ウイングアロー（1995年生、母サンヨウアロー）

ウイングアロー（1995年3月25日）は、日本の競走馬、種牡馬。1998年にJRA賞最優秀ダートホース、2000年にJRA賞最優秀ダートホースを受賞した。毛色は鹿毛。種牡馬のアサティス（当時10歳）と交配したサンヨウアローが8歳のときに産んだ初仔が本馬である。産地は北海道静内郡静内町、生産者は（有）フジワラ・ファーム。戦績は、中央平地17戦5勝2着4回、地方13戦6勝2着3回。2000年のジャパンカップダート(G1)に勝利した他、2000年のフェブラリーステークス(G1)を制するなど、G1級競走2勝を含む重賞8勝を挙げた。

経歴

デビュー前

工藤嘉見厩舎（栗東）へ入厩。

3歳（1998年）

1月10日、デビュー戦は菊沢隆仁騎手を鞍上に据えて、4歳新馬（京都ダート1200m 晴/重）に出走。馬体重は446kg。16頭立ての5番人気で9番ゲートからスタート。ミドルペースでレースが進む中、終始10番手を追走。直線では稲妻のようなを繰り出し、3着に入った。

1月24日、中1週で迎えた2戦目は、4歳新馬（京都ダート1800m 晴/良）に出走。鞍上は2戦連続で菊沢隆仁騎手（1戦0勝）。12頭立ての1番人気に推されて7番ゲートからスタート。やや遅いペースでレースが進む中、5番手を追走していたが、道中でジワリジワリとポジションを押し上げて4コーナーを3番手で通過。直線では矢のような伸び脚で追い上げたが、勝ったダンシングチアズに詰め切れず、2馬身半差の2着に敗北した。

2月18日、中3週で迎えた3戦目は、3歳戦の名古屋チャレンジカップマンゴー賞（名古屋ダート1400m 晴/良）に出走。鞍上は3戦連続で菊沢隆仁騎手（2戦0勝）。12頭立ての1番人気に推されて7番ゲートからスタート。最後は、2着のマスコットドーターに7馬身の差をつけて初勝利を挙げた。

3月7日、中1週で迎えた4戦目は、4歳500万下の沈丁花賞（中京ダート1700m 晴/稍重）に出走。鞍上は4戦連続で菊沢隆仁騎手（3戦1勝）。16頭立ての2番人気に推されて9番ゲートからスタート。ゆったりとしたペースでレースが進む中、9番手を追走していたが、道中でジワリジワリとポジションを押し上げて4コーナーを7番手で通過。直線では力感溢れる脚捌きでゴールまで走り切ったが、5着に終わった。

4月11日、中4週で迎えた5戦目は、南井克巳騎手を鞍上に迎えて、4歳500万下（阪神ダート1800m 晴/良）に出走。10頭立ての1番人気に推されて1番ゲートからスタート。平均的なペースでレースが進む中、3番手を追走していたが、途中でズルズルとポジションが下がり、4コーナーを6番手で通過。直線に入ると、前で粘るシロキタルーブルを次元の違う末脚で交わし去り、最後は3馬身半の差をつけて2勝目を獲得した。

5月3日、中2週で迎えた6戦目は、3歳オープンの端午ステークス（京都ダート1800m 曇/稍重）に出走。鞍上は2戦連続で南井克巳騎手（1戦1勝）。15頭立ての4番人気で11番ゲートからスタート。遅いペースでレースが進む中、10番手を追走していたが、途中でジワリジワリとポジションが下がり4コーナーを12番手で通過。直線では力強いフットワークでゴールまで頑張り、3着に入った。

5月16日、中1週で迎えた7戦目は、3歳オープンのプリンシパルステークス（東京芝2200m 晴/良）に出走。芝レースへの出走及び長時間の輸送競馬は初となった。鞍上は3戦連続で南井克巳騎手（2戦1勝）。16頭立ての10番人気で8番ゲートからスタート。かなり緩いペースでレースが進む中、終始13番手を追走。直線ではジワジワとしか伸びず13着に終わった。

6月14日、中3週で迎えた8戦目は、3歳オープンの菖蒲ステークス（東京ダート1600m 雨/不良）に出走。長時間の輸送競馬は初となった。鞍上は4戦連続で南井克巳騎手（3戦1勝）。15頭立ての9番人気で4番ゲートからスタート。少し遅いペースでレースが進む中、15番手を追走していたが、道中でジワリジワリとポジションを押し上げて、馬場の外目を通りながら4コーナーを13番手で通過。直線では次元の違う末脚を炸裂させて前にいた12頭をごぼう抜きし、最後は2着のロバノパンヤに2馬身の差をつけて勝利をモノにする

7月1日、中1週で迎えた9戦目は、3歳G3の名古屋優駿（名古屋ダート1900m 曇/良）に出走。重賞競走への出走は初となった。鞍上は5戦連続で南井克巳騎手（4戦2勝）。12頭立ての2番人気に推されて大外12番ゲートからスタート。最後は、2着のシャインポイントに1馬身半の差をつけて重賞初挑戦初制覇を達成した。

7月22日、中2週で迎えた10戦目は、3歳G3のグランシャリオカップ（旭川ダート1600m 晴/良）に出走。鞍上は6戦連続で南井克巳騎手（5戦3勝）。14頭立ての1番人気に推されて5番ゲートからスタート。最後は、2着のトウショウコナンに4馬身の差をつけて3連勝で2つ目の重賞タイトルを手中に収めた。

10月3日、中9週で迎えた11戦目は、3歳G3のユニコーンステークス（中山ダート1800m 晴/良）に出走。鞍上は7戦連続で南井克巳騎手（6戦4勝）。11頭立ての1番人気に推されて5番ゲートからスタート。やや遅いペースでレースが進む中、7番手を追走していたが、徐々に進出して、馬場の外目を通りながら4コーナーを4番手で通過。直線では次元の違う末脚を炸裂させて先頭に立ち、最後は2着のロバノパンヤに2馬身半の差をつけて4連勝で3つ目の重賞タイトルをゲットした。

10月30日、中3週で迎えた12戦目は、3歳G2のスーパーダートダービー（大井ダート2000m 曇/良）に出走。鞍上は8戦連続で南井克巳騎手（7戦5勝）。11頭立ての1番人気に推されて7番ゲートからスタート。ユッタリとしたペースでレースが進む中、7番手を追走していたが、途中で一気に進出して4コーナーを3番手で通過。直線に入ると、前で粘るナナヨーウォリアーを次元の違う末脚で交わし去り、最後は2馬身半の差をつけて5連勝で4つ目の重賞タイトルを手中に収めた。

12月14日、中5週で迎えた13戦目は、武豊騎手を鞍上に迎えて、3歳G1のダービーグランプリ（水沢ダート2000m 曇/不良）に出走。G1級競走への出走は初となった。10頭立ての1番人気に推されて5番ゲートからスタート。最後は、勝ったナリタホマレから3/4馬身差の2着に敗北した。

4歳（1999年）

4月17日、約4か月の休み明けで馬体重を前走から10kg増やして迎えた14戦目は、G3のプロキオンステークス（阪神ダート1400m 曇/良）に出走。鞍上は菊沢隆仁騎手（4戦1勝）。16頭立ての10番人気で12番ゲートからスタート。少々速いペースでレースが進む中、15番手を追走し、4コーナーは16番手で通過。直線では非凡な末脚を披露し、3着に入り込んだ。

10月11日、約6か月の休み明けで迎えた15戦目は、G1の南部杯（盛岡ダート1600m 曇/良）に出走。鞍上は2戦連続で菊沢隆仁騎手（5戦1勝）。12頭立ての3番人気に推されて1番ゲートからスタート。3着に終わった。

11月20日、中5週で馬体重を前走から12kg増やして迎えた16戦目は、ハンデ戦でオープンのトパーズステークス（京都ダート1800m 晴/良）に出走。鞍上は3戦連続で菊沢隆仁騎手（6戦1勝）。9頭立ての3番人気で6番ゲートからスタート。かなり遅いペースでレースが進む中、終始6番手を追走。直線ではゴールまでジンワリと伸びたが、3着に終わった。

12月5日、中1週で迎えた17戦目は、G2の東海ウインターステークス（小倉ダート2400m 曇/良）に出走。鞍上は4戦連続で菊沢隆仁騎手（7戦1勝）。12頭立ての1番人気に推されて1番ゲートからスタート。ユッタリとしたペースでレースが進む中、10番手を追走していたが、途中で一気に進出して4コーナーを2番手で通過。直線では鮮やかな伸び脚で追い上げたが、勝ったマイターンに詰め切れず、1馬身半差の2着に敗北した。

12月15日、中0週で迎えた18戦目は、G2の浦和記念（浦和ダート2000m 晴/良）に出走。鞍上は5戦連続で菊沢隆仁騎手（8戦1勝）。9頭立ての2番人気に推されて5番ゲートからスタート。でレースが進む中、4番手を追走し、4コーナーは3番手で通過。直線では持ち前の優れたスタミナでしぶとく走り抜いたが、抜け出したインテリパワーを捕まえ切れず、半馬身差の2着に敗北した。

5歳（2000年）

1月23日、中5週で馬体重を前走から14kg増やして迎えた19戦目は、河内洋騎手を鞍上に迎えて、G3の平安ステークス（京都ダート1800m 雨/不良）に出走。16頭立ての3番人気に推されて5番ゲートからスタート。落ち着いたペースでレースが進む中、15番手を追走していたが、道中でジワリジワリとポジションを押し上げて4コーナーを13番手で通過。直線では強靭な末脚を披露したが、5着に終わった。

2月20日、中3週で馬体重を前走から18kg絞って迎えた20戦目は、O.ペリエ騎手を鞍上に迎えて、G1のフェブラリーステークス（東京ダート1600m 曇/良）に出走。16頭立ての4番人気に推されて14番ゲートからスタート。ミドルペースでレースが進む中、終始16番手を追走。直線では強烈な末脚を炸裂させて先頭をうかがい、最後は2着のゴールドティアラを半馬身振り切ってダートマイル王の座を掴み取った。

6月22日、約4か月の休み明けで迎えた21戦目は、G1の帝王賞GI（大井ダート2000m 雨/良）に出走。鞍上は武豊騎手（1戦0勝）。16頭立ての3番人気に推されて大外16番ゲートからスタート。若干緩いペースでレースが進む中、16番手を追走していたが、途中で一気に進出して4コーナーを10番手で通過。直線では天稟の負けじ魂を発揮してゴールまで力走したが、5着に終わった。

8月15日、中7週で迎えた22戦目は、岡部幸雄騎手を鞍上に迎えて、G2のブリーダーズゴールドカップ（旭川ダート2300m 雨/稍重）に出走。13頭立ての1番人気に推されて2番ゲートからスタート。最後は、2着のナリタホマレに2馬身の差をつけて6つ目の重賞タイトルをゲットした。

10月9日、中7週で迎えた23戦目は、G1のマイルチャンピオンシップ南部杯（盛岡ダート1600m 曇/良）に出走。鞍上は2戦連続で岡部幸雄騎手（1戦1勝）。14頭立ての4番人気で12番ゲートからスタート。でレースが進む中、終始9番手を追走。直線では印象的な伸び脚で追い上げたが、勝ったゴールドティアラに詰め切れず、4馬身差の2着となった。

11月25日、中6週で迎えた24戦目は、G1のジャパンカップダート（東京ダート2100m 晴/良）に出走。鞍上は3戦連続で岡部幸雄騎手（2戦1勝）。15頭立ての4番人気で6番ゲートからスタート。ややスローペースでレースが進む中、10番手を追走していたが、途中で一気に進出して4コーナーを3番手で通過。直線では次元の違う末脚を炸裂させてすんなりと抜け出し、最後は2着のサンフォードシチーに3馬身半の差をつけて2つ目のG1タイトルを掴み取った。

6歳（2001年）

2月18日、約3か月の間隔を開けて迎えた25戦目は、G1のフェブラリーステークス（東京ダート1600m 晴/良）に出走。鞍上は4戦連続で岡部幸雄騎手（3戦2勝）。16頭立ての2番人気に推されて6番ゲートからスタート。やや緩いペースでレースが進む中、13番手を追走し、4コーナーは12番手で通過。直線では迫力十分の伸び脚で追い上げたが、抜け出したノボトゥルーを差し切れず、1馬身1/4差の2着に敗北した。

8月16日、約6か月の休養明けで迎えた26戦目は、G2のブリーダーズゴールドカップ（旭川ダート2300m 晴/良）に出走。鞍上は5戦連続で岡部幸雄騎手（4戦2勝）。10頭立ての1番人気に推されて6番ゲートからスタート。最後は、2着のハギノハイグレイドに3馬身の差をつけて重賞8勝目をマークした。

10月8日、中7週で迎えた27戦目は、G1のマイルチャンピオンシップ南部杯（盛岡ダート1600m 曇/良）に出走。鞍上は6戦連続で岡部幸雄騎手（5戦3勝）。9頭立ての2番人気に推されて6番ゲートからスタート。でレースが進む中、7番手を追走し、4コーナーは6番手で通過。直線では鋭い末脚を繰り出せず5着に敗れた。

11月24日、中6週で迎えた28戦目は、横山典弘騎手を鞍上に迎えて、G1のジャパンカップダート（東京ダート2100m 晴/良）に出走。16頭立ての3番人気に推されて8番ゲートからスタート。遅いペースでレースが進む中、12番手を追走していたが、徐々に進出して4コーナーを8番手で通過。直線では見事な伸び脚で急追したが、勝ったクロフネに詰め切れず、7馬身差の2着に敗北した。

12月29日、中4週で迎えた29戦目は、G1の東京大賞典（大井ダート2000m 曇/良）に出走。鞍上は2戦連続で横山典弘騎手（1戦0勝）。16頭立ての1番人気に推されて15番ゲートからスタート。かなり緩いペースでレースが進む中、14番手を追走し、4コーナーは15番手で通過。直線ではジワジワとしか伸びず10着に敗れた。

7歳（2002年）

2月17日、中6週で迎えた30戦目は、G1のフェブラリーステークス（東京ダート1600m 曇/良）に出走。鞍上は岡部幸雄騎手（6戦3勝）。16頭立ての5番人気で7番ゲートからスタート。平均的なペースでレースが進む中、終始13番手を追走。直線では上がり4位の伸び脚を披露したが上位には割り込めず9着に敗れた。