ての2番人気に推されて大外18番ゲートからスタート。平均的なペースでレースが進む中、4番手を追走し、4コーナーは3番手で通過。直線では息長く末脚を伸ばして先頭に立ち、最後は2着のエアシェイディを3/4馬身振り切って5勝目を獲得した。

5歳（2008年）

1月5日、中5週で迎えた14戦目は、ハンデG3の京都金杯（京都芝1600m 外回り晴/良）に出走。鞍上は4戦連続で藤田伸二騎手（3戦2勝）。16頭立ての2番人気に推されて8番ゲートからスタート。平均的なペースでレースが進む中、終始2番手を追走。最後は脚色が悪くなり10着に敗れた。

3月2日、中7週で迎えた15戦目は、G3の阪急杯（阪神芝1400m 晴/良）に出走。鞍上は安藤勝己騎手（4戦1勝）。16頭立ての2番人気に推されて10番ゲートからスタート。ミドルペースでレースが進む中、11番手を追走していたが、道中でジワリジワリとポジションを押し上げて4コーナーを9番手で通過。直線では他馬と同じ脚勢になってしまい5着に終わった。

3月30日、中3週で迎えた16戦目は、岩田康誠騎手を鞍上に迎えて、G1の高松宮記念（中京芝1200m 小雨/良）に出走。18頭立ての5番人気で10番ゲートからスタート。平均ペースでレースが進む中、終始4番手を追走。直線では持ち前のタフネスで最後まで脚を伸ばしたが、伸びてきたファイングレイン決め手に屈してクビ差の2着に惜敗した。

7月6日、約3か月半の休み明けで迎えた17戦目は、G3の函館スプリントステークス（函館芝1200m 晴/良）に出走。鞍上は2戦連続で岩田康誠騎手（1戦0勝）。16頭立ての1番人気に推されて6番ゲートからスタート。少し速いペースでレースが進む中、終始3番手を追走。直線では一完歩ずつ着実に終いの脚を伸ばして先頭に立ち、最後は2着のトウショウカレッジをクビ差振り切って悲願の重賞初制覇を果たした。

8月31日、中7週で迎えた18戦目は、G3のキーンランドカップ（札幌芝1200m 晴/良）に出走。鞍上は3戦連続で岩田康誠騎手（2戦1勝）。16頭立ての1番人気に推されて2番ゲートからスタート。平均的なペースでレースが進む中、8番手を追走し、4コーナーは9番手で通過。直線では切れ味のいい末脚を披露したが、3着に終わった。

10月5日、中4週で迎えた19戦目は、G1のスプリンターズステークス（中山芝1200m 外回り曇/良）に出走。鞍上は4戦連続で岩田康誠騎手（3戦1勝）。16頭立ての2番人気に推されて15番ゲートからスタート。平均ペースでレースが進む中、終始7番手を追走。直線では忍耐力が光る走りを見せたが、勝ったスリープレスナイトに詰め切れず、1馬身1/4差の2着に敗北した。

6歳（2009年）

3月7日、約5か月の休み明けで馬体重を前走から10kg増やして迎えた20戦目は、G3のオーシャンステークス（中山芝1200m 外回り晴/稍重）に出走。鞍上は5戦連続で岩田康誠騎手（4戦1勝）。16頭立ての1番人気に推されて9番ゲートからスタート。緩みのないペースでレースが進む中、終始2番手を追走。最後は脚が止まってしまい10着に敗れた。

3月29日、中2週で迎えた21戦目は、G1の高松宮記念（中京芝1200m 晴/良）に出走。鞍上は6戦連続で岩田康誠騎手（5戦1勝）。18頭立ての5番人気で9番ゲートからスタート。ややハイペースでレースが進む中、3番手を追走し、4コーナーは2番手で通過。最後は脚勢が鈍り10着に敗れた。

10月4日、約6か月半の休養明けで迎えた22戦目は、三浦皇成騎手を鞍上に迎えて、G1のスプリンターズステークス（中山芝1200m 外回り晴/良）に出走。16頭立ての4番人気に推されて4番ゲートからスタート。些か速いペースでレースが進む中、5番手を追走していたが、途中でジワリジワリとポジションが下がり4コーナーを7番手で通過。直線ではいい脚を見せられず12着に敗れた。

10月31日、中3週で迎えた23戦目は、C.スミヨン騎手を鞍上に迎えて、G2のスワンステークス（京都芝1400m 外回り晴/良）に出走。18頭立ての4番人気に推されて12番ゲートからスタート。ややスローペースでレースが進む中、4番手を追走し、4コーナーは3番手で通過。直線では一完歩ずつ確実に終いの脚を伸ばして先頭をうかがい、最後は2着のアーリーロブストをクビ差振り切って2つ目の重賞タイトルをつかんだ。

12月20日、中6週で迎えた24戦目は、M.デムーロ騎手を鞍上に迎えて、G2の阪神カップ（阪神芝1400m 晴/良）に出走。18頭立ての1番人気に推されて2番ゲートからスタート。ややハイペースでレースが進む中、16番手を追走していたが、徐々に進出して4コーナーを11番手で通過。直線では鮮烈な末脚を爆発させて先頭を奪い、最後は2着のプレミアムボックスに1馬身の差をつけて3つ目の重賞タイトルを掴み取った。

7歳（2010年）

3月6日、約2か月半の間隔を開けて迎えた25戦目は、四位洋文騎手を鞍上に迎えて、G3のオーシャンステークス（中山芝1200m 外回り雨/重）に出走。16頭立ての2番人気に推されて3番ゲートからスタート。忙しいペースでレースが進む中、9番手を追走していたが、徐々に進出して4コーナーを5番手で通過。直線ではきっちりと末脚を伸ばして先頭をうかがい、最後は2着のエーシンエフダンズをクビ差振り切って3連勝で4つ目の重賞タイトルを手にした。

3月28日、中2週で迎えた26戦目は、G1の高松宮記念（中京芝1200m 曇/良）に出走。鞍上は2戦連続で四位洋文騎手（1戦1勝）。18頭立ての1番人気に推されて6番ゲートからスタート。やや速いペースでレースが進む中、7番手を追走し、4コーナーは6番手で通過。直線では一歩一歩着実に差を詰めて先頭をうかがい、最後は2着のビービーガルダンをハナ差振り切って上半期スプリント王の称号を奪取した。

10月3日、約6か月半の休養明けで迎えた27戦目は、G1のスプリンターズステークス（中山芝1200m 外回り晴/良）に出走。鞍上は3戦連続で四位洋文騎手（2戦2勝）。16頭立ての3番人気に推されて14番ゲートからスタート。やや厳しいペースでレースが進む中、9番手を追走していたが、道中でジワリジワリとポジションを押し上げて、馬場の大外を通りながら4コーナーを6番手で通過。直線では力強いフットワークでゴールまで頑張ったが、2着となった。

11月21日、中6週で迎えた28戦目は、R.ムーア騎手を鞍上に迎えて、G1のマイルチャンピオンシップ（京都芝1600m 外回り晴/良）に出走。18頭立ての3番人気に推されて17番ゲートからスタート。ミドルペースでレースが進む中、8番手を追走していたが、途中でジワリジワリとポジションが下がり4コーナーを10番手で通過。直線では伸びが劣勢になり13着に敗れた。

12月18日、中3週で迎えた29戦目は、G2の阪神カップ（阪神芝1400m 晴/良）に出走。鞍上はC.スミヨン騎手（1戦1勝）。17頭立ての2番人気に推されて14番ゲートからスタート。平均ペースでレースが進む中、終始4番手を追走。直線に入ると、前で粘るレッドスパーダをクビ差だけ差し切って連覇達成

8歳（2011年）

3月5日、約2か月半の間隔を開けて迎えた30戦目は、U.リスポリ騎手を鞍上に迎えて、G3のオーシャンステークス（中山芝1200m 外回り晴/良）に59kgの斤量を背負って出走。16頭立ての2番人気に推されて10番ゲートからスタート。平均ペースでレースが進む中、15番手を追走していたが、徐々に進出して4コーナーを11番手で通過。直線ではものすごい伸び脚で急追したが、抜け出したダッシャーゴーゴーに3/4馬身届かず2着に敗北した。

3月27日、中2週で馬体重を前走から10kg減らして迎えた31戦目は、G1の高松宮記念（阪神芝1200m 晴/良）に出走。鞍上は2戦連続でU.リスポリ騎手（1戦0勝）。16頭立ての3番人気に推されて4番ゲートからスタート。少し速いペースでレースが進む中、4番手を追走し、4コーナーは3番手で通過。直線で前を交わして先頭に立つと、不屈のガッツで渋太く末脚を持続させて、最後は2着のサンカルロに1馬身1/4の差をつけて上半期スプリント王の座に輝いた。