ジェンティルドンナ（2009年生、母ドナブリーニ）

ジェンティルドンナ（2009年2月20日）は、日本の競走馬、繁殖牝馬。馬名の意味は「貴婦人（伊）」。2012年にJRA賞年度代表馬及び最優秀3歳牝馬、2013年にJRA賞最優秀4歳以上牝馬、2014年にJRA賞年度代表馬及び最優秀4歳以上牝馬を受賞、2016年にはJRA顕彰馬に選出された。毛色は鹿毛。種牡馬のディープインパクト（当時7歳）と交配したドナブリーニが7歳のときに産んだ仔が本馬である。産地は北海道安平町、生産者はノーザンファーム。戦績は、中央平地17戦9勝2着3回、海外2戦1勝。2012年に桜花賞、オークス（優駿牝馬）及び秋華賞を制して中央競馬3歳牝馬三冠を達成するなど、G1級競走7勝を含む重賞9勝を挙げた。

経歴

デビュー前

サンデーサラブレッドクラブにて総額3,400万円（85万×40口）で一口馬主が募集された。

石坂正厩舎（栗東）へ入厩。

2歳（2011年）

11月19日、デビュー戦はM.デムーロ騎手を鞍上に据えて、2歳新馬（京都芝1600m 雨/不良）に出走。馬体重は474kg。17頭立ての1番人気に推されて9番ゲートからスタート。スローペースでレースが進む中、9番手を追走し、4コーナーは、大外に持ち出して8番手で通過。直線では迫力満点の伸び脚で追い上げたが、勝ったエーシンフルマークに詰め切れず、2馬身半差の2着に敗北した。

12月10日、中2週で迎えた2戦目は、I.メンディザバル騎手を鞍上に迎えて、2歳未勝利（阪神芝1600m 外回り晴/良）に出走。18頭立ての圧倒的1番人気に推されて16番ゲートからスタート。やや遅いペースでレースが進む中、3番手を追走し、4コーナーは4番手で通過。直線では別次元の末脚を弾けさせて突き抜け、最後は2着のヤマニンカヴァリエに3馬身半の差をつけて未勝利戦を制した。

3歳（2012年）

1月8日、中3週で迎えた3戦目は、C.ルメール騎手を鞍上に迎えて、3歳G3のシンザン記念（京都芝1600m 外回り曇/良）に出走。重賞競走への出走は初となった。15頭立ての2番人気に推されて7番ゲートからスタート。やや遅いペースでレースが進む中、3番手を追走し、4コーナーは4番手で通過。直線では目の覚めるような末脚を弾けさせて先頭を奪い、最後は2着のマイネルアトラクトに1馬身1/4の差をつけて重賞初挑戦初制覇を果たした。

3月3日、中7週で迎えた4戦目は、岩田康誠騎手を鞍上に迎えて、牝馬限定3歳G3のチューリップ賞（阪神芝1600m 外回り晴/良）に出走。14頭立ての2番人気に推されて1番ゲートからスタート。若干遅いペースでレースが進む中、終始8番手を追走。直線では力感溢れる脚運びでゴールまで頑張ったが、4着に終わった。

4月8日、中4週で迎えた5戦目は、牝馬限定3歳G1の桜花賞（阪神芝1600m 外回り晴/良）に出走。G1級競走への出走は初となった。鞍上は2戦連続で岩田康誠騎手（1戦0勝）。18頭立ての2番人気に推されて10番ゲートからスタート。平均的なペースでレースが進む中、終始10番手を追走。直線では猛烈な末脚を爆発させて先頭をうかがい、最後は2着のヴィルシーナを半馬身振り切って桜の女王の座に輝いた。

5月20日、中5週で迎えた6戦目は、川田将雅騎手を鞍上に迎えて、牝馬限定3歳G1のオークス（優駿牝馬）（東京芝2400m 晴/良）に出走。長時間の輸送競馬は初となった。18頭立ての3番人気に推されて14番ゲートからスタート。やや遅いペースでレースが進む中、14番手を追走し、4コーナーは15番手で通過。直線では次元の違う末脚を炸裂させて前にいた14頭をごぼう抜きし、最後は2着のヴィルシーナに5馬身の差をつけて樫の女王の称号を射止めた。

9月16日、約4か月の休み明けで馬体重を前走から12kg増やして迎えた7戦目は、牝馬限定3歳G2のローズステークス（阪神芝1800m 外回り晴/良）に出走。鞍上は岩田康誠騎手（2戦1勝）。10頭立ての圧倒的1番人気に推されて6番ゲートからスタート。遅いペースでレースが進む中、終始2番手を追走。直線ではきちんと末脚を伸ばして先頭を奪い、最後は2着のヴィルシーナに1馬身半の差をつけて3連勝で4つ目の重賞タイトルを獲得した。

10月14日、中3週で迎えた8戦目は、牝馬限定3歳G1の秋華賞（京都芝2000m 曇/良）に出走。鞍上は2戦連続で岩田康誠騎手（3戦2勝）。18頭立ての圧倒的1番人気に推されて14番ゲートからスタート。落ち着いたペースでレースが進む中、終始9番手を追走。直線では圧倒的な末脚を爆発させて先頭をうかがい、最後は2着のヴィルシーナをハナ差振り切って牝馬三冠を成し遂げた。

11月25日、中5週で馬体重を前走から14kg減らして迎えた9戦目は、G1のジャパンカップ（東京芝2400m 晴/良）に出走。鞍上は3戦連続で岩田康誠騎手（4戦3勝）。17頭立ての3番人気に推されて15番ゲートからスタート。非常に緩いペースでレースが進む中、2番手を追走していたが、徐々にポジションが下がり4コーナーを6番手で通過。直線では次元の違う末脚を爆発させて先頭をうかがい、最後は2着のオルフェーヴルをハナ差振り切って最強馬の称号を勝ち取った。

4歳（2013年）

3月30日、G1のドバイシーマクラシック（アラブ首長国連邦・メイダン芝2410m）に出走。鞍上は4戦連続で岩田康誠騎手（5戦4勝）。11頭立ての1番人気に推されて8番ゲートからスタート。最後は、勝ったSt Nicholas Abbeyから2馬身1/4差の2着に敗北した。

6月23日、約3か月の間隔を開けて迎えた11戦目は、G1の宝塚記念（阪神芝2200m 曇/良）に出走。鞍上は5戦連続で岩田康誠騎手（6戦4勝）。11頭立ての1番人気に推されて大外11番ゲートからスタート。平均的なペースでレースが進む中、終始3番手を追走。直線では力感溢れる脚運びでゴールまで頑張ったが、3着に終わった。

10月27日、約4か月の休養明けで迎えた12戦目は、G1の天皇賞（秋）（東京芝2000m 晴/良）に出走。鞍上は6戦連続で岩田康誠騎手（7戦4勝）。17頭立ての1番人気に推されて9番ゲートからスタート。やや厳しいペースでレースが進む中、終始2番手を追走。直線ではビュッとキレる脚で猛進したが、勝ったジャスタウェイにねじ伏せられて4馬身差の2着に敗北した。

11月24日、中3週で迎えた13戦目は、R.ムーア騎手を鞍上に迎えて、G1のジャパンカップ（東京芝2400m 晴/良）に出走。17頭立ての1番人気に推されて7番ゲートからスタート。緩やかなペースでレースが進む中、3番手を追走し、4コーナーは4番手で通過。直線では総身の力で末脚を持続させて先頭に立ち、最後は2着のデニムアンドルビーをハナ差振り切って5つ目のG1タイトルをつかんだ。

5歳（2014年）

2月16日、約3か月の間隔を開けて迎えた14戦目は、福永祐一騎手を鞍上に迎えて、G2の京都記念（京都芝2200m 外回り晴/稍重）に出走。12頭立ての圧倒的1番人気に推されて3番ゲートからスタート。かなり緩いペースでレースが進む中、3番手を追走し、4コーナーは2番手で通過。直線では脚が残っておらず6着に敗れた。

3月29日、G1のドバイシーマクラシック（アラブ首長国連邦・メイダン芝2410m）に出走。鞍上はR.ムーア騎手（1戦1勝）。15頭立ての2番人気に推されて12番ゲートからスタート。最後は、2着のシリュスデゼーグルに1馬身半の差をつけて6つ目のG1タイトルをゲットした。

6月29日、約3か月の休み明けで迎えた16戦目は、G1の宝塚記念（阪神芝2200m 曇/良）に出走。鞍上は川田将雅騎手（1戦1勝）。12頭立ての3番人気に推されて6番ゲートからスタート。若干遅いペースでレースが進む中、5番手を追走し、4コーナーは6番手で通過。直線では末脚にキレが無く9着に敗れた。

11月2日、約4か月の休養明けで迎えた17戦目は、戸崎圭太騎手を鞍上に迎えて、G1の天皇賞（秋）（東京芝2000m 晴/良）に出走。18頭立ての2番人気に推されて1番ゲートからスタート。スローペースでレースが進む中、終始3番手を追走。直線では持ち前のタフネスで根気強く脚を伸ばしたが、伸びてきたスピルバーグ決め手に屈して3/4馬身差の2着に敗北した。

11月30日、中3週で迎えた18戦目は、G1のジャパンカップ（東京芝2400m 晴/良）に出走。鞍上はR.ムーア騎手（2戦2勝）。18頭立ての1番人気に推されて3番ゲートからスタート。少し緩いペースでレースが進む中、7番手を追走していたが、道中でジワリジワリとポジションを押し上げて4コーナーを5番手で通過。直線ではじわりじわりと長く脚を使ってゴールまで頑張ったが、4着に終わった。

12月28日、中3週で迎えた19戦目は、G1の有馬記念（中山芝2500m 晴/良）に出走。鞍上は戸崎圭太騎手（1戦0勝）。16頭立ての4番人気に推されて4番ゲートからスタート。かなり緩いペースでレースが進む中、3番手を追走し、4コーナーは2番手で通過。直線では少しずつ前との差を詰めて先頭に立ち、最後は2着のトゥザワールドを3/4馬身振り切ってグランプリホースの称号を奪取した。